ドラゴンボールZ IF未来から来た戦士 あーし、ブルマとヤムチャの娘なんだけど? 【本編完結済み】 作:ゆーこー
久し振りにあーしの時代に帰ってきた! いや、元の時代から少し立ってるのか。あーしはひとまず悟飯さんの気があることを確認して一安心する。あーしは過去に飛ぶ前の地点にそのまま飛んできたのだが、流石にここはもう完全に建物が破壊されて人の気配が無くなっていた。
悟飯さんの気を追って到着した場所は、あーしに縁もゆかりも無い土地。ボロボロの金属製のドアをノックしてしばらく待っていると、中から懐かしい孫悟飯さんの顔が見えた。
「悟飯さっ...!?」
「久し振りだなテディ」
あーしは声が出なくなった。いつものように迎え入れてくれた悟飯さんはまるで元々そこになかったかのように、隠すようすも説明をするようすもなく左腕がなくなっていた。あーしは震える身体を少しずつ動かして指差した。
「ご、ごは、ごは、んさ...うで、腕が!」
「あぁ、これか。 ここまでの戦いで無くなってしまった。 悔しいけど俺一人じゃ町を守れなかった」
あーしは目から勝手に涙が流れるのを止めようと、いくら目を瞑ったり手で擦ったりしても一切止まらない。
「うぅ、あーしが早く帰ってこれれば...あぅ、ぁ...」
「泣くなテディ、お前は俺の期待通りうんと強くなって帰ってきてくれたじゃないか。 俺の左腕なんて、それに比べれば安いものさ」
悟飯さんは片腕であーしのことを包容し、背中を優しくさすってくれた。そうだ、泣いてばかりもいられない。早く人造人間を倒さないと。そして...全て終わったら、あーしは悟飯さんに伝えたいことがあった。でも、今はそれを言うべきではない。言いたい思いを心の奥に押し込んで、今はまずこれを聞こう。
「悟飯さん、人造人間は今どこへ?」
「分からない。また何処かの町が襲われるのを待つしかないんだ...それまでに、ブルマさんに会ってきたらどうだい? 心配してたんだ。 この家の奥にいるからさ」
あーしはすぐに案内された部屋まで行った。
「ママ!」
「テディ! 久し振りじゃない! まあ、随分大人の女性になっちゃって」
「そりゃそうよ! 数年分の成長なんだから」
「でもよかった。 無事に帰ってきてくれて...」
無事...無事だったっけなぁ...一度死んで来ちゃったし。とりま、あーしはママにお土産と昔のママやパパ達から預かってきた言葉を伝えた。
「嬉しいわねぇ。 じゃあ人造人間を倒したら、これを着て復興させた町でファッションリーダーになりましょ!」
ママは明るい笑顔を見せてくれた。それに対してあーしは真剣な顔をして誰にも聞こえない声で問いかけた。
「悟飯さんの腕、いつ無くなったの?」
「...」
「教えてよママ。悟飯さんは教えてくれないの」
ママも神妙な顔になって黙り込んでしまった。言うべきか悩んでる...もうそれだけでなんとなく察しは付くというのに。
「やっぱ、あーしがタイムマシンで過去に行くときよね」
「ええ、そうよ。 タイムマシンへの攻撃を守るために腕は大怪我。出血したところを手当てしたかったけど消毒も無くて壊死したの...」
「...教えてくれてありがとうママ。お陰であーしは迷いなく戦える」
あーしは、悟飯さんがその身を投げ売ってでも託された希望。その思いを改めて受け止めてその時を待った。
──三日後、その時が来た。
『□○の町にまでついに人造人間が現れてしまいました! 近くに住む方々はすぐに避難してください!』
ラジオやテレビで一斉に流される速報を聞いて、あーしは身支度を整えて飛び出した。
剣を背負った魅惑の美女、ショートパンツに腰見せウェア。唯一無二の最強ギャル、ついに人造人間17、18号を発見!
