良かった、ギリ間に合った!
皆さん、今年は悔いなく過ごせましたか? 筆者は、まぁそこそこといった感じです。ゴジバトやったりデュエプレやったり、デイリーでメメモリとブルアカ熟しつつイベント進めたりと、そんな感じでした。
今回は前回と違い、全編ギャグ回になっております!
やりたい事かなり詰め込んだので、また文字が膨大な事になってますが、ゆっくり見ていってください!
また、今回も独自設定が割と入ってます。『ティーパーティー』に休みがあるのか知りませんが、モチーフ的に休養日は大事にしてそうだなと思ったので、独断と偏見で入れました。
また『キヴォトス』に今回のようなイベントあるのかわかりませんが、『モモフレンズ』もファンが一定数以上いるメジャーなものと考えれば、あっても不思議じゃないのかなと。
あと、『モモフレンズ』のキャラって性別ありましたっけ? イマイチ覚えてなくてすみません。知ってる人いたら教えてください。必要なら修正しておきます。
また、少しデリケートな『ブラックマーケット』関連の話も少し出ます。『主人公設定』の『交友関係』の項目のヒフミの欄にもサラッと書いてたんですけど、それ関係の話です。ホントに少ししか出ないので、詳細はまた別の話、具体的には次章までお待ち下さい。
最後に簡単なアンケートもつけてます。ドシドシ投票よろしくお願いします。
また、お気に入り登録142名の方ありがとうございます!
ここすき登録もありがとうございます!
UAも更新がされてない間も伸びて6000を越え、非常に感謝しています。まだまだ拙い部分はありますし、書き溜めストックが尽きたので更新は不定期にはなると思いますが、これからもどうかこの作品と筆者を応援してくださいますよう、よろしくお願いします!
前置きが長くなりましたが、それではどうぞ!
阿慈谷ヒフミ。
彼女は、『トリニティ総合学園』に所属する、『ペロロ様』を愛する普通の高校生である。―――とある界隈では、彼女の事は『ペロキチ』だとか、『キヴォトス一のアウトロー』だとか、秘密の犯罪集団『覆面水着団』のリーダー『ファウスト』様だとか言われているが、今は『まだ(←ここ重要)』至って普通の高校1年生である。
だが、そんな彼女自身も、自分が他の人と少しだけ違うなと最近思うことがある。それは、『トリニティ』の政治機関たる『ティーパーティー』のメンバーから、凄く気に入られているという事である。
初めは『フィリウス分派』の首長である『桐藤ナギサ』に溺愛されるほど気に入られ、時々お邪魔させてもらっているうちに『首長補佐』として『パテル分派』から出向している『十郷リンデ』とも縁が出来て面倒を見てもらうようになって、そこから芋づる式に『パテル分派』の首長である『聖園ミカ』からも面白そうと気に入られ、更にリンデ達の紹介で『サンクトゥス分派』の首長である『百合園セイア』にまで目をかけてもらえたりと、いつの間にかとんでもない人達と知り合いになる事が出来ていた。
まぁ、そのおかげもあって『ティーパーティー』本部へ一般生徒ながら気楽に出入り出来ているのは、素直に喜んでいいことなのかもしれない。
そんなヒフミだが、今日はとある用事でリンデに会うため、『パテル分派』の執務室を訪れようとしていた。いつもであれば、少し排他的な雰囲気を感じる中での案内なのだが、今日はたまたま事務方で手の空いてる生徒が案内してくれたためかそこまで息苦しいと言うこともなく、ヒフミは案内してくれた生徒にお礼を言うと、「よし。」と、一息気合を入れて執務室の扉を開けた。すると―――
「リンデさん、ミカ様。こんにちは~、ってどうされたんですお二人とも!?」
「シテ…、ユルシテ…。」
「我慢、してください、ミカ・・・。あと、少し、ですから・・・。」
―――そこに広がっていたのは、ある意味でカオスだった。
普段のキラキラした姿など欠片も感じない、まるでゾンビのようにうわ言で何かを呟くミカと、こちらも普段の凛とした感じからはかけ離れた、えらくやつれたリンデの姿が目に飛び込んできた。それだけならただの地獄で済む(?)のだが、続けてヒフミの視界に入ったものが、カオス度を更に引き上げていた。
「リンデさんもですよ。ほら、これが終われば、ってあら、ヒフミさん。どうされたんですか?」
「えっ、ナギサ様!? どうして『パテル』の執務室に?!」
そう、本来『フィリウス』の執務室にいるはずのナギサが何故か『パテル』の執務室にいて、しかも優雅にティータイムと洒落込んでいた。しかも傍らに綺麗に整理された書類があり、それが更にヒフミの混乱度を引き上げていた。
(いったい何がどうなってるんですか〜!?)
