投稿日時の件、すみませんでした...本当に忘れてたのと、英検二次試験と卒業式が重なって大変だったので更新できませんでした。お詫び申し上げます。
今回は荒廃した世界、第二回です。よろしくお願いします。
では、どうぞ!
「これ、は...」
「信じられないかもしれないけれど、これがトリニティ自治区。みんな壊れちゃったけどね...」
僕の目の前に広がっていた光景は僕の知るトリニティとは全く違った。
いつか行ったマーケットのあった場所は跡形もなく大きくクレーターができていた。商業施設は瓦礫と消えることのない火の山となっていた。
知らない。こんなトリニティは知らない。
いや、知っている。知らない、はずなのに。
「君、学園はどこだっけ?自己紹介してくれた時に所属聞き忘れちゃった」
「連邦生徒会です、裏方事務などに徹してあんまりほかの学園との交流はなかったので、ご存じなくても無理はないかと」
「そっかー...最初に死んじゃったもんね、連邦生徒会のひとたち。」
そうだ。連邦生徒会の皆さんは、僕の前で...あれに。
「あっ、ごめんね?いやなこと思い出させちゃったね...トリニティはもう、誰もいないんだ。セイアちゃんもナギちゃんも、コハルちゃんも、みんな死んじゃった。」
...だんだん思い出してきた。あの後、僕は連邦生徒会から逃げた。D.U.しか知らなかった僕はなんとか死ぬ気で生き延びようとした。でも、できなかった。
あれに見つかって、みんな死んでいった。
そして、僕も。ミカ様がいなかったらどうなっていたことか...
「...だけど。君が生きていてくれてよかった、じゃないと私も戻って来れなくなってたよ...」
「戻って来れなくなる、とは...?」
ミカ様の話されたその部分だけが妙に気になった。
「私ね、おとといに最後の友達が死んじゃった。体は強くないい子だったんだけど、意思の力だけで生き延びてたの、だけどね...あれが襲ってきた」
おそらくあの狼のことだろう。
「完全な奇襲だったんだ。その子は私を守ろうとして死んじゃった。笑っちゃうよね、私の方が強いのに私を守ろうとするなんてさ...」
ミカ様の目には涙が溢れていた。
「...ごめん、ちょっとだけこうさせて」
そういった霧、ミカ様は僕を抱いて胸に顔を埋めた。
...自然と手が動いた。結果的にミカ様に抱擁するような形になった。
胸の辺りから啜り泣きが絶えず聞こえてきた。
「ごめんね、ありがとね」
何分経っただろうか、ミカ様は顔をあげた。
「こんな暗い話だけじゃなくてもっと明るい話をしようよ!たとえば好きな音楽とか」
「音楽は...聞いたことがないです、僕は...」
頭がいたい。僕は。僕は。僕は、僕は...
「落ち着いて、大丈夫だよ。君は一人じゃない。ないなら今から見つけていこうね」
頭の痛みは引いていく。落ち着いた。
「...そうだ、君武器とかって持ってる?」
「これを拾いました」
刀を見せる。ボロボロで使いようもないだろうが、見事に刀身部だけボロボロだ。鞘から抜かなければ少なくとも武器を所持していることくらいはわかるだろう。
「わっ。ボロボロだね...ちょっと貸してもらえる?」
ミカ様に刀を渡す。ミカ様が刀を手に取られると、優しい光が刀を包んであっという間に刀が直った。
「わあ...!どうやってやったんですか!?」
「ふっふーん、すごいでしょ!どうやってるかはわからないけれど、私の神秘の裏返しだと思うな」
ミカ様の神秘の裏返し...つまり、ミカ様は破壊が神秘の本質...?
ここまで優しい人が本当にそうとは思えない。
「そういえば君、ヘイローがないよね?」
「そう...なんでしょうか。自分のヘイローは見えないものじゃないでしょうか?」
そういえば前もそんなことを何回か言われた気がしたが、まあ見えなくて当たり前。そう思っていた。
「え、あるかないかはわかるでしょ?」
「そうなんですか...?」
正直ヘイローに関してはそういうものだと思っていたから控えめに言って衝撃的だった。
「うん、そして私から見ても君から見ても君はヘイローがない。なんでなんだろうね...銃弾とか当たったら死んじゃうってことでしょ?」
「そう...なのでしょうか。ずっと連邦生徒会の中にいましたので...」
こればかりは本当にわからない。戦闘なんかしたこともないし、銃も持てなかった。刀だってギリギリなのだ。
「うん...決めた。やっぱり君は私が守るからね。」
トリニティの廃校舎の一室、かろうじて壊れていないところに僕たちは住むことになった。
「前と比べたらだいぶボロボロだし、暖房とかもないけど...一応住めると思うな☆」
「住めば都、という言葉があります。僕は全然大丈夫ですよ」
ミカ様はそうおっしゃったが、さすがトリニティ。絢爛豪華な内装、美しい家具などがある。住めば都どころか、都が歩いてきたようなものだ、と感じた。
「ご飯とかは...食堂にあるかな〜...」
「一応自炊はできますので、作りましょうか?」
「えっ、いいの!?食べたい食べた、いっ゛...!」
ミカ様は急に頭を抑えしゃがみ込む。
「大丈夫ですか!?」
「大、丈夫だから...離れて...!」
「そういうわけにもいきません!」
ミカ様のおでこに手を当てる。熱ではないみたいだ。
「熱はないですから、横になりましょう...!」
お姫様抱っこしようとして手を触れたその瞬間。ミカ様の体に黒い稲妻が走る。
それは腕をつたって、やがて僕に襲いかかってくる。
「ぐっ...!」
でも、離すわけにはいかない。
そうして、ミカ様をベッドに寝かせた。
「今のは...?」
「君、無理しないでよかったのに...あれは私が力を手にした代償。私の神秘が暴走して、本質も変わったの。破壊の神秘に」
「そんなことがあり得るのですか...?」
そんな話聞いたこともない。
「私はあの狼に比べて力の量が少なかったし、適応もできなかったから。それより、大丈夫...?」
「大丈夫です、意外と体は強いみたいですから」
嘘だ。体の節々が痛い。でも心配をかけたくない。
「じゃあ、僕は一旦料理してきますね。何かあったら叫んでください」
「原始的だなあ...ありがとね、シン君」
初めて名前を呼んでくれた、今まで誰かに名前を呼ばれるなんて、ほとんどなかったから。嬉しい。
「どういたしまして、ミカ様」
ご閲読いただきありがとう御座いました!
ミカは恐怖の量がクロコより少ないです、どっちが強いかは戦ってみないとわかりません。
次回は木曜日に投稿するよう頑張ります...!
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