人類が機械に負けた世界に転生したけど、記憶喪失の美少女アンドロイドを世話したらめちゃくちゃ懐いてきた 作:アスピラント
イリオポリから西へ50キロ地点、シナハト村。
どの街からも比較的遠方にあるこの村は、アガトのように人口もかなり少ない小さな村だった。だがシナハト村はアガトとは違い、外部との交流がある村だった。
よって小さいながらにエクスマキナに加盟した国や街、集落で作られた農作物の供給が行き届いており、アガトよりも発展していた。正直脅威の低いプーパやならず者では相手にならないぐらいの力はあった。
事実……シナハト村はエクスマキナに加盟してからは、ほとんど害意に晒されることも無く、平和な日々を過ごしていた。
4日前までは。
惨劇は突然やってきた。
その日……天気は酷く荒れていた。視界もかなり悪く、村にいる機人はカテゴリーが低いせいで、センサーによる感知機能も通常時より機能していなかった。おまけに
ただここ数年以上は外敵による被害は出ていないが故に、大丈夫だろうという慢心が村全体に蔓延っていた。それにわざわざこんな小さな村を襲うより、もっと狙うに相応しい獲物はあるから大丈夫だと、この時に村にいた者はそう思っていたらしい。
それが大きな間違いだった。
襲撃は砂嵐の中から突き抜けてきた光弾によって、いきなり始まった。見張り番にいた人間は瞬時に殺され、パニックになった村人は急いで家屋へ逃げ込んだ。
かろうじて武器の扱いに慣れた人間は、非戦闘員である機人を庇うようにして交戦を開始した。
最初は上手く反撃はしたらしいが、強化外骨格を装着したアルカディストの部隊が乱入してからは、瞬く間に形勢をひっくり返された。
交戦していた人間と若干名の機人は無残に殺された。人間の中には強い力で引きちぎられた遺体もあり、誰か判別出来ない者もいた。
アルカディストは抵抗したら殺すと言って、何かを探す素振りを見せながら村を物色。そしてとある機人の一団を確認すると、電気ショックで動きを止めた後に連れ去った。
しかしこのタイミングで、エクスマキナ所属の街(イリオポリ以外)から哨戒の仕事を受け持ったハンターと接触――再び戦闘が始まった。
ハンターは何人かのアルカディストを倒したが、反撃を食らって一時的に行動不能に。その隙にアルカディストは増援を危惧して退却を優先する。
だがハンターは抜け目がなかった。
装備していた小型通信機を逃げるアルカディストの装備に貼り付けることに成功。
そこからハンターは治療と増援が完了するまで、シナハト村の生き残りと共に、村にて待機している。
* * *
「――なるほど、これが任務概要か」
オムニバンドに登録してあった依頼内容を見て、俺はため息を吐いた。アルカディストの悪逆非道な行為もそうだが、目的がさっぱり見えてこないのが何とも言えない。
「思い当たる節はある? スジュラ」
「いんやさっぱりだな。機人は即刻抹殺が当たり前な連中が……いくら指示があったとは言えワザワザ攫ったのが謎すぎる」
スジュラの背後から抱きしめるような体勢で、ベガは問うた。俺たちは今スジュラ達と同じコレクティブに所属しているキメラの上に乗って、例の事件が起きた場所へ向かう途中だった。
「だが悪巧みなのは間違いない。機人が生きているなら救う……それだけだ」
タナクの言う通りだ。
まずは命を救うことを優先し、目的は調査の過程ではっきりさせていけば良い。大きく事態が進むとは考えていないが、何か分かれば御の字だと考えればいい。
と……アルカディストの計画もそうだが、俺は気になる事がもうひとつあった。
「なんでベガはちょっと不満気なんだ?」
「……ボクの武器、ブラスターピストル2丁しかもらえなかったから」
そんなことで――と思うかもだが、身を守るための武器としては心許なさすぎた。
