まず謝罪を。1ヶ月以上皆様をお待たせしてしまい誠に申し訳ありません。現在文化祭に論文に生徒会にと手が回らなくなりかけており、SSを書く暇がありませんでした。
ゆえに、来週は毎日投稿を行おうと考えています!シン君はがっつり傷つきます。
...ちなみに、R-18はまだ完成していません。遅筆でごめん。
現時点で5000字あります。お楽しみに。では、どうぞ!
「っ...!」
伏兵か、しかも手馴れている。気配にすら気付かなかった。
「邪魔だ、どけ」
体が吹っ飛ぶ感触、激突する感触。
「わ、悪く思わないでくださいね...」
「どうせ虚しい人生なら、早く終わったほうがマシ」
「我々はこれからトリニティ総合学園を破壊する。お前の命はすでに風前の灯火だろう。ヘイローは消えかけているし、もう抵抗もできない。」
「サオリぃ...!」
動け、動け、動け、動け。
そう念じるけれども、ゆっくりと腕を上げることしかできない。
憎い。憎い。憎い。
「...る、...してやる」
「まだ喋る力が残っていたとは驚きだな」
「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる...!」
「リーダー、もうやってしまっていいと思う。マダムの命令にもあったでしょ、上原シンを殺せって。」
「構わない、やってしまえ。」
セイントプレデターを上に向けて発射。
どうでもいい。殺してやる。
「さよなら」
弾頭はたくさんの小さい弾頭に分かれて。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
体中に刺さる感触。このまま死ぬのか。
まただ、また。結局何もできないまま終わった。
「...あれ、不発弾みたい。」
「問題ない、すでに痛みに耐えられず気絶している。」
「サオリ、お前...人殺しを...!」
信じられない、嘗ての味方が、家族が。こんなことをするなんて。
「殺人?まさか、彼は人ではありませんよ」
憎い声がする。
「マダム...!」
「彼はここまで血を流しているのに死なない。見なさい、アズサ。この出血量、並の人間ではとうにヘイローが砕けています。それなのにまだ戦おうとする。人間ではない。いうなれば...獣ですかね?」
人の尊厳を、なんだと思っているんだ。
「ああ、それとアズサ。私はあなたを許すこととしました。今ならトリニティを裏切ればスクワッドへ戻してあげましょう。」
「断る...!」
当たらない。すべてすり抜けていく。
「ホログラムに発砲とは、ずいぶん耄碌したようですね。やってしまいなさい」
「はい、マダム。」
切り札は使えない。ここだと何人巻き込むかわからない。
ならば。
「...三十六計、逃げるに如かず。そういう言葉があるそうだ」
「逃げたか...追うぞ!」
いいぞ、追ってこい。
私の得意分野はゲリラ戦だ。
「..ここは?」
目を覚ます。薬品のにおいがする。
「お目覚めですか、ナギサ様。」
「...ミネ団長」
「現在トリニティは正体不明の武装集団に襲撃されています。ゲヘナも現在応戦してはいますが、一部過激派から両校の関与をそれぞれ疑われています」
止めなければ。急いで。
「...シンさんは、シンさんはどこですか」
「現在も戦闘を続けているとの報が入っていますが、確実な情報は何一つ。」
「し、失礼します!」
静かにしてほしい。頭に響く。
正義実現委員会のようだ。こんな時に何の用なのか。
「申し上げます、上原シンさんがアリウススクワッドとの戦闘にて、ヘイローが砕けたとの報が入っております...!」
...は?
今、なんと?
「現在スクワッドは白洲アズサさんとの戦闘を行っている模様です!」
状況が理解できない。理解したくない。
「...ごめんなさい、シンさん。私は...あなたを...!」
涙すら出ない、今の私はただ天をあえぐだけの置物のようだ。
いや、いっそそのほうがいい。ただの置物であれば、どんなに良かったことか...何も聞かずに済んだのに、何も感じずに済んだのに...!
「...今すぐ、シンさんを連れ戻してください。余った要員はすべて使ってください」
喉から絞り出せたのはそれだけだった。
「甘い、甘い。お前の戦術はすべて私が教えたものだ。お前が私に勝てる要素など何一つとしてない。」
「...っ」
ここまでは作戦通りだ。冷静であれ。
「...いつからだ」
「いつからアリウスは巡航ミサイルなんて代物を...?」
「お前が知る必要はない」
「そうか...」
左手に握っていた起爆スイッチを押す。
これで建物は崩れ、足止めができるはず。その間になんとか。
「何をした!?」
「サオリ、さっきなんと自分が言ったか思い出してみたらいいよ」
「...アズサああああ!」
崩壊しかけたビルから飛び降りる。少なくとも瓦礫の山に覆われ、小一時間ほど足止めはできるだろう。その間に...
