今回の話、1話1話は割と短めですが、1本にすると1万字超えの長編になりそうだったので、キリの良さそうな所で3分割してます。
良い所で切れるかもしれませんが、ご了承ください。
1つ目のお話は、ついにあの騎士団長が登場です!
いつも通りキャラ崩壊&解釈違いあるかもしれませんが、許してください。
それとアンチ・ヘイト注意です。
先に謝っておきますが、筆者は団長の事、普通に好きです。
ただ、作劇の都合上しばらく彼女には損な役目を押し付けることになってしまいました。ご了承ください。
UAもとうとう14500超え。お気に入りも238件とそろそろ250の大台を突破できそうなラインまで来ました!
原作双方(特にブルアカ)の人気のおかげもあると思いますが、これほど応援してくださり、毎日本当に感謝しています!
お気に入りが増えたり、感想が来る度にニヤニヤしてるような筆者ですが、これからもこの『聖槍に祈りを』共々応援していただけると、非常に励みになります!
何卒よろしくお願いします!
少し長くなりましたが、本編です。
それではどうぞ!
「ごめんください。『ティーパーティー』の
〔リンデさんですか? はい、少々お待ち下さい。〕
合同演習から幾ばくか経ったある日。リンデは『救護騎士団』の本部を訪れていた。先日の合同演習でかなりの数の負傷者が出た事で、『パテル』内に置いてある医療薬品をかなり消耗してしまったため、その補充を『救護騎士団』に依頼していたのだ。
そして、今日が受け取りの日。本当ならリンデがいかなくてもいいのだが、とある事情があって今日だけはリンデがいかなくてはならなくなり、仕方なくミカを少しの間カナギに任せてリンデが顔を出すことになっていた。
(まさか、私が受け取りに来ないと依頼の品は渡せないと言ってくるとは、思いませんでした。まぁ、言ったのは十中八九彼女でしょうけど。)
こんな条件を突きつけてきたであろう『救護騎士団』の『団長』の顔を思い浮かべながら、少し憂鬱な気分になるリンデ。出会いからして割と最悪な部類の邂逅だった上、事ある毎に『救護!』と突っかかってきては話を聞いてくれない彼女の事が、リンデは少しだけ苦手であった。
とはいえ、苦手だからと行かないわけにはいかない。補充出来なくて困るのは『パテル』のメンバー全員。つまりミカにも迷惑がかかる。それは絶対に嫌なので、リンデは自分の苦手意識をグッと堪らえてここに来ていた。
しばらく待っていると、中からピンク髪の小さな羽の生えた『救護騎士団』の制服を纏った生徒―――1年の『鷲見セリナ』が、小さな身体で大量の荷物を抱えて出てきた。
「お、お待たせしました。こちら、依頼されていた医療薬品です。」
「ありがとうございます、セリナ。いつも助かってますよ。」
荷物を受け取りながら、セリナにお礼を言うリンデ。セリナは「いえいえ」と軽く首を振ると、件の『団長』の事をリンデに教えてくれた。
「リンデさん。『ミネ団長』は今見回りに行ってますが、お待ちになられますか?」
「あぁ、いえ。『ミネ』もお忙しいでしょうし、余り時間を取らせるわけには、っ!?」
善意で待つ事を提案してくれたセリナには申し訳ないが、お断りして早々に立ち去ろうとしたリンデ。しかし、後ろから猛烈な『何か』が接近してくるのを感じた瞬間、リンデは受け取った医療薬品を破損させまいと片手で抱えながら、瞬時に『ロンギヌスの槍』を出現させてその『何か』に向かって突き立てた。
「っ、キャアッ!?」
『ロンギヌスの槍』と『何か』がぶつかった瞬間、凄まじい衝撃が周囲へと発生し、近くにいたセリナが吹き飛ばされそうになって悲鳴をあげた。
リンデが槍を突き立てたもの―――それは大きな『盾』だった。そしてその盾越しに、凛とした力強い声がリンデに話しかけてきた。
「見つけましたよ! あなたなら、この時間にやってくるだろうと確信してました! さぁ観念してください!」
「くっ、相変わらず問答無用ですかあなたは! ミネ!」
突き立てた『ロンギヌスの槍』から衝撃波を放って弾き飛ばしながら、リンデが訴える。弾き飛ばされた『盾』を持った『救護騎士団』の『団長』『蒼森ミネ』は、くるりと空中で一回転すると、リンデを見据えながら軽やかに着地して、再び盾を構えて突撃しながら吠えた。
「当たり前です! あなたのその『歪み』は、いずれあなた自身だけでなく周りすら破滅させます! あなたならわかってるはずですよ、リンデさん!」
「っ、だからいったい何のことですか!? 以前から思ってましたが、毎度毎度こう盾をいつも突きつけられては、あなたの言いたい事を理解する事も出来ないでしょうが!」
「ならば私の『救護』を受けなさい! そうすれば嫌でも理解できます!」
「申し訳ないですが! そういう暴力的な『救護』は断固お断りします! それにミカに心配は、かけたくないので!!」
