聖槍に祈りを   作:坂本コウヤ

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ま、間に合わなかった・・・。
はい、連投記録は途切れちゃいましたが、何とか一日遅れで投稿できました。

今回は前回からの続きです。そして、今話で一旦第一槍最終話です。
まだ番外編とかも残ってますが、本編の方はこのまま原作の時間軸まで飛ばしたいと思います。ご了承ください。
また何か思いついたら、番外編とかも書いていきます。ヒフミ達とのお出かけ回とか残ってますしね。

あと、プロット見直したらあらすじの説明がおかしな所があったので訂正しました。詳しくは後書きにて。

おかげさまでたくさんの方に読んでいただけてるようで、とうとうUAも20000超え、お気に入りも283名と、多くの方々に読んでいただけるのがこちらにも伝わって、非常に嬉しく思います!
趣味全開で、読者を置いてけぼりにしてしまうこともあるこんな小説ですが、これからも応援よろしくお願いします!


というわけで、いよいよ第一槍最終話、本編です。

それでは、どうぞ!


第十七詩:『首長補佐』と『進級前』の一日②

 

「――――・・・ふぅ〜。よし。」

 

 

 あの時のように『詩』を歌い上げた私は、徐々に日が沈んでいく黄昏時を眺めながら、満足したように空を見上げていました。

『前世』では画面越しにしか見ることが出来ませんでしたが、天に描かれた大小様々な輪達が幻想的で、いつまでも眺めていたくなるほど綺麗で見惚れていますね。いつかこの大空を、この翼で気が済むまで飛んでみるというのも、悪くないかもしれません。その時は、ぜひミカ達と、というのは、高望みでしょうか?

 

 そんな事を考えていると、突然私の耳に、拍手の音が聞こえてきました。

―――そう、まるであの時のように。

 

 

「相変わらず、綺麗な歌声だね。リンデちゃん。」

 

「・・・ミカ、聞いていたのですか?」

 

「うん。あの時みたいに、聞こえてきたからね。」

 

 

 音の方へ顔を向けると、そこにはあの頃から変わらない、天真爛漫な笑みを浮かべたミカがいました。彼女の言うあの時とは、今更語るまでもないでしょう。ミカがいたらと思わなかった訳ではありませんが、まさか本当に聞いていたとは。偶然かもしれませんが、『運命の悪戯』を信じたくなりますね。

 

 それにしても、確か今日は彼女、家の用事があると言っていたはずですが。もう終わったのでしょうか。そう思って尋ねてみると―――

 

 

「えっ? あ、あ~うん! 終わった終わった! いや~、リンデちゃんもいなくて、退屈で退屈で大変だったよ。」

 

 

―――何だか少し挙動不審な様子でそう答えてくれました。

 

 

「・・・・・・。」

 

「な、何かなリンデちゃん?」

 

 

 怪しいですね。確かに、ミカは普段から家の事等は退屈、面倒くさいとよく言ってますから、後半に関しては間違っていないのでしょうが。少し挙動不審すぎませんか?

 これ、まさかとは思いますが、ナギサに丸投げしてこっそり出てきたんじゃないですよね? 確かナギサも同じ予定で、ミカと一緒に出席すると言ってましたし。

 

 

「ミカ、まさかとは思いますがサボってませんよね?」

 

「ヴェ゛ッ゛!? さ、さささサボってなんているわけないじゃん。もう、そうやって疑うの、私よくないと思うな〜。」

 

 

 私が疑った途端、ミカは一瞬更に挙動不審になりました。その後すぐに動揺を隠しつつ、私の気勢を削ごうと私がよく褒める可愛いミカらしさ全開の振る舞いと甘えたがりな感じを前面に押し出してきましたが、私の中ではもう既に9割以上黒で確定だろうと確信していたため、彼女が素直に話したくなるような餌を用意する事にしました。

 

 

