偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

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こんにちは、烈風一一で御座います。
エデン条約、いいですよね。今回も四章の途中です。
かなり原作から気づいたら改変されていたな、と思いながら描きました。では、どうぞ。


こわれたたからもの

意識が微睡む。現実とユメの区別がつかなくなる。

ここは、ゆめか。

...違う。違う違う違う。

夢であり、これは現実...どうなっている?

「...しかし、この建築様式。まるでアリウスそのもの...!?」

私は絶句した。昔シスターフッドの文献で読んだ「聖女バルバラ」そっくりのモノがミカを滅多撃ちにしている。

...ノイズが走る。なんだ?こんなこと、今までなかった。

「ミカ様、に、触れるな...!」

ノイズが晴れると、その空間にはシンがいた。体を張ってバルバラのようなモノの前に立ちはだかり、ミカを守っていた。

しかも、そのヘイロー...と呼んでいいかわからないものは真っ黒で、身体は今より2、3歳ほど成長しているように感じられ、黒い羽が背中から一つだけ生えていた。

「...未来が、変わった?さっきまでは、こんな光景広がっていなかった...」

「ええ、その通りです。預言の大天使」

誰だ...!?さっきまでこんな人間、いなかったはず...!

「私の名前は...いえ、名乗る必要もありませんね。」

体に強い衝撃を感じる。

「な、何をした!?」

「ああ、そのような大声を出すと現実のあなたの体に響いてしまうのでは?」

「そこまで知っているのか...!」

「ひとまず、聖園ミカにでも別れを告げてくるといいですよ」

気持ち悪い笑い声があたりに響く。

意識が浮上する...だが、いつもの感覚とは違う。気持ち悪い感覚。水から出ようとするが決して顔が出せず、息が詰まるような。

「...ミカ、いるか」

事前に話があるとして読んでいたはず。

「...あ、セイアちゃん。起きたんだね。おはよう」

「いいか、君は今から私がいいというまで絶対に自分の部屋から出るなよ!」

「え、ど、どういうことなの?」

「君が、君があんなことを...いや、君が先生を呼んだせいで!先生の身が、シンの身が危ない...ゴホッ、ゴホッ!」

「え、シン君が...先生が...どういうことなの、セイアちゃん?」

ああ、だめだ。

意識が、また引き戻されて...

 

「セイア様、セイア様!しっかりなされてください!」

ああ、どうして、こうなったんだっけ?

セイアちゃんが、急に咳き込み出して。

その前に...ああ、そうか。私のせいか。

気づいたら、私はシン君の部屋の中にいた。

...行かなくちゃ。シン君と先生のところに。

自分のやったことくらい、自分でけじめをつけなきゃだよね?大丈夫、見当はついてるから。

「...待っててね、今助けてあげるから。」

私は、彼の机の上に置かれていた銃とマガジンを取った。

 

「別れは済ませましたか?」

「...ああ、君は時期に破滅するだろうな」

「黙りなさい、不遜な。あなたの生殺与奪は今私の手に握られているのですよ」

「私は...信じるさ、仲間を」

「黙りなさい!」

敵...おそらくアリウス関連の報告書にあった「ベアトリーチェ」だろう、それが私の体を十字架にかける。

「せいぜいそこから見ていることです、あなたの仲間の破滅を」

 

「アリウス自治区へ到達するためには、トリニティ地下のカタコンベを突破しなくちゃいけない。でも、自治区の入り口は判明してるだけで300箇所以上ある...本物は僅かで、本物を知らなければ延々と迷い続けることになる。しかも本物は毎日変わる」

「それゆえに、私たちは暗号で正しい通路を連絡していた」

「道が変わる、とはどういうことだ?」

「文字通り道が変わるんだよ。この前通った道が行き止まりになっていたり、あるいは方角を見失ったり...」

...これもベアトリーチェの罠か?それともカタコンベの本質?

まあ、いい。いざとなれば破壊して進めば。

「今の私たちは正しいルートを知らないんです...もう暗号を教えてもらっていないので...」

「逃げ出した猟犬に帰り道をわざわざ教えてやる道理はないからな」

「でも、使えるルートが一つだけあるんです...それも、日付が変わると使えなくなってしまいますが」

「日付が変わるまでは...あと、2時間くらいだね」

「もしそれを逃してしまったら、私たちはアツコを助けることはついに叶わなくなる、というわけだ」

...悠長に会話している余裕すらない、というわけか。

「先生、スクワッド。敵が近づいています」

「いたぞ、スクワッドだ!上原シンもいるぞ!」

「...考えることは同じ、ってわけか。」

「みんな、行くよ」

そこからの戦闘は圧倒的だった。先生の指揮は常に的確で、敵のアリウス兵は次々に倒れていった。

箱の性能もあるんだろうが、それを差し引いても先生の実力は圧倒的だった。このプロトタイプなんか目じゃないくらいには。

「こ、これが大人の力...」

「恐ろしいというか、頼もしいというか...」

「先を急ぐぞ」

サオリたちは走り出した。僕たちは、もう止まることはないだろう。

アリウスを破壊する、その時まで。

「 シン、逃げてくれ...頼む、今の君の体じゃ絶対にもたない...死んでしまう」

...誰かの、声が聞こえた気がする。

...気のせいか。

 

私は走る。怒りと焦りに身を任せて。

きっとアリウス分校までの道は違うけど、その時は壁を壊しながら進めばいいよね。

「待ってて、今助けるから...」

...気づけば、カタコンベまで着いていた。そして。

「...嘘」

シン君からもらったネックレスは、少しひびが入っていた。

「ど、どうしよう...せっかくくれたのに、壊れちゃった...やだ、やだ...」

...いいや。もう少しで本人が手に入るんだし。

それでも嫌だけど、そう思おう。




ご閲読いただきありがとう御座いました!
セイアが拘束されてしまいましたね。そしてミカは壊れました。宝物も壊れました。
次回、二人は対面する...かも、しれない。
評価、感想、お気に入り登録いつもありがとう御座います!励みになっております。
次回は火曜投稿予定です!頑張ります。
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