色々あって、いつもの時間に投下できませんでしたが、許してください。
何で日常回が難産なんだ・・・。何回書き直したかな。その辺の下りは後書きにて。
まぁ、それ以外にもデュエプレの新環境楽しんでたとか、腕怪我したとか、風邪引いてたとかの事情もあるんですけどね。
本当に遅れてしまい、申し訳ないです。
今回はナギちゃんメインのお話、と言いつつ、ヒフナギメインのお話です。
あと、前回ミカのお誕生日回に出たオリキャラを、前書きで今回も出すと言いましたが、尺の都合で次回に持ち越します。間に合えば今日の夜か明日にでも投稿しますので、よろしくお願いします。
更新していない間も、たくさんの方に読んでいただけたようで、ありがとうございます!
UA9560、お気に入りも189件とさらに増えて、喜ばしい限りです! この話込みで10話とまだ少ない話で、これだけの方にお気に入り登録していただけて、非常に感謝しています!
筆者のモチベにも繋がりますので、これからも応援の程、よろしくお願いします!
少し前書きが長くなりましたが、それではどうぞ!
「―――お待たせしました。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。先日、新しいクッキーの型を購入できましたので、今回はそれを使って焼いてみました。ぜひ、感想を聞かせてください。」
とある休日の昼下がり。一般生徒達の大抵が、たまの休みを謳歌しているであろう時間に、ナギサは『フィリウス分派』のテラスにヒフミを呼び、今日の仕事を手伝ってもらったリンデも交えて、自作のクッキーで小さなお茶会を催していた。お菓子作りは彼女の数少ない趣味の一つで、こうして自分でお茶会用のお菓子を自作で用意している事は、『ティーパーティー』内では周知の事実だったりする。とはいえ、いつもはミカやセイアを呼ぶことが多い彼女なのだが、今回はとある理由があってヒフミとリンデに参加してもらっていた。その理由は―――
「わぁ〜♪ 『ペロロ様』に『ニコライ』さん!『アングリーアデリー』さんに『スカルマン』様も! 」
「『モモフレンズ』大集合、ですね。『ビッグブラザー』に『ピンキーパカ』さん、『ウェーブキャット』さんもありますよ。」
「フフッ、お二人ならば気に入っていただけると思いました。」
―――そう、今回ナギサが自作したクッキーは、全て『モモフレンズ』の形状になっていた。先日の即売会にて偶然これを見つけたナギサは、後学のためとヒフミとの交友関係を深めるために購入し、今日こうして二人の前で試作したものを提供していた。ヒフミは色々見ながらキラキラとした表情でクッキーを見比べており、リンデもお気に入りである『ウェーブキャット』のクッキーを手にとって表裏を見返したりしているのを見て、ナギサは二人を誘って良かったと感じていた。
これがミカやセイアだった場合、形状には少し興味を持たれるだろうが、おそらくサクサク食べられてやれ「素朴」だの「ナギちゃんにしては頑張ったほう」だの、いつも通りの感想しか言われない可能性があった。が、ヒフミとリンデであればそういう事はないだろうとナギサは思っていたため、その通りになって内心少しホッとしていた。
とはいえ、いつまでも形状に対する感想だけで終わっても困る。というより、食べても楽しめるように工夫はしているため、ナギサは二人に食べることを促すことにした。
「さて、見てるだけでも構いませんが、せっかく出来立てなのですから、召し上がってください。」
「あら、それもそうですね。では一つ。」
「えっ、リンデさん? そんなあっさりいっちゃいます!?」
「「えっ?」」
と、ここで促されたリンデが持っていた『ウェーブキャット』のクッキーを耳の方からあっさり食べようとした所、ヒフミが驚いて止めてきたため、ナギサもリンデもヒフミへ視線を向けた。何か問題があったのだろうか? と思っていると、ヒフミがすぐにその疑問に答えてくれた。
「あ、いえ。お菓子なので当然、食べるものなんですけど。その、『ペロロ様』達の形をしたものを食べるんだと考えると、複雑な気持ちが・・・。リンデさんなら分かりませんか?」
「あ~・・・、まぁ言いたいことは分かりますけど。」
「? 何か問題がありましたか?」