「ミカ、今素直に話してくれるならナギサへの謝罪も手伝いますし、お好きなスイーツを一つ奢ることも」

「実はナギちゃんに面倒事全部押し付けて、昼間から街中歩き回ってました・・・ハッ!?」

 

 

 ほら釣れました。ハァ、まさか昼からずっとあちこちウロウロしてたとは思いませんでしたが、まあミカですしね。余程退屈だったのでしょう。

 私の言葉に釣られたのに気づいたからか、今度は顔を真っ赤にして私の事をポカポカと殴り始めました。ちょっと痛いなと思いましたが、騙したのは事実ですし、それにミカが可愛いので良しとしましょう。

 

 

「うぅ〜、ズルいよリンデちゃん! そんな言い方されたら話したくなるじゃんね!」

 

「フフッ、それはまあ、話したくなるように誘導しましたからね。それに素直に話してくれましたから、当然約束は守ります。だから許してください、ね?」

 

 

 騙したことを謝罪すると、ミカは膨れ面を維持したまま、顔を背けて抱きついてくると、私が約束した分より多めのスイーツを要求してきました。

 

 

「・・・あの店の一番高いパフェ2つ。1個じゃ許さないから。」

 

 

 あの店というのは、去年ハスミに教えてもらってから何度か通い詰めてるあのスイーツ店のことでしょう。なかなか大きな要求をしてきましたね。ですがまぁ、それでミカが許してくれて満足するのであれば、私に否はありませんでした。

 

 

「分かりました。それであなたが、満足するのでしたら。」

 

「・・・そうやって即答するの、ホントズルいよ。怒ろうにも怒れないじゃんね。」

 

「?」

 

 

 私がミカの要望に即答すると、ミカが私の胸に顔を埋めながら、今度は小声でズルいと呟きました。すぐに「何でもない」と言ってくれましたが、いったい何がズルかったのでしょうか。

 ミカの言葉の真意が分からず首を傾げていると、ミカが今度はギュッと抱きしめながら、優しげな笑みを浮かべてこう告げてきました。

 

 

「・・・それにしてもよかった。リンデちゃん、思ってたより元気そうで。心配してたんだよ? 最近たまに、元気ないなって思う時があったから。」

 

「っ、そう、ですか?」

 

「うん。ミネちゃんとの一件があってから、本当にたまにだけどね。あっ、でも大丈夫だよ。私とナギちゃんしか気づいてないから。他の人だとちょっと違和感感じるくらいで、そこまで変じゃないって。」

 

「・・・・・・。」

 

 

 ミカ、残念ですがそれはフォローになってませんよ。といいますか、よりによって一番隠し通したかった二人にバレているとは。幸いミカの口ぶりからして、カナギ達には上手く隠し通せてるようですけど、ミカとナギサにバレているのではダメなんですよ。ハッ、まさかとは思いますけど、それを理由にミネに訴えたりはしてませんよね? 一応確認しておかなければ。

 

 

「ミカ、ミネには―――」

「フフッ、大丈夫。ナギちゃんが先走りそうになったけど、私はリンデちゃんを信じて待つ、って決めたもん。だから、私が抑えてるから、ミネちゃんには何も言ってないよ。」

「―――そうですか。ありがとうございます、ミカ。」

 

 

 ミカの言葉を信じるなら、幸いミネにはまだ何も言ってない、と。・・・良かったです。この事が原因で『ティーパーティー』『救護騎士団』間で亀裂が生じて、反目し合うような事にでもなればどうしようかと思っていましたから。

 それにしても、意外なのはナギサの方がミカより怒っているという事ですね。私の勝手なイメージだと、ブチ切れそうなミカをナギサが必死に宥めて抑えている感じだったのですが。

 

 

「今失礼な事考えてない?」

 

 

 おっと、藪蛇でしたか。ここは素直に謝るのが正解ですね。

 

 

