聖槍に祈りを   作:坂本コウヤ

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祝! 1周年!(大遅刻)

はい、またしても2カ月程お待たせしてしまいました。
評価が赤バーになって嬉しかったんですが、ホロライブコラボが来てたカゲマスに浮気したり、トレーナー業に復帰したり、最近だとシャドバの新作が来てそれにのめり込んだりしてました。
ホントただでさえ遅筆なのに、多方面に手を出しがちで申し訳なく思いますが、こんな作者でもよければ、これからもお付き合いいただけると幸いです。

さて、そろそろ第2槍の前半も終わりが見え始めてきましたが、今回作中の時間はあまり進まないです。ようやく全員が合流する感じです。ご了承ください。

それでは、どうぞ!


第三十六詩:『首長補佐』と『銀行強盗』(合流編)

「―――ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・!」

 

 

―――駆ける、カケル、翔るっ!

 

 憧れの『あの人』から託されたものを纏いながら。

 

『あの人』に任された大役を果たしきるために。

 

 耳から聞こえる仲間の声を聞きながら、ただひたすら、目の前の道をひたすら駆けぬける・・・!

 

 

〔『ファウスト』さん、あと少しで『合流地点(チェックポイント)』です! 幸いリンデさん、『メフィスト』さんのおかげで追っ手は来てません。頑張ってください!〕

 

「っ、はい!」

 

 

 リンデさんのおかげで、私や『アビドス』の皆さんを追ってきていた『闇銀行』のセキュリティ部隊や、その応援に呼ばれてるだろう『マーケットガード』は来ていないと、さっきよりもクリアに聞こえるアヤネちゃんからの通信で聞いて、私はリンデさんに奮い立たせてもらった心と共に、強く返事しながらさらに強く踏み込んで走る速度を上げました。『先生』や、先に合流しているだろう『アビドス』の皆さん、何より今も私達の為に頑張ってくれているリンデさんの為に!

 

 そうして、駆けぬける事約二、三分後。

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・! お、お待たせしました!!」

 

「ヒフミちゃ~ん、お帰り~!」

「ん、お帰り。」

「お帰りなさ~い☆」

「フン、遅いわよ! ・・・お帰り。」

 

「お帰り、無事に戻ってこれたね。お疲れさま、ヒフミ。」

 

 

 私は、ようやく『合流地点』に、『アビドス』の皆さんと『先生』が待っている場所へ到着しました。

 

 

「・・・はい!『ファウスト』、もとい阿路谷ヒフミ! ただいま戻りました!」

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

「全く、合流した時に捕まりそうになったとか聞いた時はヒヤヒヤしたわよ! あの凄く強い先輩さんが間に合ったから良かったけど、気が気じゃなかったんだから! ホント!」

 

「ア、アハハ・・・。ごめんなさい、セリカちゃん。」

 

 

 集合場所に合流して最初に聞いたのは、セリカちゃんからの心底心配したという声でした。不甲斐なかった私をただ怒ってる、と捉えることも出来るんですけど、この短い間でも、セリカちゃんがいわゆる『ツンデレ』と呼ばれる性格で、根は優しくていい娘だと分かりました。なので、私が素直に謝ると、セリカちゃんは少し慌てふためいて言葉を返してきました。

 

 

「べ、別に、謝って欲しい訳じゃ」

「まぁまぁセリカちゃん、無事だったんだからよしとしませんか? ね♪」

 

「ノノミ先輩・・・。」

 

 

 しかし、そんなセリカちゃんをノノミさんが宥めるように声をかけてくれました。そして、ノノミさんの言葉に便乗して、ホシノさんとシロコさんもセリカちゃんを宥める側に回ってくれました。

 

 

「そーそー。その辺は『首長補佐』ちゃんの仕事だから、セリカちゃんはヒフミちゃんの無事を素直に喜んでいいんだよ~。」

「ん。セリカは素直じゃない。」

 

「ホシノ先輩まで・・・。って、シロコ先輩は一言余計よ!」

 

 

 シロコさんの言葉に、『ツンデレ』らしく噴火するセリカちゃん。あれだけ大変危ない橋を渡る作戦の山場を越えたからか、そこには明るい雰囲気が漂う『アビドス』の人達の姿がありました。危うく捕まってしまうのでは、と怖い時もありましたけど、皆さんがこうして楽しげに話すことが出来ているのを見て、私はこの場所に無事に戻ってこれた事に安堵しました。

