ドラゴンボールZ IF未来から来た戦士 あーし、ブルマとヤムチャの娘なんだけど? 【本編完結済み】   作:ゆーこー

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 今回、ベジータ視点を中心にしつつ視点が入れ替わる場面があります! 予め御注意ください。


第11話 ベジータ怒りの覚醒 散れ!かめはめ波とファイナルフラッシュ

 悟飯の手の中で死んでゆくテディを、俺はただ眺めることしか出来なかった。俺が死ぬわけでもないのに、走馬灯のように奴との記憶が甦る。思い返せばはじめは面倒な女だと思った。馴れ馴れしく接してきやがった。そこまで強くもないくせに俺に口答えをしやがった。一人で修行をしたかったこの俺についてきて、必死になって食らい付いてきやがった。

 一回目の精神と時の部屋で、気付けば奴は俺のことを誰よりも理解してる女になりなりやがった。そして俺もやつのことをおおよそ理解していることに気付いてしまった。二回目の精神と時の部屋を出る頃には俺は完全に奴に信頼を置いていやがった。

俺が人造人間17号どもを起動させる隙を与えなければ、俺がセルを第二形態のうちに倒しておけば...やつは死ぬことはなかったんだ。俺が...俺がテディを殺したんだ!

 

「くそったれがぁぁぁぁぁぁ!」

 

怒りは一瞬にして俺の許容出来る限界を越えた。たかが地球人の女に、されど他の誰よりもその女のために。奴の説得でカカロットの真似をしたが故に辿り着いたこの領域を、奴のお陰で越えてしまう。

 

「べ、ベジータの気が...」

 

「ご、悟飯とそっくりだ」

 

金色のオーラと激しいスパークが発せられる。復活してパワーアップしたセルの絶望感を幾ばくは払拭するほどの力を俺は手に入れた。

 

「べ、ベジータさん...」

 

「悟飯、手を貸せ」

 

「えっ!?」

 

「一人一人では流石に今のセルは倒せん。だが、俺と貴様、二人でならやれるはずだ」

 

「なっ!? あのベジータが、信じられん」

 

二人の会話を聞いたピッコロが驚く。いや、ピッコロだけではない。ヤムチャも天津飯とクリリンも、セルですら驚いた。プライドなど今は二の次、セルのことを絶対にぶっ殺すという信念が、俺をこれまでにない領域へと身心ともに導いていた。

 

「わかりました、ベジータさん。今度こそセルを倒します!」

 

「フッフッフ...  ....パーフェクトになったこの私に勝てるかな?」

 

わかっているぞセル、貴様のその笑い方は決して余裕などない。二人一斉にセルに向かって強襲。俺が主体となり格闘戦をして悟飯に援護をさせているが、セルはその猛攻を何とか捌いている。くそったれめ、超サイヤ人の限界を越えたというのに、それでも俺は互角がやっとなのか!

セルが残像拳を使いやがったが、悟飯のカバーであっさりと見破るり一撃喰らわせることに成功した。

 

「ちっ、調子に乗るなよぉ!」

 

「調子になど乗るものかぁ!」

 

俺は自分のダメージを覚悟で一発セルに致命傷を加えようと、奴の攻撃を受けながら構わず突っ込んで奴の腹に拳をめり込ませ、その拳から気を爆発させた。

 

「ぐ、ぐぉは!」

 

それでもまだセルのやつは隙を見せずに俺に反撃をしてきた。しぶといやつめ。

 

 

 

 

「ち、ちきしょう...俺達には何もできないのか?」

 

次元の違いすぎる戦いを前に見守ることしか出来なかったヤムチャだが、彼もまた娘を殺されたことで怒り、しかしベジータのように強くなることは出来なかった。悔しさと情けなさで拳を強く握り、手が震える。

 

「そ、そうか!」

 

この手の震えを見て、繰気弾を開発した当初の感覚を思い出した。

 

「皆すまない! 俺に、俺に力を貸してくれ!」

 

「ヤムチャ、何をする気だ? 悔しいが俺達の力を合わせたところで奴らの戦いにはついていけんぞ」

 

ピッコロが、今さら何をしでかそうとしているのかわからないヤムチャにすぐに理由を問い掛けた。

 

「繰気弾だよ! あれなら、あれなら一瞬だけでもセルを止められるかもしれない」

 

「ヤムチャさん...よ、よし! 俺なんかの気で良ければ使ってください!」

 

クリリンがありったけの気をヤムチャに託す。

 

「ここまで本気の貴様を俺は見たことがない。力を貸すぜ」

 

天津飯も気を全てヤムチャに託した。

 

「ちっ、役に立たなければ承知はせんぞ」

 

ピッコロの気が加わりグンと気の総量が増す。ヤムチャはそれを最後の残りカスまで絞り出すように右手に集中させる。

 

「で、出来た! 喰らえ、これが俺達の超繰気弾だ!」

 