「ごめんなさい。私はてっきり、ミカの方がより怒ってて、それをナギサが必死に宥めて抑えていると思っていたので、意外だなと。」

 

「・・・正直、私だってめちゃくちゃ怒ってるよ。でも、ナギちゃんの切れ方がヤバすぎたから、逆に冷静になっちゃったっていうか。」

 

「参考程度に確認しますが、どんな感じだったんですか?」

 

「えっとね、まず『救護騎士団』の部費を強制カットする、って言ってて。で、抗議してきたらミネ団長の色んな噂を流しまくって情報操作して追放させるように仕向けて、それでもダメなら」

「分かりました、分かりました。もう十分です。というか、初手から職権乱用じゃないですか。何考えてるんですかナギサは。」

 

 

 ミカの口から語られたナギサの報復行為に頭を抱えながら、これ以上は本気で私の心(とついでに胃)が悲鳴を上げそうだったので、途中で止めました。いや、本当に何考えてるんですかナギサ。たかが個人間の問題を訴えるかどうかの話だったのに、そこまで報復する必要あります? はっきり言ってやり過ぎですよ。まぁ、それだけ私のことでミネに対して怒っているというのはよく伝わりましたが。

 

 

「それだけリンデちゃんのこと、ナギちゃんは心配してるんだよ。ナギちゃん、リンデちゃんがいない時、すっごく心配してるんだからね。派閥間の仲裁をしてくれるのはありがたいけど、反復横跳びするみたいにあちこちいかないでほしいとか。私達の事を考えて色々やってくれるのは助かるけど、無理無茶は控えてほしいとか。人助けは感心するけど、気がついたらパイプが増えてて見ててヒヤヒヤするとか。」

 

「な、なるほど。・・・最後に関しては若干、言いがかりな気もしますが。」

 

 

 ミカが教えてくれたお陰で、ナギサが思ってたよりこちらの事を心配してるというのは伝わってきました。ただ、その。別に私、所属は今の場所から離れるつもりは毛頭ないですし、そこまで無理無茶を通してるつもりもないのですが。それに何ですか、気がついたらパイプが増えてて見ててヒヤヒヤするって。繋がりが増えてるのは結果論であって、別に私が意図して増やしている訳ではないのですが。

 そういう気持ちも込めて言いがかりなのではないか、とミカに伝えると、

 

 

「まあね。セイアちゃんも、そういう時のナギちゃんを、『まるで親元から離れて寮生活し始めた子どもを心配する母親のようだ』って言って、ツッコんでたし。」

 

 

と返ってきました。・・・心配されてる側ですが、そのナギサの様子が何となく容易に想像できてしまい、私は困ったような笑みを浮かべながら、ミカの言葉に同意しました。

 

 

「あ〜・・・。心配されてる側ですけど、何となく分かります。普段もよく、ミカの事を心配してますし。小言が多いと言いますか。確かにあれは、同級生や友人、幼馴染というより、母親というのがしっくりきますね。」

 

「アハハッ☆ だよね〜。心配性すぎるんだよね、ナギちゃん。別に私達の家族やお母さんって訳でもないのにさ。」

 

 

 そう言って、甘えるように私に抱きついてくるミカ。・・・今の発言、少し思うところはありますが、それは今指摘する場面ではないですよね。実際、ナギサが私達の母親でないのは間違いないですし。

 それに、こうやって甘えてくるのであれば、私はいつも通り、ミカを甘やかしてあげればいいかと考えて、いつも通り頭を撫で始めました。

 

 

「・・・リンデちゃんってさ、本当に私の事撫でるの好きだよね。」

 

「フフッ、撫で心地が良いのは否定しません。ミカはお嫌いですか?」

 

「分かってて聞いてるでしょ、それ?」

 

「さぁ、どうでしょうか?」

 

 