苦笑しながら、ヒフミの言葉に気持ちはわかると答えるリンデ。一方、ナギサはイマイチピンと来てないため首を傾げたが、リンデが分かりやすく言葉を噛み砕いて説明すると、ある程度納得は出来た。
「いえ、私は全く。ただヒフミにとっては、好きなものの形というのが少し引っかかってるみたいですね。動物の形をしたクッキーを食べる時に、何となく感じてしまう気持ちとだいたい同じだと思っていただければ、分かるかと。」
「な、なるほど・・・。せっかく、お二人が見ても楽しめるようにと作ったのですが、逆効果だったでしょうか?」
「・・・これはあくまで私の考えですけど、ヒフミが感受性豊かなのが原因かと。お菓子であっても、感情移入してしまうくらい純粋なんだと思います。ですが、普段『ペロロ様』型のケーキなどが出ても何だかんだ食べ切ってますから、気にしなくていいですよ。」
「そうなんですか。ならまぁ、大丈夫でしょうか。」
「はい。それに、せっかくナギサが私達の為にと作っていただいたのですから、食べないともったいないですから。というわけで、いただきますね。」
「は、はい。どうぞ。」
好きなものの形で提供してしまったのを逆効果と感じてしまい、落ち込むナギサだったが、リンデの励ましとでとりあえず持ち直すことが出来た。それを確認したリンデは、先ほど食べようとしていた『ウェーブキャット』のクッキーをカリカリと食べ始めた。すると、今度は「おや?」といった感じにリンデが首を傾げると、普段と違う味のクッキーの味を確かめようと再度カリカリ食べ進め、1枚食べ切ると少し考えてから口を開いた。
「これ、色が近いのでまさかとは思いましたが。『黒ごま』味、でしょうか?」
「っ、はい。体色が似ているもので生地の味を作りましたから。ですが、よく分かりましたね?」
「・・・何処でだったが忘れたのですが。以前、食べた事があったんですよ。それでたまたま舌が覚えてたんです。珍しい味だったので。」
ナギサの答えに、少し濁しながら答えるリンデ。何故こんな歯切れの悪い解答なのかというと、リンデは今世ではナギサの作ったもの以外のクッキーはほぼ食してないため、たまたま前世の記憶に引っかかったのが原因である。あれからもう十数年以上経過しているのに、我ながらよく覚えていたものだと本人も思っていたが、案外感覚というのはそういうものなのかもしれないと納得させていた。
一方ナギサはと言うと、リンデ達を驚かせるつもりもあって仕込んでいた味の一つを当てられた事に逆に驚いていた。一応、参考にしたレシピはあるのだが、それをリンデが食す機会があったという事にも少しびっくりしていて、まさか他の味も速攻で当てられてしまうのではと、無性に焦り始めていた。
そんなナギサの様子に気づいていないリンデは、次に『ペロロ様』のクッキーを食べようとしていた。すると、リンデの横から物凄い勢いで手が伸びたかと思うと、一瞬のうちにヒフミの手元にもう1枚『ペロロ様』のクッキーが増えていたので、リンデはジト目でヒフミの方を見ながら軽く注意した。
「・・・ヒフミ。他人の食べようとしたクッキーを取るのは、如何なものかと思うのですが。」
「あ、アハハ。すみません。でも『ペロロ様』が食べられてしまうと思うと、つい。」
「ハァ、あなたのその、『ペロロ様』に対する愛は分からなくもないですが。これはあくまでそういう形のクッキーであって、『ペロロ様』本人では」
「いいえ、リンデさん。『ペロロ様』です。それがどういったものであれ、『ペロロ様』の形をしているなら、それは『ペロロ様』なんです!」
思わず『ドンッ!』という文字が後ろに浮かんでそうな威風堂々とした態度でそう言い放つヒフミ。その姿にナギサは珍しくポカンとしていたが、逆にリンデは呆れてこめかみを指で抑えていた。そして、理解は出来るが割とどうでもいい話題をこんな自信満々な顔つきで言ってることに再度溜め息をつきそうにもなったが、どうにか堪えると一息ついてから再び口を開いた。
「・・・ふぅ~、いいですかヒフミ。仮に『ペロロ様』だとしても、これはナギサが私達の為に用意してくれたクッキーです。そして、クッキーは日持ちするといえど、時間が経てば腐り、食べられなくなります。それは作ったナギサに対しても、その姿となった『ペロロ様』に対しても、とても失礼な事だとは思いませんか?」