そんなヒフミの内心の叫びを感じとったのか、ナギサがヒフミを自身の横に誘った。
「ヒフミさん、少し混乱されているかもしれませんが、どうぞこちらに。お二人のことは、とりあえず放っておいて構いませんので。」
「え、えぇ〜。まぁ、ナギサ様がそう仰られるなら。」
戸惑いつつも、ナギサの横に用意されていた椅子に座るヒフミ。その間、ミカもリンデもヒフミが来たことには気づいておらず、相変わらず何かを呟きながら目が半分白目を向いた状態で仕事を進めていた。普段であれば真っ先に気づくリンデすらもこうなっているとは、そんなに仕事が忙しかったのだろうか? とヒフミが考え、ナギサに尋ねると、
「いえ、仕事の量自体はいつも通りですよ。ただ、お二人があぁなっているのは、言ってしまえば『自業自得』ですね。」
と返ってきた。ますます意味がわからない。そう思っていると、件の2人の机から同時にドンッ、と音がした。そして―――
「お、終わり、ました・・・!」
「お、終わった〜〜〜!! うわぁぁぁぁぁん、リンデちゃ〜〜〜ん!!!」
「ミカ・・・! よく、頑張りましたね! 偉いですよ!」
「うわ~ん、ごめんねリンデちゃ〜ん! もう約束破らないから許して〜!」
「えぇ、許します! 許しますとも! これであなたはまた一つ、立派に成長出来たんですから!」
「うぅ、ありがとう・・・! ありがとうリンデちゃん! ホントにごめんね!」
「ミカ!!」
「リンデちゃん!!」
――――更にカオスが上乗せされた。仕事が終わると同時に、ミカがリンデへと泣きながら飛びついて謝り、それをリンデが同じく泣きながら抱きとめ、許すだけでなく褒め称えていた。しかもまるで今生の別れから奇跡の再会を果たした恋人のような雰囲気で会話しているのだから、本当に意味がわからない。
そんな二人の様子を唖然とした顔で見るヒフミの横で、盛大な溜め息を吐いて呆れながら、ナギサがツッコミを入れた。
「大げさ過ぎますよ、ミカさん。リンデさんも。だいたい、甘えるのが禁止されていただけで、毎日一緒に仕事してたじゃないですか。」
「ナギちゃんには分からないの!? 私は『リンデちゃんニウム』を吸わないと3日も保たずに干乾びちゃうんだよ!」
「何ですか、その危ない薬の成分みたいな名前は。そもそも、先に約束を破ったのはミカさんなんですから、自業自得ですよ。」
「う゛っ゛!?」
ナギサの正論カウンターがクリーンヒットして、リンデから離れて胸を抑え呻くミカ。それは確かに正論だと理解はしたが、今言うべきではないだろうとリンデが反撃に乗り出したが―――
「こら、ナギサ! ミカは先程試練を乗り越えて、その褒美を堪能しているところなんですよ! 何も追い打ちをかける必要は
「その試練を課したのはリンデさんですよね! それも良心が保たないからと、3日目に私に応援を頼んだのはあなただったはずですが!」
うっ・・・! し、仕方ないじゃないですか。あんな、あんな泣きそうなミカの顔を見て、良心が傷まないなんて人の心が無いとしか思えませんよ!」
「そうなった大元の原因が何を宣ってるんですか!! 日に日にやつれていくお二人の姿を見せられていたこちらの気持ちも少しは考えてくださいよ! バウムクーヘンブチ込みますよ!!」
「誠に申し訳ございませんでした・・・!」
―――一瞬、涙ながらに訴えるなどの反撃を試みるも、こちらも最終的にナギサのブチギレ正論カウンター+お菓子ブチ込みの刑の前に低頭平身するしかなかった。因果関係を考えれば残当である。
しかし、そんな3人の様子に終始置いていかれていたヒフミはというと、いくら尊敬する人達とはいえ自分を置いてけぼりにして話を進められたせいで困惑と我慢が限界に達してしまい―――
「・・もう。もう! いい加減私にも分かるように説明してくださぁぁぁぁい!!」
