アンケートをとった結果、(月曜時点で)イチカルートが1位だったので描きました。
拙い文章ではありますが、何卒よろしくお願いいたします。
評価、感想コメント等いただけるととても喜びます。ではどうぞ!
if√:イチカ
「シンさん、おまたせっす!待ちました?」
「いえ、今来たばかりですよ。待ってなどおりません」
トリニティの少し高級な、モダンな雰囲気漂う街の樹の前で二人は集まる。
「まるでデートみたいっすね?男女が待ち合わせして私服で二人で会うなんて」
「デートなどと...揶揄わないでください、先輩」
少し俯いて赤面する。
「名前、呼んでくれないんすか?」
「...仲正先輩」
「イチカっすよ、イ、チ、カ!」
むくれたような表情を見せる。
「先輩ですから、敬わねば不敬で不健全ではないかと」
「ティーパーティーの皆さんには名前に様をつけて呼んでるくせにっすか?」
「そっ、それは...それは色々あるじゃ無いですか!」
顔を真っ赤にして反論する。
「まあ今はいいっすよ、"今"は」
「今はって何ですか...先輩が呼び出したのですから、要件をそろそろお聞かせ願いたく」
「そうでしたね、要件は...シンさんの生活用品を揃えましょう!」
「...え?」
唖然とする。
「だってシンさんの部屋、殺風景じゃ無いすか?本の一冊もないし、あんな部屋にいても楽しくないじゃないっすか」
「楽しさって要ります...?」
「そういう考えはよくないっす!せっかく安息の場所があるんですから、しっかり楽しく休めるところじゃないと!」
イチカはシンの手を引く。
「とりあえず照明から探していきましょ!」
「これとかどうっすか?」
二人が訪れたのは家電量販店。
イチカは四角がいくつか重なっているシーリングライトを指さす。
「おしゃれすぎるような気がします,,,こういうのは先輩が似合うんじゃないですか?」
「うーん...シンさんはもっとおしゃれに気を使うべきっす!とりあえずこれにしてみて、困るようだったらまた来るっすよ!」
シーリングライトの箱をとってカートへ入れる。
「仲正先輩って結構強情ですよね」
「さあ、購入したら次々っす!ここは配送してくれるっすからそうするといいっすよ」
次に訪れたのは家具店。
「ベッドとソファは必要っすよ!シンさんがベッドや布団敷いてるの見たことないっすから、おおよそ床に寝てるってとこっすかね?」
「寝てないです」
「...は?」
イチカが目を見開く。
「毎日寝たくもないし眠くもないので寝てないです」
「...作戦変更っす、今すぐ私の家で寝てください」
「それは、その...コハルさんに怒られてしまいますよ」
顔を真っ赤にする。目が閉じられる。
「そういうのじゃないっすから、もう!とりあえずベッドか布団を買って出るっすよ!さっさと買い物済ませて寝てもらうっすからね」
「...わかりました」
どこか一瞬だけ遠いところを見る。
「とりあえずこれにしましょう、布団は嫌いじゃないっすか?」
「大丈夫です」
「じゃあこれも買うっすよ」
「あ、これくらい僕が出しますよ...先輩に出してもらうばかりでは失礼なので」
「私が出したいから出してるんすよ!気にしないでくださいっす!これも配送してもらうようにするっすね」
「お願いします」
「ふー、とりあえず最低限のものはそろったっすね。机はありましたよね?」
「ええ、机はあります」
「じゃあいったんお昼としましょうか、そこのレストランでどうっすか?」
「美味しそうですね、是非そこで」
二人はフレンチ・レストランへ入る。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「二人です」
「畏まりました、あちらのお席へどうぞ」
二人は指定された席へ座る。
「どれにするっすか?」
「どれでも、先輩が選んてください」
「いやいや、ここは後輩の意見を聞きたいと思うんすよ」
「とはいえどれも美味しそうで...」
「なら店員さんにおすすめを聞いてみるとしましょうか。」
シンは店員を呼ぶ。
「すみません、おすすめを教えてください」
「おすすめはこちらのランチコースBになります、前菜に日替りスープ、メイン料理、デザート、コーヒーor紅茶となっております」
「じゃあそれにします」
「私もそれにするっす」
「畏まりました。ランチコースBをお二つですね。少々お待ちくださいませ」
そうして店員はメニューを回収し下がっていった。
「それで、シンさん。寝てないってどういうことっすか?」
イチカの目が再度開かれる。
「寝る必要性をあまり感じず...眠くもなく、寝る必要もなければ寝ないでいいと思いました」
「いいですか、人は寝ないと成長しません、疲れも取れません。寝なければ人はあっという間に死にます。何日寝てませんか?」
「18日です」
わずかに俯く。
「...最後に寝たのはどこで、どうやって寝ましたか?」
「執務中に気絶したきりです」
「...何時間?」
「2時間です」
イチカの手に力が籠る。
