四つ先町 町中
〈これは・・・〉
「ヒドい・・・」
「それに何やこの臭い」
爆心地にたどり着いたマゼンタ達は辺りの惨状を見て絶句した。悪臭のする煙の上がっている周辺では瓦礫や痛みで呻く人達で溢れていた。
「(ヴァーツ、爆発の原因は分からないの?)」
「(すいません。使い魔で上空を探していたら急に爆発して・・・ボクも分からないんです)」
「(原因を探す事も大事だけど今は先に怪我した人を助けないと!)」
マゼンタはそう言いながら降り立つと怪我をした人を治癒魔法で治していきサルファも瓦礫をどかして救助していき、アズールもそれを手伝っているとふと視界に歩いている人が映った。
「あなたこんな所で何してるの?危ないからこっちへ避難して」
アズールがそう言ってその人の腕を取った時ギンガルカが慌てた声を上げる。
〈待ってアズール!その人生命を感じない。人じゃ無いわ!!〉
「え?」
ギンガルカの言葉にアズールの動きは止まるが腕を掴んだままだったので人形がそのまま進むと同時に腕が周りカチリと何かスイッチが入った様な音がした。
チッチッチッ
「これは!?」
〈まさかこれが爆発の原因!?アズール逃げて!!〉
ギンガルカがそう叫ぶと同時に人形が光り大爆発を起こした。
山中 休憩所
「何かしら?何処かで音が聞こえた様な気がしたけど・・・」
「・・・・・」
「どうしたのこりす?お弁当美味しくなかった?」
「・・・・・」(フルフル)
山中の休憩所でお弁当を食べていたこりす母は不思議そうな顔をしているとこりすは俯いて何かを考える様な仕草をし母親が心配そうに聞くが何でも無いという風に首を振るとスッと席を立つ。
「こりす?何処に行くの」
「・・・・」(ビッ)
「あぁ、トイレね。1人で大丈夫?」
「・・・・」(コクン)
こりすは頷くとトイレに向かい個室に入るとリュックからマキナが出てくる。
「こりすちゃん、うてな達に連絡入れるのだわ?」
「・・・・・」
「”あの人形がもし帰り道にお母さんに危害を加えてきたら怖いからまずはあの人形の出所を調べてから連絡する”・・・分かったのだわ。だったら変身して行くのだわ」
「・・・・」(コクン)
トイレが微かに光ると周りを誰にも見られていないかキョロキョロと確認しながらネロアリス・ジャバウォックが出ると人知れず元来た道へ走って行き、しばらくするとこりすの母がトイレに来た。
「こりす遅いわね、そんなにお腹が痛いのかしら・・・あら?」
こりすの母がトイレに入ると中には誰おらず扉が開いたままの状態で放置されていた。
「こりす何処に行ったの?」
四つ先町 町中
「アズール大丈夫か?」
「えぇありがとうサルファ」
〈サルファが居なかったら危なかったわ〉
人形が爆発した所ではサルファが咄嗟にアズールの周りに防御魔法を張る事で爆発から守りアズールは無傷で済んでいた。
〈アズールのお陰で爆発の原因が分かったな。どうやらあの人間に似せた人形が爆弾を内蔵して爆発していたらしいな〉
〈それだけじゃないわ。あの人形が爆発した時何か液体みたいなのをばら撒いていたわ。その液体が引火してこの悪臭を発しているみたい〉
「クソッ前の爆弾魔人は分かりやすい爆弾の形やったけど今度は人間に似せた爆弾人形とは又面倒なもんを」
ギンガルカの説明を聞きサルファは憎々しげに拳を叩いていると連絡を受けたシオちゃんズ達が合流する。
「お待たせ皆!状況は?」
「イミタシオ!今町中に人の形をした爆弾人形が徘徊して爆発して爆風と悪臭の被害を出してるの。まだ爆弾人形を作った魔人の居場所と爆弾人形の判別方法がまだ分からないのぉ!」
イミタシオ達にマゼンタが状況を説明するとイミタシオ達は苦い顔になる。
「それは・・・思ったより厄介な状況なの」