――――噴火した。それはもう、リンデとミカだけでなくあのナギサが口を開いてヒフミの方を見てびっくりするくらいには。それくらい珍しい面が見れたということではあるのだが、噴火した本人はというと、「あっ」と声をもらして「やっちゃった」と言わんばかりに顔を真っ赤にして俯いた。そんな様子が、何だかちょっとだけ関係ない人の前でブチギレちゃったあとのナギサに似てるなと、リンデは場違いな事を少し考えていた。
「「・・・・・・。」」
「あっ、ヒフミちゃん居たんだ。」
「気づいてなかったんですか!?」
なお、相方のミカはもっと失礼なことを思っていた模様。当然即座にナギサからロールケーキが直送されたが、ヒフミには見せないように素早く投擲してミカの口に突っ込んでいたとはリンデの談。
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「アハハ、なるほど。そんな事情があったんですね。」
「はい。すみません、ヒフミ。私もミカも、本当に余裕がなかったものですから。反応できず、ごめんなさい。」
ヒフミが噴火してからしばらくして。
四人はリンデが準備したテーブルを囲んでお茶会をしながら、さっきまでの事情説明をしていた。事情を知ったヒフミはというと、リンデの謝罪を笑顔で許すと、寧ろさっきまでのリンデとミカの気持ちによく共感できたためか、凄く納得していた。
「いえいえ! お二人のことはよく知ってますし、事情が分かれば『そうだったんですね』って、納得できましたから!」
「ありがとうございます。それで今日は・・・。」
と、リンデはここで言葉を区切ると、先程からものすごい視線を向けられていると感じてそちらを見た。すると、
「プクー…。」
「モグモグモグモグ。」
普段の淑女らしい顔ではなく、年相応に子供っぽく頬を少し膨らませてこちらを見るナギサと、先程馳走されたロールケーキをモグモグ頬張っているミカの姿があった。
ミカはまだいい。まだ分かる。流石に丸々一本口に放り込まれてすぐ食べ切れるわけもないから。
ただし、ナギサは何故そんなに拗ねた表情をしているのか。何故こちらばかり睨んでいるのか。リンデは理由をおおよそ察してはいるが、そこまでかと思いながら、さっきとは逆に呆れながらナギサに話しかけた。
「・・・ハァ、ナギサ。そんなに拗ねなくてもいいじゃないですか?」
「別に。拗ねてなんていませんよ。」
「いや、その顔で拗ねてないは流石に
「拗・ね・て・ま・せ・ん!」
・・・ハァ、分かりました。そういう事にしておきます。」
「ちょっとリンデさんどういう意味ですかそれは?!」
「それでヒフミ? 今日はどういった用事ですか?」
「こら! ちょっと無視しないでください!」
ナギサが珍しく意地になって拗ねてないというので、それ以上はツッコまず、リンデはヒフミにこちらに来た理由を尋ねた。なお、裏でナギサがそれに対してまだ何か言っていたが、努めて無視した。こうなったナギサはミカ以上に面倒くさいと知っているからである。ナギサに対して負い目があっても、こういう場面では割とドライなリンデであった。
「ア、アハハ。えっと、実はですね。」
「えっ、ちょっとヒフミさん? ヒフミさんまでまさか無視しないですよね? ねぇ?」
「・・・すみません、ちょっとうるさいですナギサ様。今はリンデさんと喋ってるんです。」
「ヒ、ヒフミ、サン・・・?」ガーン
一方、ヒフミもリンデに合わせて努めて見ないようにしてたのだが、如何せん隣のせいで大きい声を出さなくても存在感のあるナギサの事を結局無視し切れず、思わずツッコんでしまった。が、何気ないその一言がナギサの心にクリーンヒットしてしまい、ナギサは白目を剥いたまま真っ白に石化してしまった。
