偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

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ゆめをみていた。

「オプションで文字なども入れられますが,いかがされますか?」

「お願いしまーす!」

ミカ様とペアリングを買うことにした。大丈夫、僕はあの人たちとは違う。

「文字はどうされますか?」

「今日の日付と片方はS.M、もう片方はM.Mでお願いします!」

...ん?S.M?

そんな人いたっけ?

「ミカ様、S.Mという人はいましたっけ..?」

「ああ、シン君用にだよ!意味は自分で考えてね☆」

「...?」

まずSは僕の名前であるとみて間違いないだろう。Mは...?

気になるところではあるが、今はいいや。買い物を楽しもう。

 

やっちゃった。シン君のイニシャル勝手に変えちゃった。

苗字を私と合わせたんだ。聖園シン...うん、いい響き。

かわいいね、このまま独占してあげたほうが彼のためにもなるよね。

うん、そうだよね。絶対そう。

「シン君、着けてみようよ!」

「わかりました、どこの指がいいんでしょうか」

「ここに!」

シン君の指輪を右手の薬指に着けてあげる。左手がないんだもん。

「これで私とおそろいだね?」

私も右手の薬指に。

「うんうん、良く似合ってるよ!」

「ありがとうございます。大切にいたしますね」

「約束だからね?」

...鈍感だなあ。

でも、これでシン君が私のものってことをみんなに知らせられるわけだし?

まあ、いいかな。

「次はどこに行きましょう」

「次はね~...」

 

「シン君、映画ってどのくらい見る~?」

「自分は映画はそこまで見ません、映画館に来るのも初めてです」

「そっかー、じゃあこれが初めてってわけだね☆」

こっそり恋愛映画のチケットを買っておいたんだ。ちょっと過激なシーンもあるらしいから、そういう雰囲気にして...からかうかそういう展開へもってっちゃうか..

「あっそうだ、何か食べるものか飲み物買っていかなーい?」

「わかりました。ミカ様は何にされます?」

「私はねー、チュロスと紅茶にしよっかな」

「じゃあ僕は同じチュロスとコーヒーにします、買ってきますね」

何気ない気遣いしてくれるところも好きなんだよねー。優しいし、かっこいいし、でもかわいい。

指輪が光に当たって反射するとき,ぞくってした。ああ、やっぱり好きだなあ。

「"カップル割"がありますが使用されますか?」

人も並んでないし、いっか。

「いえ、つかい「つかいまーす!」...はい、使用でお願いします。」

「承知いたしました。ご注文繰り返させていただきます。」

...これってもう、私のものってことでよくないかなあ。

 

「どう、シン君。初めての映画館は」

「緊張します...ですが、ミカ様と一緒に楽しもうと思います」

「うんうん、じゃあはい、これチケット!」

私はシン君の右の席を、シン君は私の左の席を。

これだったら、手をつなぎながら見られる。おまけに周りの席は空いていた。

彼の左だったら、こうはいかないからね。

いつか治してあげるからね。

「ミカ様、始まりますよ」

やや興奮気味のシン君が声をかけてくれる。

一応あらすじは調べたから間違いはないはず。騎士とお姫様の身分を超えた恋愛劇。

こういうのは悲恋に終わるのもそれなりにあるみたいだけど、これはそうじゃないはず。

『...ダメです、私はあなた様とは身分が違いすぎます。もし身分が同じなら、あるいは...』

『身分が違うなら』

スクリーンに映るお姫様は唇を奪う。

『命令です、私と添い遂げなさい。離れることは許しません』

...わーお。

なるほど、こういう感じで恋愛って進めていけばいいんだ。

...シン君、顔真っ赤。見るのに夢中で右手がお留守だよ?

そんなシン君には、こう。

...手、繋いじゃった。

『そういうことなら...喜んで、姫様』

二人は反対する臣下や王を説得しながら、何とか婚約まで漕ぎつけた。しかし、結婚式を明日と控えたその日に宣戦布告される。

『必ず戻ります』

『ええ、戻りなさい。必ず。死ぬことは私が許しません』

そうして騎士は戦いに出かける。

激戦を潜り抜け、体全体に傷を負いながらも、何とか戻ってきた。

そして、二人は添い遂げて終わり...って、過激なシーンは!?

まさか...あのキスが過激なシーン!?

そんなのってないじゃん...まあいいや。

「...いい映画、でしたね。」

シン君、いい顔してる。満足してくれたみたいでよかった。

「うん。楽しんでもらえたみたいでよかった」

「それじゃあ...行きましょうか」

外は気づいたらもう暗くなってきた。

せっかくだし、一緒に帰っちゃおう。

「...今日、楽しかった?」

「はい、とっても。まるで夢みたいでした...」

「夢じゃないよ、これが現実。これからも...一緒に、頑張ろうね?」

「はい、もちろんでございます!」

「...ねえ、手。繋ごっか。」

シン君は自然と手を出してくれる。ああ、幸せ。

「一緒にかえろ。」

 

電車に乗った。シン君は疲れちゃったのかな。私の肩に頭を乗せて寝ちゃってる。

「...大好きだよ」

頭を撫でてあげる。

「いつもありがとうね。たくさん頑張ってくれて。今度は私が守るからね」

うん、そうだ、私が守らなくちゃ。

決意を新たにしないと。

 

夢を見ているんだ。

ミカ様と一緒にデートして、周囲からも認められて。

みんな「おめでとう」とか言うんだ。

そして、そう言う夢は決まって。

僕が壊してしまって終わるんだ。

だから夢よ、このまま続いてくれ。

 

「ミーカーさーんー!」

「わー!ナギちゃんごめん!シン君と抜け駆けデートしたことは謝るから!」

「...いえ、お菓子を食べたのかと思いましたが...まさかそんなことをしていたとは」

「あっ」

「これは...お仕置きが必要ですね」

「許してナギちゃん!」

「ダメです」

「やれやれ...まあ、これもある意味日常なのかね。こんな日々が続いていけばいいんだが。」




ご閲読いただきありがとうございました!
今回でデート回は終わりです!次はエデン条約四章です!
今までの集大成、ぜひご期待ください!
次の投稿日は日曜日です!よろしくお願いします。
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