偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

29 / 65
こんばんは、烈風一一で御座います。
毎日投稿二日目です。結構眠い。
思ったより描写が長くなったのですが、次回かその次でエデン条約編三章は終わるかも?です。
それでは本編どうぞ!


The miracle

「...また来たか、アズサ。」

「今度こそ決着をつけよう」

錠前サオリ。私の家族だった人。世界を壊そうとする人。

私が、止めなければならない。

「お前に勝算があるとでも?」

「...あきらめなければ、ある」

戒野ミサキ。槌永ヒヨリ。秤アツコ。三人とも、私の大事な家族だった人。

今は、敵。

「お前が私に勝てるわけがない。お前の戦術はすべて私が教えたものだろう」

「...来い!」

ゲリラ戦以外では勝ち目がない。まずは用意した建物に誘い込む。

あらゆるタイプのブービートラップは仕掛けてある。かかってこい。

「また逃げるか...追うぞ!」

今のサオリは頭に血が上っている。おそらくゲリラ戦は効果的だろう。

「...覚悟を固めろ。お前は、家族だった人たちを殺すんだ。」

 

まずは廃ビルに入る。一本道だが、入口のトラップは窓を破れば回避できるようにしている。

大柄なサオリはここから入ってこれないはず。

「建物に逃げ込んだか...」

爆発音がする。

「やったか!?」

しかし、ドアに置いていたグレネードはすべて破壊されている。

「お前ならそうすると思ったよ、私の教え通りだ」

「まだだ!」

バックドアは常に仕掛けておく。

これも、サオリから学んだこと。

「...なかなかやるな」

服の端々に汚れがついた程度か。

「行くぞ、今度はこちらの番だ」

ミサキのロケットランチャーが飛んでくる。建物ごと崩す気か。

「そのような危なっかしい戦い方は身を滅ぼす...!」

引きながらも銃撃を加える。撤退ではなく、戦略的後退をせねばならない。これもサオリから。

「また隠れたか...何度でも殺してやろう」

「そんな軽口を叩けるのも今のうち。」

ここ一帯からどこに行こうとトラップとIEDが地獄のように張り巡らされている。

あたれば一巻の終わり。さあ、どうする?

 

「...ここは」

「やあ、先生。君と会うのは...多分、2回目か3回目だろう」

「そうだね。久しぶり、セイア」

トリニティの一般的な部屋を再現した空間。しかし、現実性は一歳ない。

外は夜の闇が姿を表している。

「...本来なら、君をここに呼ぶ必要はなかったんだ。しかし、もはや物語は大きく変わったんだ。」

セイアの向いた方を見る。鎖で何十にも巻かれ、十字架にかけられている。

「これはおそらく彼の今の精神状態を表している。しかも、だ。この鎖は彼本人が望んでかけたものである可能性が高い」

「鎖に近づいてよく見給え。"責任"だとか"罪"だとか書いてあるだろう?」

「...本当だ。しかも、一度だけ見た彼の字。」

「そして、これを壊せるのは君しかいない。どうか...この鎖を外すのを手伝ってくれないかい?」

「ああ、任せて...とは言っても、どうすればいいんだい?」

「まず、覚悟を決めるんだ。悪意の奔流に飲まれないという覚悟を、一歳折れないという覚悟を。」

どういうことだろうか。そこまでしなければならない何かがあるのか?

「...うん、覚悟はできてる。」

「よし。そしたら、この鎖に触るんだ。」

セイアのいう通り鎖を触る。

...なんだ、これは。意識が失われていく。

いや、違う。どこか違う場所へ...

