ドラゴンボールZ IF未来から来た戦士 あーし、ブルマとヤムチャの娘なんだけど? 【本編完結済み】   作:ゆーこー

11 / 13
 この話を書いている最中に丁度古谷徹さんのニュースを認識しました。偶然にもやや関係性のあるようなお話しに感じるところもあるこの作品ですが、二次創作ですので平常運転で続けていきます。



第10話 覚醒、怒りの戦士孫悟飯

 今、セルの前には孫悟空さんではなく悟飯さんが立っていた。セルの体力は悟空さんが渡した仙豆により完全回復してしまった。何を考えているのかまだ誰にも理解できていない。ただ悟飯さんが戦う前に悟空さんに二人の戦いを見てどうだったのかという質問に対して答えた、全然本気に見えなかったという言葉を信じるしかなかった。

戦いが始まってしまった。セルの攻撃を余裕を持って回避していく悟飯さん、だがなかなか攻撃を仕掛けていかない。避けるのが精一杯という風には見えないが何かを躊躇っているように見えた。逃げる悟飯さんにスピードだけ本気を出したようでセルの攻撃が当たり始める。

だがピタリと攻撃が止まった。セルが何か語りかけているように見えるが流石に遠すぎて聞こえない。悟飯さんが下を向いて何かを呟いたようだが、その後からセルは悟飯さんを締め上げたり痛ぶるような行動に出た。

 

「いいぞセル。もっと怒らせるんだ」

 

悟空さんの声だ。まさかそれが狙いなのか。悟飯さんを怒らせて、それでセルを倒そうということかもしれない。合理的、非情な手段。それほどにまでセルは強いんだ。孫悟空さんたちにとっても...あーしがどう背伸びしても届かない領域の戦いをただ見ることしか出来ないのかと、強く拳を握りしめて悔しがった。

あーしが悔しがることしか出来なかった時間に一人の戦士がセルに忍び寄っていた。そう、気を持たない16号だ。

 

「なんの真似だ16号」

 

「俺はこいつと自爆する! お前らを巻き込むことをすまないと思っている...」

 

「な、なに!?」

 

「だーーーーーー!」

 

しかし、爆発は起こらない。静まり返った空間をクリリンさんが終わらせる。

 

「16号、実はお前を修理したときに爆弾は取り外されたんだ...もう、お前は自爆を出来ない」

 

「な、なに!?」

 

「残念だったな16号。もっとも、自爆したところでこの私がバラバラになっていたかは、怪しいところだがな」

 

セルは抱きついた16号を破壊して、その頭部の残骸だけが無惨にも地面に転がっていった。

 

 悟飯さんを痛めつけて覚醒させる方法は間違っていると、ピッコロさんが悟空さんに説いた。それを聞いてハッと大切なことを気付かされた悟空さんは仙豆を食べようとしたその時だった。悟飯さんがセルみたいなやつでも殺したくない。昔からキレるとどうなるかわからないと言ったことでひたすら悟飯さんを痛ぶっていたが、効果がないと判断してあーしらに目標を変更していた。

 

「ふむ、7人か」

 

セルの退化していた尻尾が変形する。ボコボコと瞬時に何かを射出したかと思えば、それは小さなセルのような青い生き物になった。

 

「さあセルJr.達よ! やつらをうんと痛め付けて殺してやれ!」

 

あーしの元にも生まれたばかりのセルJr.が襲撃してきた。第二形態のセルより強い! 生まれたばかりの癖にこんな規格外の強さ、しかもセルは一ミリも疲れちゃいない。さすがにズルすぎるっしょこれ!

 

 

一撃目の攻撃を辛うじて界王拳15倍まで引き出して受け止める。といっても一撃で左腕の骨が折れかけたレベル。

マジで半端じゃない強さ。

周辺の戦況を確認すると、ベジータがやや優勢だけど倒すのには物凄い時間と体力を使いそう。二匹目は無理。悟空さん体力切れで押されてる!ピッコロさんあーしと同じくらい押されてる!パパ達、今にも負けそう!

うん、無理!! 普通ににやってたらあーしら皆殺される! せめて全員が戦ってるうちにベジータのサポートに回れればワンチャンある!