「ゔっ!? それは・・・、はい。」
「でしょう? であれば、ここは割り切って食べるのが、『ペロロ様』を含めたこの『モモフレンズ』型のクッキーとナギサに対する礼儀であり、彼らにとっての喜びであると私は考えますよ。ほら、どうしても私に食べられるのを見たくないのなら、こちらの分は上げますから。ね?」
リンデの正論(?)に動揺し、目が泳ぐヒフミ。そこに追い打ちをかけるようにさっと見える範囲で集めた『ペロロ様』型のクッキーを皿に小分けしてリンデがズイッと押し付けると、数秒悩んだ末、ヒフミは意を決して1枚掴んで一口でクッキーを口の中に放り込んだ。
「・・・そ、そうですね。では、早速。・・・『ペロロ様』、ごめんなさい!あむっ!」
(謝る相手が違う気もしますが・・・。まぁ、これもヒフミらしさ、ですかね。)
「・・・はっ! 失礼、少し呆けてました。ヒフミさん、お味の方はいかがですか?」
『ペロロ様』に対して謝りながら食べたヒフミに内心ツッコミを入れつつも、それもヒフミらしさかと若干呆れながらも苦笑するリンデ。と、そこへちょうどポカンとしていたナギサが戻ってくると、味のことをヒフミに尋ねた。
「・・・っ、美味しい、です! はい。ほんのり甘くて。でも何というか、いつも頂いてるクッキーと少し、甘さの感じが違う気もします。ん〜、ナギサ様。何でしょうかこれ?」
「フフッ、実はですね―――」
リンデのように味を当てられず頭を悩ませるヒフミに、さっきまでとは打って変わって意気揚々と下地の味等について語りだすナギサ。それを聞いて楽しそうにヒフミが相槌を打つと、また別のクッキーを勧めて感想を聞いていくナギサ。
そんなやり取りがしばらく交わされるを見て、リンデはふと思った事をボソリと一言呟いた。
「・・・ナギサ。まさかとは思いますが、私が『ウェーブキャット』さんのクッキーの『黒ごま』味を当てたこと、根に持っているのですか?」
「・・・はて。何のことですか? 全然、毛ほど先も。えぇ、気にしていませんとも。」
そう言いながら、少し震えた手で眉間に軽く皺を寄せながら紅茶を飲むナギサ。いや気にしてるでしょ、と突っ込むのは簡単だが、絶対面倒くさいことになると分かっているので、いつも通り軽く流すことにしたリンデだったのだが―――
「・・・まぁ、そういう事にして」
「そういう事、ではありません。気にしてないのです、私は。いいですね?」
「・・・・・」
「
「・・・はい、分かりました。」
―――どうやら今日のナギサは余程自信があったのを当てられたからか、面倒くささが2割増ほどだったようで、追撃の圧をかけてきた。ついでにいつものにこやかな笑み(ただし目は笑ってない)も追加で。それに気圧される形でリンデが頷くと、「よろしい。」とナギサも圧を解いたのだった。
「あ、アハハ・・・。」
なお余談であるが、そんな少し子供っぽいやり取りをしている先輩達を見て、ヒフミも少し引き攣った笑みを浮かべていた。
▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
「そう言えばナギサ。」
「はい、どうしましたかリンデさん?」
先程のやり取りから少し経った頃。今度はリンデがナギサに、ふと何かを思い出したように声をかけた。声をかけられたナギサは、何か話すことがあっただろうかと内心首を傾げたが、それを表に出さないよういつも通りの優雅な姿勢を崩さず言葉を返し、紅茶に口をつけていたのだが―――
「ヒフミの好きなものの名前、ちゃんと言えるようになりましたか?」
「ぶっ!? ゲホッ、ゲホッ! り、リンデさん?! いきなり何を?!」
―――次のリンデの言葉で、速攻で優雅な姿勢も表情も何処かへ吹き飛んでしまい、飲んでいた紅茶にむせてしまった。なお咄嗟に顔を片手で覆ったが、リンデには動揺しているのがバレバレであり、
「・・・たかがこの程度の事で、そこまで動揺します? 名前を覚えているか、確認しただけですよ。」
と、怪訝な表情で見返されていた。
