今日はナギちゃんの誕生日! というわけで、本編は一旦保留して、ナギちゃんの誕生日回です!
時系列はプロローグよりも前です。その、ミカと同じで進級後の時間軸にしてしまうと、その、『アレ』と被るんですよ、はい。
なので、まだ平和な時期の話が書きたかったので、久々に2年時の話です!お楽しみください!
それでは番外編編です。どうぞ!
P.S.)投稿段階で入れていたつもりだった楽曲コードが消えていて、一部本文用の仮メモが残りっぱなしになってたので修正しました。申し訳ありません。
「・・・ふぅ。」
「お疲れ様です、桐藤首長。・・・時間もちょうどいいですし、少し休憩にしましょう。」
ある日の昼頃。私はリンデさんと、『フィリウス』の執務室で共に職務に励んでいました。最近は引き継ぎや新業務などで色々あってそれどころではなかったのですが、リンデさんがたまたま手が空いたとのことで、久方ぶりに手伝っていただいてるといったところです。
そんな時、私が一息ついていると、リンデさんから休憩を提案されました。確かに、時間的にはきりが良いのですが、まだ仕事は残ってます。今休憩を取るわけにはいきません。ですから、仕事を優先しましょうと口を開くと、
「あまり根を詰めすぎても、良いことありませんよ。それにほら、顔に疲労の色が浮かんでます。そんな状態で続けても、良いことありませんよ。さぁ、いきましょう。」
と言われ、無理矢理席を立たされて、執務室にある休憩用のソファへと引っ張っていかれました。・・・何だか、随分強引に休憩を取らされている気もしますが、リンデさんの手鏡で見せられた私の顔は、自分で思っている以上に疲れていて、少し窶れたり隈が浮かんでいたりしていました。
・・・確かに、ここまでになるほど疲れているのを見てしまったら、リンデさんの性格上、放っておきませんよね。ここで意固地になることは簡単ですが、リンデさんがそれで放っておいてくれるような方でないのは、昔からの付き合いで分かっていますし。仕方ありません。ここは大人しく、リンデさんのお言葉に甘えることにしましょう。
「・・・はぁ、仕方ありませんね。分かりました。休憩にしましょう。」
「素直に疲れたと認めれば良いのに。相変わらず、そういう所は意固地ですね。」
「余計なお世話です。」
互いに軽い小言を言い合いながら、大人しくソファに座りました。すると、リンデさんが勝手知ったるというように紅茶を淹れると、私の分を先に持ってきてくださいました。カップをソーサーで支えながら手に取り、鼻腔を擽る紅茶の香りを嗅いでいると、少しずつ自分の中の疲労が回復しているように感じました。ですが、このまま嗅いでいるだけではいけません。せっかく淹れたての紅茶を先に持ってきてくださったのですから、しっかり味合わなくては。
カップを口に近づけ、一口。私好みの絶妙な温度加減で淹れられた、セカンドフラッシュのアッサムティー特有のコクのある味わいが、口の中でしっかりと主張してくるのが分かります。流石はリンデさん。あれから研鑽も欠かさず、ここまでの領域へ来るとは。紅茶の淹れ方を指導したものとして、こちらも鼻が高いです。とはいえ、まだまだ私の方が上だと自負しています。褒めるのは程々にしておきましょう。
「ありがとうございます。・・・相変わらず、とても美味しいです。リンデさん、紅茶の淹れ方も随分上達されましたね。」
「師事した師匠に恵まれましたから。それに、最近私も後輩が出来ましたから、負けてられないんですよ。」
「後輩ですか? それは素晴らしい事ですね。どのような方なのですか?」
私がリンデさんの事を褒めると、リンデさんも指導した私を持ち上げるような事を言ってくれました。それと同時に、今はどうやら、自分の研鑽だけでなく、自分と共に研鑽に付き合ってくれる後輩が出来たと教えてくれました。
何だか、弟子が逞しくなって誇らしいような、自分以外の相手と紅茶の道を極めようとしてることが寂しいような。そんな複雑な気持ちが湧いてきましたが、私はそれをおくびにも出さず、その『後輩さん』について尋ねてみました。するとリンデさんは少し困ったような笑みを浮かべながら、教えてくれました。
「最近『パテル』に所属してくれた、『事務方』候補の一人ですよ。とても筋が良くて、来年には私の考える『事務方』のまとめ役も任せても良いと思える、そんな後輩です。残念ながら、本人が少し恥ずかしがりやなので、名前はお教え出来ませんが。」
「そうですか。それは少し残念ですね。いつかお会いしてみたいのですが。」
「本人から了承を得る必要はありますが、はい。機会があれば、ぜひ。」
「フフッ、約束ですよ。」
「はい、いずれ必ず。」
お名前を伺えなかったのは残念ですが、いずれ教えていただけると約束していただきましたから、今はそれで良しとしましょう。そう思っていると、「あっ、そうでした。」とリンデさんが声を上げてこちらに微笑んできました。いったいどうしたのでしょうか?
