偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

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こんにちは、烈風一一で御座います。
今回、やっとミカがかなり出てきます。
意思の違う二人が相見えたとき、物語はどう進むのでしょうか?ご期待ください。
では、どうぞ。


愛、哀、相。

「行くぞ...準備はいいな!」

「いいよ」

「は、はい!準備、できてます!」

スクワッドは各々の武器を持って敵に立ち向かっていく。

皆少し前まで疲労困憊になっていたとは思えないような戦いぶりだ。やはり、スクワッドは凄まじい。

「支援します、先生。」

フレームレスの眼鏡をかける。ホログラムが起動する。

「ヒヨリ、斜め左後ろに下がって一際背の高いミメシスだけ狙撃して!」

「わ、わかりました、これですか...!」

ヒヨリの放った弾丸が一際目立つミメシスの頭を貫き消滅させた。

「ミサキ、サオリが敵を集めているところにクラスター弾を!サオリは3秒後に後退して!」

「了解した!」

「命令しないでよ!」

サオリに集中していた敵がクラスター爆弾によって一掃される。

「それにしてもすごいね、その眼鏡。」

「その箱の表記を借りるとしたなら...スキルのコストが半減するのがこれの効果です。箱の効果は生徒の戦闘補助と、特殊攻撃、つまりスキルの発動です。もちろん指揮もできますが、これは特殊攻撃発動指示ができません。」

「なるほどね。」

だいぶミメシス達は姿を消してきていた。残るは3体ほど、一際目立つ指揮官クラスと思われる敵を倒せば終わりだろう。

「...待って、何かが来ます。」

ハイヒールの音のような何かが近づいてくる。

「あっ、いたいた!」

...嘘だろ?

信じられなかった、自分の見ているものが。

疑いたかった、自分の目を。そして、眼鏡を外した。

「ミカ、様...戻ってくださいと言ったではないですか」

「あはは、ごめんね?私って聞き分けが悪いからさ。やっぱり私はアリウスを許せない。シン君のお願いでも、それは聞けないかなー。」

全てのミメシスが一瞬にして消える。

「だから、そこをどいて、シン君。そいつら殺せないから、ね。」

「...ここまで追いかけてきたのか?」

「久しぶりってわけでもないよね...会えて嬉しいよ、サオリ。二人が支援するスクワッドをどうやって倒せるか考えながら歩いてたんだけどさ、結局わかんなくってね。」

「...だから、一回私たちと戦おう、とでも?」

「せいかーい!あわよくばみんな倒して、シン君と先生を解放しちゃおうってわけ!」

まるで理想像かのようにミカ様は語る。しかし、それを受け入れるわけにはいかない。

もう僕みたいになる子供はいなくていい。子供は皆、幸せになるべきなんだ。

「...ミカ、お願いだから止まってくれないかな。」

「いくら先生のお願いでもそれは聞けないかなー。私は今まで何回も先生を裏切ってきたし、それが今更一回増えるだけでしょ?」

「...どうする、先生」

「一回ミカにお灸を据えよう...話はその後でも遅くないはず」

「よかった。ちょうど私もムカついてきた頃だったんだよね」

「あれ?これ私が怒られちゃう感じ?もう、嫌われ役ってほんと損ばっかり...」

「...行くぞ」

戦闘が始まる。

...ミカ様、ごめんなさい。今だけは、貴女の意思に反することをお許しくださいませ。

 

「...もう、いい加減倒れてよ!」

なんでこいつら、こんなに攻撃してるのに倒れないの?先生の指揮のせい?

シン君の補助のせい?

「私たちは倒れるわけにはいかない...家族のために!」

「家族?あなたたちの家族なんかに何の意味があるのさ!」

「私たちの希望なんだよ...簡単に諦められなくてね!」

...なんで?イライラしてくるばっかり。

「...申し訳ないが、終わらせてもらう!行くぞ!」

「わかった!」

ミサキのロケットランチャーからクラスター弾が出てくる。それはもう見切ってるってば!

「えへへ..こっちもいますよ...」

ヒヨリの攻撃が来る。しまった...やっちゃった。でも。

「そのくらいで、倒れないよ...!?」

立ち上がった私の目には、サオリが拳銃を構えている姿が映った。

「終わりだ...!」

強烈な攻撃が頭に叩き込まれる。

...ダメだ。もう体に力が入らないや。

「ケホ、ケホ...」

「はあ、はあ...」

「やっと、やっと制圧できた...」

「うう...本当に倒せたのでしょうか...」

「うーん、痛いな...さすがだね、先生。その指揮能力、生徒を補助する力。侮れないね」

でも、まだ私は戦える。

「ミカ様、おそらくセイア様はご無事であられます。どうか、一旦トリニティへお戻りいただけませんでしょうか」

「シン君...ごめんね、いつも私はシン君を振り回して、傷つけてばっかり。私みたいなのは、シン君の隣にも、先生の生徒でいるのも相応しくないってのもわかってる...でも。でも、私には...」

あれ、どうしてだろ。何か、あったかいものが...

