まず最初に謝罪を。1週間以上も連載を休んでしまい誠に申し訳ありませんでした。実家に帰省したりなど色々忙しかったのです...
そして今回読んでくださる皆さん、待たせてしまったにも関わらず読んでいただきありがとう御座います!
今回は武器の名前を決める回です。
今の所ヒロインはミカにしようと思っていますが、イチカやカズサルートもifとしてしっかり書くつもりです。
それでは、どうぞ!
「...そういえば、僕の部屋ってどこだっけ。」
正実を出てから一番に思いついたのはそれだった。今までは救護騎士団に泊まらせてもらっていたから何事もなかったものの、もう退院した...退院...
「退院...してない!?」
一気にシンの顔が青ざめる。
「...とっとと手続きだけしますか。これは脱いでおきましょう」
血の付着したコートを隠す。
「お帰りなさい。ずいぶん長い外出でしたね?」
騎士団本部の前には怒髪天を突くと言った言葉が適当な表情をしているミネがいた。
「少し正義実現委員会の方へ」
「銃創があるそうじゃないですか」
「なんのことでしょう」
「言葉よりこっちの方が速そうです」
ミネはショットガンを突きつける。同時にシンはサブマシンガンを取り出す。
「...銃を手に入れたのですか」
「ええ、正実からいただきました」
「...マガジンついてないですよね」
そう言ってミネはゴム弾を頭に向け発砲するがシンは回避。
「...はあ、全く。そこまで動けるのならば本当に怪我はしていないのでしょう。」
ミネは心底呆れたようにそう言う。
「だって本当に怪我していないんですもの」
「ひとまずティーパーティーに退院許可をもらってきてください。それと、もし怪我していた場合は承知しませんからね。」
「承知しました。感謝いたします」
「...相変わらず緊張するな。」
シンは扉の前で躊躇していた。
「あれれ?シン君じゃん!どうしたの〜?」
「ミカ様、お久しゅうございます」
「またまた〜、この前会ったばっかりじゃん。体はどう?」
「おかげさまで回復しました。今では戦闘もこなせます」
「...戦闘するつもりなの?」
「ええ、今日はヘルメット団を」
「ダメだよ?」
「...え?」
「シン君は私が守る。シン君はあまりにも脆いんだもん...」
「ミカ様、僕のことなら大丈夫です。こうして今日戦闘しても生きて帰って来れたのですから。ご心配はありがたいのですが、それだと僕がミカ様を守れません」
「ふーん...そっか...シン君は私を守りたいの?」
「ええ、それが僕の役に立てる唯一の方法であると確信していますゆえ」
「へー...まあ、いいよ。余計な話しちゃってごめんね?」
「いえ、ミカ様とお話しさせていただける時間全てが光栄であります」
「〜〜〜〜っ!」
ミカの口角が15度ほど上がる。
「...そういえば、ミカ様。ナギサ様やセイア様はどちらに?」
先ほど上がった口角が20度程下がる。
「...あー、ナギちゃんにセイアちゃん?部屋の中にいるんじゃない?うん。」
「わかりました、ではミカ様も少し宜しいでしょうか?」
「うん、いいよ。私たち三人じゃないとダメなことなのかな?」
「ええ、御三方の力が必要なのです」
「そっか、じゃあ入ろっか?」
「ええ、失礼致します」
シンとミカは部屋へ入る。
「...と言うことがあったんだよね〜☆」
「何があったかはよくわかったさ、痛いほど。だが、ミカ。今彼が君の膝の上に座っていることとそのことはなんの関係があるんだい?」
「え?だって保護しないとじゃん?」
「ミカ...君と言うやつは、全く。」
「ミカさん...」
ナギサは俯いて体を震わせる。
「ほらナギサ、なんとか言ってやれ」
「ずるいです!私だって膝に乗せて弟みたいにしたいです!」
ナギサは赤面しながらそう叫ぶ。
「...君たちは、本当に生徒会長であるという自覚はあるのかい?大体シン、君はいいのかい...?」
「己が役に立つなら何だって」
「君も君で問題だよ...」
セイアは今日何度目かもわからない溜息をついた。
「それで、シン。君はなぜティーパーティーを訪ねてきたのかい?」
「ああ、忘れるところでした...救護騎士団から退院するので、サインをいただきたく」
「そうだったね、ミカが骨を折ったせいで入院を...ミカ、恋人と別れたかのような顔をするのはやめないか」
ミカはセイアが『骨を折った』と言った瞬間この世の終わりを悟ったかのような顔をする。