実は、先日の即売会の際、ナギサの「『ペロロ様』→ペロペロさん」呼びをヒフミから聞かされていたリンデは、この短期間に少しでも何とか改善されるようにと、暇を見てナギサに教えていた。当然、お互いに会える時間も限られるので、覚えられるようにとリンデが持っている『モモフレンズ』の本を貸し出したりもしたのだが、思ったよりも早くヒフミと再開する事になってしまったため、ナギサはそちらについては心の準備が出来ていなかったのだ。
そのため、このお茶会が始まってからもどれがどのキャラの形状なのかという話題には深く混ざる事なく、上手い事回避していたのだが、リンデが思い出してしまったせいでそうも言ってられなくなってしまった。しかも対面のヒフミにも当然この会話は聞こえているため、こちらに注目しているのが見るまでもなく視線で感じ取れて、ナギサは少し涙の混ざったジト目でリンデの方を薄っすら睨みつけた。
〈う〜、こんなタイミングで思い出すなんて。恨みますよ、リンデさん。〉
〈元はと言えば、あなたが覚えていれば済んだ話なのですから。自業自得ですよ、ナギサ。〉
〈くぅ、ここぞとばかりにマウントを取ってきますね。〉
〈事実ですから。〉
目線だけでそう会話する二人。恨みのこもった目線で睨むナギサと、それを涼しげに流して半目でナギサを見ながら優雅に紅茶を味わうリンデの姿から、先日や先ほどまでとは完全に立場が逆転しているのは明らかで、ナギサの方を注視しながらも、そんな二人のパワーバランスの変化に、ヒフミはミカとリンデの関係とはまた違う、ナギサとリンデの間の空気感を不思議な気持ちで見ていた。
そうこうしている間に、このままでは拉致があかないと悟ったナギサは目を閉じて深呼吸をすると、頭の中でさっきまでリンデとヒフミの会話を思い起こしつつ、元の優雅な表情を浮かべながら*1口を開いた。
「・・・えぇ。えぇ、大丈夫ですとも。先ほど、会話の中で何度も出てきていましたから。『ペロロ』さん、ですよね?」
努めて落ち着いた口調で、きちんと正確な名前を言い当てるナギサ。それにヒフミはパアッと表情を明るくさせると、頻りに頷いていた。
「は、はい! そうですよ、ナギサ様! あっ、出来れば呼び方は『ペロロ様』がいいですけど。でも! これでまた一人、『ペロロ様』の話ができる方が増えました!」
「ふぅ~・・・。とりあえず及第点、ですね。これで間違えたら、一度本気で病院へ行く事をお勧めする所でしたよ。はい。」
一方、ヒフミが喜んでいる横で割と遠慮のない評価をリンデはしていた。リンデとしては幼馴染故の遠慮のなさと純粋な心配からの言葉だったのだが、ナギサは逆にバカにされたと受け取ってしまい、その言葉に顔を真っ赤にしてリンデに反論していた。
「ちょっと、そこまで言いますかリンデさん!?」
「当たり前でしょう?! 目の前で何度も交わされる単語を覚えられないとか、普通何らかの脳障害を疑いますよ!?」
「それが幼馴染の親友に対する言動ですか?! ミカさんに言いつけますよ!!」
「幼馴染の親友だから心配してるんですよ! というか、ミカを持ち出して巻き込まないでください! 戦争ですよ、それは!」
「何を訳の分からない事を! バウムクーヘンブチ込まれたいですか!?」
「何度もそれに屈する私だと思わないでください! 理不尽を持ち出すなら、それ相応の覚悟はあるんでしょうね?!」
売り言葉に買い言葉でエスカレートしていく二人。そんな急に始まったナギサとリンデの口喧嘩に、最初は目を白黒させて取り残されていたヒフミだったのだが、二人が顔をどんどん近づけて今にもぶつかりそうになった所で何とか止めなければと咄嗟に考え―――普段のヒフミなら実行しないような行動を取った。
「もう、喧嘩はやめてください!ナギサ様! リンデさん!」
「「むごっ!?」」
口に何かを突っ込まれ、思わず呻くナギサとリンデ。何とヒフミは、手元にあった『ペロロ様』型のクッキーを一つずつそれぞれの手に取ると、ナギサのように二人の口へと無理矢理突っ込んだのだ。普段であれば恐れ多くて、ヒフミにはとても取れない選択肢だったのだが、この時のヒフミはナギサにようやく『ペロロ様』の名前を呼んでもらえた事で少しだけ気持ちが昂っており、そこから急に始まったナギサとリンデの口喧嘩を止めないと、と考えた結果、
口喧嘩なら口を塞げば止まるかも
→手元にある『ペロロ様』クッキーならちょうど良さそう
→よし突っ込んじゃえ!