 

「多重残像拳! 六幻繰気弾!」

 

あーしはセルJr.に残像を叩かせている隙にベジータの戦闘に加勢する。繰気弾の妨害を受けたセルJr.がベジータの攻撃をもろに受けて吹っ飛ばされる。そのままあーしのセルJr.の方にベジータが加勢してくれて、先程ぶっ飛ばしたセルJr.の横に並べるように蹴り飛ばした。

 

「ファイナルフラッシュ!」

 

二匹の気が消えた! 次を倒そうとしたがどうやらこちらが二匹を倒している間にパパとクリリンさんと天津飯さんが倒されてしまったようでむしろ状況は降りになっていた。

 

「くそったれめ...テディ、三匹の動きを止められるか?」

 

「あーし一人なら無理」

 

「俺も一緒にだ。俺が攻撃する隙を作るだけだ」

 

「なら、ワンチャンある」

 

「よし、行くぞ!」

 

ベジータの攻撃に誘い込むように、繰気弾で囲い込み漁の要領でセルJr.を誘導する。一撃でもあーしが攻撃を受けたら崩壊する綱渡りの作戦で、一筋の望みにかけてセルJr.を一ヶ所に集める。

一匹追い込んではベジータが殴って、もう一匹! 最後も倒してファイナルフラッシュ!

 

「はぁはぁ...」

 

「はぁはぁ...やばいよベジータ。悟空さんもピッコロさんもやられた」

 

「だ、だが二対二だ...なんとか...テディ! 後ろだ!」

 

あーしは前方のセルJr.二匹に注意を払っていたのだが、ガツンと重い一撃を背後から脳天に打ち込まれた。意識が途切れる寸前、あーしの視界には新たに五匹のセルJr.が写った。

 

「バカめ、最初に出した数が限界ではないぞ」

 

「く、くそったれめ...」

 

唯一残っていたベジータも、七匹のセルJr.相手には一瞬のうちに倒された。

 

 

──その頃、破壊された16号の頭を持ってミスターサタンが動き出していた。

 

「よ、よし。ホントにいいんだな?」

 

「構わん、ここまで連れてきてくれて助かった。ここから投げてくれ」

 

本人の頼みで悟飯の目の前に16号の頭を投げたミスターサタンは即座に退散、16号は悟飯に語りかけ力を使うこと事態は悪いことではない。この地球を守るために力を使うよう語りかけた。

 

「ふん、でしゃばらなければ良いものを」

 

セルは16号の頭を踏み潰した。その瞬間、孫悟飯の理性と優しさを繋ぎ止めていた線がプツンと切れた。

 

「う、うわぁぁぁぁぁ!」

 

穏やかな心を持った伝説の超サイヤ人が、更なる激しい怒りによって超戦士へと覚醒した。

 

「セル、お前だけは絶対に許さないぞ!」

 

スパークが起こるほどの激しいオーラ。前哨戦とばかりにセルJr.が襲い掛かるが一撃で、軽い一撃で木っ端微塵にされた。そしてまだ辛うじて動けたベジータの元に駆け寄り、仙豆を食べさせた。

 

「皆に、仙豆を食べさせてください。」

 

ベジータは自分やカカロットの先を行った悟飯に驚きを隠せなかったが、言われた通りに仙豆を皆に食べさせた。

 

「...ぃてて、まさかセルJr.が増えるなんて...」

 

どうやらベジータがあーしを真っ先に仙豆で回復させてくれたらしい。そしてセル以上の気を持つ存在に気が付き、それが誰なのかを確認する。

 

「ご、悟飯さん!? す、すご! こんな力を」

 

「おいテディ、他のやつらにも仙豆を食わせてやれ」

 

「わ、わかった!」

 

「全く頭に来るぜ...やつら親子は俺より先に行きやがる」

 

あーしが皆に仙豆を食べさせている間にセルとの戦いが再開していた。もはや、セルに勝ち目は残っていなかった。

その差は圧倒的で、ただのボディブローひとつでセルは目玉を剥き出しにするほどの威力になっている。

その気になれば、一撃で細胞ひとつ残さず消し炭に出来るはず。でも、なかなか悟飯さんはセルにトドメを差さない。そのことを、あーしのみならず悟空さんも不安に感じていた。

 