 いつもと同じようなやり取りをして、またミカが顔を胸に擦り付けてきました。なんだかこうして見ていると、小動物のマーキングのようにも思えてきますね。まぁ、ミカにその自覚はないでしょうし、単純に私に甘えたいだけでしょうから、そう見えるだけのただの日常風景として、私の心に留めておきましょう。

 

 そうやって、夕日から夜空へと移り変わる黄昏時をバックにミカを甘やかしていると、唐突にミカがお礼を言ってきました。

 

 

「・・・ありがとう、リンデちゃん。」

 

「? 何がですか?」

 

「・・・何でもない♪」

 

「そうですか?」

 

「うん☆」

 

 

 そう言って、また甘えるように顔を胸に埋めてくるミカ。何に対してお礼を言ってきたのかは分かりませんが、そんなミカとこの空模様から、先程思い返していたあの出来事が思い返されて、私も何だか、あの時のことでお礼を言いたくなり、気づけば口から、言葉がついて出てきていました。

 

 

「・・・でしたら、私からも一つ。ありがとうございます、ミカ。あの日、私と出会ってくれて。私の歌声を、綺麗だと言ってくれて。」

 

「ちょっと、急にどうしたの? 変なリンデちゃん。」

 

「唐突にお礼を言ってきたミカに言われたくありませんよ?」

 

「私は何に対してのお礼か言ってないも〜ん♪」

 

「屁理屈じゃないですか、それ。」

 

「事実じゃんね☆」

 

 

 抱き合いながら、互いのお礼についてそう言い合う私達。やがて、どっちも言い合うのがおかしくなったのか、私達はどちらからともなく笑いだしました。そして、一頻り笑った後、互いに笑顔で微笑んで見つめ合って―――

 

 

「これからもずっと、一緒にいようね! 私の『お日様』☆」

 

「えぇ、そうですね。これからもずっと、こうして共に、歩んでいきましょう。私の、替えのない唯一無二の『輝き』。」

 

 

―――そう、誓い合いました。が、直後に「そこは私に合わせて『月』って言うところじゃないの?」と、少し頬を膨らませてツッコまれましたが、まぁ蛇足ですね。これは一本取られたかな、とは思いましたが。

 

 

 

 

 そうして私達は、黄昏の空に照らされながら、互いの温もりを確かめ合うように、抱きしめ合いました。今だけは、お互いが世界の全てだと、刻み込むように。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

 

―――別々の方角から私達を見つめる、二人の眼差しに気づくこともなく。

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 そうして、また新しい年度が始まり―――

 

 

 

 

 

―――この『キヴォトス』を揺るがす特大の事件、そして、運命の始まりを告げる鐘の音が、鳴り響きました。

 

 

 

連邦生徒会長』の失踪。

各学区の治安の低下。

違法な兵器の流通量の急激な増加。

さらに、収監されていた『七囚人』達の脱走etc.。

 

『キヴォトス』全土を包む、混乱と混沌の幕が上がり始めました。

 

 

 

 

しかし、それこそが同時に、この世界を滅びから救う、『希望』の訪れでもあり―――

 

 

 

 

 

 

―――『青春の物語(ブルーアーカイブ)』の始まりを世界へ告げる、祝砲でもありました。

 

 

 

「『先生』、お待ちしてますよ。そして信じています。あなたならきっとこの世界を、そして―――」

 

 

――――ミカを救う、『王子様』になると。

 

 この時の私は、そう馬鹿正直に信じていたのです。

 

 

 

 

 

 ですが、数多の二次創作がそうであるように。

 

異物(イレギュラー)』によって歪んだ歴史が、本来の歴史がたどり着くはずだった『『終着点(ゴール)』』に到達しうる事など、望むべくもない。

 

 何故なら私を含め、ミカも、ナギサも、セイアも、サクラコも、ヒフミも。そしてカナギ達のように、本来の歴史に名が刻まれていなかった者達も。

 

 この『現実(リアル)』を生きる、尊き生命(いのち)達なのです。

 

