聖槍に祈りを   作:坂本コウヤ

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連日投稿、4日目です。お出かけ回はこれで終わりとなります。

話としては、時間がまた少し飛んで、帰り道の話になります。
今回は少し、おまけの文章もつけています。ぜひ最後まで見ていってください。


それでは、どうぞ!


第六詩裏:『ティーパーティー』と『普通』と『モモフレンズ』⑥

 

「あ〜、楽しかったぁ! 皆、お疲れ〜☆」

 

「お疲れ様です、ミカ。無事に帰ってこれましたね。」

 

 

『即売会』が終わり、無事『トリニティ』の学区内へ戻ってこられたリンデ達。

 あの後は特に何のトラブルもなく、4人であちこちを回りながら、買いそびれていたものや途中で買いたくなったものを購入したり、出店の食べ物に舌太鼓をうったりと、楽しい時間を過ごせていた。

 

 

「うんうん♪ って、ナギちゃん大丈夫? 疲れてない?」

 

「ハァ・・・、ハァ・・・。そう、ですね。誰かさんが、引っ張り回してくれた、せいですけど・・・。」

 

 

 そんな中、1人だけ明らかにグロッキーな状態に陥っているメンバーがいた。ナギサである。

 元々そんなに長時間の外出などに慣れてないのもあるが、今回はミカがリンデと一緒にあっちこっちへ行くせいでそれを追っかける羽目になり、碌に休む暇がなかったのが最大の原因である。

 一応、電車内で軽く休む事は出来たとは言え、それで回復出来たかと言われれば、それは見ての通りである。

 

 

「だ、大丈夫ですかナギサ様? お水、買ってきましょうか?」

 

「い、いえ! ヒフミさんの手を煩わせる程では!」

 

 

 そんなナギサを見かねたヒフミが、お水を買ってこようかと提案したが、可愛い後輩の前で醜態を晒したくない*1ナギサは強がってそれを固辞しようとしたが―――

 

 

「ナギサ、強がっても後で辛くなるのはあなたですよ? 先輩としての意地もあるでしょうが、ここは素直に好意に甘えていいと思いますよ。」

 

「リンデさん・・・。」

 

 

―――それをやんわりと制したのはリンデだった。

 幼馴染としての付き合いから、ナギサが無理をして強がっているのはすぐに分かったので、それで帰りに倒れたりしたら大変だと思い、ヒフミの言葉に甘えていいと伝えた。

 それを聞いて頷きかけたナギサであったが、ここに来てまたもや悪戯娘(ミカ)が空気の読めない空気の読めない発言をしてしまった。

 

 

「そうそう。ナギちゃん、ただでさえ体力ないんだからさ☆ こういう時くらい素直に甘えもがっ!?」

「あなたにだけは言われたくないんですよ、あ・な・た・に・だ・け・は!」

 

 

 ミカが、ナギサが気にしている事を指摘しながら励ますと、当然のようにミカの口へロールケーキがキレ気味に突っ込まれた。ミカ的にはただ単純に励ましでいったつもりだったのだろうが、気にしている側からすればそれはただ地雷をわざと踏みに来たとしか思えない所業であるため、こうなるのも仕方ない。

 

 

「り、理不尽・・・ガクッ。」

 

 

 なお、口に突っ込まれた本人はそう宣いながら気絶したが、よくよく考えなくても疲れさせた元凶なので、残当である。

 

 自分から地雷原に突っ込んでいく暴挙に、これには流石のリンデも天を仰ぐしかなかったが、そのまま寝かせておくわけにもいかないので、頑張っておぶる事にした。

 

 

「ハァ、ミカ・・・。いい加減こりましょうよ。」

 

「あ、アハハ・・・。」

 

 

 ロールケーキを突っ込まれた状態でおぶられたミカに、乾いた笑いを零すヒフミだったが、すぐに元々の用事を思い出して、重い荷物や『戦利品』を降ろしてリンデに荷物番を頼むと、近くのコンビニへ駆け出していった。

 

 

「あっ、じゃあ私、お水買ってきますね! リンデさん、荷物見ていてください!」

 

「えぇ、いってらっしゃい。」

 

 

 荷物番を頼まれたリンデは、手を軽く降って送り出した。冷静に考えると、自分よりも年上かつ憧れの先輩に荷物番を任せるなどだいぶ肝が据わっている気もするが、きっとこれは『モモフレンズ』友達としての仲故に、という気軽さもあるのだろう。

 

 

