「何だトマトの物の怪か!?」
砲烈道は突如現れたトマトの魔物に戸惑い真化アズールは逆に青ざめた顔になる。
「うっトマト・・・」
〈アズール顔色が!!〉
そんな真化アズールの反応をベーゼ・クヌムは目敏く見つけると楽しそうな笑みを浮かべる。
「おやぁ?マジアアズールあなたもしかしてトマトが苦手何ですか?だったら丁度良いあなたもタコに襲われたサルファの様に私を楽しませてくださいね♡」
トマーーー!!
ベーゼ・クヌムがそう言って支配の杖を向けるとトマト魔物は特徴的な鳴き声を上げながら真化アズールや砲烈道の方へ向かって行く。
「うおぉおお!?こっち来るな魔人炸裂「邪魔させねーよ!」ぬがぁ」
砲烈道が近づいてくるトマト魔物を迎撃しようと手杵を構えようとするとそうはさせんとレオパルト・セクメトが魔力弾を乱射し妨害しその隙にトマト怪人は蔓を伸ばしアズール達を絡め取ってしまう。
「ア”---!!トマトの樹特有の青臭い匂いがーー!!」
〈アズール真化星獣モードが解けてる!何とかしないと・・・この蔓ッ魔力を纏っているのか霊体化出来ない〉
「ヌォオオオ!邪魔な蔓めぇ!!」
「あぁ♡余計な者も絡まってますがアズールがトマトの匂いに悶えながら体が蔓に絡まってたわわな胸が強調されてとても良い♡・・・おやあれは」
トマト魔物に捕まり蔓で縛り上げられ真化星獣モードが解除されたアズールの姿を嬉しそうにベーゼ・クヌムが見ていると遠くの方から砲烈道の攻撃から回復したマゼンタとサルファが星獣達と共に此方に飛んでくるのが見えた。
「おやおやおやぁ♡これは丁度良い所に来てくれましたね。マゼンタとサルファもアズールの仲間入りをさせてあげましょう」
「お~ベーゼちゃん悪い顔~」
――――――
〈何だあの化け物!?〉
マゼンタとサルファの怪我を治し砲烈道が向かったと思われる農園に向かっている所、視線の先に見えるトマト魔物にギンガホークは驚いた声を上げる。
「何ってアズールやギンガルカと後砲烈道って奴を捕まえてる所を見るにマジアベーゼの作った魔物やろ」
「アズールが嫌いなトマトに絡まって苦しんでるよぉ早く助けないとぉ」
「分かっとる速攻であの魔物倒すで真化星獣・・・」
「「させないのだわ」」
サルファとマゼンタが真化星獣モードになろうとした時ネロアリス・ジャバウォックが上から奇襲を仕掛け妨害する。
「ネロアリス!」
「「変身妨害は悪いと思うけどあなた達が真化されたら流石にあの魔物では厳しいのだわ」」
そう言いながらネロアリス・ジャバウォックが飛び退くと彼女の影に隠れていた蔓がマゼンタとサルファに絡みついていく。
「しまった!クソッこの蔓、トマト臭い上にどこ弄ってんねん!!」
トマートーー!!
トマト魔物はマゼンタ達を蔓で縛り上げながら蔓に生えた巨大トマトを押しつけていく。
「やだぁ、そんな物押しつけないでよぉ・・・」
〈マゼンタ!〉
「ムガ、この変な物押しつけんなぁ、ワブ」
〈サルファ!顔がトマトで真っ赤に!?〉
「ムゴォーー!?ンンンーー!!」
〈アズール、顔色が〉
「嗚呼~~~!素晴らしい~~!!久しぶりにトレスマジアのあられもない姿を見れて最高な気分でアイタァ!?」
そう笑みを浮かべながらアズールを煽っている途中に下から石が飛来しベーゼ・クヌムの頭に直撃し変な声を上げてしまう。
「あー!!ベーゼちゃんの顔に石がーーー!!誰だ石投げやがったのわー!ってアイツは」
レオパルト・セクメトが切れて下に視線を向けるとそこには石を沢山抱えて腕を振りかぶっている高田 真莉愛の姿があった。
「このエノルミータ!よくもおばあちぁんのトマトをあんな姿に!」
そう言いながら高田はベーゼ達に石を投げまくる。
「ちょ、やめ、イタ、イタイ!高田さん意外と肩の力強!?」
「「この人ちょっと怖いのだわ」」
「テメー人に石投げるなんてダメだって教わんなかったのかよー!?」
「人のトマト化け物にした悪の組織が言う事かーー!!」
そう叫びながらベーゼ達に投石を続ける真莉愛に捕まっているマゼンタ達が呆然とした様子で見ていた。
「あれって高田さん避難してなかったのぉ?」
「ぺっぺっ、高田の奴何やっとんねん。今はベーゼ達が勢いに押されて呑まれてるけど冷静になられたら一般人の高田がヤバイ」
「うぅ、早くこの拘束を解いて高田さんを避難させないと」
マゼンタ達がそう言いながら何とか拘束を解こうとする中半ば忘れられた砲烈道が何とか手杵を持った片手の解いて銃口をトマト魔物の頭に向ける。
「このぉ、よくも拘束してくれたなモビーディグを呼ぶ餌になれ魔人炸裂弾改!!」
トマーーー!?