「...せめて、罪を償うくらいはできるだろう。」
駆ける。一人でも多くの命を助けるために。
「...見つけました!ここです、ここ!」.
見つかったようだ。助けないと。
「イチカ先輩、運ぶのを手伝ってください!下手に動かしたら本当に死んでしまいそうで...」
「...これ、は」
ひどい。あまりにむごい。
左手はちぎれかけ、文字通り皮一枚でつながっているようなもの。
全身に不発弾と銃撃の跡があり、川ができそうなほどの血が流れている。
「担架を、早く!」
もう口調なんてどうでもいい。作ってるキャラなんて関係ない。
早く、早く血をとめないと。
ああ、でも、どこから?
「担架持ってきました!」
「さっさと運びますよ!」
シンさんを丁寧に乗せる。血がこれ以上でないように。
「走れっ!」
急げ。急げ。急げ。
貴方はまだ、死ぬには早いのだから。
「もういいです、運転席から引きずりおろしてでも!」
ああ、本当に鬱陶しい。早く開けてくれないものか。先生が乗っていると知らずの行動か。
それとも、ゲヘナに先生の命を救われるくらいならとでも考えているのか。
「道を開けてください。非常事態です。負傷者を輸送中です。」
「どうしてゲヘナの負傷者のために...!」
「道を開けてください!」
担架を抱えた人が走ってくる。そちらも負傷者か。
それにしてもひどい。担架が血で染まっている。
「うっ...不潔な」
「どのような野蛮な戦い方をすればこのような体に...」
「いいからさっさと退いてください!それとも殺されたいですか!」
「正義実現委員会がなんということを...!」
ああ、鬱陶しい。人の命より他校を蹴落とすことを優先するとは。
「やめてください!」
誰かの声がする。誰であろうと増援ならありがたいのだが。
「救急車ですよ!人の命がかかっているのに止めるなんて!」
「きゅ、救護騎士団...」
「負傷者を攻撃しようというなら私たちが相手になります。ここにミネ団長がいらっしゃったら、きっと悲しまれるはずです...なんてことを」
「ミネ団長...って、あの"ミネが壊して騎士団が治す"のミネでしょう?筋金入りの問題児を持ち出すとは、冗談も大概にしていただきたいものです」
「な、なんで...団長、こんなにイメージ悪かったんでしょうか...?」
もういい。そろそろ突破しよう。
「すみません、閃光弾投擲します...!」
...なんだって?
閃光弾が炸裂する音がする。
「急に何...!?」
「申し訳ありません、非常時とはいえ手荒な真似を...」
「いえ、助かりました...スズミさん」
「...イチカさん。お疲れ様です」
「自警団...あの正実とも場合によっては真っ向から対立するっていう...」
「付き合ってられませんね...行きましょう」
やっと去っていった。救護騎士団だろうか。先生の治療を手伝っていただこう。
「救護騎士団の皆さんですか。」
「はい、エンブレムを見るに...ゲヘナの救急医学部の方ですか?トリニティの負傷された方がもしかして」
白衣を着ている方が対応してくれる。もう一人は正実のほうへ行ったようだ。
「いえ。こちらにいらっしゃるのは、シャーレの先生です。」
「...え?」
「はい、銃で撃たれてしまいまして。」
「ええっ!?」
「どうしました...か....」
「シンさんを助けてください!今にも死んじゃいそうで...早く、頼みます!」
「し、しかし、ここまでの怪我だとミネ団長がいないといけないのですが、現在はセイア様の護衛に」
「じゃあそれ正実がやりますから!早く治してください!」
もうわけがわからない。なんでもいいから早く助けてほしい。
「私がどうしましたか!?」
「ミネ団長!?」
ああ、なんと運がいい。
「シンさんが傷を受けて、今にも死にそうで、早く助けてください...!」
「...ひどいですね。今すぐ治療しなければ」
「治療していただけますか!?」
「...しかし。残念ながら、先生の治療とシンさんの治療を同時進行させるわけには行きません。」
「な、なんでですか!?」
「道具と薬...特に麻酔が足りません。それゆえに、私たちは選択せねばならないのです」
選択。何を選べと。
いや、わかっている。だから言わないでくれ。
「シンさんか先生。どちらを選ぶか、です」
ご閲読いただきありがとうございました!
命の洗濯、辛いよね。でもこの世界からしたら絶対に先生を選ばないといけない。
生徒たちはいかなる選択をするのか、乞うご期待。
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次回は来週月曜日に投稿予定です!頑張ります。