「もう、トリニティにも、どこにも。帰る場所がないの...私は、私は...トリニティの裏切り者で、みんなの敵で...セイアちゃんを傷つけちゃった魔女だから...」

「学園から追い出されたら、ナギちゃんにもシン君にも、大切な人にもみんな会えなくなっちゃう...私に、これ以上幸せな未来が来ないってことも...わかってる」

「私に残ってるのは、もう、こんなものしか...」

「なのに、あなたたちはどうして!?」

「私は大切なものを全部失ったのに...全部、奪われたのに!」

「あなたたちは...どうして?」

...ああ、言ってしまった。私の本音。

でも。もういいや。

「あなたたちが何の代償もなしに、奪われもしないでいるなんて、そんなの...そんなこと、許したら...私は、何者でもなくなってしまう...」

「私は...私は...私は、どうしたらいいの...?」

私は、それしか言うことができなかった。

「スクワッドが...サオリが、何も失うことなく先生の庇護を受けてはダメ。だから...二人とも。私を止めないで」

そう言ったきり、私は走り出してしまった。あのままあの場にいたら、絆されてしまいそうだったから。

ミカ様、と呼び止める声が聞こえたけど。私は振り返れなかった。

 

「...いったい何なの、あの女。」

「...正しいのかも、しれないな。」

「何か言った?」

「...いや。先を急ごう。」

「ルートは変えるんですか?も、もしかしたら、また聖園ミカが...」

「いや、変えない。このまま旧校舎からバシリカへ向かう。彼女が何を考えていようが関係はない、今はただただ時間がないんだ」

「了解」

 

敵の監視網を潜り抜けながら、なんとか旧校舎へついた。

「ここがアリウス分校の、昔の校舎...」

「私たちも実際に中にはいるのは初めてなんです...」

「だろうね、ここは実質的な遺跡みたいなもの。廃墟ですらないよ」

「ここでは昔、アリウス生がどんな勉強をしていたのでしょう...」

「...さあね。それを知っている人はもういないんだよ。先を急ごう」

バシリカへの道はそこまで苦労せずに見つけることができた。中へ入るとバシリカまで一直線の道に出た。

「リーダー、ここ。この地形、危ないよ...」

「一直線なら伏兵もしにくく良いのではないのか?」

「いや、違う。聖園ミカだよ。聖園ミカの攻撃の障害となっているのは上原シンと先生。それなら、聖園ミカは何を考えると思う?」

「まさか———」

柱が崩壊する音が聞こえる。

「先生、危ない!」

気づけば、僕の体は逃げ遅れたサオリと先生を突き飛ばしていた。

「くっ...先生、大丈夫か!?」

「私は無事だよ...みんなは無事?」

「私とヒヨリは無事、だけど...上原シンがいない。」

「僕はこっちにいます!反対側です!」

「怪我はない!?」

「怪我もありません、ですが...まだ柱が倒れる音がします!みんな逃げてください!」

2本目、3本目の柱が倒れてくる。

「あ、危ない...完全に終わるところでした...」

「こっちに来れそう?」

「いえ...それは厳しそうです。」

僕の目の前には、暗闇との狭間でバシリカの外からの怪しい光を受けてなお美しく立っているお姫様の姿があった。

「...ミカ様」

「よかった、誰も巻き込まれてないみたいで。でも...シン君だけがこっちにくるのは予想外かな?」

「ねえ、シン君...私もそろそろ我慢の限界なんだよ?これ以上錠前サオリにあなたが奪われるくらいなら...だから、早く私の方に来てよ。憎いでしょ?左腕と左目の視力、味覚に嗅覚。全部アリウスに取られたんでしょ?」

「...なぜそれを」

「気づくよ、だってあなたのお姫様だもん。だから...ね?」

「申し訳ありませんが...そのご命令には服従致しかねます。僕は...ここで、戦わねばなりません」

「そっか...じゃあ。

「ちょっと痛い目に遭ってもらおうかな。」




ご閲読いただきありがとうございました!
満身創痍のシン君とSMG2つ持ってるミカ様、どっちが勝つんでしょうね。
結果は見えてるのに抵抗しようとする姿、アリだと思います。
いつも感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます!これからも頑張りますので、ぜひ今回もよろしくお願いいたします!
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