「まあ私はサインをしよう...ナギサ、シンを撫でる手を止めないか」
セイアは小さくサインする。
「...はっ!?」
ナギサは顔を引き締める。
「危ないところでした、我を忘れて...もう少しで戻れなくなるところでした」
「君たちは...ティーパーティーは終わりかもしれないな」
セイアは頭を抱える。
「えー、セイアちゃんひどいなあ...弟みたいで可愛いじゃん?」
「...気を引き締めたまえ、君たちはティーパーティーなんだぞ」
「そうですね...失礼しました、セイアさん。さて、ではこれにサインをすればいいんですよね?」
「そうですね、そちらにサインしていただければ退院できます」
「わかりました、サインしましょう」
セイアのサインの下にナギサの丁寧な文字が書かれる。
「ミカ、あとは君だけだぞ。早くサインしたまえ」
「...」
ミカはまだこの世の終わりのような顔をしている。
「セイアさん、流石にこれはセイアさんのせいでは?」
「...私のせいなのかい、これは?」
「ミカ様、大丈夫ですよ。足だってものすごく動きますし、走れますから。傷は完治してるとミネ団長からのお墨付きです」
「...本当?」
「命をかけてもいいです」
「ならサインしようかな」
一番下にミカの可愛げのある丸文字が並ぶ。
「これで君は退院できるはずだ、ミネに見せるといい。あと、今日負った傷のことは黙っておいてあげるさ」
「...セイア様!??!?」
「...シン君、詳しく説明してもらっても?私は今冷静さを欠こうとしてるんだけど」
「...ヘルメット団と戦闘した時に一発被弾しただけです。特に問題はありません」
「...サイン撤回しようかな?」
「もう治ってます!治ってますから!」
「...はあ。」
「セイア様、あなたが始まりですよ!?」
「面白そうなんだからしょうがないじゃないか」
「...まあ、そんなことは置いておいて。御三方に聞きたいことがもう一つ」
「なになに?被弾より大事なこと?」
「ええ、間違いなく」
「...聞きましょう」
「この銃の名前を皆さんに考えていただきたく」
シンは短機関銃を机の上に出す。
「わあ、いいねいいね!私と同じ短機関銃にしてくれたんだ⭐︎」
「...ミカさんを参考にしたわけではないかと」
「あれあれ、嫉妬?」
「やめないか!」
「あう...ごめんね、セイアちゃん」
「君たちは本当にティーパーティーという自覚があるのかい!?この前だってロールケーキを...」
「...また来ます」
シンはドアを開けこっそりと出る。
「あー!逃げるなー!シン君の裏切り者ー!」
「ミカ!君は人の話を毎回聞く気があるのかい!?」
「...とりあえず騎士団にいったん戻りますか」
「お、シンさん。怪我はどうっすか?」
イチカが廊下に出てくる。
「イチカ先輩、お疲れ様です。もう全快ですよ、何回撃たれても怪我する気がしません」
「...そういうことは言わないでくださいね」
イチカの目が少し開く。
「失礼致しました」
「いいんすよ、ところでシンさんはどうしたんすか?何か悩み事でもあるような顔っすけど」
「悩みというわけではないんですが...副委員長から銃の名前を決めろと言われたのですが思いつかないんです。」
「名前っすか...本とか曲からとったらどうっすかね?」
イチカは自分の銃を見ながらそう話す。
「本や曲ですか...こちらに来てから、あまり読む暇が。曲もあまり聞かないんですよね...お勧めなどあります?」
「それなら私の部屋にいっぱいあるんで、本なりレコードなりCDなり、いくつか貸すっすよ!」
「いいんですか?」
「いいっすよ!どうせ埃をかぶってるんすから、役に立てるなら本望だと思うっす!」
「ありがとうございます」
「今持ち合わせあったかな...」
イチカはバッグの中を探す。
「レコードならあったっす!」
イチカはStarting overを差し出す。
「プレーヤーは持ってるっすか?今時レコードで聞く人ってあんまりいないんすよ」
「探せばあると思います」
「わかったっす、思いついたら教えてくださいね!」
「本当にありがとうございます、イチカ先輩。少し聞いて考えてみます」
「いいんすよ!どうせ使わないんで、むしろありがたいくらいっす」
「団長、許可をいただいてきました」
「確かに彼女らのもののようですね...言っておきますが、またここに来たくなければ自分の体を大事にすることです」
ミネの顔が険しくなる。