「ナギサ。」
「? どうしましたか?」
「・・・こちらへどうぞ。」
そう言って、リンデさんは徐ろに自分の膝を叩いて、こちらへ来るように促してきました。ん、膝? 何故膝を?
リンデさんの意味深な微笑み。そして膝を叩いてこちらへ来るように誘導している。膝の上に座る、は子供ではないのでそういう事ではないでしょう。となると、わざわざ膝を示してきたのは―――と、そこまで考えて、私は恥ずかしさから顔を真っ赤にしてリンデさんに怒鳴りました。
「・・・へ? え、えぇ?! な、何を考えてるのですか!? は、破廉恥ですよ!」
「膝枕ごときで破廉恥とか言われたのは、流石に初めてですね。」
呆れた顔でこちらを見ながら、そう宣うリンデさん。というか、やっぱりひ、ひ、『膝枕』じゃないですか! 何を考えてるんですか!
というか、いつも思ってますが逆に貴女は距離感が近すぎるんですよ! 特にミカさんと! いっつもいっつもベタべタベタベタ! そんなにずっと、まるでこ、恋人みたいな距離感で密着し合ってして、恥ずかしくないんですか?! と指摘すると、
「まあ、いつも触れ合っていることは否定はしませんが。恥ずかしいと感じたことは、あまり無いですね。」
こう返されました。
「いや、おかしいでしょ! い、いくら女子同士とはいえ、四六時中あんなにベタついて・・・! ふ、不純ですよ! 不純! 」
「そこまで言います? あれくらい、親友のスキンシップの範疇だと思うのですが。」
そう言いながら、首を傾げて不思議そうに見てくるリンデさん。・・・不覚にも、今の動作が少し可愛く見え、って何を考えているのですか私は!
それより、どうして私が間違ってるみたいな表情されないといけないのですか! その表情、本来なら私がするべきものですよ! 間違っても、あなたがする側ではないですよね?! えっ、これ私が間違えてるんですか!? そんな訳ないですよね? と意見を向けようにも、今日はあいにくこの部屋には私とリンデさんしかいないため、助けは求めることが出来ず、私は思ったことを口にすることしか出来ませんでした。
「いくら親友でも、パーソナルスペースというものとか、ほら、あるでしょう?! それに対して貴女達の距離感は、ほぼ0じゃないですか! その事に対して、本当に何とも思わないのですか?!」
「まあ、私にとってミカは青空に燦然と輝く『太陽』であり、常闇すら照らしてくれる『月』であり、満点の星空でも爛々と瞬く『一番星』にして、替えのない唯一無二の『輝き』ですから。それがない生活なんて、もう想像もしたくないですね。」
私が思ったことをそのまま口に出して言ったツッコミに対して、リンデさんは自分の中に秘めたミカさんへの思いをこれでもかと詰め込んで、特大のカウンターをかましてきました。それを聞いた私は、そのあまりの思いの重さに先程までの怒りが引っ込んでしまい、代わりに呆れにも似た感情が浮かんできました。
「・・・あれ、どうしましたか?」
そんな私の様子に、また不思議そうに首を傾げるリンデさん。あなた、それを見て私がどう思うか、分かっててやってます? 全く可愛いですね、ってそういうことではなく!