「・・・無垢な一撃ほど、怖いものはないですね。」
「アハハ、何のことですか?」
「いえ、何でも。それで」
「モグモグモグ・・・、プハァ! ふっかーつ! やっと息ができるよ〜。」
「あら、ミカ。お疲れ様です。」
「うん、お疲れ〜。ハァ〜、しんどかったぁ。」
「アハハ、お疲れ様ですミカ様。というか凄いですね、あの体勢で丸々一本ロールケーキ食べ切るなんて。」
ナギサがヒフミの一言で1発KOされたのを見て後の片鱗を感じつつ、それを自然な笑顔で流したリンデ。そのままもう一度用事を尋ねようとしたのだが、今度はロールケーキの折檻からミカが復活したためまたも中断された。が、今度はナギサほどドライな対応ではなく、リンデもヒフミも割と温かい対応をしていた。ミカもそれに普通に応対している辺り、これが日常なのであろう。
と、そんなミカだったが、真っ白に石化したナギサを見て首を傾げた。
「まぁ、色々あって慣れちゃったからね〜。ってあれ? ナギちゃんどしたの?何か真っ白になって固まってるけど。」
「あ~、その〜・・・。」
「ナギサのいつもの悪い癖が出てしまっただけです。とりあえずは、放っておいても良いかと。」
ヒフミがどう答えたものかと悩んでいると、リンデがバッサリと切り捨てた。先日のサクラコとのやり取りではあぁ言っていたものの、平時のこういう時は割と辛辣なようだ。
「ふ~ん。まぁ、リンデちゃんがそう言うならいっか。それでヒフミちゃんは何でここに? いつものアレなら、まだ先じゃなかったっけ?」
なお、ミカもそれで納得してしまう辺り、この3人の距離感はこういうものなのだろう。放っておかれたナギサが不憫な気はしないでもないが、先ほどミカとリンデのゾンビ状態を放っておいていいと言ってたことを考えると『因果応報』かもしれない。
―――閑話休題。
さて、3度目の正直と言えばいいのか、ミカがヒフミに今度こそここに来た事情を尋ねていた。流石に二度あることは三度ある、とはならず、ヒフミはきちんと訪れた理由を説明し始めた。
「今回は、それとはまた別件なんです。実は今度、『D.U.地区』で『モモフレンズ』の即売会があるそうなんです! それで、リンデさんをそのお誘いにと伺ったんです。」
「なるほど。即売会、ですか。」
「『モモフレンズ』って、あれだよね? リンデちゃんが時々首に巻いてる。」
「『ウェーブキャット』さんのことですね。彼や、ヒフミが好きな『ペロロ様』を含めたキャラ達のグループの事です。」
「ミカ様も、良かったら行きますか? 興味があるなら、私達で色々教えますよ!」
ヒフミがわざわざ『パテル』までリンデ達を訪ねに来たのは、自身の愛する『ペロロ様』を含めた『モモフレンズ』達のグッズの即売会のためであった。実は、リンデもヒフミの熱心な布教によって、少し前から『モモフレンズ』のファンになっていた。流石にヒフミほど熱中している訳では無いが、こうして偶にお誘いがかかるくらい、お互いのファン意識は高いようである。ちなみにリンデのお気に入りは『ウェーブキャット』さんで、「猫耳のモフモフとした毛並みと、抱き心地と巻き心地が大変良くてお気に入り。」とのこと。ミカもその事を知っていたため、話に反応すると、ヒフミがそれに食いついてきた。ナギサやリンデに興味を持ってもらえて、リンデに至っては同じ『モモフレンズ』ファンへと引き込めたことから、ミカももしかしたらと思ったのだが、肝心のミカからの返事はあまり芳しくなかった。
「ん〜、とりあえず私は良いかな。その、即売会だっけ? は、リンデちゃんが行くならまぁ、ちょっと見るぐらいはいいけど。」
「私が行くことは前提なんですね。」
「それはそうだよ。リンデちゃんがいないんじゃ、私たぶん興味持てないし。」