「ベガにはちょっと慣れて欲しいというか、試して欲しい事があるんだ」
「……何それ?」
スジュラが言った。
試して欲しい事……一体何だろうか。
俺には検討つかなかった。
「簡単に言えばベガの持つ本来の機能を呼び起こすため――かな。アタシよりスペックが高ければ問題無く出来ることだ」
「本来の機能?」
「ああ、ベガは何かと特別っぽいからな。多少荒い方がもしかしたらいいかもしれない」
確かにベガの抱えた秘密は、彼女自身も知らない内容なのは明らかだ。理屈より感覚派な彼女なら何かをきっかけに気づくこともあるかもしれない。
(根拠はないけどな)
かなり適当な気がしたが、やるだけやるしかないと俺は誤魔化した。
「詳しいことは着いてから話そう、ほら……見えてきたぞ」
スジュラの目線の先に、それはあった。
すっかり荒れ果てた村には、何人かが集まって話し合っている。遠目から見てもズタボロになった衣服と、包帯で体の一部を巻いているのが見えた。
襲われた村人だろうか、弱々しく生気のない人々の周りには武装した人間が数名いる。話に出てきた狩人と見て間違いないだろう。
「――! 止まれ!」
そんな狩人の1人が俺たちの存在に気づくと警戒心剥き出しで、声を張り上げた。手にはライフルをしっかりと握りしめていつでも撃てるようにしている。ありゃかなり手練れだなと俺は至って冷静に状況を見守る。
「アタシらはエクスマキナの使者だ、救援依頼を受けてここに来た」
スジュラは両手を挙げて敵ではない事をアピールする。真っ先に声を張り上げた狩人の男は視線を外すことなく、更に言葉を続けた。
「では識別コードは」
「この端末に」
「リンクしろ」
スジュラのオムニバンドと男のバンドが明滅し、識別コードが表示される。そこには今回の依頼内容とメンバー名、そして顔写真など個人情報が記載されていた。
「よし、本人だな」
「これで大丈夫かな?」
「ああ、君たちが敵じゃないのは雰囲気でわかってたいたが、一応念の為に身元確認は必要だからな」
「様式美ってやつさ、アタシも都度確認する」
スジュラと狩人の男は緊迫した空気を雲散させると、互いにしっかり握手を交わす。俺は2人が仲間である事を確認したのを皮切りに、残りのメンバーとも握手を交わす。
皆人間だ、機人は1人おらずエグゾスケルトンすら付けていない。
「まずは自己紹介といこう。俺はジャック、サングラール王国というエクスマキナ加盟国にて、20年間ハンターとして生きてきた。体にガタは来ているが……足は引っ張らない実力はある。よろしくな」
カウボーイハットを被り、白髪混じりの長髪と髭が似合うダンディな男――ジャックは、親戚のおじさんみたいに優しい笑みを浮かべながら挨拶してきた。見た目から想像するに多分50代後半はありそうだ。
しかし年齢だけで侮ってはいけない。ジャックはかなりガタイが良く、チラッと見える腕はかなり筋肉がしっかり付いている。
まさに経験豊富なベテランハンター然とした出立ちに、俺は素直に感心してしまった。
「んで俺の隣にいるのは――」
「ライラだ、同じくハンター。よろしく」
短く切った黒髪と、冷徹な雰囲気が特徴的な女性――ライラは側から見たら線が細くて、華奢な印象を抱く人だ。年齢も多分20代ではなく30代ぐらいだろう。
「ああ、よろしく――!」
しかしそんな考えは俺が握手した時点で変わった。
ギリギリと締め付けられる感覚が右手に奔り、俺は少しだけ顔を引き締めた。
「私もそれなりに戦える方だ、安心して頼ってくれていい」
「……ああ」
「
意味深な言葉を吐かれた。
やばい、失礼な事考えたのバレた臭い。
俺は早速冷や汗ダラダラだった。
「何を早速バチってるんだ……」
「アルタが怒られるような事するの珍しー……」
スジュラ、ベガ、2人とも俺を助けてくれよ。
* * *
「――さてと、すまないな。もてなしするようなものは何もない」
