今回から少しずつストーリーから動きが外れていきます!今回は終盤に衝撃の展開が待っていると思うので、楽しみにしてただけるとありがたいです!それではどうぞ!
「ふーん、先生はそうするんだ...まあ、もう私はいいんだけどね。だってシン君は私だけのものだから。サオリに任せるのは気に食わないけど...もうちょっとだよね。エデン条約を白紙に戻せばいいだけなんだから。そうすればシン君はこっちに渡す、そういう約束だもん」
先生と別れた後、私は改めてそれを実感する。心の中に多幸感が広がる。
「ああ、私の...私だけの...!待っててね、シン君。二度ともう誰にも傷つけさせないから」
そういえば。シン君を傷つけたのは誰なのだろう。
「...ミカはなんで、あんなことを。ナギサから聞く限りそういうことを言う子ではないはず。何かミカ側に不都合...例えば、"ミカが行方不明に関与している"とか?」
生徒を疑いたくない。疑ってはならない。
「...やめよう、今は補習授業部だ」
「みんな、お疲れ様!第二次試験がいよいよ迫ってきてるね...今日も模試を作ってきたから、頑張ろう!」
「順調に点数は上がってきてます、全員合格場でもう少しですから頑張りましょう!」
コハルとアズサは少し緊張したような面持ちである。
「コハルちゃんとアズサちゃんもしっかりできていますから、頑張ってくださいね!」
「うん、ありがと...頑張るね」
コハルは珍しくおとなしい。いつもなら「デキる!?エッチなのはダメ!死刑!」とでも言ってきそうなものだが。
先生はテスト用紙を配る。
「落ち着いて頑張ってね...始め!」
そうして4人は淡々とテストを解いていく。
前に比べて手ごたえがかなりあるようで、順調に説き進めていく。
(この分なら4人とも合格できそうだね...よかったよかった)
「お疲れ様!結果を発表するよ!」
先生は採点を終え、紙を配る。
ハナコ 69点(合格)
アズサ 73点(合格)
コハル 61点(合格)
ヒフミ 75点(合格)
「わ、これって...!」
「ええ、やっと...!」
「うん、全員合格だよ!」
教室中に歓声が響き渡る。
「ってことは...?」
アズサが目を輝かせる。
「約束通り、モモフレンズグッズの授与を行います!」
「やった...!」
アズサは嬉しそうに駆け寄る。
「あはは...」
「...」
ハナコとコハルは少し距離を置く。
「さあ!どうぞ!」
「私は謹んで遠慮しておきますね」
「わ、私も...」
「あうう...さ、アズサちゃん。どれにします?」
一瞬落ち込むが気を取り直す。
「私は...選べない。あのメガネのカバも、黒い角が生えてるのも、どれもいい...!ヒフミ、頼む...選んでくれ...」
「カ、カバではなく、ペロロ様は鳥なのですが...じゃあ」
メガネをかけた奇妙な鳥のぬいぐるみ-ぺロロ博士を差し出す。
「このペロロ博士はどうですか?学者で、物知りって設定なんです!勉強しすぎて頭がおかしくなってしまったという側面もあるのですが...」
「これにする!ありがとうヒフミ...!」
「アズサちゃんに喜んでもらえてよかったです!」
ピロン。その時、コハルの携帯の通知が鳴る。
「...?」
コハルは携帯を起動し通知を確認する。
「な、なななななナギサ様!?」
「どうかしたの、コハル?ナギサから何かあった?」
「ナギサ様から私宛にメッセージが...添付されている画像があるわ」
コハルはタップして画像を開く。そこには。
「補習授業部各員に連絡。第二次試験に関し情報の修正を行います。範囲を指定していたところの3倍に拡大。また、合格点数を60点から90点へ変更します。また、テスト時間を翌日3:00開始。会場をゲヘナ自治区のこの地点へ変更します、以上」
「....え?」
「やってくれましたね、ナギサさん...どこからか私たちが順調なことを察したのでしょう」
「しかも第二次試験って今夜じゃない!」
「...私が話してくる」
先生は立ち上がる。その面持ちはどことなく暗い。
「無駄です、先生」
ハナコが背中越しに声をかける。
「今のナギサさんにはおそらく誰の声も届きません。たとえミカさんであろうと、亡くなられたセイアさんであろうと...ですから、ここはなんとか合格するようにせねばなりません」
「...そうだね、ハナコの言うとおりだ。悔しいけど、今からでも勉強を頑張ろう」
そこから補習授業部は猛勉強を重ねた。
先生とハナコが分担して三人を教え、模試の復習も徹底的にした。
そして、早朝3時。
「...みんな、準備はいいかな?忘れ物はない?