「だ、そうです。引き込み失敗ですね、ヒフミ?」
「アハハ。リンデさんの時みたいには、上手くいきませんね。それで、リンデさんはどうされますか?」
ミカを『モモフレンズ』仲間に引き込めなかったことは残念に思いつつも、切り替えてリンデに即売会への参加の有無を聞くヒフミ。リンデは予定の確認も兼ねて手帳を開くと、ヒフミに日程について尋ねた。
「日時は何時ですか?」
「◯日の☓☓時からです。」
「ふむ・・・。その日であれば、ちょうど『ティーパーティー』全体の休養日にですね。これならミカも一緒にいけますし、せっかくのお誘いですから、私も参加させてもらいますね。ミカもそれでいいですか?」
「おっけー♪ 久々のリンデちゃんとの、お仕事抜きでのお出かけだね! 楽しみ〜!」
「分かりました! もしいい場所を見つけたら――」
「お互いに連絡し合うこと、ですね。」
「―――はい! よろしくお願いします!」
リンデの参加も決まり、ついでミカも久々のプライベートでのお出かけということでテンションが上がっていた。ヒフミも今回の即売会における貴重な戦力を確保できたため、Win-Winな提案で終わったのだが、ここでリンデがふと何かを考え始めた。
「ん〜・・・。」
「? どうしたのリンデちゃん?」
「リンデさん?」
「いえ、些細なことかもしれませんが。今のままだと私はミカと一緒にいることになるので、ヒフミが一人になってしまうなと。」
そう、リンデの中では当日、おそらく自分はミカと一緒に行動することになるので、ヒフミが一人になってしまう事を懸念していた。一応ヒフミなら一人でも問題ないとする自分がいる一方、放っていかれる側の心情は前世からよく知っているので、誰か一人ヒフミと一緒に行動してくれる人がいないか思案していたのだ。
「え? 私は別に気にしませんよ?」
「いえ、私が気になってしまって。それでは素直に楽しめませんから。」
「も〜、リンデちゃんってこういう所はナギちゃんそっくりだよね〜。ヒフミちゃんも気にしないって言ってるし、大丈夫だよきっと。」
「ですが・・・、あっ。」
ヒフミとミカに大丈夫と言われても、それでも気にしてしまい誰かいないかと視線をあちこちに彷徨わせていると―――、いた。丁度目の前に。しかもミカと同じで、その日はちょうど都合よく空いていたはず。
そう考えたリンデは、首を傾げるミカとヒフミを近くに呼んでこっそり話しだした。
「二人とも、ちょっと来てもらっていいですか?」
「えっ、どうしました?」
「どしたの?」
「実は。」
と、一区切りおいてから、リンデは自身が考えた案を二人に説明した。すると、ミカは少し困った表情をしつつ、ヒフミに問いかけた。
「ん〜、私は別にいいと思うけど、ヒフミちゃん大丈夫?」
「は、はい。4人なら、回る際に見逃すという事もないですし。それに、せっかくお誘い出来るのなら、ぜひ行きたいです!」
「分かりました。少々お待ち下さい。」
そう言うと、リンデはまず、三人の前で真っ白に石化したナギサを元に戻すべく、トントンと肩を叩いて話しかけた。
「ナギサ。ナギサ! そろそろ戻ってきてください!」
「・・・・・・ハッ!? 私はいったい・・・。」
「よかった、戻ってきてくれましたか。」
「あれ、リンデさん? それにミカさんにヒフミさんまで。私、さっきまで何をしていたのでしょうか? ごめんなさい。意識を失う直前の記憶がないもので。」
石化から回復したナギサは、直前に負った特大ダメージの件を忘れていた。心にこれ以上の負荷を覚えないよう、ナギサの脳が都合よく忘れさせてくれたようだが、今はそれはどうでもよかった。
リンデはナギサの予定を確認すべく、話を進めた。
「それは今はおいておきましょうか。それでナギサ、あなたこの日確か空いてましたよね?」
