大変お待たせしてしまい申し訳ありません、この後の構想がある程度完成したため今から第1.5章のような感じで投稿を再開させていただきます!
今回はまあ、精神破壊の会です。誰とは言いませんが裏切り者がとても曇ります。では、どうぞ!
「ミカ...」
「...ごめん、今は先生の口からは何も聞きたくないな。シン君に裏切られたのが最大の失敗だったなあ...私、そんなに酷いことしちゃったかな...?」
「...聖園ミカ。今言えることはこれだけだ。"上原シンは最後までアリウスに抵抗していた"。彼は体を切られようとわけのわからないものを流し込まれようと抵抗して...そして、操られてしまった」
「あはは...そうだったんだね。ダメだなあ、私。そんなことにも気づけないなんて」
「...んぅ?ここはどこ...?」
シンが目を覚ます。
「...シン君?」
「...ミカ様!」
正義実現委員会の生徒に銃を向けられる。
「...っ!?」
「な、なんでいきなり銃を...?僕、何かしました...!_」
周囲の惨状を目にする。それと同時に、今まで何をしてしまったかが頭の中に流れてくる。
「...あ」
「...ミカ様に、剣を?」
いけない。そんなことあってはならない。然し確かに己はやったのだ。
大切な主君に刃を向け、敵に操られ、欺瞞で己を満たした。
罪だ。大罪だ。信頼を裏切り、敵に与し、正義を汚した。
「...みカさまヲうらぎッた?」
「せんのうされてだました?」
受け入れられない。しかしこれはおそらく事実なのであろう。
"お前の存在は罪なんだよ!だからお前の名前は
脳裏に記憶がよみがえる。
「...殺せよ」
「...え?」
先生は唖然とする。それもそうだろう。いきなりあっさりと罪を認めたんだ。
「今の僕はヘイローのない犯罪者です。裏切者は殺さねばならないでしょう?今なら銃弾一発で楽にあの世行きにさせられますよ」
「ダメだ、そんなの。死ぬなんて...君は何も悪くないんだ。ただアリウスに操られていただけなんだろう?」
「うるさい!」
急に叫ぶ。
「死なないといけないんですよ!わからないんですか!他人から奪った分は自ら奪わないと!」
「...シン君は、悪くないよ」
「ミカ様...」
「悪いのは私...でしょう?」
「それでも、僕は...しなないと...」
シンは何も言わない。涙が垂れる。
「私はちょっと反省が必要みたい。檻から出れたら、また会おうね?」
そう言ってミカは正義実現委員会の生徒に連れられて行く。
絶望した一人の少年を残して。
「セリナ―!」
「先生、お疲れ様です。どうされましたか?」
セリナがいつの間にか後ろに立っている。
「ああ、ちょっと彼の健康状態を確かめてほしくてね。検査と療養をお願いできるかな?」
「お任せください!」
「...やめてくれ」
震える手で刀を抜く。
「こんな人間、存在してはいけない!」
そうして自らの腹めがけて掲げた刀を振り下ろす。
「止めておけ」
アサルトライフルの音が一発響く。
震えていた刀に命中しあっさり飛んでいく。
「...あ」
そう言ったきり、シンは何もしなくなった。
「...体の様子は特に問題ありませんね。ただ...」
シンは何の反応も示さない。
「上原シンさん、わかりますか?」
「...はい」
「どうして助けたんですか」
「あなたが今にも死にそうだったからです。」
「なんで死なせてくれなかったんですか?」
「手の届く範囲のすべてを救う...救護騎士団とは、そうあらねばなりません。」
ドアを開ける音と同時にそう誰かが言う。
「団長!」
救護騎士団団長、蒼森ミネの帰還である。
「...事情は把握しました。シンさん」
「...はい」
「あなたはそんなに弱い人でしたか?」
「団長!?」
ミネはシンにシールドを向ける。
「あなたは足が折れても、私に止められようとやりたいことをやろうとする。そんな意志の強い人ではなかったのですか」
銃を持つミネの手は震えている。
「...僕は、もう疲れたんです。失望したんです。生きることに。敵に屈した己に。」
「...そうですか。盾を向けてごめんなさい。少し、考える時間を持つと良いですよ。ティーパーティーや正義実現委員会には話を通しておきます。これでもヨハネ分派の首長ですから」
ミネはシールドを下ろす。
「...要りません、休みなぞ。戦い続けなければ、その末に死を...」
そのぼやきは、誰にも聞こえなかった。
「先生、お初にお目にかかります。救護騎士団団長の蒼森ミネと申します」
ミネはシャーレの建物にいた。
「初めまして。私が先生だよ、今日はどんな用事が?」
「先生は上原シンという生徒を覚えておられますか?」
「うん、覚えてるよ。彼にも丁度会いに行こうと思っていたんだけど、どこにいるか分からなくてね...」
先生は無念さをにじませる。
「現在は救護騎士団で保護しています。そこで先生にお願いがあるのですが、先生の管理下で彼を元に戻してほしいのです」
「元に戻す...彼は今どんな状態なの?」
「心神耗弱状態にあります。希死念慮があり、生きる理由すらなくなった、という様子です」
「...かなりひどい状態みたいだね。わかった、私にも手伝わせてもらうよ。私は何をすれば?」
先生の瞳に決意が宿る。もう二度とこんな悲劇は起こさせない。
子供の苦しみは、大人の責任なのだから。
「失礼するよ」
先生はドアを開け病室へ入っていく。
「やあ、シン。調子はどうだい?」
ある大人のことが頭によぎる。
「近づかないでください」
刺すような言葉が先生に向けられる。
「シンさん、こちらはシャーレの「わかってますよ」」
シンは先生を睨みつける。
「せっかく来てくれたところ悪いのですが、帰ってください。どうせ死ぬのを止めにきた、とかでしょう?」
「そうだよ、私は...君に生きていてほしい」
「綺麗事ばっかり吐いて」
「そうやって理想ばっかり追い求めて現実を見ない、そんな大人が僕は大嫌いなんですよ!」
「シンさん!この方は貴方の為にわざわざ」
「いや、いいんだよ、ミネ。確かに私は理想を追い求めてる。だからこそ、その為に現実を見て、変える必要があると思ってるんだ」
先生は落ち着き払っている。
なんなんだ、このおとなは。
「ひとまず、シンのことは当分私が面倒を見ることになってるよ。とは言っても、全て管理するとかじゃなく、一日に一回、数時間のカウンセリングを設けるだけだから安心してほしいな」
「...安心できると思いますか。」
「これから安心させられるように頑張っていこうと思ってるよ」
先生は余裕を崩さない。
「...まあ、その程度ならわかりました。僕がここにいても迷惑なだけかと思いますし...貴方のいう通りにしますよ」
何か考えたのちそう答える。
「...うん、じゃあ。これから、よろしくね?」
ご閲読ありがとうございました!
シン君には何か考えがあるようですが、私にはさっぱりわかりません。
すがるものもなくなり、仕えるべき人も届かなくなった。
あとに残るのは、絶望のみなのです。
次回は水曜日あたりに投稿します!よければ評価、お気に入り登録、感想等よろしくお願いします。考察等も大歓迎ですので、ぜひ!