砲烈道の放った腐らせる銃撃を受けたトマト魔物は悲鳴を上げると顔や体を腐らせて崩れ落ちる。
「あー!折角良い感じにトレスマジアを縛っていたトマトがー!!で、ですがまだトマトはあります。いきなさいトマト達」
そう言ってベーゼ・クヌムは新たなトマトを取り出してトマト魔人を複数作り出した。
トマーーー!トマーーー!トマーーー!
「これ以上あなたが居てはトレスマジアと遊ぶ事が出来ません。此処で倒されなさいバルバン」
「ほざくな、そのトマトの物の怪ごと纏めて片付けてくれるわ魔人炸裂弾改!」
「させませんよメナスアイ!」
「ぶっ殺サーキュラー!」
「「ぶった斬るのだわ」」
ベーゼ達がトマト魔物と共に砲烈道に攻撃を仕掛ける中、真莉愛は怒りを込めて睨み付ける。
「アイツ、又おばあちぁんのトマトを!・・・え」
「せりゃ!」
トマ!?
真莉愛は再びベーゼ・クヌムに石を投げようとした時砲烈道がトマト魔物に生っていたトマトの一つを殴り飛ばしそのままトマトが真莉愛に直撃してトマトの果汁で真っ赤になる。
「うぐ・・・・トマト・・・」
トマトの果汁を浴びた真莉愛は顔を真っ青になって倒れそれを腐って倒れたトマト魔物から脱出したマゼンタ達が見つける。
「高田さん!」
「アズール、高田を連れて安全な場所に避難させぇ!ウチはマゼンタと一緒にエノルミータとバルバンを潰す」
「分かったわ気を付けてね2人とも」
「高田さんの事よろしくね。唸れ星獣モード!」
マゼンタとサルファは星獣モードになるとベーゼ達と砲烈道との戦いに介入しアズールは気絶した高田を抱えその場を一旦離れていった。
――――――
「高田さん、大丈夫?」
「はい・・・ありがとうございます。アズールさん」
アズールは気絶した高田を安全な場所まで連れ介抱したお陰で気絶から覚め居心地が悪そうにしながらアズールに礼を言う。そんな中ギンガルカが言いづらそうにしながら質問する。
〈高田さん、さっきのあなたの様子もしかして・・・〉
「・・・えぇそうですよ。私もトマトが嫌いなんですよ・・・」
ギンガルカの質問に真莉愛はバツが悪そうにしながら答える。
〈でもトマトジュースは平気そうに飲んでいたわよね?〉
「加工したり、調理したトマトは我慢すれば何とか食べられるんです。でも生のトマトが駄目なんですよ・・・えぇ、えぇさぞ無様でしょうね!散々あなた達に偉そうな事言っておいて生のトマト一つ食べられない女で!!」
〈私は別にそこまでは・・・〉
「嘘です!あなた達は絶対私の事内心小馬鹿にッ」
逆ギレする様に叫ぶ真莉愛にアズールは真莉愛の両肩をガシッと掴み真剣な表情で見据えると真莉愛は怯えて口を閉じた。
「高田さん」
「な、何ですか」
「高田さんはトマトが嫌いなのに何でそれを隠してまで食べていたの?」
「それは・・・トマトはおばあちぁんが昔から頑張って作っていた野菜だからそれを食べれないって言っておばあちぁんを悲しませたくなかったから・・・」
「そう・・・高田さん私はあなたの事を無様とは全く思わないわ」
「へ?」
「だってあなたは嫌いなトマトをおばあさんを悲しませたくないって理由で頑張って食べようと努力していたじゃない、全く食べられず努力しなかった私とは大違いよ尊敬するわ」
「そんな事」
「いいえそんな事あるわ。だから私もあなたの様に頑張ってみるわ。そこで待っていてね今度は勝手に出てはダメよ」
「は、はい・・・」
アズールは真莉愛に大人しくしている様に言うと戦っているマゼンタとサルファに合流すべく走り出した。
――――――――
「魔人炸裂弾改!」
トマーーー!?