「えっ? えぇ、その日であれば休養日ですから、趣味のお菓子作りでも、と。」
「すみません、その日一日、私とミカ、ヒフミに付き合ってもらってもいいですか? より正確にいうと、ヒフミに付き合って欲しいんです。」
「ヒフミさんに、ですか?」
「はい。」
リンデは、ナギサが気を失ってる間に、ヒフミと話した事を掻い摘んで説明した。そして説明を聞いている内に、ナギサもリンデが自分に求めていることを理解した。
「なるほど。それで、私に白羽の矢を立てたと?」
「はい。ヒフミともより仲良くなれるチャンスだと思うんですが、どうですか?」
自分にとってのメリットも提示され、しばし考えるナギサ。確かに、ヒフミやミカ達とこうやって出掛けるのは滅多にない機会である。即売会というものに参加したことはないが、聞く限りでは危ないものでもない。それにせっかくのヒフミからのお誘いなのだから、これを期に改めてヒフミの好きな『モモフレンズ』について見識を深めるという意味でも、この機会を無駄にしたくない。そう考えたナギサに否は無かった。
「分かりました。そのお誘い、ぜひお受けさせて下さい。」
「ありがとうございます。ナギサなら、きっとそう言ってくれると信じてました。」
ナギサの快諾に喜ぶリンデ。これで心置きなくミカと回る事が出来るし、上手く行けばヒフミとナギサの仲を進展させる事も出来る。加えてリンデとしては、後の事を考えると打てる布石は打っておきたかったために、いい機会だと内心考えていた。
「わぁお☆ ナギちゃんも来るんだね! 良かったね、ヒフミちゃん!」
「は、はい! で、でも何と言いますか。今更なんですけど、とんでもない方々を誘ってしまったのではないかと。」
一方、ミカに良かったねと言われたヒフミはと言うと、少しあわあわしていた。勿論、ナギサが来てくれる事は凄く嬉しい。自分の好きなものを、尊敬する人にもっと知ってもらえる事が嬉しくないはずがない。ただ、今更ではあるのだが、今回の即売会に参加するのが、自分を除けば『ティーパーティー』の重鎮たちばかりだと気づいて少し気後れしてしまっていた。
そんなヒフミの態度を、「アハッ☆」とミカは笑い飛ばしてこう言った。
「『首長補佐』のリンデちゃんと一緒に、定期的に『ブラックマーケット』行ってる時点で今更だよヒフミちゃん♪ ただのお出かけなんだから、もっと気楽にいこ!」
「確かに、あちらと比べれば『D.U.地区』へ四人でお出かけに行くくらい普通ですね。危ないことも基本ありませんし。」
「うっ、そう言われると。いつもお世話になってます。」
リンデにも指摘されて、ヒフミは頭が上がらず平謝りし、それに対してミカは「フフッ」と少し細い目で、リンデは「はい。」と返して優しく微笑んでいた。
そう、何を隠そうこの世界線において、ヒフミはリンデと一緒に『ブラックマーケット』へ定期的に顔を出しては、リンデの仕事を手伝う見返りとして、原作での『ブラックマーケット』における限定『モモフレンズ』グッズの収集を行っていた。これは、偶然リンデがヒフミが『ブラックマーケット』への違法外出を初犯で捕まえられた事もあったのだが、当時『トリニティ』内における『ブラックマーケット』への違法流出に対する牽制の意味を込めて、定期的な捜索活動をするのはどうかと考えていたリンデの思惑が噛み合った結果提案されたものであった。
その際の一幕や内容はここでは割愛するが、ナギサセイアとミカリンデの熾烈な話し合いがあったり、ミカが思わず少し嫉妬してしまうような熱さをリンデがヒフミに発揮したり、といった場面があった事は明記しておく。
またそのおかげもあってか、リンデに対してもヒフミは憧れのようなものを抱いており、将来はナギサのような優雅さとリンデのような思いやりの深さを持ち合わせた良い先輩になれたらいいなと内心考えていたりする。