「本当に死にたいんですか?気絶していたってことはその前も寝てなかったってことですよね?」
「己の使命を果たすためには、罪を償うためには寝ている暇など...」
「そういうことを言っているわけじゃない、わかりますよね?」
「...はい」
「今は罪とか使命とか、関係ないんです。寝てください。でないと私は何をしてしまうかわかりませんよ。約束してください、これが終わったらゆっくり寝ると」
イチカの顔に怒りが滲む。
「...わかりました。少し寝るとします」
「最低8時間、毎日寝てください。もしそれより睡眠時間が少なかったら部屋へ突撃して無理やり寝かせますから」
「...敵いませんね、わかりました」
「それでいいんすよ」
イチカは目を閉じる。
「お待たせ致しました、ランチコースB、前菜とスープでございます。お厚くなっておりますのでお気をつけください」
「「ありがとうございます」」
二人はスープが入ったマグカップとマリネの皿を受け取る。
「それじゃあ、いただくとするっすか?」
「そうですね」
「「いただきます」」
二人は手を合わせる。
「うん、美味しいですね。マリネで食欲をそそられた後のスープが最高です」
「そうっすね、どっちも絶品で美味しいっす!」
「わかっていませんわね」
二人の後ろに誰かが立つ。
「フレンチを謳うくせに順序も守らない、ドレスコードもない、おまけに盛り付けも悪い...これは食への冒涜に他なりませんわ」
「...シンさん!危険です、離れて!」
「冒涜者には裁きが与えられねばなりませんわ!」
イチカは芯を抱き抱え、羽で覆う。
刹那、爆発音。破片がイチカの体に突き刺さる。
「...っ」
「先輩!避けてください!己が体など...!」
「このくらい、全く、問題ないっすから...!」
イチカは痩せ我慢する。
「先輩!無理なさらないでください...!」
破片の雨が止む。イチカの体から力が抜ける。煙の中に立っていたのは四人のゲヘナ生徒だった。
「ハルナ、まずいよ...正実を巻き込んじゃったみたい」
「あら、それは問題ですわね...さっさとお暇をいただくとしましょう」
「待て」
シンは愛銃を持って立ち上がる。
「先輩をよくもこんな目に遭わせたな...!」
「あらあら、これは不味そうですね...撤退しますか?」
「撤退...できそうにありませんわね。この方はおそらく正実の方でしょうから、捜査網がどんどん広がって終わりでしょう」
「...覚悟はできていますね」
シンは突撃してリーダー格の狙撃手の腹に銃口を押し当て1マガジン分連射。
「...っ!?お恥ずかしい、姿を...」
リーダー格は気絶する。
「あわわっ、まずいよ、ハルナがやられた!」
「ここは落ち着いて、私が対処します...!」
「遅い」
刀で峰打ちする。悪魔の角を持った金髪の少女も気絶する。
「こ、これでも喰らえ...!」
アサルトライフルを二丁持った小さい少女が銃を乱射する。
数発命中。
「嘘、ヘイローもないのに止まらない...」
絶望したような表情を見せる。
「檻の中で裁きを待て」
そして最後の一人になる。
「わ...お腹すいた...」
「...」
無言で照準を合わせ乱射。最後の少女も倒れる。
「...シンさん、やりすぎっすよ」
「イチカ先輩!ご無事ですか!」
イチカの身を案じる。
「ヘイローがあるっすからこのくらいは大丈夫っすけど、正実に所属するなら憎悪に囚われちゃダメっす!正義を見失っては、正実たる意味がないっすからね」
「わかりました...気をつけます」
「本当に気をつけてくださいね?」
「お疲れ様でした、我が校の生徒がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
水色の髪にとても風気委員と思えないような服を着た少女のホログラムがそう言う。
「いえ、こちらこそ勝手なことをしてしまい申し訳ありません」
「いえいえ、とても助かりました。この方々はゲヘナで収監させていただきます」
「よろしくお願いいたします」
そうして長い一日は終わった。
「最後はめちゃくちゃでしたけど...これはこれで面白かったっすね!」
「ええ、とても充実というか、いい一日でした。本当にありがとうございました、仲正先輩」
「さっきはイチカ先輩、って呼んでくれたじゃないっすかー!」
「知りませんそんなこと」
「ひどいっすよー!」
ご閲読いただきありがとう御座いました!
次からは本編に戻ります。これはあくまでifの世界なので本編世界とは何の関係もありません。
評価が高ければまた書いていこうと思いますので、よろしくお願いします!
ヒロイン誰にする?
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イチカ
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ミカ
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カズサ