「さて、どうでしたかナギサ? 今日のお出かけは。」

 

「えっ?」

 

 

 ヒフミがコンビニへと走り去っていった後、リンデはナギサの方へ向き直ると、今日のお出かけについての感想を聞いてみた。今回のお出かけを発案したのはヒフミだが、ミカとナギサを誘ったリンデにとって、今回のお出かけが二人にとってどうだったたかも気になっていたのだ。ミカは今気を失っているが、あの表情と言葉からして、楽しかったのは明白だろう。なら、あとはナギサがどう感じたのかが聞ければ、リンデの今日の目的は大方達成できたものとなる。

 

 聞かれたナギサは一瞬疑問符を浮かべたが、表情から特に深い意味はないと判断して、今日一日を振り返りながら答えた。

 

 

「そうですね。とても、新鮮でした。こういったイベントに参加した事もですが、何よりミカさん、ヒフミさん、そしてリンデさん。大切な友人達と、こんな風にお出かけして、一緒に思い出を作るという事。それ自体が、私には縁遠いものだと思っていました。特にヒフミさんとは、学年も立場も違いますから。」

 

「ナギサ・・・。」

 

「ですからお誘いを受けた時、とても嬉しかったです。そして、今日こうして皆さんとお出かけ出来て、すごく楽しかったです。色々ありましたが、私自身、とても学びの多い時間になりました。ありがとうございます、リンデさん。」

 

 

 そう締めくくって、綺麗なお辞儀をしてリンデにお礼をいうナギサ。そのナギサの表情が、話している途中から年相応の可愛らしい笑顔になっている事にリンデは気づいていた。だからきっと、今回のイベントに参加できた事は、ナギサにとってもとても有意義なものになったのだとわかった。

 

 ただ、自分が礼を言われると思っていなかったので、リンデは横に降るとお礼はヒフミに言うように伝えた。

 

 

「いえ。お礼でしたら、それはヒフミに伝えてください。たぶん、今日という日を一番待ちわびていたのは、彼女でしょうから。私はただ彼女から誘われて、それに便乗する形であなたをお誘いしただけですから。」

 

「それでも、です。たとえ経緯はどうであろうと、あなたが私を誘ってくださった。そのおかげで、今日という時間を楽しむ事が出来た。それは、変わらない事実です。本当に、ありがとうございます。」

 

 

 そう言って、もう一度お辞儀とお礼を伝えてくるナギサ。どうやら彼女の中では、どうしても誘ってくれた自分にお礼を伝えたいらしいと理解したリンデは、一瞬困ったように笑うもすぐにいつも通りの笑顔を浮かべて、口を開いた。

 

 

「そういう事でしたら・・・。私としても、お誘いした甲斐があるというものです。」

 

 

 ナギサにそう告げると、ふと空を見上げるリンデ。『D.U.』や『ミレニアム』程ではないにせよ、『トリニティ』も街中は明かりに溢れているため、空の星々は少し見えづらく、見えても等級の高い星か、『キヴォトス』特有の空に浮かぶいくつもの環状の光くらいである。

 

 

「リンデさん?」

 

 

 そんな、いつも通り空を見上げてどうしたのかとナギサが名前を呼びかけると、リンデは空を見上げたまま、ナギサにこう言った。

 

 

「またいつか、こんな風に皆で揃って出かけたいですね。可能かどうかはともかく、今度はセイアも一緒に。」

 

「っ、そうですね。また、いつか。」

 

 

 リンデの言葉に、そう笑顔で頷くナギサ。立場上、難しい事はお互い理解している。ましてや来年は最高学年。生徒の模範として、より一層淑女らしい振る舞いを求められる事もあるだろう。

 それでもいつか、こうしてまた気兼ねなくお出かけする事が出来たら。そしてそこに、今回は参加することが出来なかったもう一人の友人が加わってくれたなら。それはきっと、素敵なことだろうと、ナギサは思ったのだった。

 

 

「お待たせしました〜! って、どうされました? そんな空を見上げて。あっ、ナギサ様。こちら、頼まれていたお水です。」

 

 

 そこへ、ちょうど水を買い終えたヒフミが戻ってきた。ただ、二人揃って空を見上げている理由が分からず、ナギサにお水を渡しながら尋ねた。

 

 

「おかえりなさい、ヒフミさん。」

 

「おかえりなさい、ヒフミ。ちょうど今、ナギサとまたいつかこんな風に出かけたいなと話していたんです。今度は、セイアも交えて。」

 

