魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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第102話 隕石2

うてな自宅

 

 

(ハァ・・・買い物の途中でバルバンが落ちてきてその後トレスマジアに逃げろって言われて逃げたけど今思えば、トレスマジアの戦いを見れなかったのはちょっと惜しかったかも)

 

 うてなはそう思いながら自宅に戻るとリビングのテーブルに母の書き置きがあった。

 

「お母さん今買い物に行ってるのか。だったら今の内に特典DVDでも見ようかな・・・いやそれよりも」

 

 うてなは袋から真化星獣モードのマジアマゼンタのフィギュアの入った箱を取り出す。

 

「その前にこのマジアマゼンタフィギュアのスカートの中を確認せねば!・・・いや別に変な意味はありませんよ、これは学術的な興味の様な物でどれだけ精巧な芸術品かを確認する為の作業であって決していやらしい気持ちでは無いですよいやホント」

 

 その様な言い訳を誰も居ないのに早口で言いながら部屋に入ると袋にフィギュアを戻し机の上に置くと大きく深呼吸する。

 

「落ち着け、落ち着け。お母さんはまだ帰ってこない可能性が高いとは言え窓から誰かに見られる可能性がある・・・まずは落ち着いて窓のカーテンを閉めないと」

 

 そう呟きながら窓の方に近づくと窓に煙ヱ門の顔がどアップで見えていた。

 

「・・・・・・」

「よよい。見~つ~け~た~(ピシャッ)

 

 何かを喋っていた途中だったがうてなは素早く窓を閉めてカーテンを掛けもう一方の窓にも同様にした。

 

「ふぅ・・・疲れているのかな?何か変な人が見えたけど。気のせい気のせい。さ、フィギュアを確認しよ」

 

 そう言ってうてなは机の方を向くと背後から白煙が上がり煙ヱ門が現れた。

 

「よよい。見つけたぞ~小娘」

「わぁああ!?幻覚じゃなかったーー!変質者だーー!!」

「変質者ではない!あ、大泥棒と呼べ~」

 

 部屋の中に現れた煙ヱ門にうてなはビビりながら机の方まで後ずさった。 

 

「なななな何ですかあなた?何が目的なんですか?」

「しれたことよ。命が惜しく場その袋を寄越せい」

「!!」

 

 煙ヱ門の言葉にうてなはハッとした表情を浮かべる。

 

「(ま、まさか、この袋の中にあるマジアマゼンタのフィギュアもしくは特典DVDを狙っているんですか!!)・・・袋の中の物を何に使う気なんですか?」

「ある絡繰りを完成させるためよ~後はその袋中の物を組み込めば完成するのよ」

「な、何言ってるんですか!?何の絡繰りか知りませんけどそれにコレが必要な訳無いし第一組み込める訳無いじゃないですか」

「お前こそ、あ、何を言っているんでぇ~?その位の大きさなら組み込めるに決まっているだろ~仮に無理だったら削って入れれる様にするまでよ~」

 

それを聞いたうてなはバッと袋を取り守る様に胸に抱く。

 

「そ、そんな事させませんよ。コレはわたしに取って命より大事な物です。死んでもあなたなんかに渡しひゃあ!?」

 

 そう言って啖呵を切ったうてなだが煙ヱ門が煙管を振り下ろしそれを慌てて回避してうてなの後ろにあった机はバラバラに破壊された。

 

「ならば死ぬがいい。殺しててでも奪い取るまでよ~」

「ひ、ヒィィイ、あ!トレスマジア」

「何!」

 

 バラバラになった机を見てうてなは怯えるが何かに気がついた様に後ろを指さし煙ヱ門が後ろを向いた隙にバッと部屋から逃げ出した。

 

「って窓にカーテンが掛かってるのにトレスマジアが見える訳無いだろうが~・・・アレ?」

   

 

 

コンビニ 裏手

 

 

「ふぅ、ゴミ出しはコレで完了だな」

 

 コンビニの裏手のゴミ捨て場にゴミを捨てたみち子は疲れた様に腰を叩いていると視界にふと妙な物が見えた。

 

「ヒィヒィ・・・・!」

「待て待て待てい~~!!」

 

「アレは・・・柊うてなとバルバンの魔人?何で追われてるんだアイツ?(みっちゃん)ん蘭朶かどうした?」

(うん、何かトレスマジアからテレパシーが来て何かを盗んだ魔人と幹部が集合する場所を探してるから手伝ってっ言ってた)

「( 魔人・・・今さっき柊うてなを追っているのが見えたぞ)」

(え、そうなの?じゃあ柊うてなが襲われた後に魔人倒そっか)

