指定民間艦娘艤装整備店舗 千寿時計電機 作:茶碗からこぼれた米粒
近所の鍛造業者やら鋳造業者やらを頼って、装甲板を納めた翌々日。久々の暇が出来た俺は、溜まりに溜まった積みプラの消化を試みていた。
「ほー、すげぇな最近のフ○イン○ールドは。風防と枠が別パーツとはねぇ。そりゃあ高い訳だ。」
今月発売されたばかりなだけあり金型もバリとは無縁、それに発動機や操縦席周りの緻密さはほんじょそこらの1/48とは比べ物にならない。
いや、別にタ○ヤとかハ○ガワのキットが悪いわけでは無いが。あれはあれで味や手軽さがあって良いと思いますはい。
「こういうのが一般的になったらマスキングテープをチビチビ切り取る作業ともお別れかぁ。それもちょっとさびs『ピンポーン♪』・・・へーい。」
塗料の蓋(俺は筆塗り派閥だ)を開けてる最中にチャイムが鳴る。間が悪いとぼやきつつ、店先へ向かった。
ピンポーン♪
「はいはいーい。」ガチャッ
ドアを開けると、俺と同じくらいの身長をした女性が腕を組んで立っていた。緑の半被に袴に黒インナーと言う中々怪しい格好で。
そして、彼女は開口一番にこう言った。
「君も瑞雲教に入らないか?」
「うちスヤスヤ教なので。」
「よし、入ってくれるんだな。」
「耳腐ってる?」
今世紀類を見ないレベルの酷いやり取りじゃなかろうか。
「伊勢型航空戦艦の二番艦、『日向』だ。よろしく頼むぞ。」
「・・・どうも。」
なんかながもんと似た様な雰囲気・・・言ってしまえばキャラ被りな感じだ。
しかもよく見たら帯刀している。ながもんの拳銃といい銃刀法がここんとこ仕事していない気がする。
あそこの鎮守府には変人しか居ないのだろうか。
「で、本日はどういうご用件で?」
「ああ、吹雪型や長門型の主砲を修理したその腕を見込んで、この『瑞雲一二型』を修理して欲しいんだ。」
瑞雲、・・・・?あー、はい。あの、たしか、たぶん、恐らく、メイビー、日本海軍の水上爆撃機かなんかだった気がする(うろ覚え)
沖縄の方でなんか戦果を挙げていた様な挙げてない様な・・・・そんぐらい印象のうすーい飛行機だった・・・・はず。
「?、ピンと来ていない様だがどうした?」
「いやっ、アレっすよね?宮崎パ○オが好きな奴!」
「え、そうなのか?」
よく覚えていないが多分、飛行艇時代かなんかの記事でそんなことを言っていた様な・・・・でもなんかボロクソ言ってた様な・・・・。
「なんかこんなもん作るなら彗星に下駄履かせりゃ良いっt「よし、すまないが少しジ○リを襲撃してくる」やめろ日本のアニメ産業が半壊するわ。」
「すまない。、少し興奮してしまった。」
「へい・・・・で、依頼品は・・・。」
「これだ。」
スッと、日向の後ろから風呂敷包が出てくる。いやどっから出したし。
「これだ。」
「なんで二回言った。・・・・っと、こりゃ凄いな・・・。」
風呂敷から現れたのは縮尺にして約1/48程の『瑞雲』。そこいらの棚にポンと並べておいてもさしたる違和感は無いだろう。
しかしよく見ると気でも狂ったかの様な小さなリベットがしっかり打ってあり、プロペラを軽く回してみても、小さなエンジンの中からピストンの動作を感じる事が出来た。
「成程、これが噂の『艦載機』って奴かぁ。」
「ああ、そうだ。特にこいつは我々航空戦艦の誇りたr「あ、そこら辺の説明はいいです」・・・・そうか・・・(´・ω・`)」
・・・・
艦娘の『艦載機』。
読んで字の如く
12年半前の出現当初、深海棲艦側の航空機や艦載機というものは通常の航空機と大差無い10m〜30m級の物が大半を占めていた。
深海棲艦やその艦載機に通常の現代兵器は攻撃すら通らない事が殆どで、自衛隊や米軍等の各国軍は苦戦を強いられていたのである。
