投稿ギリギリ間に合いました!水曜に出せました。
今回からストーリーに沿ってやっていきますので、どうぞご期待ください。それではどうぞ!
P.S:誤字脱字報告ありがとう御座います!励みになっております。
「任務を受命したようだね」
「左様でございます、セイア様。今日はセイア様の護衛を務めさせていただきます故、何卒宜しくお願い致します。」
テーブルを通し向かい合う。
「まあ紅茶でも飲みたまえ。今日はゆったりとしようじゃないか」
自らのティーカップにポットで淹れた紅茶を入れる。
「ブレイクファストティーだ、君の口に合えばいいのだが」
「有難くいただきます」
シンはセイアから渡されたポットで紅茶を淹れる。
「...おいしいです。香り高く、それでいて素の味もしっかりしており、最高です」
「良かったよ、君が気に入ってくれて。...色々、あったのだろう?今日は君の話を聞きたい」
セイアはどこか遠いところを見る。
「...どこまで、ご存じなのですか」
驚愕に目を見開く。
「私は予知夢を見る能力を持っていてね。君が過去を想起し怯える姿が見えたんだ。具体的な内容は分からなくてね...知りたいんだ、君について」
セイアは身を乗り出す。
「...あまり、聞いて面白いものではありませんよ」
顔が一気に暗くなる。
「構わないさ、君が不快でなければ」
「...僕は生まれることを望まれませんでした。調子に乗って、子供ができるようなことをした両親は堕胎するだけの金もなく、仕方なく産みました」
ぽつぽつと話し出す。
「昼夜を問わず泣き続ける赤子はあの人たちにとって不快だったんでしょうね。必要最低限の栄養すら与えられず、死にかけたことがありました」
セイアは顔を歪める。
「死にかけた僕を見て、親は恐怖を覚えたのかわかりませんがその後は死なない程度の栄養は与えられるようになりました」
「栄養失調が当たり前の状況で15歳まで育ちました。中学校までは何とか卒業できましたが、高校へは行かせてもらえず家から追い出されました。働ける年なんだから働け、俺たちに金を寄越せと。それだけならよかったのですが...妹を同意のうえで作ったようです」
「...とんでもない親のもとに生まれてしまったものだね」
セイアは不快感を露わにする。
「いえ、己の罪です。僕の名前である『シン』も、英語のSin...罪から取ったようです。」
「いっそのこと名前を変えればどうだい?」
「...己の罪を忘れてはなりません故」
顔を少し下げる。
「君に何の罪があるというんだい?」
「全てです。僕のせいで両親は苦しみました」
「僕がいなければ、だれも苦しまずに済みました」
「...君は、どうしたいんだい?」
セイアは紅茶を飲みそう問う。
「他人のために命を使い潰す。これが僕の使命です」
「...なるほど。私に一つ言えることがあるとするならば、命は大事にするものだよ」
その後もセイアとシンは他愛もない話を続け、夕方に。
「今日はありがとう、素晴らしい暇潰しになったよ」
「恐縮です、セイア様。この後もお休みの際に襲撃されないよう警護いたします」
跪く。
「そうかい、こちらの都合もいい。頼めるかい?」
「もちろんでございます」
「ああ、だが君も眠くなったら休むことだ」
「お気遣い感謝いたします。ではお部屋の外にて警護を続けます」
敬礼する。
「ああ、私は専用のセーフハウスがあってね。そちらで頼めるかい?」
セイアは端末の地図を見せる。
「ここが私のセーフハウスだ。とりあえず行こうか」
「さあ入り給え、ミカを部屋に入れたのだろう?」
「入りません、個人のプライベートなスペースには入らないことが鉄則です」
「全く、私がセクシーすぎるがために...セクシーセイアですまない」
セイアは身をよじる。
「かような目では見ておりません...ただ単に、個人的な空間には立ち入らないようにしているだけです」
顔をそらす。
「からかいすぎて悪かったね。無理せずにいてくれよ、おやすみ」
「お気遣い感謝いたします、お休みなさいませ」