 

あっさりうてなを見捨てる選択を選んだ蘭朶にみち子は頭痛を抑える様に額を抑えて窘める。

 

「(いや、流石にそれはダメだろ。トレスマジアに連絡を入れてくれ。私ももう少しで上がれるから先にトレスマジアと合流してくれ)」

(分かった早く来てねみっちゃん)

「(もちろんだ)さてマジアベーゼとはいえ変身していない奴を助けないのも寝覚めが悪い、蘭朶にバレたら面倒な事になりそうだな・・・」

 

 

――――――――

 

 

「待て待てぃ!意外と足速いなアイツ」

 

「ヒィヒィ・・・・しつこい(これじゃあ隠れてマジアベーゼになる暇もキウィちゃんにも連絡ができない)」

 

 うてなは袋を抱えながら逃げるが中々煙ヱ門を撒けず変身も仲間に連絡も出来ずに居た。

 

「喰らえい針飛ばし!」

「!!」

 

 中々追いつけない事に業を煮やした煙ヱ門はうてなを狙い頭のトゲを飛ばし当たりそうになった時うてなと煙ヱ門の間にイミタシオが割り込み大剣で針を防いだ。

 

「ぬ!?」

「あなたはイミタシオ・・・」

「全く、こんな奴でも助けなきゃ行けないのが魔法少女の辛い所なの☆ほら早く行った行った」

 

 そう言ってイミタシオは煙ヱ門に視線を向けたままうてなにしっしっと払う様に手を振る。

 

「おのれ邪魔するか、ヤートット!!」

「「「ヤートット!!」」」

 

 煙ヱ門がそう呼ぶと大量のヤートット達が現れイミタシオとうてなに殺到する。

 

「ハッその程度の数、パラライズ#7」

「「ヤートッアベベ!?」」

 

 イミタシオがしびれ薬を生成してそれをヤートット達目掛けて発射し何人かのヤートットはそれに当ると体が痺れ倒れていき攻撃に当たらなかったヤートットは二手に分かれてイミタシオの対処とうてなの捕縛に向かおうとするがイミタシオは大剣を振るい牽制して近づけない様にする。

 

「ほらさっさと逃げるの柊うてな」

「(イミタシオ・・・立派な魔法少女になりましたね・・・わたしがプロデュースした甲斐がありました)分かりましたありがとうございます」

「(何か今むかつく事考えてそうな顔してたなコイツ・・・)」

 

うてながイミタシオの成長に感動しながらその場を逃げようとした時煙ヱ門がそれを阻止しようとする。

 

「ええいこのまま逃がす訳にはいかん。喰らえ火種飛ばし(曲射)!!」

 

煙ヱ門はそう言って煙管に装填した火種を放物線を描く様に投擲する。

 

「何処を狙って・・・?」

 

投擲された火種はそのままイミタシオの頭上を通り過ぎるとそのまま、逃げるうてなの上に降ってきた。

 

「え?」

「しまっ」

 

 イミタシオが慌てて向かおうとするが間に合わず火種は爆発しうてなは吹っ飛びその拍子に袋を手放してしまう。 

 

「きゃあ!」

 

「クソ、柊うてな」

「背中を見せたな隙ありだ」

「グッ!」

 

 ダメージを負ったうてなに思わず駆け寄ろうとした隙を狙い煙ヱ門が距離を詰め煙管でイミタシオを殴り飛ばすとうてなの傍に近づくと袋から飛び出したフィギュアの箱を踏み潰して同じく飛び出した赤隕石を拾い上げた。

 

「あぁ!!」

「赤隕石あ、取り返したり~~!」

 

 煙ヱ門がそう言って赤隕石を高々と掲げて宣言していると上空からアズールとベルゼルガが接近してくる。

 

「シオちゃん!!」

「煙ヱ門!今度は逃がさないわよ」

 

「やや!?魔法少女共か?生憎これ以上時間を掛ける訳にはいかんのだ。大煙幕、フー!」

 

煙ヱ門は煙管を吸うと口から大量の白煙を吐き出し辺り一帯を煙で覆った。

 

「これは・・・・!」

「こんな目眩まし!」

 

 視界いっぱいに広がる白煙にアズールは戸惑うがベルゼルガは大鎌で一閃して煙を吹き飛ばすと既に煙ヱ門とヤートット達の姿は消えてしまっていた。

 