「・・・ハァ、臆面もなく、よくそんな事をスラスラと淀みなく言えますね。まぁ知ってましたが。」
呆れとともに額に軽く手を当ててそう零しました。すると、リンデさんが心外だという感じに声を上げました。
「何でしょう、軽く引かれてる気がするのですが。」
「逆に今の言葉を聞いて、ただの褒め言葉だと受け取るのはミカさんくらいだと思いますよ。一回、ヒフミさんの前で言ってみますか?」
「ナギサ、それ、もう一回試しました。」
「そうですか。それで、結果は?」
「その、困ったように笑われました・・・。」
自覚がなさそうなリンデさんに、一度私以上に感性が普通なヒフミさんの目の前で先ほどと同じような事を言ってみるか提案してみると、どうやらそれは一度試していたようです。結果を尋ねると、大方の予想通りヒフミさんも私と似たりよったりな反応だったようです。ほら見なさい。いくら先輩であろうと、そんな感情をうちに秘めてると知れれば、ドン引きするのも致し方ないでしょう。笑って誤魔化してくださってるだけ、まだ温情ですよ?
そうリンデさんへ視線を向けると、しばらくの沈黙の後、困った顔をしてリンデさんが尋ねてきました。
「・・・やっぱり重いのでしょうか、私のこの気持ちは。」
「一般的に言えば、重たいと言われても仕方ないでしょうね。だいたい一個人を『太陽』と『月』と『一番星』の全てに例えるだけに飽き足らず、替えのない唯一無二の『輝き』だなんて言葉までつけてる時点で気づくべきでしょう。」
リンデさんのミカさんへ対する思いは、世間一般で言えば十分以上に重たいものです。「あなたは太陽のように輝いている。」「あなたは月のように綺麗だ。」「あなたのその輝きはまるで一番星のようだ。」と、普通は特定の個人に対して一つしか使わないような修飾を、リンデさんはミカさんに対して3つも使うだけでなく、剰え「替えのない唯一無二の『輝き』」とさらに重ねているのですから、その思いの重さは推して知るべしでしょう。と考えていると、リンデさんの口からさらなる爆弾発言が飛び出てきました。
「語ろうと思えば、まだ語れますが。これでもかなり削っているのですよ?」
「尚更質が悪いですよ! ハァ〜、そこまで思われてるミカさんが羨ましいと思うべきなのか、それともこんな重たい感情を向けられている事を心配するべきなのか。判断に困りますね。」
あれで削った方だと言われて、私は思わず頭を抱えて理解を拒みました。一応、幼少期の頃に一度リンデさんとミカさんの出会いの馴れ初めはお聞きしたことがありましたが、たったそれだけの事で、普通ここまで重くなりますか? これだけはリンデさんの事の中で、一番理解できない面ですよ。
しばらくそうして頭を抱えていましたが、ふとこれは、リンデさんが私にひ、膝枕をするという話から発展したことだったなという事を思い出して、ある事を尋ねてみました。
「というか、よろしいのですか?」
「? 何がですか?」
「それだけミカさんの事を思っているのに、私にひ、膝枕なんてして・・・! あとでミカさんが怒りませんか?」
そう、私が懸念したのはリンデさんの想い人にして、リンデさんに日頃から一番甘えている私の大切なもう一人の幼馴染のミカさんの事でした。普段学園ではキラキラと天真爛漫を絵に描いたような振る舞いを見せていますが、あぁ見えてミカさんはとても嫉妬深いです。私相手であっても、リンデさんが自分以外と数時間過ごしていたりすると、リンデさんに対して理不尽な怒りを向けることが多々あります。これでも昔に比べれば、だいぶ自制がきいてきている方なのですが、それでも未だにその悪癖は改善されてませんからね。せめて来年、最高学年に上がるまでには、どうにかしたいと考えているのですが、果たしてどうなることやら。
それはさておいて、問題はミカさんです。いくら対象が私であっても、ミカさんが嫉妬するのは間違いなさそうなのですが。そう疑問に思っていると、その後のリンデさんの言葉で疑問が氷解しました。
「それに関しては、心配に及びません。今朝方ミカから、『今日はナギちゃんの誕生日だからね。やり方は任せるから、思いっきり甘やかしてあげて』と言われてますので。」
「な、なるほど。」
リンデさんの言葉を受けて、取り敢えず事情は納得できました。なるほど、確かに今日は私の誕生日です。別に狙ったわけではなかったのですが、ちょうどリンデさんが来てくれる日と重なったため、気を遣ってミカさんがそう提案してくださったとのことでした。その気遣いは有り難いのですが・・・。ミカさん、リンデさんに余計なことを言ってないでしょうね? あとで確認しなければなりませんね。
