偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

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みなさんこんにちは、烈風一一で御座います。
今回はタグの「残酷な描写」を主に回収するような、そんなとても残酷な描写が含まれる内容となっております。
謎が深まり、少しだけ解ける...そんな回になれば幸いで御座います。
それではどうぞ!


悪夢

バシャン。冷たい水を頭からかけられたのを知覚する。それと同時に両手が縛られ、上から吊られていることに気づく。

「起きろ!」

目の前には黒と青の髪が特徴的な長身の生徒がいる。

「起きたか...気分はどうだ、上原シン」

「...最悪ですよ、あなたのせいで。それに、なぜ僕の名を?初対面のはずですが」

「貴様からの質問は受け付けない」

銃を突きつけられる。

「さて、お前に問おう。キヴォトスを、トリニティを裏切る気はないか」

「馬鹿なんですか、貴女。僕が裏切るわけないでしょう」

「それはわかっている、だから」

長身の生徒はシンの脇腹を蹴る。

「裏切るまでやる」

「トリニティを裏切れ、上原シン。今なら悪くない地位を約束するとマダムは仰った」

「マダムとやらに伝えてください。クソッタレ、くたばれと」

長身の女性はシンの顔面を殴る。

「諦めたらどうなんだ、全ては虚しい。お前も知っているだろう?両親とのあの日々にお前は意味を見出せなかったのだから」

「黙れ...よっ!」

唾を吐き出す。

「...ガキが」

顔の横に向け拳銃を射撃する。

「次は命中させる」

「できるのか、お前に!お前は人を殺したことがないのだろう、そういう目だ!」

「...っ」

「お前こそ裏切ればいい!まともに生きられる!トリニティなら、皆暖かく受け入れてくれるはず...っ」

「黙れ!!」

長身の生徒は激情の赴くままに暴力を振るう。

そうして、そのようなやり取りが永遠に続く。

そして、数時間後。

「...みか、様」

「なるほど、貴方がそこまで粘るのは聖園ミカのためですか。ならこれを見せてあげましょう」

奥から巨大な白いドレスのようなものを着た化け物のような何かが出てくる。

「マダム...!?このようなところまでいらっしゃらずとも...」

長身の生徒が驚く。

「このような子供は、論より証拠を見せた方が早いのです。サオリ、覚えておきなさい」

「はい、マダム...」

化け物はタブレットを出す。

『じゃあよろしくね、サオリ。ひとまずセイアちゃんを病院送りにでもしてくれたらそれで計画が進みやすくなるはずだから』

『了解した。百合園セイアの襲撃、任せてもらおう。その代わりこちらの手筈は頼んだぞ』

『うん、任せて☆』

シンは絶句する。己の信じていた主君が、目の前の敵と繋がっていたことを。

同時に頭が拒絶する。斯様なことがあるわけがないと、現実でないと。

「理解したでしょう、今回の襲撃は貴方のの主君が仕組んだことです。哀れですね?戦っていたのは自らの主君が指示していた相手であり、お前の戦いは主君の意に反し、剰え貴方は死にかけでここにいる」

「嘘だ!これはお前らが作った合成動画だろう!ミカ様が...ミカ様がこんなことなさるはずがない!」

「ならなぜこの動画が、この声があるのですか?嘘であるにせよ、聖園ミカと接触しないと得られないはずでしょう」

「...」

目の前の化け物を睨みつける。

「貴方は見放されたのです。主君に、親に、あらゆる人間に」

「...嘘だ」

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」

「あああああああああああああああああああああああああ!」

子供のように喚き散らす。顔からは涙が垂れ、目からは僅かに残っていた希望の光が消滅する。そして、次に出たのは乾いた笑みだった。

「あは...は、ははは...結局、僕に希望なんて...あははははははは!」

「...よし。土台は整いました。サオリ、これを聖堂へ運びなさい。抜かりのないように台の上へ拘束しておきなさい」

「はい、マダム」

長身の女子生徒はシンを抱えてどこかへ向かう。

シンは虚な顔をして動かない。目には光がなく、まるで生きながら屍と化しているかのよう。

「...みか、さま」

「かいちょう...」

の二つを繰り返すのみ。

「...哀れだな」

そうして二人がたどり着いたのは、教会を思わせる大規模な部屋だった。

中央には禍々しいステンドグラスが張り巡らされており、とてもこの世のものとは思えない。

そして長身の女子生徒は部屋の真ん中にある手術台のようなものへシンを置き、高速具で腕と足を留める。

そうしてすべての儀式の用意は整った。

 