 

 リンデは、ナギサと直前に話していたことを説明した。すると、それを聞いたヒフミは驚きからぶんぶんと手を顔の前で振りながら、遠慮するような声を上げた。

 

 

「え、えぇ?! そ、そんな。今日ナギサ様達とお出かけするというだけでも緊張したのに、セイア様まで来てしまったら、いよいよ『普通』な私じゃ場違いになっちゃいますよ。」

 

「そんな事は無いと思いますが。ねえ、ナギサ?」

 

 

 ヒフミの意見に苦笑いを浮かべて、ナギサへ同意を求めるリンデ。確かに、もし仮に今回のメンバーにセイアまで加わった場合、『ティーパーティー』の首長三人全員+『首長補佐』の自分と、『トリニティ』の政治部門を司る重鎮が総出という壮観なグループになるため、現状一般生徒であるヒフミからすれば恐れ多くなるのは理解出来る。

 

 だか、少し考えてみてほしい。その一般生徒は『ティーパーティー』のトップ層全員と顔見知りで、さらに過半数とは親交を深め合う仲である。そんな生徒を果たして『普通』と称していいのだろうか。

 まあそれ以外にも理由はあげようと思えばあるが、それはリンデが『前世』の記憶からそう思ってるだけなので、ここでは割愛する。

 

 同意を求められたナギサは水を一口飲むと、少し間を開けてから、自分の意見を述べた。

 

 

「・・・そうですね。ヒフミさんは確かに『ティーパーティー』所属という訳ではありませんが、それ以前に私の、私達の大切な友人です。ですから決して、場違いなんてことはありません。セイアさんもきっと、そう言ってくださると思いますよ。」

 

「ナギサ様・・・。」

 

 

 ナギサの言葉に、照れながらも少し嬉しそうな声を出すヒフミ。憧れの先輩であるナギサにそう言ってもらえたのは嬉しい反面、まだ遠慮の気持ちがあるためにそんな表情をしているのだが、直後にリンデがこんな事を言い出した。

 

 

「むしろ、セイアの方が『私がこの場にいるのは場違いではないかい』、とか言いそうですよね。ほら、あまりヒフミと会話したことありませんし。」

 

「そ、そんな事は無いと思いますが。」

 

「あ、アハハ。リンデさんって、身内相手だとたまに容赦ない事言いますよね?」

 

「そうですか? まあ、気心知れる相手なので、遠慮が無くなってるのかもしれません。」

 

 

 リンデの一言に、今度はナギサとヒフミが苦笑いを浮かべた。それに加えてヒフミが、リンデがたまに身内に対して容赦のない面があることを指摘すると、リンデが不思議そうな顔を浮かべてそう返した。リンデとしては、ナギサやミカの方が遠慮が無いように感じているのだが、おそらく二人と接する中で影響を受けてしまったのかもしれないと、内心で自分を納得させるのだった。

 

 そんな時、ふと何かを思い出したのか。ナギサが二人にある提案を持ちかけた。

 

 

「そうでした。お二人に今日のお礼も兼ねて、『お茶会』のお誘いをしたいのですが。よろしいですか?」

 

 

 ナギサが提案したのは、いつも『ティーパーティー』の首長達が行っている『お茶会』ではなく、ナギサが個人的に友人達を集めて催す『お茶会』への参加だった。どうやら今回のお礼でリンデとヒフミを誘いたいとの話で、特に断る理由もないため、二人は承諾した。

 

 

「えぇ、構いませんよ。ヒフミはどうですか?」

 

「はい、大丈夫です! ナギサ様の『お茶会』、楽しみにしています!」

 

「ありがとうございます。日程はまた後日お伝えいたしますので、どうか楽しみにしていてください。」

 

「ありがとうございます。」

「ありがとうございます! 楽しみにしてますね!」

 

 

 誘いを受けてくれた事にお礼を言って、後日日程を伝える事を二人に連絡するナギサ。それに対してお礼を言うと、リンデはそろそろ帰ろうかと二人に言った。

 

 

「さて、そろそろ帰りましょうか。それぞれの門限もありますから。」

 

「そうですね。すっかり暗くなってしまいましたし。」

 

「私も、そろそろ帰らないと明日の予定にも響きそうです。リンデさん。ミカさんの事、お願いしてもいいですか?」

 

「構いませんよ。この様子だと、復帰にはもう少しかかりそうですし。」

 

 