辛うじて追えていた戦いの、ベジータがやられてセルの攻撃チャンスのタイミングに被せるように特大の繰気弾が割り込む。

 

「ち、邪魔だ!」

 

セルはそれを手刀で弾こうとするが、繰気弾は意思を持ったようにセルに攻撃しようと突き進むため、弾くのに一秒もの時間を要した。そしてその一秒はベジータが攻撃体制を整えるのに充分すぎる時間だった。

 

 

「今だ!」

 

動きが止まった隙に二人で猛攻撃を仕掛ける。これで終わりだと気合いを込めて殴り飛ばしたのだが、しぶといセルは空中で体制を立て直した。

 

「まさかベジータがここまでやるとはな...だが、これでどうだ! かーめーはーめー」

 

セルの野郎は空中からかめはめ波の準備を始めた。

 

「ちっ、避ければ地球は終わりというわけか...悟飯! やるぞ」

 

「は、はい!」

 

「ファイナルフラッシュ!」「かめはめ波!」

 

「はぁぁぁ!!」

 

俺達は地球を背中に背負ってありったけの力を込めて必殺技を放った。セルのやつめ、あれだけダメージを与えたのにも関わらず俺達と同等の力を出してやがる。

 

「フハハハ! どうした、その程度か!」

 

「くそったれが! 悟飯、もっと気を解放しやがれ!」

 

「で、でも ...」

 

『大丈夫だ悟飯! 全力で撃つんだ! 地球のダメージを気にしてるのかも知れねぇが、お前が守らきゃ地球は無いんだ! 気を爆発させろ!』

 

「お、お父さん...」

 

「な、なに? カカロットの声が聞こえるのか?」

 

『てかさ、ベジータ! あんたも悟飯さんにそんなこと言ってるけどまだやれるっしょ!?』

 

「お、俺にも聞こえやがった...て、テディの声だ...好き勝手言ってくれるぜ」

 

セルに対するかめはめ波とファイナルフラッシュの威力がさらに膨れ上がる。だがセルはギリギリのところで持ちこたえている。

 

 

「繰気弾があれで終わりだと思うなよ!!!」

 

「なに!?」

 

先程セルの弾いた繰気弾が帰ってきてセルの背中に直撃する。

 

「「今だ!」」

 

『いけぇぇ!』

 

立つ力も残らないほど全部をぶつけた。セルの一瞬の隙をついた俺達の攻撃がセルを細胞の塵一つ残さず抹消させ、残ったエネルギーが地球を飛び越えて遥か遠くの宇宙にまで消えていった。

 

「はぁはぁ...ざ、ざまぁ、みやがれ...」

 

俺は変身も解けて辛うじて情けなく倒れ込むのを堪え、空を見上げる。

テディよ、貴様がいなければ俺はここまで強くなれなかったぜ...必ず、俺が貴様の未来も救ってやるから天から見守っていろ。

 

「さて、早くデンデのところに行って回復して貰おうぜ。テディも早く生き返らせなきゃな」

 

ヤムチャがそういってテディの遺体を抱き抱えた。

 

「な、なに? 生き返るだと? ど、ドラゴンボールは無いのではないのか?」

 

「知らなかったのか? デンデが新しい神様になってドラゴンボールを作ってくれたんだ。ほら、お前も知ってるナメック星人の子供の!」

 

クリリンに言われて思い出した。あのチビのナメック星人か。なるほど、俺はとんだ勘違いをしていたのか...

 

 

 

───死んだはずのあーしは何故か生き返り、何故か神殿にいた。

 

「あっれ? なんで、なんで? ドラゴンボールってもう無いんっしょ?」

 

「あちゃ~二人とも知らなかったのか」

 

クリリンさんが簡単に事情を話してくれて納得した。はっず!? え、あーしそうとも知らずにあんな臭いこと言ったの!? わ、取り消し! マジ取り消す! あの言葉オールリセット!! あーしが慌てて赤面してる姿を皆は微笑ましそうに笑った。

 

そして数日後、帰り支度を整えたあーしはお土産を詰められるだけ詰め込んで発進の準備をしていた。

 

「システムオールクリア、いつでも行けるわ! みんなありがとう! あーしの未来も絶対明るくするからさ! もしこっちの世界が大変なときには助けに行けるよう頑張るわ!」

 

「おう! そっちのブルマや悟飯によろしくな!」

 

「はーいパパ! 」

 

 

「そっちの私にも親孝行するのよ~!」

 

「もち! こっちのあーしのこと平和な世界でのびのび育ててあげてね!」

 

みんなに見送られながらあーしのタイムマシンは宙に浮き、間も無く帰還する。木陰からベジータがあーしにサインを出していた。全く、相変わらずね。あーしも同じポーズを返して、そのまま未来に帰った。

 

 

 

 

 

 

 




テディについて⑩
お土産の中にはママにあげる服や化粧品、食糧なども沢山。自身の服や悟飯に上げるピッコロさんデザインの服も用意している。
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