 そして、『生きる』ということは、互いに繋がりあい、影響を及ぼし合うということ。それはすなわち、本来の歴史とは異なる解や、『終着点』を生み出しうるという事でもある。

 

 

 

 この時の私は、その事実を、真の意味で理解できなかったのです。

 

 

 

 

 

 

―――だから、これはある種、『報い』なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

「あぁ、そんな・・・。ミカ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 ミカが、私の『太陽』で、『月』で、『一番星』が。

 替えのない、唯一無二の、『輝き』が。

 

 

 

 

 

 

 

 私の、せいで・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――だから、死んで

 

 

「ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 自らの輝きを焼き尽くすほどの、黒い『憎悪』に、身を委ねてしまったのは。

 




プロローグの地獄を加速させていくスタイル。

というわけで、これにて第一槍『楽園(エデン)の日常編』、終幕です。

次回からようやく原作開始です!
といっても、しばらくリンデ達と先生が絡む事はないです。
基本は相変わらず、『トリニティ』内でのリンデとミカ達の進級してからの日常を中心に進めます。
本格的な絡みは『ブラックマーケット』までお預けです。
なので、二次創作でよくある『先生』の調査にリンデが派遣される、といった展開はたぶんないです。
それよりも重要な『分岐点』が存在するので。

一応、第2槍1話目は現在執筆を進めてますが、いつも通り筆が進めば一気に連投、そうでなければ不定期、といった更新になるかと思います。
相変わらずの気まぐれ更新になるとは思いますが、お付き合いいただけると幸いです。

で、前書きで言っていたあらすじの説明欄の訂正ですが、

訂正前:憑依要素と性転換要素は第2章(エデン条約編Part2頃)

訂正後:憑依要素と性転換要素は第3槍(エデン条約編Part1〜Part2頃)

とさせていただきます。
プロット書いてたのに、ミスしてる事に今更気づきました。申し訳ありません。
最近一人称視点が増えてきて、少しずつ憑依要素(?)らしきものが仕事し始めてきてますが、本格的に絡んでくるのは上記の通り第3槍からなので、まだ先となります。ご了承ください。


最後に、本当は本編で書こうと思ってたけどお蔵入りしそうになってた小話のおまけ(台本形式、地の文無し版)と、次槍予告を載せておきます。

小話のおまけは「unwelcome school」でも流しながら軽く読んでいただけたら楽しめると思います。
また、次槍予告内のセリフは、展開次第で微妙に言い回しが変わるかもしれません。ご了承ください。


感想・評価、ここすき、誤字・脱字報告お待ちしてます。 いつも通り、返せる分は返信しますので、よろしくお願いします。

それではまた次回!





おまけ「せっかん」

※台本形式、地の文無し


〜♪

リンデ「あれ、ミカ。電話がなってますよ。」

ミカ「あっ、ホントだ。もう〜、誰? 空気読めな、あ゛っ・・・。」

リンデ「? ミカ?」

ミカ「・・・ナギちゃんからだ。」

リンデ「あっ・・・。ミカ、早々に出たほうがよろしいかと。」

ミカ「うぅ〜、そうだよね。リンデちゃん、約束ちゃんと守ってよね?」

リンデ「分かってますよ。」

ミカ「ならよし! ・・・あの〜、もしもしナギちゃん?」

ナギサ〔あら、ようやく出ましたねミカさん。はい、桐藤ナギサです。今、どちらにおられますか?〕

リンデ(・・・何故でしょうか。電話だけでなく、ミカの後ろからも声が聞こえた気が、あ゛っ゛・・・。)

ミカ「え、え〜っとね。怒らないで聞いて欲しいんだけど。今、リンデちゃんと芝生公園のところにいて。」

リンデ「み、ミカ・・・。」青ざめながら後ろを指差す

ミカ「ん? どうしたのリンデちゃ」
ナギサ〔なるほどなるほど。芝生公園ですか。では間違いないですね。私は今―――〕

ナギサ「―――あなたの後ろに、いますよ?」
(肩ポン&耳元囁き付き)

