魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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第121話 背水5

荒くれ無敵城

 

 

「急げ!モビーディグを今度こそ手に入れるぞ!」

「了解!」

 

 氷度笠の狼煙を受けたゼイハブは荒くれ無敵城を浮上させ一刻も早くたどり着かんとシェリンダを急かしていた。

 

 

 

 

???

 

 

「ヴェナさん私達はどうしますかぁ?」

「まだ介入はしなくていいよ、バルバンの奴らが魔獣を完全に操れたのを確認してから城に侵入すればいい。その為の準備はもうしてあるからね焦る必要は無いよ」

「そうですかぁ・・・所で彼女達は使うんですか?」

「そうだね、折角だし性能試験と行こうかいつでも呼び出しておける様にはしておくよ」

 

 

 

七ノ浜町 浜辺

 

 

「見つけたモビーディグだよぉ!」

 狼煙の上がっている場所へマゼンタ達が向かうとそこには倒れて眠っているモビーディグと近くで警戒しているとおぼしき氷度笠が居た。

 

「来たなマジアマゼンタ。フッフッフッ!」

 

 マゼンタ達が飛んでくるのが見えた氷度笠が眠らせようと楊枝を吹くがそれに当たる前にアズールが前に出て楊枝を凍り付かせる。

 

「何!?」

「その攻撃はイミタシオから聞いたわ!真化星獣モード!!」

 

アズールは真化星獣モードになると星獣剣を構えそのまま氷度笠に降下しながら斬りかかり、さらにサルファも真化星獣モードになってそれに加わった。

 

「むぉ!」

「マゼンタ、コイツは私達が抑えるからモビーディグを!」

「今日でバルバンの企みを終わらせるんや!」

「分かったよぉ!」

 

 真化アズールが氷度笠を抑えている隙を突いてマゼンタが眠っているモビーディグを倒そうと近づいていく。

 

「おのれ!行かせぬ、せぁ、はぁ!」

「キャ!?」

「くっ」

 

氷度笠はアズールを蹴り飛ばしサルファを切り飛ばすとマゼンタに近づき斬りかかるがその直前にルベル・アヌベドが到着し影手裏剣を投擲して動きを妨害する。

 

「行かせるかよ。お前を倒すのは俺なんだよ!」

「邪魔を」

「私もいるの☆」

「覚悟するのだわ」

 

 そこへ更にイミタシオとマキナも氷度笠の抑えに加わり氷度笠の動きを完全抑える。

 

〈今だマゼンタ)

「うん!浄化のアー「邪心両斬!!」ッ」

 

 だがマゼンタが浄化のアースを放とうとした時、怒濤武者が到着しマゼンタに攻撃を仕掛け妨害する。

 

「ルベル、アイツ」

「クソッあと少しだったのに」

「余所見をしている暇があるのか」

「うわっ」

 

「サルファ」

「分かってる、ウチらであの武者魔人を」

「皆様ブドー達が来ましたわ!」

 

アズールとサルファが怒濤武者を抑えに向かおうとしようとした時遅れてやって来たパンタノペスカがブドー達の接近を知らせると同時にブドー達も浜辺に到着する。

 

「御大将、どうやらモビーディグは無事に眠っているようです」

「うむ、闇丸、鬼丸お主達は氷度笠の援護に迎え!拙者は怒濤武者の助太刀に向かう」

「「ハッ」」

 

「ペスカ!お前はマゼンタの援護に向かい!ウチらはブドーを抑える」

「了解ですわ」

 

 ブドーは闇丸と鬼丸にそう指示を出すと自らはギラサメを抜き怒濤武者に向かおうとするパンタノペスカを守るアズールとサルファに攻撃を仕掛ける。

 

「ハァ!」

「クッ、ブドー!」

「これ以上お前らの思い通りにさせるかい!」

 

 サルファは強化獣装の爪でブドーの攻撃を防ぐとそのまま攻撃を仕掛けブドーはそれをギラサメで防御する。そこを横合いから真化アズールが攻撃を仕掛ける。

 

「ブドーお前は」

「今日ここで倒す!」

「・・・やられはせぬ」

 

 

-------

 

 

「ずぇりゃあ!」

「うっ」

 

隙を突きマゼンタは真化星獣モードに変身し怒濤武者と戦うがそれでも尚怒濤武者との力の差は圧倒的だった。

 

「せやっ!」

「ふん」

 

マゼンタが獣撃槍で突きを放つが怒濤武者はそれを片手で受け止め脇で挟んで固定するとそのまま頭をかち割ろうと刀を振り下ろす。

 

〈マゼンタ!〉

 

ギィン!!