「敵の居場所もそうですが町中にいる人に紛れた爆弾人形をどうやって見分けましょう」
「もうメンドイから怪しいの全部斬る?」
「ベルゼルガそれはダメだからね」
〈それなら〉
どうやって爆弾人形を見分けるかマゼンタ達が悩んでいるとギンガホーンが口を開く。
〈私達星獣なら人の生命の気配を探る事が出来る。人形は命が無いから判別する事が出来る〉
「そっか!前のダンジョンの時もさっきのアズール時もギンガホークやギンガルカは人形って見破ってたな」
「それなら私達とシオちゃんの誰かとペアを組んで3組で分かれて人形を止めていけば町の被害は何とか食い止められそうね」
〈ならば攻撃する時消耗が激しいベルゼルガと浄化と回復が出来るマゼンタ。万が一の爆発を防御できるサルファとスピードと攻撃に優れたイミタシオ。凍らせて人形の動きを止められるアズールと土の力で同じ事が可能なパンタノペスカで分かれた方が良いだろう〉
「そうやな。そのペアで行くか」
「あたしシオちゃんと一緒が良かった」
「わがまま言わないのベルゼルガ。ちゃんと阻止出来たら頭撫でてあげるから」
「え、なら頑張る」
「人形を作り出している魔人の居場所はヴァーツに探して貰いましょう」
「よーし、だったら皆頑張って阻止するよぉ!」
マゼンタの言葉に皆は頷くとそれぞれ三方向に町へ散開していった。
ナハトベース
「どーすんのベーゼちゃ~ん?」
その様子をナハトベースで見ていたレオパルトはベーゼに自分達はどうするかを聞く。
「・・・そうですね。あの爆弾人形がいてはわたし達が魔法少女と満足に戦う事が出来ませんし、かと言って判別は星獣がいないわたし達では難しい。ならばあの爆弾人形を作っている場所を探し出して破壊してしまいましょう!」
「おー!分かったよ~ベーゼちゃ~ん」
「まぁ今回はアンタに同意するわ」
「だなあの爆弾人形はヤバすぎる。けど何処を探すんだよ?」
「恐らくですが四つ先町かその隣町だと思います。あの爆弾人形を町に紛れ込ませているんです。必ず近場に生産工場の様な物がある筈です。何としてでも探し出しますよ」
――――――――
山中
「「見つけたのだわ恐らくアソコなのだわ」」
ネロアリス・ジャバウォックは人形達が出てきた茂みから道を辿っていくと洞窟らしき場所を発見した。
「「(念の為に中の様子も確認しておくのだわ・・・ん?)」」
ネロアリス・ジャバウォックは洞窟の中に入って進もうとした時、闇に紛れて足下に鳴子が仕掛けてあるのに気がついた。
「「危ない、危ないのだわ。まさかこんなマンガで見た事ある様な罠を仕掛けてあるなんて」」
そう言いながら鳴子の紐を避けて歩いて行くとやがて奥に大きな絡繰り機械とそれを操作している傀儡太夫と生産されている人形達を発見した。
「「(居たのだわ。後は洞窟から出て電波が入ってる所でうてな達に連絡を)「こりすー?此処に居るのー?キャア!?」!!?」」
ネロアリス・ジャバウォックはそのまま洞窟から出ようと踵を返した時母親の声が聞こえビクリとしたネロアリス・ジャバウォックは思わず変身を解きこりすに戻ってしまったのと同時に母親が紐に引っ掛かり鳴子がカラカラとなった。
「誰だ!!」
「・・・・!」
直ぐさまそれに反応した傀儡太夫がバッと振り向きこりすは慌てて逃げ出した。
「小娘見たな、生かしては帰さんヤートット!!」
「「「ヤートット!!」」」
傀儡太夫がヤートットを呼び出し追撃させこりすはそれを聞きながら必死に走り出口まであと少しの所でこりすの母親が居た。
「あ、こりすこんな所に居た・・・の」
洞窟の向こう側から慌てた様子で走ってくるこりすを見つけホッとした様子を見せるがこりすの後ろから追いすがって来るヤートット達に顔を引きつらせた。