ミカ「っ、ヒィッ!?」

ナギサ「ようやく見つけましたよ、ミカさん? よくも全部私に丸投げしてくれましたね?」

ミカ「ち、ちちち違うんだよナギちゃん! ベベベ別にまま丸投げしたいと思ってそうしたんじゃなくて、結果的にそうなっちゃったいうか、ねえリンデちゃん?」

リンデ「そ、そうなんですよナギサ! ミカも悪気があったわけでは」
ナギサ「ああ、そうそうリンデさん。あなたもあなたでお話があるんですよ。」

リンデ「な、何でしょうか?」

ナギサ「先ほど『正義実現委員会』から、ヘルメット団が複数名、路地裏で鎮圧されているという連絡を受けたのですが、何か心当たりはありませんか?」

リンデ「えっ?・・・あ゛っ゛。」汗ダラダラ

ナギサ「その反応ですと、心当たりが大いにあるようですね。」

ミカ「・・・へぇ〜。ねえリンデちゃん、何で路地裏なんかにいもがっ!?」

リンデ「み、ミカ〜〜〜!?」

ナギサ「ミカさんは少しお静かに。今は私がお話しているので。さてリンデさん、今すぐ私一人に折檻されるか、それともミカさんと2人で同時に尋問されるか。どちらがよろしいですか? ぜひお好きな方をお選びいただければ。あぁ、ちなみに黙秘するのであれば強制的に後者にいたしますので悪しからず。」
ミカ「モゴッ、モゴゴッ!!」

リンデ「選択肢なんてあって無いようなものではないですか・・・。ハァ、ごめんなさいミカ。後でちゃんとお話しますので、今は見逃してください。ナギサ、前者でお願いします。」

ミカ「ん、んんへは〜ん(り、リンデちゃ〜ん)!? ガクッ。」チーン
ナギサ「賢明な判断、感謝します。では、お覚悟はよろしいですね。」

リンデ「・・・はい。一思いにやってください。」

ナギサ「・・・では遠慮なく。これでも食らって、少し反省してなさい!」バウムクーヘン(円形)投擲

リンデ「モガッ!?」チーン


リンデ(―――その後、私が意識から目覚めた時には、真っ白に燃え尽きてロールケーキをさらにツッコまれたミカと、どこか清々したようなナギサがいたのでした。)

リンデ(ちなみに私ですが、その後ナギサからの追及は無かった代わりにミカからの激しい追及に見舞われ、さらにご所望のパフェを当初の倍の4個を対価に要求されてしまい、その全てを自腹で支払う事になりました。)

リンデ(この話で教訓になる事があるとすれば、やはり、隠密をするならもう少し目立たないように動け、という事ですね。降りかかる火の粉を払うのが面倒だったとはいえ、いつものように薙ぎ払ったのは、はい。不味かったですね。)




第2槍予告


遂に始まる、『青春の物語(ブルーアーカイブ)』。

舞い降りる『希望』、その名は『先生』。

『希望』と『異物(イレギュラー)』が邂逅する時。
そこに待ち受ける運命とは―――



「『先生』、あなたはこの世界の『希望』なのです。どうかその事を、努々お忘れなきよう。」

"君は、いったい・・・。"




そして待ち受ける、最大の運命『エデン条約』。

それを巡る悲劇の引き金もまた、すぐ近くまで迫っていた。

異物(イレギュラー)』は今、選択を迫られる―――



「リンデ、二つある(繋がり)のうち、どちらか片方としか繋げないなら、君はどちらを選ぶ?」




次回、ブルーアーカイブ異伝『聖槍に祈りを』、新章。


楽園(エデン)の邂逅編』。



―――私の、選ぶ未来は・・・!
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