偶然と奇跡の終着点へ   作:烈風一一

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こんにちは、烈風一一で御座います。
上原シンという人間。その正体をだんだん明らかにしていこうと今試みております。
ではどうぞ!


-死にゆく私から、最後に-

「さすがトリニティ、食材も割と残ってるな...」

厨房はまだある程度食材が残っていた。最も生徒たちが食事を楽しむであろうスペースは消し飛んでいたが...

「さて...庶民的だし初歩的だけどハンバーグでも作ろうかな。」

挽肉をこね、玉ねぎなどを炒める。ガスは通っていなかったため一般的な鍋などに使うコンロで炒め物をする。

「うーん、我ながらいい匂い。じゃあ本格的に行っちゃいますか!」

そのまま調理を続け、美味しそうなハンバーグに野菜を添えて完成。いちごミルクも当然添えよう。

ミカ様(リンちゃん)、喜んでくれるかなあ」

ジジッ。

 

「お待たせしました、ハンバーグでございます」

「ありがとー!美味しそうだね、料理も得意なんだ!」

「これでも腕は鈍った方ですが、楽しんでいただければ幸いでございます」

フォークとスプーン、ナイフも持ってくる。テーブルも小さいがあるし、これならランチを楽しめるだろう。

「いっただっきまーす!」

ミカ様はナイフとフォークを使って器用に切り分けていく。

「ん〜!美味しい!」

「お気に召されたようで何よりでございます」

ミカ様はいい食べっぷり。見ているこっちまで嬉しくなってくるほどだ。

「それにしても、シン君。見たところヘイローはないみたいだけど、どこからきたの?」

「うーん...わからないです。気づいたら連邦生徒会で仕事してたので」

本当だ。連邦生徒会で働く前の記憶がない。

「仕事人間じゃん、もっと人生楽しまないとダメだよー?」

「記憶喪失ってやつなんでしょうか?なんにせよわからないんですよ」

「じゃあ私がこれからシン君の人生に楽しいこと、たくさん教えてあげるね!」

そうおっしゃるミカ様の笑顔は、本当に眩しかった。

 

「ごちそうさまでしたー!」

「お粗末様でした」

ミカ様はハンバーグを完食なされた。途中で10回以上「美味しい!」と言ってくださって顔が思わず赤くなってしまった。

「じゃあ片付けてきますね」

「待って、シン君。シン君は食べないの?」

「僕は食べなくても生きていけますので」

これも本当だ。お腹は空くけど何日も食わなかったらお腹が空くとか満たされるとかいう感覚も無くなってきてちょうどいい。

「ダメだよー!しっかり食べないと、何があったかな...」

部屋の冷蔵庫を探す。

「あった!ほら、食べてよ!」

そこには何本ものロールケーキがあった。

「僕は食べなくても大丈b」

それ以降は話せなかった。ミカ様が僕の口にロールケーキを突っ込んできたからだ。

「食べないと死んじゃうんだよ!?ロールケーキをぶち込むからね!?」

もうぶち込んでますよ、という僕のツッコミは届くことはなかった。

 

「ごちそう、様でした...」

「うんうん、よかった食べてくれて!あのまま食べてくれなかったら私悲しかったからね?」

有無を言わせぬ圧がある。

「さて...他に何か楽しいことは...いいや、一旦トリニティ校舎を探検してみよっか!」

正直とても興味深い。崩壊している箇所が多いとはいえトリニティは広大な校舎、つまり僕の見たことのない世界が広がっているからだ。

「ぜひお願いします」

気づくと、僕はそう頼み込んでいた。

「うんうん、じゃあ行こっか!」

 

「ここは美術室だよ。彫刻とかがおいてるところは無くなったけど...キャンバスとパレットが残ってるみたいだね。何楓も描いてみる?」

絵。見たことは少しあったが、描いたことなんか到底なかった。

「描いていいんですか?」

「いいよいいよ!で、何を描きたいの?」

「そうですね...そしたら。ミカ様。モデルになっていただいてもいいでしょうか?」

美しいものを描きたい、そう思った。そして、美しいものと言われて真っ先に思い浮かんだのはミカ様の立ち姿だった。このまま描いていけば夕焼けの頃には描き終えることができるだろう。きっと夕焼けとミカ様はすごく美しくなるはずだ、

「私?いいよー、どこに立てばいいかな?」

「そこの若干崩れてるところの前でお願いします、お好きな姿勢でいていただければそれで」

「わかった!」

ミカ様はリラックスされたポーズで佇んでいる。端的に言ってとても可愛く、美しい。

「可愛く描いてね?」

まずミカ様から描き始める。特徴的な地につきそうなほど長い髪、端正なお顔。シュシュの部分を描くのが難しい。

黒いドレス、ケープから筆を入れていく。黒を基調に少し銀のような、灰色のような紋様が入っている。その下に黒と灰色のような色を基調としたドレス、美しい一対の羽。これは時間がかかりそうだ。

 

「できました...!」

思った通り空は夕暮れ、ミカ様の佇む姿を我ながらいい感じに描けたと思う。

夕焼けを背景にミカ様が髪をかき上げ佇んでいる姿を描いた。

「見せて見せて!」

ミカ様はわざわざ動くのを我慢してくださってたのだが、それも終わった。

「わわ、とっても綺麗☆この絵、私がもらってもいいかな...?」

「もちろん、こんな絵で良ければ」

「わあ、ありがと〜!大事にするね!」

そうして、僕の初めてこの世に生み出した絵はミカ様になった。




ご閲読いただきありがとうございました!
少し色々散りばめたので、感想欄などで色々考察してくださるとありがたいです!
評価、感想、お気に入り登録などいつもありがとうございます!いつもモチベになっております。
次回の投稿は火曜日にしようと思っております!がんばります!
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