という、ノリと勢いに任せた思考回路へ繋がってしまい、今に至るという訳である。
「せっかくのお茶会なのに、喧嘩なんかしてたらもったいないです! お二人は仲良しなんですから、もっと言い方がきっと、ある、はずで・・・・・・。」
「「・・・・・・。」」
が、ヒフミのノリと勢いに任せたハイテンションも長くは続かず、ここに来て頭が状況に追いついてしまった結果、今自分がとんでもなく不敬な事をしているのに気づいたヒフミは―――
「ご、ごごごごめんなさい!! 私ってば、なんてとんでもない事を!! 本当にごめんなさい!!」
――――全力で二人から後ずさると、ペコリペコリと何度も謝り倒した。今この場には自分達3人しかおらず、二人とは友人のような関係だとはいえ、これが『ティーパーティー』の人達に知れたらと思うと気が気でなく、ヒフミはただただ謝るしか出来なかった。
そんなヒフミを、口に突っ込まれた『ペロロ様』型クッキーを加えながらボーっと眺めていたナギサとリンデだったが、リンデはクッキーの方へ視線を向け、素早く口の中へ含んでクッキーを咀嚼すると、何が可笑しかったのか、突然笑い始めた。
「・・・・・・ゴックン。フッ、フフフ、アッハハハハハハ!」
「・・・えぇ?」
「・・・・・・リンデさん?」
突然笑い始めたリンデに困惑するヒフミ。ナギサも口に突っ込まれたクッキーを同じく咀嚼すると、怪訝な視線をリンデへと向けた。すると、頭をフルフルと横に振ってから、リンデは再度口を開いた。
「いえ、何だか可笑しかったので。まさか、ヒフミがそんな行動に出るとは、思いもしなかったものですから。・・・そうですね。確かにお茶会を楽しむ場としては、不適切な発言でしたね。すみません、ナギサ。言い過ぎました。」
笑った理由を説明して、ナギサへと素直に謝罪するリンデ。ナギサは一瞬キョトンとしてしまったが、すぐに自分にも非があることに思い至ると、こちらも素直に謝罪した。
「いえ、こちらこそ申し訳ありません。少し考えれば、リンデさんが私を心配して言ってくれたものだと理解できたのに、それを穿った見方で捉えてしまいました。」
「・・であれば、今回はお互い様ということで。」
「そうですね。ヒフミさんも、申し訳ありません。こんな事をさせてしまって。」
冷静になって、お互いに悪い所があったと認めあうリンデとナギサ。そして、ヒフミにも申し訳ない事をしてしまったとナギサが謝ると、逆にヒフミは手をブンブンと振って照れながら、口にお菓子を突っ込んだことを再度謝罪した。
「い、いえ! 2人の喧嘩が収まってくれて、良かったです! それに、私の方こそごめんなさい。あんな、お菓子を口に突っ込むような事をしてしまって。」
「フフッ、ヒフミさん。私もリンデさんも、これくらいでヒフミさんの事を悪く思ったりしません。お気になさらずとも、大丈夫です。」
「そうですよ、ヒフミ。むしろ、あなたは私達の喧嘩を、身を挺して止めてくれました。ありがとうございます。」
「ナギサ様・・・。リンデさん・・・。」
ナギサとリンデの笑顔を見て、二人が本当に気にしていないと分かったヒフミは、もう一度深くお辞儀をして、それ以上は何も言わなかった。それでこの件は終わりと判断したナギサは、手をパンと叩くと、お茶会の再会を宣言した。
「さて。ではお茶会を再開しましょう。お菓子も紅茶も、まだまだありますから。」
