「何やってる、早く対応しr」
「先を急いでいるんだ」
...流石、錠前サオリといったところか。彼女の戦闘能力には大いに驚かされる。
「戦闘終了、次」
「サオリ、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。これくらい」
「周囲に敵影なし...よし、行こうか」
しかし...何か嫌な予感がする。破壊そのものが近づいてきているような、そんな予感。
「っ、敵兵接近、戦闘用意!」
「近くに敵はいなかったはず...カタコンベに何かあるの?」
目の前にいきなりアリウス生が現れる。
「ミサキ、任せた!」
「わかった...!?」
ミサキがロケットランチャーを放つ前に壁が吹き飛ぶ。あたりには土煙が漂い、アリウス生たちの末路を知ることは叶わない。
「先生、敵の反応は!?」
先生からの返答はない。後ろを見ると、壁が一部倒壊してスクワッドと先生、シンとの合流が阻まれてしまった形となる。。
「...こんなことができるのは一人しかいない。聖園ミカ...!」
「あははっ、せいかーい!」
...聴き慣れた声が聞こえる。今、一番聴きたくなかった声。毎日聴いている声。
「まさかこんなに早く会えるとは思ってなかったけど...これはこれで良かったのかな?」
かつて少女は、姫だった。しかし、姫は立場を失い少女となった。
「悪役登場⭐︎ってところかな?まだ覚えてくれてるとは思わなかったな」
「それにしても、会えて嬉しい...ってわけじゃなさそうだね?どうしたの」
「そんな、魔女でも見たかのような顔しちゃってさ。」
そして、少女は魔女となった。
「...檻の中にいると聴いたが」
「出てきちゃった。だって、早くあなたたちに会いたかったし。私たち、お話しなきゃ行けないことがたくさんあるんじゃないかな?」
「ミサキ、ヒヨリ。二人と合流できるのは何分後だ」
「少なく見積もっても15分後かと...」
「通路が閉じるのは?」
「あと30分!まさか戦うなんて言わないよね!?」
二人が合流してからの残り時間は多く見積もって15分。絶望的、としか言いようがない。
「そのまさかだ」
「ねえねえ、私の話聞いてる?無視してる?悲しいなあ、これでも一緒にクーデターを起こした仲なのに」
「それって、仲間外れじゃないの?」
ミカは大きく飛び跳ねる。よく見ると彼女の手にはそれぞれ一丁ずつサブマシンガンが握られている。
「ヒイッ!!?こっちにきっました!」
「落ち着け!全員散開!」
向こうでは音が聞こえる、爆発音から話すことまで。しかし、何を言っているかは全く分からない。
「先生、別のルートを見つけました。ここから急ぎましょう」
「わかった。」
先生とどんどん奥へ進んでいく、しかし、「同じような雰囲気」ばかり近づいていく。
「頼む、間に合ってくれ...!」
晴れ間が見えてきた。ここさえ突破できれば。
「あはは、お飾りの人形ですらもっといい動き方するよ?この程度じゃないよね、スクワッドは。どうしたの?あのガスマスクの子もいないし、本当にダメになっちゃった?」
「ぐっ...ああっ...!」
「ミサキ!」
「あっ、あなたたちにも大切な人っていたんだ。私もいたよ-セイアちゃんっていうんだけどね。知ってる?セイアちゃんって人を怒らせる天才なんだよ!何回手が出そうになったか分からないくらい。でも、いざ怪我したら大丈夫かなって心配になるんだよ。」
「だから。セイアちゃんが死んだと聞いた時はすっごく悲しかった。そりゃあセイアちゃんのことは嫌いだったよ?だけど、死んで欲しいわけじゃなかった。私にとってとっても大切な人だったし、私だって人殺しになるつもりなんか一切なかった。おまけに、調印式であなたたちはシン君の腕と目を奪った」
ミサキに銃弾を打ち込む。会えて急所を外して、できるだけ長く苦しむように。
「ぐっ...!」
「ミサキ!」
「私は"ちょっと痛い目に"って言ったよね?いつ殺せって言ったのかな?まあ、私も散々暴れておいて今更被害者面?って思うけどね。でも...私の大事なもの、もう何もないんだよ?全部あなたたちが奪った。だから...今度はあなたたちが奪われる番」
「...先生、これは」
「わかってる。いくよ」
...ミカ様が、ここまで思い詰めていたとは。
「そこまで!」
「ちょっと待った!」
「え、え、えっ!?せ、先生!?それに、シン君も...なんで、なんでサオリたちを守るの...?」
「ねえ、ねえどうして!?答えてよ....こんなはずじゃ、こんなはずじゃなかったのに...!」
「ミカ様、一旦トリニティへ戻られてください...ここは、あまりに危険です...!」
「いや、でも、復讐のために、奪わないと、でも...」
刹那、爆発と閃光が目を灼き尽くす。
「いたぞ、スクワッドだ!」
「聖園ミカもいるぞ、構うな!」
「二人とも、早く!時間がない!」
「ミカ、トリニティに戻ってて!あとできっと説明する!」
「お願いいたします、必ず戻ってまいります...!」
「い、急がないと!もう少しで扉が閉まります!」
...そうして、僕たちはミカ様を置いて先へ行った。
ご閲読いただきありがとうございました!
ミカが大量に絶望していて良かったです。次回は絶望するかどうかわかりません、善処します。
お気に入り登録、評価、感想等くださるととてもモチベに繋がります!よろしくお願いします。
次回は土曜日に投稿します!頑張ります!