「なんだお前、生きてたのか」
「あんまりなめてるとあっという間にスクラップよ、17号!」
「この俺が? 面白い、久し振りに遊んでやるか」
相手は油断している。あーしは一撃で仕留めようと気を解放した。
「界王拳十五倍!」
瞬きする暇もないほどの速さで間合いを詰めることに成功したあーしは、右の拳を思い切り握りしめて全力で17号の顔をぶん殴った。
17号が遠くに吹っ飛ばされた後に、自分達が攻撃されたことに気付いた18号が慌ててこちらを見て距離を取る。
「次はお前だ!」
18号をそのまま叩き潰そうとしたあーしの側面を狙うように、エネルギー弾による攻撃を受けた。
17号のものであった。
「たっ、たった一撃浴びせたくらいで良い気になるなよ...面白い...本気で相手してやる」
そう言うと17号と18号二人掛かりであーしとの格闘戦を挑んできた。息の合った攻撃、流石にこちらも苦戦を強いられる。
「真狼牙風風拳改!」
あーしの高速ラッシュが二人の攻撃の速度を上回った。焦りを覚えた17号達が距離を取ろうとしたところを、あーしは追撃前に冷静に自分の攻撃の手を整える。
「六幻繰気弾!」
繰気弾を喰らって18号が吹っ飛ばされる。それを見た17号が繰気弾を破壊しようとするが、それは爆発するタイプの気弾で、視界を奪われたところに繰気弾とあーしの狼牙風風拳による怒涛の攻撃が決まり、あーしは二人まとめて破壊するために17号を殴り飛ばして、18号にぶつけた。
「喰らいなさい!! ファイナル...フラッシュ!」
起き上がって逃げる間も無く、極太の気功波が二人を呑み込んだ。
気が無いから生死はまだ確認出来ない、もくもくとした煙が晴れきる前に、煙の中からあーしとは反対方向に飛び出して逃走する何かが見えた。それを追い掛けようとしたところ、煙の中からエネルギー弾を撃たれて足留めされてしまった。
煙が晴れた、そこには左腕と左足を失いボロボロな17号が居た。ということは逃げたのは18号だ。
どうやらファイナルフラッシュが17号のバリアでは防ぎきれず、一部が当たったようだ。18号を追跡したかったがやむを得ない、満身創痍の17号と決着を着けるために容赦なく攻撃を再開する。
「喰らえ太陽拳! からの多重残像拳!」
メインカメラがホワイトアウトしている間に残像が周りをを囲い込む。
「かーめーはーめーはぁぁぁ!」
「こ、この俺が...!」
本物のあーしを見分けられず、背後からなす統べなく攻撃された17号が跡形もなく消し炭になった。
「はぁはぁ...」
この間に18号には逃げられてしまったようだった。周りを探したのだが夜になっても発見には至らず、悟飯さんに報告をしに行った。
「そうか、17号を倒したのか! よかったぁ、これで平和になるんじゃないかな? 18号も今のテディを見たら下手に悪さも出来ないだろうし」
「だ、ダメなんです悟飯さん。今から三年後に18号を吸収するセルが現れるの。もし、そいつに吸収されたら...あーしも勝てるかどうかわからない」
「そ、そんな敵が...わかった。 世界中を徹底的に捜索しよう」
この日以来、人造人間はまるで存在しなかったかのように発見報告も警報も流れることがなくなった。人々は歓喜した。みんな平和が取り戻されたと勘違いして復興を急いだ。
.....その間にもあーしは18号の行方を追い続けたのだが、結局三年間探して一度たりとも見つけ出すことが出来なかった。
そんなある日、私は遥か遠くの地に現れた強大な気を感じ取った。嫌な予感がした、冷や汗をダラダラと掻きながら現場に急行したのだが、その嫌な予感は的中していた。
「遅かったじゃぁないか、テディ。 お陰で私は18号だけとはいえ吸収することが出来た」
「クソッ! やっぱりお前かセル!」
「ほぉ、私を知っているか。どこで知ったのかわからんがまあいい。 この私のパワーでも十分貴様を倒せるのだからなぁ」
とんでもない気の大きさだ。あーしは界王拳十五倍になって先制攻撃を仕掛けた。
「おっと、それは計算積みだ」
あーしの攻撃を完全に避けた! 反撃にしっぽによるなぎ払いを受けて地面に叩きつけられた。
このセル...せっかく復興した町を何個も吸収して強くなってる! あーしは決死の覚悟でまず有効打を与えることを目標に攻撃を仕掛けた。
「頼むから...耐えてよあーしの身体あぁぁ! 界王拳二十倍のぉぉ六幻繰気弾!」
あーしは繰気弾を放ち終わると肉薄して連携攻撃を仕掛ける。セルは尻尾を器用に使ってハズレの繰気弾を蹴散らしたが、あーしの蹴りが横腹に決まった為に本命の繰気弾による連続攻撃を全て喰らわせることに成功した。
「ちぃ、太陽拳!」
「しまっ!」
あーしの視界が奪われる。ちょっと不味い、気を探ればなんとかなると思ったけどセルは気を消した。大きな移動は出来ないがこのままでは不意を突かれる。あーしは身体中に気を張り巡らせて反射的にカウンターを仕掛ける準備をする。どこよ、どこを狙うわけ!
「気功砲!」
「な! あぁあ!!」
あーしの身体をとてつもない衝撃が襲う。格上にも通じる天津飯さんの気功砲を、同格かそれ以下のあーしが受けてはひとたまりもない。今の衝撃で胸の上側にある肋骨が折れた。
「フハハハ! 少々驚かされたが、どうやら私の勝ちのようだな」
「まだまだ! 負けるわけにはいかない、あーしは負けるわけにはいかないんだ! 多重残像拳!」
「はぁぁぁぁ!」
気を解放した力だけで残像が全部消された。バレバレになったあーしの攻撃をセルは返り討ちにし、あーしはセルに馬乗りにされて顔面をボコボコに殴られまくった。意識が遠退く...
