偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

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どうもこんにちは、烈風一一でございます。
今回から4章突入です!とは言っても、まずは平穏な回です。だんだん混沌と曇らせへ入っていくのでご期待ください。
それでは、どうぞ!


エデン条約編4章 消えた神と忘れられた神々のためのキリエ
終わりを迎えたものは希望を抱くことはできるのか?


雨音と数人の駆ける音。それに引き続き数個の中隊規模の人数が走る音がする。

「あっちだ、追え!」

...もう、ダメなんだろうか。

「リーダー、完全に包囲されてるみたい...」

「弾薬も薬ももう底をついてきて...」

「...」

...悔しいが、これは完全に負けだ。

弾薬もあと数回リロードすれば尽きるし、何よりミサキとヒヨリがリロードする間すら与えられないほど攻撃の勢いが強い。

「...」

いや、本当にそうか?

スッ、スッ。アツコが手で何か表している。

「...手段なら、まだある。」

「ま、まさか!」

「...ヘイローを破壊する爆弾。」

「ミサキ、ヒヨリ。私が時間を稼ぐ...その間に逃げろ。」

「サオリ。」

「逃げたあと...その、あとは...」

ダメだ。思考がまとまらない。

しっかりしろ、錠前サオリ。

「次、あと、は...」

「サオリ。」

「...姫!?」

「私たちは頑張ったよ、でも。もう潮時かな。」

姫、まさか。

ダメだ、行ってはならない。

「彼女が求めているのは私、そうでしょう?」

「私が行く、だから。他のメンバーは見逃してほしい」

「...」

「アツ、コ...!ダメだ、それだけは...!」

「もういいよ、ここを切り抜けても同じような展開が続くだけ。そうなったらみんな死ぬ。それにさ。」

「全ては虚しい、全部無意味なんでしょ?」

...なあ、アズサ。

この場にお前がいたら、何か正しい答えを教えてくれるのだろうか。

私は、もう何もできない。

「トリニティ、ゲヘナ、アリウス。それ以外にも、シャーレにも私たちは追われることになる。でも、それもこれも。全ては私がいたせい」

「だから...最後くらいは、私に決めさせて。」

「...姫。」

「姫ちゃん...」

「約束してくれる?みんなを自由にしてくれるって。」

「少し待ってろ、マダムに連絡を取る。」

...なんでだ。こんな結末を、私たちは防ぐために戦ったはずだ。

「ほう。いいでしょう、お約束します。」

「その名にかけて誓って。」

「...そんなことに何の意味が?」

「約束を守ってほしいから。」

「...いいでしょう。全ての巡礼者の幻想である私、ベアトリーチェの名に誓いましょう。」

「うん、約束。」

...ああ、だめだ。

それしか頭に浮かばない、どうすれば。

「...じゃあ、サオリ、ヒヨリ、ミサキ。元気でね。バイバイ」

「姫...」

「姫ちゃん...」

アリウス生がアツコを連れていく。私は、それを。

指を咥えて見ていることしかできなかった。

 

「ようこそお越しくださいました、先生。お久しぶりですね」

「うん、久しぶりだね。みんなも、こんにちは。」

ナギサは顔色が良くなってるみたい、よかった。

「先生、こんにちは。またお会いできたこと、嬉しく思います。」

「先日はお世話になりました」

「...なんと言うか、不思議な組み合わせだね。」

「不思議と言いますか、ナギサさんを困らせる組み合わせと言いますか...」

「困らせる?私はホストを困らせる気はありません。たあ、道を踏み外したものを救護するのみです。たとえ、それがティーパーティーの生徒であろうと!」

ナギサは静かにため息をつく。きっとミネにも悪気はないんだろう。

「...そのお言葉が、すでにナギサさんを困らせているようですよ?」

「あはは...さて、今日私を呼んだ理由を教えてもらえるかな?」

「はい、この間のエデン条約事件の顛末と、処罰についてです。ですが...」

...やっぱりこれか。

罪を犯した生徒には処罰を与えねばならない。残酷だけど、それが私のしなければならないことだから。

「この二人がどうしても出席すると言って聞かず、このような展開に。」

「シスターフッドも変わりましたので。今後このような場には積極的に顔を出そうかと考えています」

「私も『騎士団』団長としての任務を果たすためここにいるのみです。」

「...えっと、つまり二人はナギサを牽制するために?」

「いえ、単純に興味があるだけです」

「私には、そのような政治的なことはわかりかねます」

...若干疑ってしまう、ナギサの顔も青くなりかけている。

「事件は終わったとはいえ、後処理はまだ続いています。私たちも無関係ではありません...調査などは私たちシスターフッドが対応しておりますゆえ。ここは、そのような情報共有の場と私は考えております」

「私も同じ認識です。」

「なるほど...」

「なぜ私たちなのか?と言う質問には私がお答えします。」

...ちょうど聞きたかった。ミカやセイアがこの場にいてもいいはずだ。

「現在、ティーパーティーは外部の助けが必要です。ミカ様がセイア様を外部と結託して襲撃し、結果として現在は解任されかけ...これはティーパーティの権威を失墜させるのに十分でした。」

ナギサは苦い顔をしている。無理もないだろう、自分たちの権威が失墜した、と言う話を真横でされているのだ。

「セイア様の看護を行ったのは私です、そのため私はこの件を独自で調べていました。ミカ様は結果的にアリウスに利用されていた形だった、と言うのはわかりました。ですが、ミカ様の罪は消えるわけではありません。そして、現ホストのナギサ様はシャーレの超法規性を利用し、無辜の生徒を退学へ追い込もうとしました。被害を受けた生徒たちには謝罪し、丸く治ったと聞いていますが...」

「このようなことがあったため、現在ティーパーティの権威は失墜しており。外部の助けが必要なのです」

「...丁寧なご説明ありがとうございます、ミネ団長。」

........

気まずい。この雰囲気は少し苦手だ。

「この事件を紐解くと、アリウス分校に集約されます...シンさんを誘拐したのも、ミカさんを唆したのも、マコト議長を騙したのも。全てアリウス分光の仕業です」

「...アリウスがエデン条約を狙った理由は?」

「もともとアリウス分校は私たちトリニティの一部になる可能性もあった学園です。もとより憎んでいたゲヘナと迫害した相手であるトリニティ。両方潰すには好都合だったのでしょう」

「セイアさん曰く、自治区は謎の力で隠されているそうです。そうでもなければ、今まで隠れられていたことに説明がつかない、と。」

「...また理解できない力、ですか。」

「ええ、この件に関し白洲アズサさんに取り調べを」

「取り調べを...!?まだ心の傷が残っているであろう少女に拷問まがいのことを!?」

「落ち着いてください。ナギサさんが血も涙もない冷酷な人なのは間違いないですが、今回はアズサさんが自発的に教えてくださったんですよ。」

「...なるほど、失礼しました。」

ナギサ...ちょっとナギサのイメージ、酷すぎない?

「....確実に通路を知っている人なら、二人います。」

「誰ですか!?」

「アリウススクワッドのリーダー、錠前サオリと。分校へ行ったことがある聖園ミカさんです」




ご閲読いただきありがとうございました!
ミネ団長って結構暴走する人ですよね。
サクラコ様とミネ団長のキャラが噛み合っててここら辺の会話大好きです、自分。
さて、次回はミカとシン、二人の処遇と現在がわかります。どうなってるかはまだ言いません。
次回は水曜日投稿予定です!よろしくお願いします。
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