「アリウスの生徒たち。今日は祝福されるべき一日です。我々はここに新たなる神を迎えるのです」

マダムと呼ばれた化け物は生徒を集め、手を広げそう宣言する。

「この生徒は憎きトリニティの生徒です。しかし神はこの生徒を依代として選ばれました。よって我々が神を依代に宿す手助けをせねばなりません」

生徒たちからは歓声が上がる。無論全員目にハイライトはなく、何かを妄信しているようだった。

「まず、神が宿ることを邪魔している装置を取り除かねばなりません」

化け物はシンの腹に手を入れる。大量の血が飛び散る。シンは顔色一つ変えない。

「神は仰りました。トリニティに、ゲヘナに報復せよと!」

そうしてシンの腹の中の何かをつかみ、引っ張り出す。血が滝の水のように流れる。シンの顔色が変わる。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!やめろやめろやめろやめろやめろ!!!!!!!」

突然狂ったように叫びだす。何とか拘束から逃れようと腕や足を動かすが、虚しく金属音が響くのみ。

「もはやあなたの人格は必要ありません、上原シン。おとなしく消え去りなさい」

化け物の手には、白い連邦生徒会の紋章が描かれた白い箱のようなものがある。大量の血がついた管も共に。

そしてシンの体には如実な変化が現れる。頭の上には星を思わせる水色の十字と金環日食のような金の円のヘイローが現れ、腰からは左が黒、右が白の翼が出現する。シンを中心に強風が吹く。

「逃がしません」

化け物の背後から茨のようなものが生え、ヘイローを拘束する。

「あ....あ」

茨はヘイローと一体になり、シンの体からは力が抜ける。

「さて、最後に...生徒たち。これより顕現されるは神です。貴方たちが目に触れることすら許されません。皆目を瞑り、祈りなさい。」

生徒たちは目を瞑る。両手を合わせ、祈る。

化け物は茨から禍々しい色の「何か」を流し込む。

「...」

ヘイローの色が灰色となり、円にはヒビが、星は光を失う。

髪はまるで"2年分歳をとったかのように"伸び、身長は10cmほど伸びる。白い翼はなくなり、片方の黒い翼のみが残る。

「...反転」

化け物はそう言う。そうすると何かを流し込まれる前へ戻る。

「...くくく、ははははははは!生徒たち、神は顕現されました!そして神は仰っています!裏切り者のトリニティを、理解できぬゲヘナを破壊せよと!」

生徒たちは歓喜の声を流す。

ただ5人、精鋭部隊たるアリウススクワッドを除いて。

「...これで良かったのだろうか」

長身のリーダー格、錠前サオリはそう呟く。

「...」

隣のフードを被り近未来を思わせるマスクを被った少女、秤アツコは左手のひらを軽く右ほおに当てながら、まっすぐ立てた右人差し指を口から前に2回出す。

「...姫もそう思うんだ」

マスクに自らより少し小さいロケットランチャーを持った生徒、戒野ミサキは小声でそう呟く。

「で、でも、やっぱり全ては虚しいんですから、彼もトリニティの生徒だから、報いを受けないと...」

自らの身長より大きい対物ライフルを持った生徒、槌長ヒヨリはそう言う。

「...ヒヨリ、声が大きい。」

最後にそう言ったのは、シンと戦闘した少女、白洲アズサ。

聖堂には生徒の歓声や「アリウス分校の神に万歳」などと叫ぶ声、マダム-ベアトリーチェの笑い声ばかり。

アリウススクワッドは、静かにその場を去った。




ご閲読ありがとう御座いました!
今回が一番描きたかった話の一つなんですよね...オリ主を絶望させ体を破壊することでしか得られない栄養素はあります。あの白い箱はなんなのか、シンはこれからどうなるのか、強風はなぜ起こったのか、なぜ箱が出されるまでシンは痛みを感じなかったのか...近日中に回収していきますので、乞うご期待。
次回は水曜日に投稿します!評価、感想等もよろしくお願いいたします!いつもお気に入り登録ありがとう御座います!
P.S.:暴力表現に関するアンケートを設置しております。よければ投票、よろしくお願いいたします。
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