「ユカリは!勘解由小路家では!幸せに!なれませんわ!」
百花繚乱の参謀を務める知的な人物、ユカリはそう話していたが実際は頭が良いだけの融通のきかない人物のようだ。
「キキョウさんがどれほど勘解由小路家の事とユカリのことをご存知なのかはわかりませんわ!ですがあなたより身共の方が詳しい事だけは分かります!」
「あんたが私より勘解由小路家について詳しくても百花繚乱については私の方が詳しいわ。」
「もう百花繚乱は壊れてしまったの。」
「一度欠けた物はもう戻せない、それならあの子が深い傷を負う前に終わらせてしまうのが情というものよ。」
「あの子は帰る家がある、大切な家族が居る家が。だから、これでいいの。」
「傷ついたって!ユカリはあなた様方と居るべきですの!身共が居ても、あの家ではユカリがユカリとして生きる事はできませんわ!」
何度もユカリの泣き言を聞いた、ずっとつらい思いをしていたユカリを慰める事しかできなかった。
「ユカリはずっと責務を押し付けられていましたわ!『勘解由小路家の令嬢として真っ直ぐ在れ』、その義務を果たすだけでやりたい事もない空虚な人生は!15歳になっても空虚なままの筈でしたの!」
でも今のユカリは違うそれは、
「あなた様方のお陰なのです!あなた様方のお陰で!ユカリは幸せを見つけたのです!やりたい事ができたと!そう言って家を出て!・・・百花繚乱に所属してからユカリは何度泣きました?何度笑いました?」
「・・・身共には分かりません、もう身共よりあなた様方の方がユカリの事を知っているかもしれません」
「・・・・・・だから、ユカリの事をお願いします。」
「身共では、ユカリがユカリとして生きていられる様にする事は出来ませんわ。」
「・・・顔を上げて」
少しの沈黙の後、キキョウさんが声を発した。
顔を上げる、そこには悩んでいるような顔のキキョウさんが居た。説得に成功したのだろうか。
「あんたの言いたい事はよく分かった。ユカリが勘解由小路家で苦しんでた事も、百花繚乱に憧れて救われた事も」
「・・・だからこそ、ユカリは百花繚乱から離れないといけない。このまま百花繚乱で居ようと思うのは、あの子にとって酷な事よ。」
?大切な部分が伝わっていなかったのだろうか
「先程も話しましたが、身共は傷ついたとしてもユカリにはユカリでいてほしいのですわ。」
「分かってる、私も家に帰れと言う訳じゃない。でもユカリは百花繚乱から離れないといけない、あの子が深い傷を負う前に、離さないといけないの。」
「それは、どうしてですわ?」
「解散令を出した理由は、ナグサ先輩にあるから。」
!!!
「先日、ナグサ先輩が委員長の証を返しに来た。自分は委員長になれない、アヤメの代わりにはなれない、って。」
「私はつらかった。私は、私達はナグサ先輩が必要なのに。私だってナグサ先輩の事を尊敬してる。だから分かるの、ユカリは私より傷つくって。」
「あの子はナグサ先輩に憧れて百花繚乱に入った。その憧れがユカリを空虚な日々から抜け出させた。」
「・・・あの子にこんな思いさせたくない、これよりつらい思いは絶対にさせたくない。分かってくれた?」
分かった、キキョウさんが悩んだ理由もよく分かった。ユカリが幸せになれる場所がない。
「・・・・・・どうしましょう、どうしようもありませんわ。」
「・・・連絡先出して。」
?どうして今連絡先が必要だと?
「お互い考えておきましょう、ユカリの為に何が出来るか。」
「!勿論ですわ!」
キキョウさんの説得に成功したものの、問題ばかり。
なんとかなるだろうか。
キキョウの話し方が間違っているかもしれないので、詳しい方は教えてください。