「君が彼の心に何かぶつけられることを願っているよ」

 

『...だからって、おろすお金もないじゃない!』

『だったら産むしかねえだろ!産んだ後に金蔓にするなりどっかに流すなり売るなり、好きにすりゃいい』

『...ええ、わかったわ。それしかないのなら』

なんだ、この光景は。

この大人たちは、誰だ。

「...大人なら、責任くらい!」

言い終わる前に、またどこかへ。

『うるせえ!おい、これを黙らせろ!』

子供が泣いている。よくある子育ての光景だ。

『しょうがないじゃない!なかなか泣き止まないのよ!』

『だったら首を絞めれば気絶して泣かなくなるだろ!』

父親と思われる方が首を絞める。赤ん坊は泣き止む...いや、気絶する。

「...なんて、ことを」

あり得ない。これでも大人か、これでも親か。

しかしまた場面が切り替わる。

『やったわ、妊娠したわよ!』

『よかったな!これで念願の子供が!』

『あ、あの...子供なら、僕が...』

『あ?うるせえよ、お前如き子供じゃねえ。ただの奴隷だ』

「...異常だ。狂っている。なんで、なんでこの人たちは責任を...!」

また場面が変わる。知っている顔が、二人。

「...あなたも、敵ですか」

「初めまして、シンさん。」

「おっしゃる通り、僕は上原シンですよ。ですが、これから死ぬ人間に何の用ですか?」

「私たちを助けて欲しいんです」

「却下」

即答している。それに、"これから死ぬ人間"って。

「あなたには希望の光となる可能性が、私たちの世界を救う可能性が」

「どうせ可能性。みんな見捨てる。そうでしょう」

「...いいえ、私は捨てません。その証拠に、あなたに武器を差し上げます。」

話しかけた女性-連邦生徒会長は、シンに刀を渡す。

「もしあなたが私を裏切った、と思えばその刀で私を殺してくださっても構いませんよ。」

「...なるほど。」

刀を受け取る。

「...一旦、1週間だけです。受け入れましょう」

「わあ、ありがとうございます...!」

 

「...先生、久しぶりですね」

後ろからシンの声がする。

「...シン。帰ろう、みんな心配している」

「先生、あなたは生きているのですか。

「...ああ、君のおかげだ」」

「よかった...!」

重荷が去った、と言った様子。

「...では、僕はおとなしくさよならできますね。」

「ダメだ!」

シンを引き留める。当然だ。

彼の意識を取り戻しにきたからだ。

「...何を?」

「だって、まだ君が助かっていないじゃないか」

「綺麗事はいいんですよ。僕はこの世界において遺物ですから」

「...それに、私は思ったんだ。君に世界をまだ見てほしい。君に好きなものを見つけて欲しい。

「...僕の全てを見ました?」

「いや、最後までは」

「...なら、いいです。何にせよ、僕はここで」

「嘘をついたら私を撃ってもいいよ」

拳銃を手渡す。先生でいる間に使うことはないと思っていたのだが。

「...会長の真似事ですか?」

「いや、本心さ。それに...苦しんでいる子供がいれば、それを助けるのが先生の仕事だから」

「...」

何か遠い目をしている。しかし、考えてくれていることは感じる。.

「... わかった。あんたを信じます」

「反撃と行こうじゃないか」

鎖が一つ割れる音がする。"責任"と書かれていたものだ。

「じゃあ、行こうか。」

「ああ、行きましょう、先生。」

 

「...随分手こずらせてこれたじゃないか。」

負けた。完膚なきまでに。

トラップはほぼ解除され、IEDはもうない。

「...楽しかったか?トリニティのお友達ごっこは」

だから、この手にかける。

「...やめろ、これだけは」

ペロロ博士のぬいぐるみを抱える。

「貸せ」

サオリは強奪する。私は逃げる。

10。9。8。

サオリは人形を観察している。

7。6。5。

サオリは違和感に気づいた。

3.2.1。

投げ捨てて姫に多いかぶさろうとしているが、もう遅い。

爆音、閃光。

私は急いでその場を離脱した。

「..っ」

泣くな。お前は家族だった人を殺した。

「...ごめんっ、ごめん、みんな...!」

お前は友を裏切った。孤独を選んだんだ。

だから、止まってくれ、涙よ。




読んでいただきありがとうございました!
過去が段々明かされていきます。そして、責任から解き放たれました。
三章ではいろいろ書きましたが、四章が本番なので頑張ります。
次回の投稿は...眠気に耐えられれば明日です。頑張ります。
評価、感想、お気に入り登録ありがとうございます!とってもモチベになってますので、よければお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。