 帰り際にナギサにミカの事を頼まれて、それを快諾するリンデであったが、ここでリンデはミカと買い物した時に、二人に渡すものを思い出した。本当はミカが起きている間に渡したかったのだが、渡せるなら早いうちに渡した方がいいと判断して、おぶった姿勢を翼も使って何とか頑張って維持しつつ、お土産袋をガサゴソと弄り始めた。

 

 

「? どうしましたか?」

 

あ、あったあった。ナギサ、ヒフミ。これを。本当はミカが起きてる時にお渡しした方がよかったんですけど。」

 

 

 リンデがカバンから取り出して渡したのは、合流前にミカと買っていたキーホルダーだった。そのうちの『ペロロ様』の描かれたキーホルダーをヒフミに、『ビッグブラザー』と『スカルマン』が描かれたキーホルダーをナギサに手渡した。

 

 

「・・・これは?」

 

「これって、私が頼んでいた『モモフレンズ』の星型キーホルダーセットの一部ですよね。どうしてこれを?」

 

 

 手渡されたナギサは不思議そうにそれを見回して、ヒフミはこれの詳細を知っていたため、わざわざセット購入まで頼んでいた*2これの一部を渡された事を疑問に思い、リンデに尋ねた。

 

 

「ミカと話し合って、今日の思い出にと記念に追加で買っていたんです。5個で1セットですから、セイアへのお土産としてもいいかなと。」

 

 

 ヒフミに尋ねられたリンデは、ミカとこれを購入するきっかけになった経緯を簡潔に説明した。ナギサはそれを聞いて、掌に乗せたキーホルダーを優しげに見つめながら、「なるほど。」と呟いた。

 

 そしてヒフミの方も、顔をさっきよりも嬉しそうにしながら、リンデとナギサに楽しそうにこう言った。

 

 

「5個で1セットのものを5人で分ける・・・。まるで、『友情の誓い』みたいでいいですね! 離れていても、私達はこれを通して繋がっているんだ、って感じがして。アハハ、ロマンチック過ぎますかね?」

 

 

 最後の方は少し照れていたが、二人にもヒフミの言いたいことは伝わってきた。そしてそれは、これを購入した際にリンデも感じていた事であったため、ヒフミの意見に同意した。

 

 

「そんな事はないですよ。私もそう思ってますから。」

 

「リンデさん・・・!」

 

 

 リンデに自分も同じ意見だと伝えられて、パァッと顔を輝かせるヒフミ。その嬉しそうな表情のヒフミに優しく微笑みながら、リンデはナギサにも話を振ってみた。

 

 

「ナギサは、どう思います? 」

 

「・・・そうですね。これの元の形が、どういったものなのかは分かりませんが。それでも、元は一つだったものをこうして友人同士で分け合うというのは、まるで気持ちを共有しているようで、とても素敵なことだとも思います。」

 

 

 話を振られたナギサは少し間をおいて、キーホルダーを愛おしげに眺めながら、乗せている掌で優しく包みこむように握るとそう言葉にした。そして、これを渡してくれたリンデに、お土産に提案してくれたミカへのお礼の言伝と、大切にする事を伝えた。

 

 

「ありがとうございます、リンデさん。ミカさんにも、『ありがとう』とお伝え下さい。大切にしますね。」

 

「えぇ。約束ですよ?」

 

「はい。」

 

 

 もう一度、愛おしげにもらったキーホルダーを眺めた後、それを鞄の中にしまい込むナギサ。それを微笑んで見守った後、改めてヒフミは荷物をまとめて持つと、二人に挨拶とお辞儀をしてから帰路についた。

 

 

「じゃあリンデさん、ナギサ様。お疲れ様でした! また明日!」

 

「はい、また明日。」

 

「お疲れ様でした、ヒフミさん。また明日。」

 

 

 ヒフミが帰っていくのを、後ろ姿が見えなくなるまで見送る二人。やがて、ヒフミの姿が見えなくなった所で、リンデとナギサも、自分達の帰路につくのであった。

 

 

「・・・さて、私達も帰りましょう。」

 

「はい。リンデさん、ミカさんの事、くれぐれもお願いしますね。」

 

「分かってますよ。ミカは私にとって」

「『太陽』で『月』で『一番星』。替えのない唯一無二の『輝き』、ですよね。もう耳にタコができるほど聞いていますよ。」

 

「なら、私がミカを蔑ろにしない事くらい、分かって欲しいものです。」

 

「心配なものは心配なのです。だいたいあなたは―――」

 