「本当に行くんですか...?」
「行かなければ未受験扱いで不合格でしょう、行くしかありません」
そうして四人の挑戦者と一人の教師が歩いていく。
この不条理に、虚しさに抗うために。
「おうおうおう、こんな時間にどこに行くんだ?」
いかにも、という感じのスケバンたちがよって来る。
「えっと、私たちは試験を受けに...」
「試験だあ!?こんな時間に試験なんてあるはずないだろ!」
「...話が通じない、強行突破あるのみだ」
アズサは発砲する。
「やっぱりこうなるんですね...」
「正義実現委員会のエリートの力、見せてやるわ!」
コハルとヒフミはライフルを、ハナコはライフルグレネードで後方支援の用意をする。
「四季は私が執るよ...戦闘開始!」
アズサがリーダー格を狙い撃つ。
「リーダーがやられた!お前ら、敵討ちの時間だ!」
増援がわらわらと出てくる。
「コハル!手榴弾!ヒフミはデコイを!」
「喰らいなさい!」
「わ、わかりました!」
二人は同時にデコイと手榴弾を投げる。手榴弾はスケバンたちを気絶させ、デコイはスケバンたちの気を引く。
「ハナコ!今のうちに回復を!」
「了解です!行きますよ!」
ライフルグレネードから回復用のカートリッジを打ち出す。
「クソ...戦車だ!戦車をもってこい!」
主砲が二つに増えた重戦車が近づいてくる。
「アズサ!構えて、エンジンを狙って無力化して!エンジンは車体の下の方にある!」
「無茶を言ってくれる...!」
神秘を込めた一撃が車体下部を貫く。
戦車は大爆発を起こす。
「ありがとう、アズサ。よし、先を急ごう!」
「人が少なくありませんか...?」
「ゲヘナでは珍しいね、生徒たちがうろついていてもおかしくないはずだけど」
「...ん、あれは検問か」
アズサの視線の先を見ると、ゲヘナ風紀委員会が検問を行なっている、
「止まれ!トリニティの生徒が何の用だ」
「えっと、試験を受けに...」
「試験だと!?冗談も大概にしろ!」
当然ながら信じてもらえない。
「貴様、正義実現委員会か!?まさか襲撃に...!」
「え!?そうだけど違うっていうか...」
「正義実現委員会が襲撃しにき...がっ」
後ろの方から誠実に向かって正確な爆撃が行われた。
「あら、先生。ごきげんよう」
「ハルナ!」
後ろを振り返ると、美食研究会の四人がなぜか"給食部の車"に乗って現れた。
「あれ、確かこの前戦った!?」
「水族館襲撃犯の方々ですね。」
「あうう、もう何がなんやら...」
先生は美食圏に事情を説明する。
「...なるほど、それでテストを受ける必要があると。それなら事情が悪かったですね...今私たちが暴れたせいで、風紀委員会がそれなりの数いまして。」
「うん、ところで...その車はどうしたの?」
「ああ、フウカさんが貸してくれたんですよ。新車を貸してくださるとは、まさに友情というやつですね★」
「んー!んんんんー!」
声の方を見ると。フウカがトランクで縛られている。
「...その友情のお相手、縛られてません?」
「問題ありません、フウカさんはこのようなことに慣れているので★」
「あはは...」
「ひとまず、先のことで先生には恩があります。乗ってください、責任を持ってご案内いたしますわ」
「えっと...ありがとうございます...?」
「ありがたい、行こう」
困惑しながらも先生と4人は給食部の車へ乗り込む。
「しっかり捕まってくださいね〜★」
アカリはアクセル全開で走る。
「なんでええええええ!?」
2時間後。美食研と補習授業部は風紀委員会と温泉開発部に追われていた。スクーターでヒフミとコハルが相乗りし逃げている。
「ヒフミ、揺らさないで!照準が合わない!」
「私が揺らしてるんじゃないですよ!地面が揺れてるんです...!」
「トリニティのあなた、運転上手いね!」
「あはは、がんばれがんばれ!」
美食研の功績二人はからかう。
「一杯一杯なんですけどお!?」
「ハルナああああああ!車はいいから降ろしてえええええ!」