そんな事はさておき、リンデはミカとナギサに念の為の注意事項を軽く伝えていた。
「ただ、万が一もありますから、ミカもナギサもなるべく目立たないようなオフ用の格好で来てくださいね。それだけでも厄介事に巻き込まれにくくなるはずなので。それと、何か分からないことがあれば、私かヒフミに必ず聞いてください。」
「オッケー♡」
「分かりました。当日はどうか、よろしくお願いします。」
リンデの簡単な説明で納得したように頷くミカとナギサ。
こうして、ヒフミにリンデ、ミカ、ナギサの四人による『D.U.地区』の『モモフレンズ』即売会への参加が決まった。
なお、その内容に関しても詳細は割愛するが、簡潔に言えば即売会での結果自体は全員満足のいく結果となった。今回不参加だったセイアの分も含めてお揃いのアクセサリーを購入したり、記念写真をとったり。途中、変な小競り合いに巻き込まれそうになったりはしたが、概ね問題なく楽しめたと全員感じていた。
―――ただ、強いて問題があったとすれば。それはおそらく、合流後の下の二人の会話が全てを物語っているだろう。
「ア、アハハ・・・。あの、リンデさん?」
「どうしましたか、ヒフ、ミ・・・。あの、気のせいか顔が引き攣ってませんか?」
「そうですかね? でもそんなことどうでもいいんです。リンデさん次ナギサ様にお会いする時までにせめてナギサ様に『ペロロ様』の名前がちゃんと言えるようにしといてもらえますか? 何ですか『ペロペロさん』ってふざけてるんですか? ナギサ様に悪気が無いのは重々承知してますけど間違える度に私がどれだけ(以下略)」
「あっ(察し」
―――この会話で、ヒフミとナギサの仲が良くなるのは、まだ時間が掛かりそうだなと察したリンデなのであった。
ナギサ「ヒフミさんの好きなものは、確か『ペロペロさん』ですよね?」
ヒフミ「ア、アハハ・・・。」(引き攣った笑み)
なお後日、またミスってしばらく口聞いてもらえなくなる模様。ヒフミもナギサを尊敬はしてるけど、それはそれ、これはこれ。
オタクにとって推しの名前を(ネタならともかく)何度もミスられるのは、万死に値する行為。ナギちゃんは石化してないで反省してもろて、どうぞ。
リンデが『ウェーブキャット』推しなのは、自分が好きなのもありますが、元になった『エルフリンデ』さんの、メメモリでのマイルーム台詞も関係してます。メメモリやってる方は、もし良かったら聞いてみてください。今月5月8日の14時半ごろまでピックアップもしてますので、やってない方もこの機会にぜひ引いて聞いてみてください(ダイマ)。
基本放置ゲーなので、ブルアカの合間にも出来ますよ。
リンデ、ミカ、ナギサの関係ですが、基本は仲良しです。でもお互いに面倒だなと思ってる面もあって、リンデとミカはそこをうまいことスルーしたりツッコまないようにして余計に疲れないようにしてますが、ナギサは一定値を超えると苦労人気質が出てしまい、ツッコんだり怒ったりして余計に疲れるという違いがあります。5話のセイアが言っていた「いらぬ苦労」とは、こういう側面も含んでいます。
原作でのロールケーキの下りにしても、ミカが節々で煽り倒してたのもあるけど、ナギサのこの気質と沸点の低さがおそらく噴火の原因だと個人的に考えてます。まぁミカが煽らなかったらと言われたらそうやなとしか言えませんが(´-﹏-`;)
感想・評価、ここすき、誤字・脱字報告お待ちしてます。 いつも通り、返せる分は返信しますので、よろしくお願いします。
それではまた次回!
今回割愛されたお出かけ回、詳細版いります?
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