 

―――そうやって、ミカの事から互いの事まで、小言を言い合いながら家路を歩く二人。その姿は普段の『ティーパーティー』で見る二人とは違い、ただの仲良しな『幼馴染』のようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ・帰り道のミカリンデ

※ほぼ会話文のみ。微シリアスあり。

 

 

 

「・・・ん、ん〜。あれ、ここは?」

 

「あっ、気が付きましたか。お疲れ様です、ミカ。」

 

「あれ、リンデちゃん? ここは? というか、ナギちゃん達は?」

 

「ナギサ達とは、途中で別れましたよ。今は帰り道の途中です。降りますか?」

 

「えっ? う〜ん・・・、もう少し、このままでもいいかな? 何か、ちょっと疲れちゃってるみたいで。」

 

「分かりました。あっ、ミカ。ナギサ達にあのキーホルダー、お渡ししておきましたよ。」

 

「そっか。ありがとう。」

 

「それと、今度ナギサから『お茶会』に誘われましたので、日程が決まり次第お伝えしますね。」

 

「うん。」

 

「・・・どうしました、ミカ? 何だか元気がありませんが。」

 

「・・・ねぇ、リンデちゃん。」

 

「?」

 

「・・・リンデちゃんは、何処にも行かないよね?」

 

「っ、急にどうしましたか? 気を失ってる間に何か、怖い夢でも見ましたか?」

 

「うん。・・・リンデちゃんが、何処かに消えちゃう夢。」

 

「・・・・・・。」

 

「私の隣には、知らない誰かがいて。その人がいるから大丈夫だ、って言って、リンデちゃんは何処かに行っちゃうの。私がどんなに追いかけて呼びかけても追いつけなくて、最後に追いついたと思ったら、すり抜けて消えちゃう。そんな、怖い夢。」

 

「・・・・・・。」

 

「勿論、こんなの夢だ、って分かってる。でも、あの時は言わなかったんだけど。リンデちゃんが『ファウスト』の演技をしてた時、別人みたいな話し方をしてるリンデちゃんを見て・・・。実はちょっと、怖くなっちゃって。ごめんね、今更。」

 

「・・・そうだったんですね。ごめんなさい、気づいてあげられなくて。」

 

「ううん。別に、リンデちゃんは悪くないよ。これは半分、私の我儘みたいなものだから。」

 

「ミカ・・・。」

 

リンデ、肩越しにミカの頭を撫でる

 

「っ、リンデ、ちゃん?」

 

「大丈夫ですよ、ミカ。私は此処にいます。あなたに拒絶されない限り、私はあなたの傍に、何時までもいますから。」

 

「・・・うん。約束だよ? 絶対だからね? 嘘ついたら流星群、だからね?」

 

「それは怖いですね。えぇ、必ず。」

 

*1
もう手遅れ

*2
前話(後編⑤)にて渡したものの中の一つ




先の地獄(プロローグ参照)への燃料投下に余念のない筆者。
曇らせはね、小さなフラグをいくつもいくつも積み重ねて燃やすか爆発させるのが一番効果的だと思うんですよ。はい。

でも、それはそれとして仲良しイチャイチャしてるシーンも書きたいと思う今日この頃。ナギちゃんとの仲良し会話もね、悪くはないんですけどね。やっぱりミカリンデがイチャついたり、ミカが悪戯したり茶々入れたりしてるとこにナギサがブチギレるシーン書いてるときが、一番筆進んでる気がしますw

ミカが見たのは果たして夢か。それとも―――。
それは、この先の未来のお話ということで。


さて、今更ですが皆さん。体調はいかがお過ごしでしょうか。
筆者は現在、咳と痰に悩まされております。
数日前から咳がひどくて病院に行った所、ウィルス性の風邪と診断されて薬ももらったのですが、どうにも調子が良くならず、再診してもらって、気道が広がる貼り薬を処方してもらいました。
ただ、それでも調子が微妙に良くなっておらず、そのため少し執筆活動に影響が生じています。
一応、明後日までの分は何とか書き終えたので、その分までは投稿しますが、それ以降はまた投稿が途切れるかもしれません。
いつもとは違う理由での投稿遅延となりますが、ご了承ください。季節の変わり目でもありますから、皆さんも体調にはお気をつけください。


感想・評価、ここすき、誤字・脱字報告お待ちしてます。 いつも通り、返せる分は返信しますので、よろしくお願いします。

それではまた次回!
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