「こりす!しっかり掴まっててね!」
こりすの母親は慌ててこりすを抱きかかえると急いで走り出し洞窟から脱出して逃げるがヤートットはそれを追って来る。
「・・・・・」
(こりすちゃん・・・)
母親に抱きかかえられながらこりすは安易にトイレに籠もった振りをすれば誤魔化せると考え結果として母を危険に晒してしまった事を後悔しそれをリュックの中でマキナが心配そうにそれを見ていた。
四つ先町 町中
〈居た!ポストの傍を歩いているOLとバスに乗ろうとしている学生だ〉
「了解エヘヘ」
「分かったよぉ!」
ギンガホーンの指示でOLをベルゼルガが学生をマゼンタがそれぞれ手刀を当てると人形は歯車をまき散らしながら倒れ伏した。
〈サルファ!後ろ歩いてる作業員だ。イミタシオ!お前から見て右側を歩いてるカップルだ!〉
「コイツやな!」
「了解なの☆」
別の場所ではギンガホークが人間と人形を見分けて指示を出してサルファとイミタシオが爆発しないように加減して破壊していく。
〈アズール!アソコで止まっている五人組、腕を回そうとしているわ。自爆させてはダメ!〉
「えぇ、分かってるわ。雪花の息吹ー!!」
アズールが雪花の息吹を放ち、腕を回して自爆しようとしていた人形を凍らせると、近くに居た女性が悲鳴を上げた。
「キャアア!?マジアアズール何を!?」
「待ってこれには訳が!」
「落ち着いて下さいアズール様、慌てて言えば余計に誤解を招きますわ。落ち着いて下さいまし今凍らせた方々はバルバンの作った人形ですわ」
悲鳴を上げた市民にアズールが慌てて説明しようとしそれをパンタノペスカが落ち着いて諭すとハンマーを振るい凍った人形を砕くと辺りに歯車が散らばる。
「あ、本当だ・・・」
「この人形が今町を混乱させている爆発の原因ですから止めていますの。危ないから早く避難して下さいまし」
「は、はい」
パンタノペスカに言われ悲鳴を上げていた女性は落ち着きを取り戻してその場を離れていきそれを確認するとアズールはパンタノペスカに礼を言う。
「ありがとうパンタノペスカ。あなたが落ち着いて説明してくれたお陰でさっきの人に誤解されずに済んだわ」
「いえいえ起きなさらず。私も年上として少しは頼りがいのある所を見せたかったので」
「パンタノペスカ・・・」
〈すごく頼もしかったわパンタノペスカ!唯の変な人じゃ無かったのね!〉
「え?私ギンガルカ様にそう言う目で見られてましたの「キャアア!?」ッ」
そんな事を話していると先程の女性が逃げた方向に視線を向けるとそこに尻餅をついて後ずさる女性とヤートット達を引き連れたブドーが現れた。
「剣将ブドー推参。マジアアズール、パンタノペスカこれ以上の邪魔立ては許さん」
「ブドー!又現れたわね(アズール!)マゼンタ?」
ブドーが現れた事でアズールが剣を構えるとマゼンタから焦った声でテレパシーが入る。
「(大変だよぉ!今あたしとサルファの所にバルバンの戦闘員が大量に現れた妨害されてるんだよぉ!アズールの所は大丈夫なのぉ?)」
「(こっちも似た様な物よブドーが現れたわ。マゼンタ大変だと思うけどベルゼルガと強力して戦闘員に対処しながら何とか爆弾人形の自爆を阻止して。サルファにもそう伝えてくれる?私もなるべく早くブドーを倒して人形を止めていくわ)」
「(アズール!!)」
マゼンタとのテレパシーを斬るとアズールは胸元の変身アイテムに手を当て真化星獣モードになると強化星獣剣と羽衣・白藍・剣乃型を構える。
「ほぉ、今度は二刀流か。だがその程度でこのブドーやられはせん」
「言ってなさい。速攻で片を付けてあげるわ」
そう言うとアズールはブドーに斬り掛かっていった。
来週はGWで旅行に行くので更新はお休みさせて貰います。