「っ、はい!」
「分かりました。」
そこからは三人で『モモフレンズ』の話を交えながら、楽しいひと時を過ごした。『モモフレンズ』の話題については、時折ナギサが分からない所はリンデとヒフミでそれぞれ補足しながらではあったが、ナギサにとっては、無意識ながら久々に気の抜けた年相応の時間を過ごせた時間となり、ヒフミやリンデにとっても、自分達以外の『モモフレンズ』仲間を増やせた事に、確かな手応えを感じたのだった。
ナギちゃん、ようやく『ペロロ様』の名前を正しく覚える&『モモフレンズ』仲間への引き込みフラグ構築回でした。
以下今回の話について、ちょっと長くなるので、面倒な方は読み飛ばして頂いて結構です。
いやもう、今回の話はマジで難産でした。書き直す前はやたらシリアス方面に突っ込み始めて、内なる愉悦とか色々抑えるの大変でした。
元々の流れとしては
ナギちゃん、ヒフミの前でテンパってまた間違える
↓
ヒフミガチ泣き&ナギちゃん遠ざける
↓
ナギちゃんショックで意気消沈
↓
リンデが色々気をもみ始める
↓
それを心配したミカがナギちゃんの応援にリンデ出すけど、段々寂しさ感じ始める
↓
そこにオリキャラが出てきてリンデという共通の話題でやりとりして意気投合……etc.
といった感じの流れが浮かんできて、でもそれだと最終的に何故かヒフミがこの段階でエデン条約3章並に覚醒しちゃうわ、ヒフナギの絆が天元突破して補習授業部からヒフミが抜けそうになるわで収拾つかなかったんで、剪定事象にして没ったんです。
で、結果的にできたのが今回の話といった感じです。
『モモフレンズ』の下りだけは絶対入れたかったので、前回のヒフミメイン回の事を少し交えながら、話を進めることを意識しました。いや、本当に大変でした。
『モモフレンズ』クッキーの下りは元々入れる予定でした。上記の話の場合は仲直りの印として、という意味合いもあったのですが、今回は単純にそういう形のクッキーとして、リンデとヒフミに視覚的に楽しんでもらえるように、という感じで出しました。
ヒフミは原作でも、ぬいぐるみ等であっても感情移入しがちなので、そういう形の食べ物でも『ペロロ様』だけは譲らないのだろうなという信頼があります。今話でも遺憾なく発揮してもらいましたが、今後もたぶん、出てくる回は基本こんな感じです。
クッキーの生地の味に関しては、かなり適当ですが自分の中のイメージだと
ウェーブキャット→黒ごま
ペロロ様→バニラ
ピンキーパカ→桜
ビッグブラザー→ミント
アングリーアデリー→下地は普通でチョココーティング
スカルマン→ビターチョコ
Mr.ニコライ→紅茶
みたいなイメージです。ちなみにリンデが味当てられたのは何かの伏線とかではないです。単純に前世要素入れたかっただけなので。あと筆者が黒ごま味好きなだけ。特に黒ごまオレとかw
ナギちゃんはこういう自分の得意分野では負けず嫌いだと思ってます。自分の好きなものに関しては絶対譲れない所はヒフミと似てる気がするので、やっぱりお似合いの先輩後輩だと思います。ヒフナギはいいぞ! いやミカナギも好きだけど、今作はミカリンデなので(カプ厨)。
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それではまた次回!