ドラゴンボールZ IF未来から来た戦士 あーし、ブルマとヤムチャの娘なんだけど? 【本編完結済み】 作:ゆーこー
精神と時の部屋から出たあーしとベジータを見た皆はその成長ぶりに驚きの表情を見せていた。
「やっほーみんな、ひっさしぶり!」
「て、テディもベジータも昨日までとは比べ物にならない成長をしてるぜ! こ、これなら今のセルにも...」
パパが今のセルと言うので何かあったのかと思い気を探ると、気が倍以上になっているセルを確認した。でも、ベジータさんなら勝てるという確信も得た。
「テディ、セルは17号を吸収したんだ。クリリンが人造人間の停止装置をブルマから受け取って既に動き出してるはずだから、もしクリリンを見掛けたら手伝ってやってくれ」
「オッケー、パパ」
あーしは手で丸を作ってオッケーマークを出す。
「ふん、早速セルの野郎をぶっ殺しに行く。あとに続け、テディ」
「オーケー!」
あとに続けとか行ったくせにベジータさんは自分の最高速で飛んでいくんだもの、さすがにあーしは追い付けずやや遅れて到着することになった。そして、既にベジータさんがセルをしばき上げ始めていてセルを圧倒していた。
「ふん、やっと来やがったか」
「て、テディだと? な、何故奴がこれほどの力を!」
「企業秘密よ! 教えてやるもんですか!」
あーしを見て動揺するセル。あーしではセルには勝てないもののどうもベジータさんにボコボコにされすぎて冷静さを完全に失っている様子である。
「さて、そろそろトドメを刺してやるか。呆気ない幕切れだぜ。やはり超エリートの俺が修行をしては強くなりすぎてしまったようだな」
「ち、ちくしょぉおおぉぉぉ! か、完全体にならさえすれば!」
「ほぉ? まさか完全体になれさえすれば、この圧倒的な実力の差を覆せると言うのか?」
「そ、そうだ! 貴様もサイヤ人なら戦ってみたくはないか! 完全体の私と!」
雲行きが怪しくなってきた。曲がりなりにも一年を過ごしたあーしは何かを察した。ベジータさんはこのままセルの言葉に乗せられる。
あーしは必死に考えを巡らせる。恐らくこんな小さな島々があるだけの場所に居たのは人造人間18号が居るから。気を隠してるようだがよく気を凝らせばクリリンさんの気配があった。間違いない、この島に人造人間がいると見て良いだろう。
ベジータさんは既に腕組みをして傍観姿勢だ。ならばあーしがどうにかするしかない。
「界王拳七倍! かーめーはーめー」
「な、何をする気だ! 貴様ではこの私を止めることはできんぞ!」
その頃、地上にいたクリリンさんは既に停止装置を壊しておりあーしの動きを見ていた。そして18号16号にこう叫んでいた。
「お前たちを破壊する気だ! 逃げろ! そして絶対セルにも捕まるな!」
セルが逃げようとする18号を視認、同時にあーしの目的に気付いて島とあーしの間に入って食い止めようとしていた。
「波ぁぁぁぁ!」
「ぬ、ぬぉおおぉ!!」
あーしのかめはめ波がセルに直撃する。セルの身体に当たらなかったエネルギーが島に注がれ爆発するが、減衰した威力では18号を巻き込んで破壊するには至らない。
「はぁはぁ...驚かせやがって」
「マジかよ...あーしのかめはめ波で表面がボロボロになるだけなんて」
「思い切ったことをしてくれたな! だが、丁度良い、お陰で18号を見付けたぞ!」
「ちっ! おぉい逃げろ! セルに見付かってるぞ!」
「直前まであたしを破壊しようとしてた奴の言うことかよ!」
18号は他の島に隠れようと海面すれすれを飛行する。
「ベジータ! あんたがセルを完全体にしたい気持ちはもうこの際どうでもいい! お前はそういう奴だ! でも、せめてあーしの邪魔はしないでよ!」
「ふん、勝手にしろ」
「少し見直したと思ったらこれだもん! ベジータのバカぁ!」
あーしはセルを食い止める前に、ベジータに暴言と忠告をごっちゃにしたような言葉を吐き捨ててからセルの妨害に入った。
「双繰気弾!」
「無駄だ! 繰気弾!」
セルも繰気弾を出して相殺してきた。クリリンさんも破壊には失敗したみたいだしもう後がない! 何としてでも破壊しなくちゃ! この世界まであんな未来にしたくない!