「フウカさんからのご声援もありましたし、頑張りますよ!」
「やばっ、ブルドーザーにショベルまで...!?温泉開発部じゃない!」
温泉開発部の気に触れたのか、とてもブルドーザーと思えない速度で迫ってくる。
「こちらチームブラボー、温泉開発部とやけに強いツインテールの風紀委員に包囲された。例の場所で落ち合おう」
「アズサちゃん!?」
「ヒフミ、せっかく隠語を使った意味がない。私とハナコは後で合流する。頼んだ」
「はあ、はあ。なんとかたどり着けました...」
「やっとね...みんな、お疲れ様...」
「給食部の車が川に突っ込んだ時はどうなるかと思ったよ...」
「さて、ここからテストですね...気を引き締めて、行きましょう」
水着姿のハナコとガスマスクをつけたアズサが現る。
「...今は聞かないでおくわ」
「ここで...間違いなさそうですね」
いつの間にか服を着たハナコがそういう。
「無人のようですが...」
「なんらかの手段は用意してるはず。」
カラン。先生の足が何かに当たる。
「それは...トリニティの榴弾砲。L118の弾頭だ。スローガン散布用などに使っているのだろう、爆発はしないから安心していいと思う」
アズサは弾頭を開ける。
「これは...テスト用紙か」
「これを見ているということは、無事に辿り着かれたようですね」
ナギサのホログラムが出現する。
「ナギサ様!?」
「この人が...ナギサ様」
「ナギサ...!」
「ふふ、恨みつらみの声が聞こえてきますね...まあ、録画なので聞こえないのですが。いくら罵倒しようと無意味ですよ。」
ナギサはいかにもトリニティらしい笑みを浮かべる。
「一応モニタリングはさせてもらいますので、頑張ってくださいね?保守授業部の皆さん。では、約束の時間までに試験を終えて帰ってきてくださいね。それと、皆さん」
「
そういうと映像は消える。
「...何よ、嫌な感じ!」
「最後、含みのあるような感じでしたね...あの発言の真意は...?」
「とりあえず建物に入って、試験を受けよう...そのあとは、それから考えればいい」
「そうですね、ここで怖気付いても始まりません..頑張っていきましょう!」
「ここが例の場所?」
「住所的にはここで合ってそう。」
温泉開発部の部員たちが試験中のビルへ近づく。
「うん、ここで合ってるはず...どこの誰かは知らないけど、情報提供に感謝だな」
「よおし、発破準備!」
「させません」
風があたりに吹き荒れる。すぐにそれは暴風となり、温泉開発部に襲いかかる。
「誰だ!」
人影は走りより、刀のようなものを抜いて切り付けていく。
「妨害されてなるものか、とっとと発破してしまえ!」
温泉開発部の部員はなすすべもなく倒れていく。しかし、最後の部員が人影に切られる前に発破してしまった。
「風が強い...倒壊は流石にしないよね?」
先生は外を見る。すると、日食のような金色の縁に青い
「正義実現委員会のようだ...」
先生がそう言った瞬間、爆音がする。ビルが倒壊する。
第二次学力試験。全員解答用紙紛失により不合格。
「解答用紙がっ...!」
「粉々に、吹っ飛ばされた...」
「先生!大丈夫です...か..!?」
先生の目の前には。
瓦礫から先生を風を操り守っている男子生徒がいた。
コハルはその生徒に見覚えがあった。会ったことがあった。
「上原、シン...!?」
「ッ!?」
刹那、生徒の姿は一瞬で消える。
「ちょ、ちょっと待って!」
先生のその声は闇夜に消えた。
ご閲読ありがとうございました!
シン君が先生を守りました。これが何を意味するか、だれにもわかりません。
次回も本編から変えていく予定ではありますが、こうした方がいいなど思った点や感想等ございましたら是非お願いします!いつも評価やお気に入り登録ありがとうございます!モチベーションとなっておりますので、よければまだの方はお願いします!
次回は日曜日更新になるかと思います、よろしくお願いします!