 あとはリンデさんが無事に戻って来てくれたら、とそこまで考えていると、隣にいた『先生』がパンパンと手を叩いて『アビドス』の皆さんの注目を集めてから、

 

 

「はいはい、そこまで。もうすぐリンデも戻ってくるから、戻り次第撤収出来るように―――」

 

 

―――準備して、と『先生』が言いかけたその時でした。突然、少し遠くの方から大きな爆発音が鳴り響きました。路地裏だったので煙とか見えたりはしませんでしたが、突然の音に『先生』も、先程まで和気あいあいと話していた『アビドス』の皆さんも、思わず会話を止めて爆発音がした方向に視線を向けました。

 

 

「っ、何よ今の爆発音!?」

 

「この方角・・・、『闇銀行』の方ですか?」

 

「いったい、何が・・・、っ!」

 

 

 音のした方にある壁の上の方を見ていると、私の視界に、上空から舞い降りる『誰か』の姿が見えました。私がいま身に纏っているのと同じ白い外套を靡かせながら華麗に降り立ったその姿を見た私は、舞い降りたその人に、リンデさんに向かって駆け寄りました。

 

 

「リンデさん! ってうわぁ!?」

 

「っ、おっと。」

 

 

 リンデさんに駆け寄ろうした私でしたが、不意に身体から力が抜けてしまい、思わず転びそうになりました。幸い、リンデさんがすぐに距離を詰めてきて抱き寄せてくれたので転ぶことはありませんでしたが、抱き寄せた姿勢から片手で仮面を外すと、リンデさんが心配そうな顔で私を見ながら声をかけてくれました。

 

 

「大丈夫ですか、ヒフミ? もしかして、どこか怪我を?」

 

「い、いえ。怪我をしたわけじゃないんです。ただ、不意に力が抜けてしまって・・・。リンデさんの姿を見て、安心してしまったから、ですかね? アハハ・・・。」

 

「ヒフミ・・・。」

 

 

 私が困ったように笑うと、リンデさんは気づかうように私の名前を口にして、私のことを心配そうに見つめてきました。さっきまで『闇銀行』の追っ手達から逃げていた時よりも差し迫っていないせいか、今のリンデさんは普段の優しさが全面的に出ていました。

 ふふ、やっぱり優しいですね、リンデさんは。ミカ様が「自分の『お日様』」と例えたり、クラスメイトの『事務方』二人が、リンデさんを慕うのもよく分かります。でも、この優しさに今甘えたら、きっとダメですよね。まだ全部終わった訳ではないですし、何より、今の私は『ファウスト』なんです。リンデさんから託されたこの名に、役目に恥じない自分でありたいから。

 

 だから私は、抱き寄せてくるリンデさんの目をちゃんと見て、さっきまでの困ったような笑い方じゃない、普段通りの笑顔でこう答えました。

 

 

「・・・ありがとうございます、リンデさん。もう大丈夫です。」

 

「ヒフミ、本当に大丈夫ですか?」

 

「はい。だから、そんな心配しないでください。仮面は壊れちゃいましたけど、それでも、今の私は『ファウスト』ですから。」

 

「・・・そうですね。改めて、お疲れ様です。よく無事に戻りましたね。」

 

「エヘヘ・・・、はい!」

 

 

 リンデさんの労いの言葉に、頬が少し熱くなるのを感じながら、笑顔を浮かべる私。しばらくそうして二人だけでお互いを見やっていると、我慢できないと言わんばかりに怒鳴り声が聞こえてきました。

 

 

「ちょっと! そういうのは二人だけの時とかにやりなさいよ!」

 

 

 声のした方へ二人揃って顔を向けると、ぷりぷりと怒って顔を赤くしたセリカちゃんと、そんなセリカちゃんを見てあちゃー、っとなっているホシノさんに困った笑みを浮かべたノノミさんと『先生』、それと我関せずで『立ってる』の隣で立ってるシロコさんがいました。

 

 あ~、皆さん空気を読んで黙っててくれた感じですか。で、セリカちゃんが我慢できなかったと。まぁ、人目も憚らずいつも通りの会話をしてしまっていたのは私達ですし、これは素直に謝った方がいいですよね。

 リンデさんも同じ事を考えていたのか、私達は互いに頷きあうと、セリカちゃんに謝りました。

 

 

「おっと、ごめんなさいセリカ。つい、いつもの癖で。」

「ごめんなさい、セリカさん。」

 

「いやまぁ、分かればいいのよ。というか、さっきの爆発は何!?」

 

 