「わかりました...改めて、大変お世話になりました。」
深く一礼をする。
「次は健康な状態で会えることを祈っていますよ」
「そういえば、ミネ団長は武器の名前をどのように付けましたか?」
「武器の名前、ですか...己の使命を果たす道具として、名前を付けました。そのサブマシンガンにはまだ名前がないのですか?」
「ええ、Sterlingと書かれているのみです」
「そうですか、それなら自分の使命を新たにするためにも使命と信念からとってはいかがでしょう」
「使命と信念、ですか...ありがとうございます、参考にしてみます」
「退院完了。セイア様は治まったでしょうか...」
ティーパーティーへ向かう。
「失礼致します。上原シンでございます」
「入りたまえ」
セイアの声がする。
「失礼致します」
ドアを開け中に入る。
「先程はすまなかったね。みっともない姿を見せてしまった」
「いえ、お気になさらないでください」
「それで、武器の名前だったかな?私は特に人に言うようなものでもないから言わないが...ミカやナギサに聞くといいと思うよ」
「ナギサ様とミカ様はどちらに?」
「ナギサは茶葉を買いに、ミカは...どこにいるのだろうか。」
「ミカ様は気まぐれな御方ですからね、待ちます」
「そういえば、そのレコードは何だい?」
セイアはシンが小脇に抱えているレコードを指す。
「正義実現委員会のイチカ先輩から貸していただきました。銃の名前をつける参考に、と」
「なるほど、ここにはレコードプレーヤーもあるがかけて見るかい?」
セイアはレコードプレーヤーを指差す。
「いいのですか?」
「構わないさ。先程は台無しにしてしまったんだ、せめてもの罪滅ぼしということにしておいてくれ」
「ありがとうございます」
シンはレコードを取り出しプレーヤーにかける。曲が流れ始める。
「レノンかい、悪くないね」
「イチカ先輩に感謝です」
「ただいま戻りました」
「たっだいまー☆」
「おかえりなさいませ、ミカ様、ナギサ様」
ミカとナギサが部屋に入ると音楽が聞こえてくる。
「この曲は...スターティング・オーヴァーですか?」
「ええ、イチカ先輩に貸していただきました」
「へー、あの子ね...」
ミカの目のハイライトが少し消える。
「武器の名前を決めるのにちょうどいいのでは、と仰ってくださり。」
「私は聖書から取ったよ☆」
「聖書ですか...でも、僕は聖書はあまり」
「神の存在を信じてないのですか?」
「いえ、ただ神様に縋ること自体親から禁止されてましたので」
「...」
三人の顔が一気に暗くなる。
「まあ、でもちょっと考えてみます!」
「...なあ、ナギサ。名前のことで私は少し思ったのだが」
「ええ、セイアさん。私も同じことを思いました」
ナギサとセイアは顔を見合わせる。
「え、なになに?」
「ミカ、Starting overって言葉はどういう意味かわかるかい?」
「うーんと...再出発とかそういう意味?」
「その通りだ。そして、彼もまたここで再出発したわけだ。それにこの曲も彼は気に入っているみたいだし、ぴったりだと思わないかい?]
「確かに、ちょっと癪だけど...いいかもしれないね」
「というわけで、シン。この銃の名前は『Starting over』でどうだろうか」
「セイア様直々に提案してくださり感謝してもしきれません。そうさせていただきます、本当にありがとうございます!」
シンは笑みを浮かべる。
「ああ、大事にするんだよ?銃も、自分のことも。」
ご閲読いただきありがとう御座いました!
Starting over、ジョンレノンの曲です。自分の一番のお気に入りです。よければ聞いてみてください。
現時点での時間は、本編にして対策委員会編2章が終わったあたりです。もう少しでゲーム本編でも描かれた事件等が起こります。
シン君が痛みを感じない理由は後ほど本編で明らかにしようと思っております!
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ヒロイン誰にする?
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イチカ
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ミカ
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カズサ