防戦一方のまま半年程して、何故か深海棲艦に対して『第二次世界大戦以前の兵器』なら攻撃が通用する事が判明した(永らくこの原理は解明されていないとしていたが、配布された
因みに、この事実は欧米では記念艦達による微弱な戦果、日本では自衛隊にてグリス漬けになっていたNATO弾仕様の九九式短小銃が駆逐イ級を退けた事で確認されたとかなんとか。
この事実が判明した時、日本では様々な議論が飛び交った。
『旧軍の兵器を再生産し深海棲艦に対抗するべき』
『日本軍を地上に再現してはならない。再生産は認めない』
無論、ここは兵器を再生産し深海棲艦をシバき回すのが最善策なのは明白だった。
しかし、日本政府の悪癖が遺憾無く発動した。
まぁ、与党がアレで野党がコレな感じだったのだ。
そんな馬鹿なやり取りをし続け、半年。
ついに悲劇が起きた。
通称『平成の東京大空襲』。
正式名称にして荒川・墨田無差別空爆事件(この時になっても尚『戦争』を渋っていた政府によって便宜上刑事事件扱いになっている)。
死者8万5千余。
この出来事より日本政府は掌を返して開戦を宣言。兵器の増産を開始、前線の陸には九九式短小銃、空には零式艦上戦闘機、海には特型駆逐艦が浮かんだのだ。
そうして自衛隊も、その覚悟を見せつけるかのように『日本軍』の名を継承したのである。
しかし、その直後に未確認の敵の『新型』が現れた。
そう、我々がよく知る『ヲ級』とか『レ級』等の人型深海棲艦だ。
奴らは小さい上に高火力、かつその艦載機も小型で撃沈、撃墜は困難であった。
再び絶望のドン底に落とされた日本人の前に現れたのがそう、『艦娘』だ。
彼女らは小さい身体ながらも本物の艦と同程度の火力を誇り、無論その攻撃は深海棲艦の硬い防御を簡単に貫くことが出来た。
人々は彼女らをかつての軍艦乗り達の生まれ変わりと捉え、又は現人神として崇めたのである。
で、話が逸れに逸れまくったのだが、そんな彼女ら艦娘が持っていた兵器の一つがこの『艦載機』という訳だ。
空母艦娘が操る艦載機達はかつての悲劇を繰り返すまいと、日夜空中戦を繰り返している。
・・・・・
「で、合ってる?」
「合ってるが、何かプロローグみたいだな。しかも無駄に長い。」
「しかねぇじゃん、6話と一年半も説明をサボり続けた作者が悪い。」
「まぁ、そうなるか。」
まぁ、詰まるところ『艦載機』とはとそういう物だ。
「で、
「ああ、どうやら発動機か何かが故障している様でな、どうにか回せる様にしたいんだ。」
「ほーん、
エンジンのサイズにして直径約3.5cmくらいの瑞雲を見ながら言った。
「これのだが?」
適当に刺さっているリベットのサイズにして僅か0.15mm程の瑞雲を見ながら言った。
「
「
ナットのサイズにして約0.3mm程の瑞雲を見ながら言った。
「マジ?」
「マジだが?」
そして、恐らく人間の手では整備不能なレベルの精密さを誇る瑞雲を見ながら言った。
「マジかよ・・・・・(気絶)」
「・・・?おーい、どうした?」
気が狂う様な要求作業精度に、俺は普通にぶっ倒れた。
蓋が開いたままの塗料は、カピカピに乾いていた。
この兵器関連の設定は前から自分の作品では良く使っていたもので、現代の文化や技術と大戦時の兵器、人、それらと艦娘を組み合わせてイイ感じのギャグとかシリアスをやる時に重宝している物です。(皆様もこんな感じの設定で小説書いてくれても良いんだゾ?)
まぁ只の作者の性癖なので気にせんでいいです()
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