 顔を赤くしながらも謝罪を受け入れてくれたセリカちゃんでしたが、そういえばというように、先程の爆発音の事をリンデさんに尋ねました。

 すると、リンデさんから返ってきた答えに、私達の目を丸くしました。

 

 

「先程の爆発ですが、どうやら『闇銀行』で起きたようです。ここに降りる直前に聞こえたので振り返ったら、ちょうど『闇銀行』から火の手が上がってるのが見えました。」

 

「え?」

「うへ?」

「・・・えっ、マジ?」

 

 

 声が漏れたのは私とホシノさん、セリカちゃんの三人だけでしたが、『先生』を含めた他の皆さんも思わず目が点になっていて、その後すぐにシロコさんを除いた『アビドス』の皆さんが一斉にシロコさんへ視線を向けると、少しムスッとした表情(?)でシロコさんは首を横に振ってこう言いました。

 

 

「ん、私じゃない。」

「いや、まだ何も聞いてないけど。」

「ん、目で分かる。」

 

「ア、アハハ・・・。」

 

 

 シロコさんとセリカちゃんの会話に、私は思わず乾いた笑みを浮かべてしまいました。この作戦の元になった『銀行強盗』の提案の時から思ってましたが、シロコさん、クールそうに見えてその実1番危険、もといアグレッシブな人なんでしょうか? さっきのセリカちゃんとのやり取りを見るに、いつも一緒にいる『アビドス』の皆さんからもそんな風に思われてるみたいですし。

 

 ま、まぁシロコさんに関してはホシノさん達が何とかしてくださると信じましょう。幸い先生もいらっしゃいますし。

 

 

「ん~、ま~今のシロコちゃんが嘘吐いてるようには見えないからさ。犯人捜しとかは『マーケットガード』達に任せて、とっとと逃げちゃわない? ねぇ『先生』。」

 

 

 と、私がそんな失礼な事を考えている間に、ホシノさんが『先生』にそう提案していました。

 確かに、ここで留まってて捕まったら、それこそ元も子もないですもんね。リンデさんも帰ってきたから一段落してしまってましたが、いつ『マーケットガード』の人達が追いつくかも分かりませんし。

 

 

「そうだね。でもその前に・・・。」

 

 

 

 ホシノさんの言葉を受けた『先生』はそう言って一区切り入れると、リンデさんの方へと向き直りました。どうしたのかと私達が首を傾げていると、『先生』は口を開いて―――

 

 

 

「お帰り、リンデ。無事に戻ってきてくれて、良かったよ。」

 

 

―――と、安堵した顔で告げました。

 

・・・そういえば『先生』、リンデさんにはまだ「おかえり」と言ってませんでした。まだ関係の浅い私に言っていたくらいですから、『アビドス』の皆さんにもきっと言っていたのは容易に想像出来ます。

 

 それにあの安堵した顔は、作戦を始める前にナギサ様やミカ様と交わした約束の事もあると思います。あんな約束をしてしまった以上、私達を無事に帰したいと考えていたでしょうし、現場では心配したり指示を出すこと以外は何も出来ない歯がゆさがあったかもしれませんから。

 

 そんな『先生』の顔に一瞬、リンデさんは驚いたように目を開きましたが、すぐに意図を察すると―――

 

 

「―――はい。ただいま戻りました、『先生』。」

 

 

―――そう、『先生』の言葉に、いつもの穏やかな笑顔で返しました。

 




アビドスメンバーの中では、爆発=シロコと思ってる節、あると思います。異論は認める。
あとツンデレセリカちゃん可愛いよね。

徐々にヒフミともフラグを立て始めていますが、この作品のヒロインはミカです。ここ数話名前すら出ないときもありますが、もう1話か2話の辛抱ですので、ミカファンの皆様、もう少々お待ちください。
あと、『ブラックマーケット』に入ってから度々ヒフミが言及しているクラスメイトの『事務方』2人はオリキャラです。
その内出しますので、どうぞお楽しみに。

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ありがとうございます!
前書きでも書きましたが、評価バーが赤色になったのを見た時は本当に嬉しかったです。
拙く遅筆な亀更新系作者ですが、これからも頑張っていきたいと思いますので、どうかこの作品共々、応援よろしくお願いします!

感想・評価、ここすき、誤字・脱字報告お待ちしてます。 いつも通り、返せる分は返信しますので、よろしくお願いします。

それではまた次回!

見たい話は?

  • ミカ&サクラコとのお出かけ
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  • リンデとサクラコのお悩み相談
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