「はい。という訳でナギサ、改めてこちらへ。どうぞ?」
私がミカさんへの対応を考えていると、リンデさんが再び膝を叩いてこちらへ来るように促してきました。
・・・どうやら、リンデさんの中で止めるという選択肢はないみたいですね。仕方ありません、こうなったリンデさんはきっと、梃子でも動かないでしょうし、私が折れるしかありませんね。ハァ〜・・・、恨みますよミカさん。
「・・・ハァ〜、仕方ありません。今日だけは、幼馴染二人からのお節介という事で、謹んでお受けします。」
「えぇ、存分に癒されていってください。」
私が渋々リンデさんの提案に頷くと、パァッとさらに笑顔を増した顔でこちらへ笑いかけてきました。そ、そんなに嬉しかったんですか? よくわかりませんが。
ま、まぁ、リンデさんが喜んでいるのであれば、良しとしましょう。私はリンデさんの方へ距離を詰めると、緊張しながらリンデさんの膝へと、自身の頭をリンデさんの膝の上へと寝かせました。
「・・・で、では。し、失礼します。」
「はい、どうぞ。・・・どうですか、寝心地は?」
「・・・その。初めて、ですが。悪くは、ないですね。」
努めて落ち着いた声音でそう返した私でしたが、その内心は荒れに荒れていました。
(う、うぅ〜。は、恥ずかしいです。ですがそれ以上に、な、何でしょうこれは・・・。すごく気持ちよくて、疲れが解れていきます。思わず、やみつきになってしまいそうです・・・! ミカさん、あなたはいつもこれを味わっているのですか? う、羨まし、って何を考えているのですか私は!?)
このように、恥ずかしさと気持ちよさから、思考があらぬ方向へ暴走してしまい、普段の私であれば思わないようなことを考えてしまって、それが表に出ないように抑えるので精一杯の状態でした。
「フフッ、それは良かったです。普段から鍛錬を重ねて、筋肉質で硬くないかと不安だったのですが。お気に召してもらえて良かったです。」
そんな事は露知らず、リンデさんはそう言って、私の頭に手を乗せると―――徐ろにゆっくりと動かし始めました。俗に言う、『撫でる』という行為ですね。
そして、リンデさんが私を撫でてきた事で、私の心のダムで抑えられてた気持ちが、一瞬とはいえ壁を越えてしまいました。
「っ、ひゃっ!」
その結果、普段なら出さないようなあられもない声を上げてしまいました。それにびっくりしたのか、リンデさんは動かしていた手を離すと、私に謝罪してくれました。
「あっ、ごめんなさい。ついミカの時の癖で。嫌でしたか?」
「い、いいいえ! だだだ大丈夫です! そそそ、その、び、びび、ビックリしてしまった、だけですので。」
(な、何ですか今の気持ちよさは!? こ、こんな。こんな気持ちいい撫でられ方、私、知りません! ミカさん、今なら貴女の気持ちが凄くよく分かります。こんなの、癒されるどころか、骨抜きにされてしまいそうです・・・!)
内心の動揺を隠しきれないながらも、どうにかリンデさんへ返事を返しました。しかし、これはいけません。このままこんな気持ちの良い撫で心地を味わい続けてしまったら、ミカさんと同じく、リンデさん抜きの生活を、考えられなくなってしまいそうです・・・! やはり、お二人には申し訳ないですが、これ以上は、とそこまで考えましたが―――
「? そう、ですか? ひどく動揺してますけど。もしかして、無理してますか?」
「っ、そんな事はありません! 本当に、いきなりの事で驚いてしまっただけですから。」
―――リンデさんの普段見ない、しゅんとした表情を前に、私の考えはあっけなく打ち砕かれてしまいました。
うぅ、だ、ダメです。普段の凛としたリンデさんの表情から想像もできない、しゅんとした涙目のリンデさんの表情に抗うなんて。出来るわけないじゃないですか! そんな事が出来る人なんて、心のない人としか思えません!
「本当、ですか?」
「えぇ。ですからリンデさんは、お気になさらず、お好きなようにしてください。私を、癒してくれるのでしょう?」
不安そうな表情でそう聞いてくるリンデさんに向かって、心配など微塵も感じさせないよう、普段通りの笑みを浮かべて、私はそう返しました。
リンデさんの不安そうな表情なんて、私もミカさんも見たくないです。もしここでリンデさんを不安にさせて帰してしまったら、私は二人の友人ではいられません!