「何をしている悟飯! 早くトドメをさせ!」

 

悟空さんの声にゆっくりと振り向いて、悟飯さんはあっさりと答えた。

 

「何言ってるのお父さん、こんなやつもっと懲らしめなくちゃ」

 

「な、なんだと...」

 

心優しい悟飯さんが本気で怒った結果、誰も手を付けられない怪物と化していた。

 

「バカなことを考えるのはやめろ! そいつは追い込まれたら何をするかわからねぇぞ!」

 

どれだけ父親が訴えかけても気にする様子はなかった。本当に悟飯さんなのかと目を疑いたくなる光景にあーしはなにか出来ないかと思考を巡らせるが何も思い浮かばない。

そうこうしている間にセルの腹にもう一撃を加えた衝撃で、セルが腹から18号を吐き出した。どんな身体してるのかは知らんけどそれによってセルは第二形態に戻ったのだ。

 

「そ、そんな...」

 

「終わりだな、セル」

 

「ち、ちくしょぉぉぉぉ!」

 

一刻も早くトドメをさせばよかった。いや、悟飯さんだけじゃない。あーしでも、ベジータでも、悟空さんでもピッコロさんでも即座にありったけの気を注ぎ込んだかめはめ波なりファイナルフラッシュなりを放てば良かったのに、あーしらはその一瞬の判断の遅れで取り返しのつかない選択をセルにする時間を与えてしまったのだ。そう、セルが自爆をするためにブクブクと膨れ上がったのだ。

 

「貴様らもろとも道連れだ! おっと、攻撃しようと思うなよ? その瞬間私は爆発して地球は粉々だ!」

 

三分間の時間があった。その三分で解決策を導き出すことはあーしには出来なかった。タイムマシンも壊れるといけないと重いカプセルコーポレーションに預けてきた。みんなで別の時代に避難ということと出来ない。あーしは皆の顔を伺う。誰も顔色が良くない。いや、違った。なんでそんな悟りを開いたような顔をしているの? 悟空さん。

 

「わりぃな皆。 どう考えてみてもこれしか方法がなかった」

 

優しい目だった。けどそれはこれから自分は死ぬ、最後に皆に向ける優しさの目だった。未来で何度も見てきた、死を覚悟した親の顔だった。悟空さんが無力感でへたり込んでいた悟飯さんの頭を撫でた。

 

「悟飯、ここまでよくやったな。父さん嬉しかったぞ」

 

そして、セルの方に悟空さんは移動して腹に手を添えた。

 

「じゃあな皆、元気で暮らせよ」

 

「「悟空ぅぅ!」」

 

「悟空さぁぁん!」

 

「お父さぁぁぁん!!」

 

セルと一緒に何処かに瞬間移動して消えてしまった。

 

 

「お、お父さん...」

 

あまりのショックでその場から動けない悟飯さんを慰めようと、あーしは左側から優しく近付いて寄り添い、肩を貸して上げようとしたその時であった。一瞬にして現れた凶悪な気、その者の指先が悟飯さんを狙っていると気付いたあーしは咄嗟に突き飛ばそうとした。

 

「悟飯さん危ない!!」

 

直後、あーしの心臓が焼かれるような感触を覚える。意識が遠退く、悟飯さんを見ると左肩を怪我していた。どうやら守りきれなかったらしい。悔しいな...

 

「テディさん! しっかりして!」

 

「おっと、今のはテディに当たったか」

 

セルが、セルが何故か生きて帰ってきた。それも、うんと力を増してさ...

 

「ぁぁ...ぁーし、ここで死ぬんだ。未来守るどころか過去で死んじゃったよ...」

 

「喋るんじゃない! す、すぐ手当てをする!」

 

パパがどうにかしようとしてるけど、間に合うはずないよ。もう、血が出すぎてるし...

 

「もし、あいつを倒せたら...あーしの未来も皆で救ってね...悟飯さん、パパ、ベジータ..みん.........」

 

あーしは、悟飯さんの手の中で息を引き取ってしまった。

 

 

 

 

 




テディについて⑨
ベジータと一緒に修行していた結果、デンデというナメック星人が神様になったことも、ドラゴンボールが復活したことも知らず、二人揃ってテディは死んでもう生き返れないと思い込んでいる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。