「ふふふ、17号はいなくなったが、貴様がいればそれ相応の力は得られるだろう。私の生態エネルギーとなれ!」
やばい...逃げられない.....尻尾が目の前に見える。やば、もう身体に当たりそう...
「魔貫光殺砲!」
あーしの目と鼻の先にまで来ていた尻尾が、支える力を失って重力のままに落下してあーしに体液がかかった。
「悟飯さん...」
「はぁはぁ...テディ! 大丈夫か!」
ビルの上から狙撃してくれたんだ、助かった。尻尾と一緒に胴体を貫かれたことでセルの拘束が緩くなり、あーしは抜け出すことに成功した。
「ふん、今更貴様のようなやつが増えたところでこの私を倒せるものか!」
「俺だって、片腕なりに修行をしたんだ。 やってやる!」
「悟飯さん、あいつは身体のどっかにある核を破壊しないと何度でも再生する! だから、一撃であいつを完全に消滅させないといけない!」
「わ、わかった...俺の力だけじゃ当然無理だ。 出来るだけ気を貯める。 時間をくれ!」
「よっし...なんとかやって見せる!」
あーしは最後の力を振り絞り界王拳十五倍の真狼牙風風拳改でセルに再生の隙を与えない。喰らえ! 落ちろ! 頼むからこのまま倒れて! そんな思いを拳に詰め込んでひたすらに攻撃を続ける。
「よ、よし。出来たぞ!」
背後で悟飯さんの気が高まった状態で安定したのを確認した。フィニッシュの時間だ!
あーしはセルを空中に蹴り飛ばして繰気弾で同じ位置にとどめさせた。
「超かめはめ波あぁぁ!」
「あーしだって...二十倍かめはめ波ぁぁぁ!」
「そ、そんなあぁぁぁぁ!」
反撃の隙すら与えない。二つのかめはめ波に飲み込まれたセルは細胞ひとつ残ることなくこの世から消え去った。
「はぁはぁ...はは....やった」
あーしはその場にへたりこんで、満面の笑みで空を見上げる。
「テディ、よくやったな」
そんなあーしの顔を悟飯さんが覗き込むように見てきた。そして、片腕であーしを起こしてくれると、おんぶしてくれてママのところまで送ってくれるようだった。
「悟飯さんありがとう...助けに来てくれて」
「当たり前じゃないか。 でも本当によかった、一時はどうなるかと心配だった」
「あーしも、もう死ぬかと思った...」
...激戦の疲労と、悟飯さんの背中の温もりで眠くなってきた。でも、あーしは戦いが全て終わったら伝えたいことがあった。だから、なんとかそれを伝えようとする。
「悟飯さん...あーしと、結婚しよ」
「へ!?」
驚いたような声が聞こえたけど、伝えたあーしは安心して寝落ちしてしまった。
───未来に平和が訪れた。セルも消えた完全なる平和な時代を勝ち取ったのだ。
「さあ、新たな時代の幕開けです! 今、孫大統領が御婦人と共に壇上に上られました!」
大勢のメディアが見守る会場で司会の声がスピーカーや中継カメラに乗って世界中に届く。あーしは少し緊張している旦那を軽く小突いてあげて練習通りやれば大丈夫だよって囁く。悟飯は深呼吸して席を立ち上がり登壇した。
「え~、皆様改めまして...大統領に就任しました孫悟飯です。皆様の知る通り、我々は人造人間によって長い長い暗黒の時代に突如として飲み込まれてしまいました。人口は当時の一パーセントも残っていません。ようやく、ようやくそんな時代から解放され、新しい夜明けを迎えることができ、そんな貴重な時代の最初の大統領となれたことを、私は誇りに思います!」
練習通り演説出来ていることにあーしは見ていてほっとした。身振り手振りも話しているうちにするようになってきたし、もう大丈夫そうだ。
「皆も知る通り、私と妻であるテディは、長年に渡り人造人間らを打倒するために戦っていました。我々は同じ悲劇を繰り返さないために、これからは強い種族地球人に生まれ変わらなくてはなりません。そのために、私は自分の持つノウハウを惜し気もなく公開し、地球人全体でこの掛け替えのない美しい星を守るような世界にしていきたいと思います!」
会場全体から拍手が送られる。新時代の幕開けだ。これからが、あーしたちの生きる時代だ。
その後、三児の母となったテディはママさんギャルのファッションリーダーとしても、最強の大統領夫妻として後世まで語り継がれた。