砲烈道の攻撃を受け又トマト魔物が腐り地面に倒れ伏す。
「クソッなんて匂いや、はよベーゼ倒さんと砲烈道にどんどん腐らされて魔獣を呼び出す温床にされてまう、そこどけオラァ」
「うるせー誰がベーゼちゃんを倒させるかよー魔獣とかが出る前にお前等とバルバン倒したらーー!」
〈お前等なんかにアイツが倒せる訳ねーだろうが〉
そう言いながら真化サルファとギンガホークがレオパルト・セクメトが戦う中、真化マゼンタは砲烈道、ネロアリス・ジャバウォック、マジアベーゼ・クヌムとトマト魔物との乱戦に入っていた。
「やぁあああ!闇を貫けー!!」
「何の」
「「貰ったのだわ」」
真化マゼンタの伸ばした獣撃槍の槍先を砲烈道が弾き返し、その隙を突きネロアリス・ジャバウォックが背後に回り込み砲烈道に攻撃を仕掛ける。
「甘いわ魔人強烈砲!」
「「!!」」
だが砲烈道はネロアリス・ジャバウォックを見る事無く強烈砲の砲身を向け発射し、ネロアリス・ジャバウォックはそれを4刀で防御して防ぐが4刀が全て砕かれてしまった。
「むむ、手強いですねあの魔人ならばもう少し魔物を増やして数で対抗しますか「雪花の息吹ー!」ッ来ましたか」
ベーゼが更に魔物を増やそうとした時、トマト魔物の一体が凍り付きベーゼ・クヌムが視線を向けると此方に向かって飛んでくる真化アズールの姿があった。
「マジアアズール、随分早かったですね。ですがバルバンは私達が倒させて貰いますよ、あなたには嫌いなトマトで悶えて貰いましょうか」
トマーーー!
ベーゼ・クヌムがそう言うと残った最後のトマト魔物が腕に大量のトマトを生やしそれを散弾銃の様に発射し、アズールにぶつけてきた。
「「〈〈アズール!〉〉」」
飛ばされたトマトはアズールに命中し果汁まみれにするが真化アズールはそれに怯む事無くスピードを上げる。
「はえ?」
「苦、手じゃない、苦手じゃない・・・高田さんのおばあさんの作ったトマト嫌いになんかならないわよハァアア!雪花両断!」
「ッ」
トマッ!?
そのままアズール進路上にいるトマト魔物とベーゼ・クヌムに自身の魔力を纏わせ攻撃範囲を伸ばした星獣剣を一閃してトマト魔物を完全に凍らせ、トマト魔物を盾にして直撃を躱したベーゼ・クヌムの一部も凍らせて撃破しそのまま砲烈道に向かう。
「砲烈道覚悟!」
「舐めるな撃ち落としてくれる魔人強烈砲!」
砲烈道は飛んでくる真化アズールを撃ち落とそうと魔人強烈砲を発射するがそれに対し真化アズール羽衣を展開して強烈砲の爆風を受け止めるとそのエネルギーを羽衣に回す。
「何!?」
「雪花大切断!!」
そのまま真化アズールは羽衣に更に自身の魔力も上乗せして砲烈道に向けて一直線に伸ばして振り下ろした。砲烈道は咄嗟に手杵を構えて防御するが手杵がそのまま両断され直撃し、大爆発を引き起こした。
「グァアアア!?」
「正義は必ず勝つのよ・・・」
その様子をベーゼ・クヌムは凍り付いた腕を押さえながら恍惚とした様子で見ていた。
「素晴らしい・・・まさかこんな短期間でトマトを克服してここまで強くなるとは、今日はこの辺りで引くとしましょう」
ベーゼ・クヌムはそう言いながらゲートを開いてレオパルト・セクメトとネロアリス・ジャバウォックを連れて撤退する中、砲烈道は立ち上がりバルバエキスを取り出す。
「バルバエキス!せめて最後のご奉公」
バルバンの魔人はバルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは自らの命を縮める正に最後の手段なのだ!