「大丈夫よ、あれだけの被害を受けた上にもてなしまで要求するようなプログラムは組まれてないから」
俺たちは村の中にあった教会跡地にて、早速事件の詳細な内容と現在の状況のすり合わせをすることにした。どうやらこのシナハト村はキリスト教を信じる者がいたらしく、突貫工事で教会を建てて現代まで教えを広めていたらしい。
もう起源から数えたら4000年以上は経っている上に、文明崩壊してる世界でもまだ残ってるあたり、三大宗教もバカにならない。
ともかくシナハト村教会は、村のシンボルとしても有名で時折集会を開いては、地域のコミュニティ形成に一役買っていたそうだ。
「アルカディストの連中は、教会に対しては過度な攻撃を仕掛けなかったんだ。何でも偉大なる旧人類の栄光を破壊するのはあってはならないという理由で……だそうだが」
「いかれてるくせに、妙な所で律儀だね」
そんなことを考える脳みそはあるんだーと、ベガは冷たい目をしながら呟く。俺も同じ気持ちだ、凄まじくモヤモヤした気持ちになって仕方ない。
「だがおかげでシナハト村の住民は全滅しないで済んだ。数少ない生き残りが教会に隠れたおかげだよ」
ジャックは肘を机に乗せて答えた。
「村人の生き残りは今いる者だけか?」
タナクは数人の集団に目をやりながら言った。
「いやもっといる。彼らは最初動ける状態じゃなくてな。動ける者と至急治療が必要な人は先にサングラール王国へ送った」
「そうか……」
「全員は無理だったが、救える命があって俺は良かったと思っているよ」
さてと――とジャックは改まる。
「依頼についてだが、攫われた機人はこの地域じゃちょっとだけ有名な奴だったらしい。アルカディストの連中は襲撃時に、そいつの持つ特異性に目を付けていた」
「特異性?」
「そいつはキメラとコミュニケーションが取れる奴だった。同じコレクティブにいるキメラじゃなく、他のコレクティブに所属するキメラとな」
珍しい事なのかと俺はスジュラに問う。
「……ああ、少なくともイリオポリ付近でそんな奴はいない。キメラは基本的には意思疎通が取れない野生動物みたいな奴だ。同じコレクティブにいたとしても手なづけるのは容易じゃない」
「スジュラと俺も苦労したからな」
つまり荒ぶる獣と話せる機能を持つ機人が、何かしらの目的を持ったアルカディストに攫われた――という事になる。この話せるという機能が奴らにとって重要なのだろう。
「攫われた機人は一体?」
「いや4体だ。女の機人だ」
ライラは端末から立体映像を投射すると、シスターのような服をきた4人の女機人が表示された。皆明らかに戦闘能力がなさそうな見た目をしている。
「彼女らはシナハト村の癒しであり、近隣の住民からも慕われていた。俺も話したことある」
ジャックは難しそうな顔をして呟く。
「ただこいつらがキメラと話せることは秘密にしていたんだ。希少な能力を持つ機人はアルカディスト以外の無法者からも狙われやすい」
「物珍しさからか?」
「機人狩りをして、その部品を売る闇業者もいるんだ」
ならベガも危ういな。
昔でいう臓器売買に近い何かを感じる。
「そんな経緯もあって俺はたまにシナハト村に顔出ししていた。安否確認も兼ねて偶々襲撃現場に居合わせたのさ」
「……攫われた機人はどこへ? 確か……発信機を付けたって」
「ああ、シナハト村から4キロ離れた地点だ。俺たちはすぐに向かっていったんだが……」
端末の立体映像を切り替えるようにライラに指示を出すと、今度は荒野の岩場らしき場所が映し出される。数名の赤い衣装を着たアルカディストが門番の如く立ち尽くしており、手には武器を持っている。
「奴らはこの岩場エリアを拠点にしていた。一見すると大した人数はいないから助けに行くのは容易に見えるが……」
