勘解由小路家は身共のものですわ!   作:高田竹高

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 ユカリ誕生祭1日前、おめでとう!
 誕生祭は明日だ!みんなもユカリの為に頑張ろう!



一人の少女

 

 シャーレの先生、結局何のやくにも立たなかった人物が自分の目の前にいる。

”ぶつかってごめんね、シキミ。怪我はない?大丈夫?”

「大丈夫、じゃないですわよ・・・」

 怪我はない、だけど

”!すぐに応急手当をするよ、痛むのはどこ?痛みの度合いは?”

「大丈夫じゃないのは身共の心ですわ!」

 周りの人がこちらを見ているのがわかる、わかるのに自分を止めることができない。私は怒鳴り続ける。

「どうしてユカリを!私の妹を!助けてくださらなかったの!」

”!やっぱり君が、ぐっ!”

 先生が驚きを表情に出す。無性にいらいらとして先生の胸ぐらを掴んだ。

「・・・昨夜、ユカリから話を聞きましたわ。あなたと一緒にレンゲさんのところに行って、明日はキキョウさんのところに行く予定だと」

 あの子の姿が浮かぶ、頭が酷く痛んだ。

「何を思ってユカリが尊敬する先輩達に否定される姿を見ていましたの!あなたは!どんな問題でも解決出来る大人の先生じゃないんですの!」

 ユカリが先輩達に会いに行くのは分かっていた、一人で行っても拒絶されるだけということも、分かっていた。だから先生に会いに行った、ユカリを守る為に先生を信じた。

 

”悲しい事に、私は無力な一人の大人さ”

”どんな問題でも解決出来るような力はない。”

 それなのに、先生は何も出来なかった。そのせいで、ユカリは居なくなってしまった。

 

──────────────────────────

 

”それでも、私に出来ることがある。”

「出来る事?」

 これまで何も出来なかったのに、何が出来ると?

”ユカリを救ってもらうこと。”

「・・・・・・・・・」

 救って”もらう”、他人任せにしようというのか

”残念だけど、私じゃユカリを救えない。”

”ユカリは、君に側に居て欲しいんだ。”

「・・・身共に側に居て欲しい?」 

 にわかには信じがたい。私を突き放すような事をしておいて、側に居て欲しい?

 

”ユカリは今、独りだ”

「知っていますわ、尊敬していた先輩達は居なくなってしまいましたものね。」

 先生のせいで。

”いいや、違う。”

”ユカリの側から居なくなったのは先輩達だけじゃない。”

”君も居なくなった、ずっと側に居た君が。”

”今のユカリは、尊敬する先輩達も、”

”自分の事を愛してくれた姉も、”

”みんな居なくなって、ひとりぼっちなんだ。”

「なら百花繚乱の方々を説得しに行ってくださいまし、身共は■■■の側に居たくありませんわ。」 

 私がそう言うと、先生が口角を上げた。ユカリが辛い思いをしているのは先生のせいなのに、なんで笑えるのか。

先生は下を向いて、やっぱりシキミからだね、とつぶやいた後、真剣な顔になり、私の顔を見て話し始めた。

 

”シキミ、”

”君は今すぐにユカリの所へ行かないといけない。”

「身共はユカリと会いたくありませんわ。」

”分かっているよ、だからこそ”

”君は■■■に向き合わないといけないんだ。”

 ?くぐもっているようで、なんと言ったか分からなかった。

”妹に向けている怒りも、悲しみも”

”ユカリに向けている愛も、何もかもを向けて”

”君は一人の少女に向き合わないといけない。”

”ユカリであって妹であるその少女が”

”明日も笑顔を見せてくれるように、”

”君が、その笑顔をいつまでも見れるように。”

 

 あのままじゃいつか限界が訪れることくらい、限界が来る前に彼女に向き合わないといけないことくらい、分かってた。でも、

「向き合えば、嫌いになるかもしれませんわ。それが嫌だからから、身共はずっと向き合わないでいましたの。」

 本当は、ユカリの側に居たい、ユカリの■でいたい。でも、それ以上に、ユカリを愛していたいんだ。

 そう言うと、先生が微笑みながら答えた。

”君は気づいていないだろうけどね、シキミ”

”君は彼女を拒むとき、名前だけ噛み噛みだったんだ”

”なんと言ったか一文字も分からないほどね。”

”無意識でもユカリを守る君が”

”彼女を嫌いになれるわけがないよ”

 !

 ・・・噛み噛みの件が本当かは分からないけど、あの子の為に、もう一度先生を信じよう。

 

 今から走っても、彼女のもとにつく頃には燈籠祭が始まっているだろう。私が儀式をする事はできない。それでも、向き合わないといけない。

 私は走り出した。

 

 

──────────────────────────

 

 

「・・・何がどうなっていますの。」

 とりあえず起きたことを整理する。

 まず、私はあの子の居る場所まで走っていた。

 その途中で百鬼夜行燈籠祭の始まりを告げる花火があがり、その直後に魑魅魍魎が町中に溢れた。私は屋台の残骸などに隠れながらあの子がいる場所へ向かっている。・・・何も分からない。でもあの子のいる場所に近づけば近づくほど、魑魅魍魎の量と質が上がっていく。

「・・・強行突破しかありませんわね。」

 あの子はお化けが苦手だ、今も震えて助けを持っているかもしれない。

 意を決して屋台の残骸から身を出した私を待っていたのは巨大な猫の怪物だった。

 

──────────────────────────

 

 猫の怪物が、戦利品を咥えて主人のもとに帰った。

 怪物は主人に戦利品の少女を渡した後、町の方へ向かい消えた。

 猫の主人は少しの間少女を眺めた後、側に居る顔のないこけしのような怪物の前に少女を置く。

 無貌の怪物は、笑みを浮かべながら、(その怪物は確かに顔が無いが、私の目には確かに笑みが見えた。)その少女を抱きしめるように(腕もない筈だが、)取り込んでいった。

 




 
 作品名を変えようか悩んでおります。
 「身共は人間をやめますわ!ユカリーッ!!」は、ほとんどジョジョ要素が無い為没にしていたのですが、そろそろ出るのでアリかな、と思い作品名をそれに変えようかと思い立ちました。

作品名を変えてもいいでしょうか?今の物と新しい物を並べるので好きな方を選んでください。

  • 勘解由小路家は身共のものですわ!
  • 勘解由小路家は身共のものですわ!
  • 身共は人間をやめますわ!ユカリーッ!!
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