そう言ってセイアはセーフハウスに入っていく。
「さて...銃良し。刀もよし。マガジン5つあり。戦闘態勢にいつでも入れる。胸騒ぎがするからここで待って居よう」
草木も眠る丑三つ時。ザッ、ザッ、ザッ。数十人程度の足音がセイア宅の前で響き渡る。
「...何奴。ここが百合園セイア様の邸宅と知ってか」
「護衛か。どいてもらおう、我々は百合園セイアに用がある。」
襲撃者を率いているのは、先日ミカの部屋を訪れようとした少女だった。
「ミカ様のご友人といえど容赦はしない。セイア様に会いたければ銃を置け」
「断る、と言ったら?」
「打ちのめすのみ」
射撃開始。ガスマスクをかけた不気味な生徒たちを倒していく。
「なかなかの腕...勝てないほどではない!」
リーダー格の少女が射撃を開始する。
「お前のその体にマダムは興味を持っている。恨みはないが...倒させてもらう」
シンの体の数か所に命中。しかし問題なく動く。
「何!?噂は本当だったの...!?」
少女は驚愕の声を上げる。
「甘い!」
脇に入り込み刀を抜く、が。
「甘いのはそちらだ」
銃床で殴られる。
「ぐっ...まだ、まだ!」
吹き飛ばされるが銃を構える。
「全てを無に帰し、徒労であると知れ」
少女は弾丸に神秘を込めて放つ。
「っ...あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
腹部に命中。シンは倒れる。電気がショートしたような音が腹の中から聞こえる。
「まだ...まだ...!」
無理やり立ち上がり刀で斬りかかる。」
「どこから、そんな力が...!?」
左腕が斬られるが、冷静に蹴り飛ばす。
「うっ...がはっ、ごへっ」
「たすけを、よばないと...だれに...?」
転がった携帯を手に取り、連絡先の一番上の人に連絡をとる。
「...どうしたんですか、シン。こんな夜遅くに」
「りん、せんぱい...たすけて...とりにてぃ、せいあさま、の...せーふはうすに...」
「...シン?何があったのですか?セイア様、のセーフハウス?百合園セイアさんのことですか?セーフハウスとは?」
「何をしている」
ガスマスクを付けた生徒に携帯を取られる。
「連絡か...失念していた」
生徒は通話停止ボタンを押す。
「あ...」
「諦めることだ。全ては虚しい」
「...私は中で百合園セイアを狙う。こいつを捕まえて待機」
「了解」
「...百合園セイアだな」
「ああ、私が百合園セイアだ...」
来ることがわかっていたかのようにセイアはそう答える。
「...そして君は私を殺しにきたのだろう?白洲アズサ」
「そうだ、と言ったら」
アズサと呼ばれた少女はライフルを向ける。
「全てわかっていたことさ、だが」
「君は完全にアリウスの価値観に染まっていない、違うか?」
「...何が言いたいの?」
疑いの目を向ける。
「君をアリウスから解放する術がある」
「まず私を殺したことにしてほしい、言説の流布に関して用意がある」
「それとアリウスの襲撃時にはティーパーティーを守ってほしい」
「私がアリウスから逃れられるとでも?vanitas vanitatum, et omnia vanitas。知っているでしょう?」
「やり方はいくらでもある。君が何を望むかだ」
セイアは即答する。
「...わかった。あなたの言うとおりにしてみる」
「ありがとう、アズサ。君を信じてよかった」
「今更スパイを待っているわけにもいかない。連れていけ」
ご閲読いただきありがとう御座いました!
しばらくはシン君はトリニティには関わりません。話には出ます。酷い目に遭います。
また連邦生徒会も介入してきます。先生も出てきます。総じてすごいことになるのでご期待いただければ幸いです。
シン君の過去を軽く描きましたが、まだまだある予定です。どこかのタイミングで出すつもりです!
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