桐藤ナギサ、今だけは己を捨てなさい。そして、リンデさんからの癒しを全身で受け止めて、リラックスするのです。あなたならできます。私ならできます! さぁ、どんな癒しでもかかってきてください! 私は絶対に―――
「・・・分かりました。では、そのように。改めて、存分に癒やされてくださいね、ナギサ。」
――――そう言って、再開されたリンデさんの撫での前に、数秒前に抱いた私の決意は砂上の楼閣のごとく、呆気なく崩壊してしまうのでした。
あっ・・・、すごい眠気が。
それに、目の前に、たくさんのヒフミさんが―――
▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
「スゥ~・・・。スゥ~・・・。」
「おや、寝てしまったのですか? フフッ、余程お疲れだったのですね。」
ナギサの言葉を信じて、癒しの膝枕と撫でを再開した私でしたが、再開してわずか数秒で寝てしまったナギサを見て、思わず笑みがこぼれてしまいました。ここのところ『首長』としての引き継ぎ等で、ナギサも忙しそうにしてましたからね。やはり何処かで無理をしていたのでしょう。今だけは、ゆっくりお眠りになって、私の癒しに身を委ねてくださいね。
そう、心の中で思いながら。しかし同時に、無防備にも年相応のあどけなさの残る寝顔を見て、私は、普段ナギサに言えないような事を、眠っているがゆえに本人に聞こえないのをいいことに色々と言うことにしました。
「・・・ナギサ。あなたは気づいていないかもしれませんが。私やミカにとって、あなたもまた、かけがえのない大切な存在なのです。あなたがいるからこそ、私もミカも、思いのままに行動することができる。たとえ何かあったとしても、あなたなら必ず、私達の事を思ってくれると信じてますから。ミカも、口ではあなたの事を口うるさいとか言ってますし、あなたの事をからかいますけど、本当は私と同じ気持ちなんです。素直じゃないので、たぶん一生、あなた本人に本音を言うことはないかもしれませんが。いうなれば、私達にとってあなたは、必ず戻るべき『帰る場所』なんです。ですから、いつまでも壮健でいてくださいね。あなたがいる場所が、私達の帰る場所ですから。」
くせのない綺麗なナギサの前髪を撫でながら、囁くようにそう言い切った私は、再び彼女への癒しに注力し始めました。
しかし、気持ちよさそうに寝てるナギサを膝枕して撫でている間に、自分の中で、何となく子守唄代わりの歌を歌いたい気持ちが湧いてきました。いつもであれば、ミカが話し相手になってくれるのですが、あいにく今スマホを取り出せそうにないですし。
ふむ、どうしましょうか。『
そういえば、あと数日で七夕でしたね。七夕、七夕・・・。あ〜、あるじゃないですか。ピッタリな歌が。
とはいえ、歌詞通りに歌うと、少々重たいフレーズもありますね。となれば、あの映画の中で使われていたように、メロディーだけを歌うのがいいですかね。いつものように歌うのではなく、あくまで子守唄として、小さく、静かに。
「ルル〜ルル〜ルル〜♪ ルルル〜、ル〜ル〜♪ ル〜ルル〜ル〜ル〜♪ ル〜ルル〜、ルル〜♪」
―――静かな『フィリウス』の執務室に、私の子守唄と、ナギサの寝息だけが流れる。気持ちよさそうに眠る、眉間に皺が寄っていることも無い顔を時折見ながら、私は子守唄代わりの歌を、同じ調子で最後まで歌っていました。
もう数日したら、世間は『七夕』ですね。というわけで、七夕らしい曲をリンデに歌ってもらいました。
皆さんは、『七夕』といえば、何が浮かびますか?
自分は、ウマ娘経由で競馬にハマってから、『七夕賞』しか出てこなくなりましたw
『天の川』とか『織姫』『彦星』でもないというね。
(オゾンより下なら問題ない〜♪)
作中のナギちゃんの紅茶に関する批評とかは、かなりアバウトな上、主のネット知識全開です。あまり参考にしないでください。ナギちゃん視点で書いたら、まさかこんな弊害が出るとは・・・。しばらく、ナギちゃん視点で紅茶関係の話は避けたいと思います。はい。
感想・評価、ここすき、誤字・脱字報告お待ちしてます。 いつも通り、返せる分は返信しますので、よろしくお願いします。
それではまた次回!
最後に。
HAPPY BIRTHDAY! ナギサ!!