ジャックは機人を攫ったアルカディストに付けた発信機のポイントを表示する。其処には地下30メートルと表示されており、俺とベガは同じように驚いた。
「地下……?」
「奴らは地下に拠点を置いている。しかも内部はかなり広大……恐らくは半ば要塞じみた感じにはなっているだろう」
なるほど……つまり依頼をした主な要因はここにあるわけだ。アルカディストの勢力が一体どれぐらいか想像つかないからだ。今いる狩人だけで救いに行っても物量で圧殺される。
だから少し待ってでも俺たちに助けを頼んだ。
「戦力がどれほどかわからない上に、強化アーマーを付けた奴もいる。流石に幾ら戦える俺たちでも……敵の領域ど真ん中を突っ込むような真似は出来ない」
「……ちなみに機人の安否は?」
スジュラは恐る恐るといった様子で聞くが、ジャックは「わからない」と残念そうに答えた。
「死んでるかもしれない。だがこのままにしておく訳にはいかない。アルカディストの目的を探るためにも……リスク承知で行くしかない」
例え死んでいたとしても手掛かりはあるかもしれない。目的をはっきりさせる為にも、そして背後にいるエリュシオンを引っ張り出す為にも、悪の巣窟へ赴かないといけないのだ。
「……なるほど、現状は何となく理解した」
スジュラはタナクと顔を見合わせた後、俺とベガを一瞥する。
「もし奴らの拠点に侵入するなら、うまく見つからずにするしかないかな」
「変装でもしていくと?」
俺は半ば適当に言うとスジュラは頷いた。
「その通りだよ」
侵入――もとい潜入任務といったところか。
上手く出来たら拠点の奥へ行けるだろう。
上手く行けたらだが。
「……侵入するにもいきなりは無理だと思う。だから――」
「まずは現場に行って調査でしょ?」
俺の後ろからベガがひょっこり顔を出す。
気のせいか、めちゃくちゃワクワクした顔をしているように見えた。
「……遊びじゃないぞ、ベガ」
「わかってるよー、仕事だもん。其処は真面目にやるよ」
絶対ワクワクのがちょっと強いだろと思いつつ、スジュラは意に介さず話を続ける。
「よし、ジャック。連中の居場所を教えてくれ、私たちでまず偵察して侵入計画を立てる」
「わかった、気をつけろよ」
こうしてスジュラはジャックからマップの情報を端末に入れる。
「偵察に行くなら日が沈み出した辺りがいい、暗い方が目立たない」
「わかってるよタナク、となると……数時間は空き時間は残るね」
スジュラはベガの方に視線を移す。
ああ……あの件か。
「ちょっと開けた場所へ行こうかベガ」
* * *
(空気が気持ちいいな)
シナハト村からちょっと離れた場所に、地平線の彼方まで見渡せそうな平野がある。障害物も一切なく、例えプーパやキメラが近づいても一瞬で分かる。
俺は背を伸ばして、凝り固まった筋肉をほぐしつつ石像みたいに立ち尽くすタナクの隣に立つ。
「さてベガ、お前には光子武装――フォトン・アルマスを使えるようになってもらう」
「ふぉとん……あるます?」
ベガは首を傾げてわかりやすいリアクションを取る。
「カテゴリー5以上の機人なら絶対に標準で装備されている機能だ。こんな風に――」
スジュラは右手を翳し、武装の名前を言い始めた。
「
橙色の光がバチバチと光り、細かい粒子が槍を作り上げた。ストライプデザインの柄と鳥の羽根が槍の先端近くについていて、全体的にメタリックなデザインをしている。
「槍だ……!」
「槍だよ、まぁこれだけじゃないけどな。光子武装はフォトンエネルギーを動力源とするナノマシンを使って、思考回路内にある設計図を元に作り上げる機能だ」
ベガはまるでピンと来ていないが、俺には思い当たる節はあった。
(山を吹き飛ばした……あの砲撃……)
まるで天使のような姿になったベガは、自分の体よりずっと大きな銃を作り出すと山を吹き飛ばした。まるで戦略核兵器のような威力を誇る