『ヌオオォォォ!』
「来たわね、2人ともここは私が行くわ」
「了解や、でも援護にウチも行かせてもらうで」
「えぇお願い、行くわよサルファ」
「「マジアエキス!」」
魔法少女はマジアエキスの力で巨大化する事が出来る。だが巨大化出来る時間は僅か5分なのである!
『『はあぁぁぁ!!』』
砲烈道は手杵を失い素手の状態になるがそれでも怯まずに突進を仕掛ける。
『ウォオオオ!』
『舐めんな!カウンター決めたるわ』
真化サルファは突進してくる砲烈道に獣槍の爪を振り上げようとした時地響きが響きバランスを崩してしまう。
『うわ、この地響きは?』
〈しまった。サルファ魔獣が来るぞ!〉
『隙あり!』
ギンガホークの言葉を聞きサルファを注意が逸れたのを見逃さず砲烈道は体当たりでサルファを吹き飛ばす。
『カハッ』
「サルファ!」
〈マゼンタ、サルファの心配も分かるが先に浄化を〉
「ッ分かったよぉ」
『やらせるか』
『やらせないわ雪花の息吹ー!』
砲烈道がマゼンタの浄化を阻止せんと踏み潰そうとするがその前にアズールが雪花の息吹で砲烈道を吹き飛ばす。
『ヌォオオ』
〈アズール今よ!〉
『えぇ、雪花凍牙刃!』
砲烈道が吹き飛び倒れた隙を狙いアズールが星獣剣にアズールの魔力とアースを込めてオルカの形の斬撃として放ち、そのまま砲烈道に直撃し凍り付かせた。
『砕けなさいバルバン』
そう言ってアズールが指を鳴らすと凍り付いた砲烈道は粉々に砕け散り、時を同じくしてマゼンタも地面に浄化のアースを放っていた。
ブォオオオ!?
浄化のアースを流されたモビーディグは悲鳴を上げながら又潜っていった。
〈ダメだ又逃げられた〉
「うぅ、悔しいよぉ・・・」
荒くれ無敵城
「砲烈道、仇は必ず取ってやるぞ」
――――――――
「すいませんでした」
バルバンとの戦いが終わり、その後撮影も無事終わった時、高田 真莉愛がアズールの前で深々と頭を下げた。
「私アズールさんの事、ガッカリだって言って模範的な魔法少女じゃないって思っていましたけどアズールさんは嫌いな物も克服出来るすごい魔法少女でした」
「そ、そんな事無いわよ。高田さんのあの姿勢があったからこそ私も克服しようと思ったのよ、高田さんのお陰で私も成長出来たのよ」
「!ありがとうございます。アズールさん私もアズールさんみたいにちゃんと生のトマトも食べられる様にします!」
「えぇお互い頑張りましょう」
そう言って真莉愛に笑顔で答えるアズールにサルファはからかう様な表情でアズールを見る。
「へ~アズール、トマト食べられる様になったんか。だったら今度は美味しいトマト料理の店一緒に行こか」
「そうだよぉアズール!嫌いなトマトを克服出来たなら行けるよぉ」
からかうサルファとそれに乗るマゼンタに対しアズールはややジト目になる。
「あなた達ね、そう言うならあなた達も嫌いな物を克服しなさいよね、サルファあなたはタコ以外に酢の物が苦手だったし、マゼンタはきな粉が苦手だったわよね。私も苦手が克服出来たんだからあなた達もやって貰うわよ?」
「「うっ」」
アズールの反撃に2人は思わず呻き、それに同調する様にギンガホーンとギンガホークも口を開く。
〈それもそうだな。アズールも出来たんだしサルファも克服しねーと格好つかねーぜ〉
〈うむ、アレルギー出ないなら少しでも食べられる方が良いな、私も手伝ってあげよう〉
「あ、いや・・・あ!そうやこれから用事あったんや。この話は又今度な」
「あっ待ってよサルファー!」
「あ、こらあなた達ー!」
誤魔化す様に逃げる2人にアズールは話は終わってないと言わんばかりに追いかけていった。