「くっ又逃げられた・・・」

「今はそんなのどうでもいい。それよりもシオちゃん大丈夫?」

「あぁ、煙管で殴られたが大した傷じゃない。それよりもアズール、アイツの怪我を見てやってくれないか」

「アイツって、うてなさん!?」

 

 イミタシオに言われアズールは初めてうてながいる事に気づき何処か暗い様子を見せるうてなに慌てて駆け寄り治癒魔法を掛ける。

 

「良かった、軽いやけど程度で済んでるわ。これなら私でも治癒できる。助かって良かったわ、うてなさん」

「・・・良くないです」

「え?」

  

何処か落ち込んだ様子でぽつりと呟いたうてなに思わずアズールは聞き返す。

 

「こんなやけどが治ってもこのマゼンタが破壊され傷ついたわたしの心は治らないんです!ウォオオオン・・・・」

「あ、あー」

 

 泣き出したうてなの傍にある潰されてバラバラになったフィギュアを見てアズールは何とも言えない気持ちなり、オロオロしながらも何とかうてなを慰めようとする。

 

「な、泣かないでうてなさん、フィ、フィギュアの仇は必ず私が取ってあげるわ。それにほら、特典DVDは無事みたいだしフィギュアならきっとまた再販するだろうから、うてなさんの心の傷が治らない事なんて無いわよ」

「ア、アズールさん・・・」

「だからほら泣かないで、うてなさん」

 

 アズールがそう言って泣いているうてなの顔をハンカチで拭っているとマゼンタからテレパシーの連絡が入った。

 

(アズール!バルバンの合流場所らしい所を見つけたよぉ。かなり遠くの渓谷らしい場所だったよぉ!)

「(!分かったわイミタシオとベルゼルガとも合流出来たから直ぐに向かうわ)イミタシオ、ベルゼルガ、バルバンの合流場所が分かったわ。直ぐに向かいましょう」

「了解なの☆」

「エヘヘ、シオちゃんを怪我させた報い受けさせてやる」

「うてなさん待っててね。直ぐにフィギュアの仇は取ってあげるわ」

 

 そう言うとアズールはイミタシオ達と共に飛んで行き後にはうてなだけが残った。

 

「・・・マジアアズールがわたしなんなの為に仇を取ってくれるのはすごく嬉しいですしファン冥利に尽きます。・・・・だけどあのフィギュアは公式サイトで発売が発表されてからコツコツお小遣いを貯めてそれでも足りなくてお母さんに必死に頼み込んでお年玉の貯金を下ろす事を許して貰えてやっと買う事が出来た言わばわたしの血と涙と努力の結晶の様な物、それを魔法少女愛もないバルバンなんかが破壊して!!こ・の・う・ら・み必ずわたしが晴らしてやる・・・・!!」

 

渓谷

 

 

「遅い・・・煙ヱ門め、予想外に手子摺って折るのか?」

 

 合流場所で設営した陣幕の中で床几に座りながらブドーがそう呟いているとドロンと煙が上がりブドーの前で跪いた煙ヱ門が現れる。

 

「おぉ、戻ったか煙ヱ門。待ちわびたぞ」

「ハハッ、お待たせして申し訳ありません御大将。赤隕石この煙ヱ門が確かに盗ってきて参りました」

 

煙ヱ門はそう言って赤隕石を恭しくブドーに差し出すとブドーはそれを手に取り早速誘導装置に内蔵して電源を入れる。

 

「良し、問題無く起動しておるな。直ぐに大筒に眠り薬入りの弾を詰め込め!これよりモビーディグを呼び出すぞ」

「そうはさせないよぉ!!」

 

ブドーが早速捕獲準備に掛かろうとした時マゼンタの声と共に集合したトレスマジアとシオちゃんズ達がブドー達の前に降り立った。

 

「トレスマジア!」

 

「見つけたよぉバルバン。これ以上あなた達の好き勝手にはさせないんだから」

「煙ヱ門今度こそ逃がさないわよ、そこブドーと一緒に倒してうてなさんのフィギュアの仇を取らせて貰うわ!」

 

「えぇい、俺だけで無く御大将もおまけの様に倒すと言うとは生意気な~!その思い上がった鼻っ柱あ、へし折ってくれる~~」

「笑止、多少力は付けた様だがこのブドーをまだその程度の力で倒そうとはまだ斬られたりないようだなマジアアズール」

 

 ブドーはそう言うと起動した誘導装置を床几の上に置くとギラサメをすらりと抜く。

 

「丁度良いモビーディグを捕まえるついでにお主等の首も船長の手土産にしてやろう。このギラサメの錆になるが良い」

 

 そう言いブドーは刀を構えた。 

 

 

 

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