「カテゴリーが上になればなるほど、光子武装のスペックは跳ね上がる。ベガの武装はアタシのなんか比べ物にならないぐらい凄いものだろう。覚えはあると思うが」
「……っ!」
俯くベガ、多分あんな力を出せるとまでは思わなかったのか……少し怖がっているように見えた。
「しかし君は何かと訳アリだ。アタシの見立てでは……任意で全力のパワーは出せないと見ている」
「……根拠は?」
「今のベガは光子武装を自分で展開する術を知らないからだ。何かしらのロックが内部システムでかかっているのか定かではないが」
それを聞いてベガは少し安堵したのか、ホッと息を吐いた。
今すぐあんな事態になる訳じゃないと思ったからだろう。
「だけど今のままじゃダメだ。なるべく早い段階で武装を使えるようにしないといけない。暴走して大事に至らないようにするのも当たり前だが、1番は自分の力を上手く使えるようにしないと敵に破壊される」
「……そう……だよね」
「ベガは強い、アタシとしては早く自在に扱えるようになってくれたら嬉しい。カテゴリー10相当の戦力なんてほとんどいないんだからな」
わかったらがんばれとスジュラはベガの肩を叩く。
ベガはそんなスジュラの期待に応えようと、力強く頷いた。まるで姉妹だなと思った。
「だから武器を最低限にしたの?」
「そうだ、武器渡したらそれに頼るだろ? リスクはあるが自分の機能を引き出すマインドを身につけてくれ」
スジュラは俺とタナクに少し離れてくれと言った。
「さて……ベガ、まずはイメージだ。自分の頭の中で……1番使えそうな武器をイメージしろ」
「うん……」
むむむっとベガは目を瞑って唸り出した。
本当にこれで上手く行くのだろうか……ちょっと俺は心配だった。
「イメージはなるべく鮮明にした方がいい。機人の体内にあるナノマシンはかなり忠実に動く。適当なイメージだと歪な形になる」
「……うん、わかった」
「イメージが固まったら……それを出力するんだ。原理は3Dプリンタにかなり近い」
集中するベガの周りに光が漏れ出す。
以前の俺なら「眩しい」としか感想を抱かなかったが、今なら分かる。
体内に埋め込まれたエグゾスケルトンによって、肉体が機人に近くなったからだろうか。
肌を突き刺すような感覚と、体の芯から熱くなるような感覚。その二つ越しに感じるベガの力は……凄まじいものだった。
「……とんでもないパワーだな」
「ああ、これがカテゴリー10か」
タナクとスジュラの2人も畏怖を抱いているようだ。
万が一やばい武装が出た場合に備えて、2人はいつでも飛び出せるようにした。
「……今だ」
ベガの目がカッと見開き、光と電光が迸る。
ドォンと空間が震えて、ベガの掌から何かが現れた。
(一体何を――)
作り出したんだと俺も備えてベガの掌に現れたのは――めちゃくちゃフニャフニャになったオモチャの銃みたいな奴だった。
「「「……」」」
「あるぇ?」
え……と俺とスジュラとタナクはポカンとする。
しかし1番ポカンとしていたのはベガだった。
「か、かっこいい銃にしようとしたんだけど……あれ? なんかフニャフニャで柔らかい……」
「ベガ、失敗だ」
「え」
「失敗だ」
スジュラはピシャリと言い切った。
ベガは何度もフニャフニャ銃をニギニギすると、またスジュラを見た。
「……え、えーと」
「ベガ、出来るまで練習」
「はい……」
「初めて見た、失敗する奴」
「……アルタぁ」
潤んだ目で俺を見てくるベガに、ちょっとだけときめいたが俺は心を鬼にして言った。
「ベガ、出来るまでやろう」
「……はぁい……」
落ち込むベガの背中をさすりながら、俺は誓った。
フニャフニャ銃……俺は好きだぞと。
「一応夜になるまでは練習しろよな……偵察行くんだから」
ちょっと不安要素増えたが、頑張るしかない……。
俺は作戦開始までベガの練習に付き合うことにした。
執筆時間をガッツリ確保したいですね……