「気円斬!!」
18号を射線に捉えた特大の気円斬を放ち、一か八かの破壊にも出る。
「バカめ、気円斬!」
セルも気円斬で相殺してくる、このやろう同じ技ばっか使ってきて厄介なことこの上ない。
どうやら次の島に18号もクリリンさんも移動できたようだが、ここでセルを撃退出来なければ吸収されてしまうことには代わりがなさそうだ。
「これ以上邪魔されてはたまらんからな。 気功砲!」
セルが天津飯さんの気功砲を放ち、あーしは咄嗟に繰気弾を隠した残像拳をその場に残して界王拳で攻撃範囲から急速離脱して海の中に隠れた。
「よし、待ってろ18号! 今行くからなぁ!」
あーしは気を極力消しながら急いで海中を泳いで島に上陸した。
「きゃぁぁ!」
女の悲鳴、18号だ!
セルが尻尾の中に18号の半身を飲み込んでいる。クリリンさんは目を瞑っているところから見るに太陽拳が使われたのだろう。あーしは気円斬を放ってセルの尻尾を切断した。一緒に18号を切断できれば良かったのだが、直撃寸前にあーしの攻撃がセルに気付かれたせいで間一髪のところで18号の位置をずらされてしまった。
「まぁだ生きていたか、テディ」
「あったり前よ! あーしは未来を救う! その為にこの時代も守るんだから!」
「威勢だけは一丁前だが、思いだけではこの私には勝てんぞ!」
「うっさい! 力だけあっても何にもしてくれない奴よりは可能性があるとこ見せてやる!」
クリリンさんが物凄く申し訳なさそうな顔で、あーしの横に立ってセルと戦う構えを取る。
「テディすまない...俺、ブルマさんから貰った装置を破壊してしまった」
「は、はぁ!?」
「ど、どうしてもやれなかったんだ! あいつらにも生きてほしくて!」
「あぁもうそんなの後回し! とりあえず目の前のことに集中!」
あーしは六幻繰気弾を放ち、本命の繰気弾二個をセルではなくまだ切られた尻尾の中にいる18号目掛けて攻撃する。
「ちっ、姑息な真似を!」
セルがあーしを一撃で仕留めようと接近してきたので多重残像拳で撹乱してその隙に18号を攻撃する。
「ぬおぉぉぉおお!」
セルが気を解放して無理矢理残像を消されてあーしは丸裸にされる。クリリンさんもセルに一撃で倒されて次はあーしに接近する。
──さっきの七倍界王拳で身体が引き裂かれそうになった。どう都合よく見積もっても八倍が限界! クリリンさんは18号を破壊する気は無いらしいけどあーしは違う。セルの後ろで倒れている18号ごと今度こそ吹っ飛ばす!
「今度こそぉぉ! 八倍界王拳のぉぉ! かめはめ波だぁぁぁ!!」
「かめはめ波ぁぁ!」
あーしのかめはめ波とセルのかめはめ波がぶつかり、そしてあーしのが呑み込まれていく。
「ちっ、ちくしょぉ...! ぁぁぐ、あぁぁ!」
ついにはあーしも呑み込まれ、そして邪魔するものの居なくなったセルは悠々と18号も呑み込んだ。
身体が動かない、セルの気がこれまでで感じたことの無いほどの巨大なものとなるのが分かる。完全体にさせてしまったのだ。
「それが完全体か。どうやら大したこと無さそうだな」
「ベジータ、貴様がこの私のウォーミングアップを手伝ってくれるのか?」
「ふん、ウォーミングアップで終わりにしてやるぜ」
気の流れでおおよその戦局をあーしは観測する。ベジータさん...頼むから倒しなさいよ。誰も尻拭いなんて出来ないんだから...
しかし、あーしの願いは叶うことがなかった。本気を出さずともベジータさんが圧倒され、渾身の新技ファイナルフラッシュを直撃させるも再生されてしまった。
このままじゃベジータさんが殺される。あーしは言うことを聞かない身体を残りカスみたいな気のコントロールだけで無理矢理動かして、フラフラと気絶したベジータさんの元に駆け寄った。
「テディ、貴様らがどうやってこうも短期間で強くなったのか...私には皆目検討もつかん。だが、もし孫悟空たちも同じように成長するなら面白い」
「何が...言いたい?」
「折角完全体になったのだ、その力を発揮できないのは面白くない。そうだな、十日後だ。あと十日経ったらセルゲームを行う」
「せ、セルゲーム?」
「そうだ、詳細はまた説明しよう。 精々修行を積むのだな」
言い残してセルは何処かへと消えていった。あーしは緊張が一気に解放されて意識が遠退く。
──目が覚めたときあーしは神殿に居た。意識を失ったあーしらをパパ達が助けに来てくれたらしい。セルゲームの詳細はテレビ局を乗っ取り既に知らされていた。あーしは参加したことないけど天下一武道会のルールに則るそうだ。
セルゲームが始まるその日まで、あーしらは最後の修行を行うことにした。
ベジータについて①
セルの完全体は興味があるが、それはそれとしてテディの選択を邪魔したくも無かったので傍観していた。
テディに阻止される程度ならセルはその程度、完全体になるなら自分がぶっ倒すと考えていたが見事に返り討ちにあった。