医療薬品片手に相対しながら、何とかミネの突撃を捌いていくリンデ。そして、槍で再度弾き飛ばして距離が離れた瞬間、リンデは『ロンギヌスの槍』から強めの衝撃波を、地面を巻き込んで土煙を起こすようにしながらミネに向かって放ち、空中へと飛翔した。
「くっ!!」
「・・・もう受け取るべきものは受け取りました。これ以上は色々と面倒なので、これで失礼しますね。それでは!」
「っ、待ちなさい!!」
ミネは土煙を盾を振るって吹き飛ばすも、既にリンデは遠く彼方へと飛び去っており、今から追いかけても追いつけないのは明白だった。その後ろ姿を見ながら、ミネは悔しそうに盾を持ってない方の手を握りしめ、眉を顰めて呟いた。
「また逃げられましたか。リンデさん、どうしてあなたは・・・。」
「あの、ミネ団長。」
「ん? あぁ、セリナ。ごめんなさい、巻き込んでしまいましたね。大丈夫ですか?」
セリナに話しかけられた事で、彼女を巻き込んでしまっていたことにようやく気づいたミネ。直ぐ様謝罪すると、セリナは「はい」と頷いて答えた。先ほどのリンデの発言から、依頼された医療薬品自体はセリナが渡してくれた事はすぐ察しがついたが、そのせいで私事に巻き込んでしまったのは、ミネとしても申し訳なかったため、大丈夫だと分かってホッとしていた。
「そうですか。ごめんなさい、不甲斐ない所をお見せしてしまいましたね。」
「いえいえ! 私は気にしてません。―――でも、一つだけ良いですか?」
「何でしょうか?」
巻き込んだ上に会話も聞かれていたので、セリナとしても何か気になることでもあったのだろうと感じたミネは、セリナの疑問に答える事にした。すると、少し迷いながらも、セリナはさっきのリンデとミネの会話の中で、ミネが言っていた事について尋ねた。
「その・・・、先程ミネ団長が言っていたリンデさんの『歪み』って、いったい何なんですか?」
「っ、それは・・・。」
尋ねられたミネは、少し悲しそうに目を伏せ、答えるべきかどうか迷った。これはあくまで、自分が勝手にリンデのことをそう感じているだけで、そしてそれをリンデも理解していると考えているからこそ、彼女に直接ぶつけているだけなのだ。確かな証拠を示せるわけでもない。そんな状態で、セリナに共有してもいいものか。
そんな風にミネが悩んでいると、珍しく歯切れの悪いミネにセリナが優しく言葉を続けた。
「勿論、言いたくないのでしたら、無理には聞きません。でも、私から見てると、リンデさんは健康そのものですし、何が歪んでいるのかなと、疑問に思っただけですから。」
「・・・そうですね。確かに身体は健康そのものだと思います。」
セリナの言葉に、目を閉じて同意するミネ。しかし、セリナの言葉は身体的な部分―――肉体面では正しいと感じる一方、そうではない部分―――精神面ではそうでないと感じているミネは、胸の内から湧き上がる言葉を抑えることはせず、その先を口にした。
「ですが、彼女は―――」
―――ミネの言うリンデの『歪み』。
それを聞き終えたセリナは、その考えに至ったミネと同じ気持ちを抱いた。もしミネの推測が当たっているとすれば、それはこの『トリニティ』に未曾有の事態を引き起こしかねないものだと察することが出来たから。
「だから、一刻も早く彼女を『救護』しないといけないのです。・・・取り返しのつかない事態になる前に。」
「団長・・・。」
拳を握りしめてそう告げるミネに、心配そうな声をかけるセリナ。その声音だけで、自分の意思が正しく伝わったのだと理解したミネは、少しだけ声音を柔らかくしてセリナに語りかけた。
「セリナ。くれぐれもこの事は、他言無用でお願いします。あくまで私個人の推測でしかありませんし、それで彼女を混乱させたくはありませんので。」
「っ、分かりました。――ミネ団長。必ずリンデさんを救護しましょう、私達で!」
ミネの他言無用という言葉に頷きながら、ミネの思いに同調するように言葉を返すセリナ。どうやらミネの言葉で、優しい彼女の心にも火がついたようだ。それが分かったミネは、自身にも頼もしい後輩が出来たものだと感じながらセリナの言葉に頷き、リンデの飛び去った方角へと再び視線を向けた。
「フフッ、頼もしい後輩です。えぇ、必ず。」
(リンデさん、必ずあなたを『救護』してみせます。だからそれまで、どうか早まった行動は起こさないでください。)
心の中で、リンデにそう祈るミネ。その祈りが届くのかどうかは、まだ分からない。
―――夕暮れ時の空には、少しずつ雲がかかり始めていた。
槍とは矛。つまりこれが本当の『矛盾』、なんてね(←誰うま)
とりあえず、前回までみたいに話そうとすると、うっかりネタバレしそうなので、これからしばらく後書きはあっさり目です。
よろしくお願いします。
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それではまた次回!