 

 その攻撃を変身アイテムから飛び出したギンガホーンが角で受け止めそれを防ぎ、その隙にマゼンタが獣撃槍にアースを流し込むがそれを喰らう前に怒濤武者は手を離し距離を取る。

 

「ちぃしぶとい」

「ギンガホーン大丈夫?」

〈あぁ、だがやはり本物の四将軍かなりの力だ。砲烈道や砂爆盗とはまるで違うぞ〉

「当然だ。俺は四将軍最強の怒濤武者だぞ!この俺がいる限りモビーディグはやらせんぞ

邪心両斬!」

「やらせませんわ!」

 

 そう言って怒濤武者は必殺の斬撃を放つがその前にパンタノペスカが土の壁を展開しマゼンタとギンガホーンを守る。

 

「パンタノペスカ助かったよぉ!」

「いえいえお気になさらず・・・とはいえ私が加わってもあの方に勝てるかどうか」

「次から次へと鬱陶しい!船長達が来るまでに片付けてくれる!」

 

 

------

 

 

「氷度笠!此奴らは我が抑える故」

「お前は早くそいつを殺せ!」

 

「クッ面倒な」

「ルベル!」

 

 イミタシオとマキナは闇丸と鬼丸と戦い分断されてしまいルベル・アヌベドは1人で氷度笠と戦う事になってしまう。

 

「終わりだ貴様一人でこの氷度笠に勝てると思うな」

「舐めんなテメエを倒してロコ達を起こしてやる」

「ほざくな、ハァ!」

「うぉわ!?」

 

 氷度笠は奇襲で道中合羽を投げつけルベル・アヌベトは視界を塞がれ何とか外そうと悪戦苦闘し、その隙を突き氷度笠が斬り込んでくる。

 

「死ね!」

「ッそこか!」

 

 ルベル・アヌベド視界を塞がれながらも声と足音を頼りにお尻付近に付いたベルト飾りを操り刀を持っている腕に絡めて攻撃を止める。

 

「何!」

「おりゃあ!」

 

 そのままルベル・アヌベドはベルト飾りで氷度笠を引っ張り無理矢理距離を取らせその間に視界を防いでいた道中合羽を剥ぎ取る。

 

「今度はこっちの番だ。影手裏剣」

「効かぬわ!」

 

ルベル・アヌベドが投げる影手裏剣を氷度笠は全て叩き落としてしまいそれを見てルベル・アヌベドは舌打ちをする。

 

「チッやっぱこの程度の攻撃は防がれるか。どうすればアイツを倒せ・・・な」

 

 ルベル・アヌベドがどうすれば良いかと思案しているとふと海の方から何か音が聞こえ目だけを横に動かすと荒くれ無敵城が向かってくるのが見えた。

 

「おぉ、来たか荒くれ無敵城」

「なっ!もう来たのか」

 

〈マゼンタ!破滅の意思の気配がするぞ!〉

「そんな!まだ魔獣を浄化出来てないのに」

「あわわ、やっべぇですわ!」

「来たか!これで我らバルバンの宿願が叶うぞ!」

 

 

 荒くれ無敵城が向かってくるのを別の場所で戦っていたブドーやアズール、サルファもそれが見えており、ブドー達は歓喜の声を上げ逆にサルファ達は驚愕の声を上げた。そうしている内に荒くれ無敵城は眠っているモビーディグの頭の上に着陸し接続してしまう。

 

「クソッタレ!こうなったら城を先に破壊して」

「行かせぬわ」

 

真化サルファは先に城の破壊をしようとするがブドーが斬撃波を放ち城に近づかせない様にする。

 

〈サルファ!こうなったら俺とギンガルカが実体化してブドーの足止めをする。サルファ達はその間に城かモビーディグを倒してくれ!!〉

「それはあかん!ブドーがあの眠り薬を持っていたらギンガホーク達が眠らされてそのまま斬り殺される可能性がある!」

「そうよ!そんな事でギンガルカ達を死なせなくは無いわ」

〈だけどそれならどうすれば・・・〉

「まだ手はある!あのクラゲ笠が魔獣を眠らせたんならそいつを倒せば捕獲は出来んはずや、癪やけどあのルベルブルーメに任せるしかない。頼むでルベルブルーメ」

 

 

------

 

 

「そらぁ!」

「ッ」

 

 氷度笠の横薙ぎの剣筋をルベル・アヌベド紙一重で避けそのまま牽制で足下の影を伸ばして攻撃するもそれも弾かれてしまう。

 

「無駄な足掻きをするな死ぬのが苦しむだけだぞ」

「好き勝手言うんじゃ、ねぇ影盾!」

 

 ルベルは自分が見えなくなるほどの大きさの影盾を前面に出すがそれも氷度笠は一閃して切り捨てる、がそこにルベル・アヌベドの姿はなかった。

 

「!?何処に行った?」

 

(貰った!)

 

 氷度笠が辺りを見回している隙を突きルベル・アヌベドは空中から武器を構えて急降下する。

 

「ッ上か!抜刀無惨切り!!」

 

 だが直ぐに上に居ると気づき氷度笠はそのまま空中に居るルベル・アヌベドに向かい必殺の斬撃を放ち両者はそのまま交差しルベル・アヌベドが地面に着地するとズルリとルベルの上半身と下半身が泣き別れをする。

 

「ルベル!!」

「おぉやったか氷度笠」

「お前達も後を追わせて「いや、アイツの勝ちだ」何!?」

 

 イミタシオがルベル・アヌベドの勝利を確信したのを証明する様に続いて氷度笠がドサリと倒れ、二分割されたルベル・アヌベドが影になって溶けていき、その後氷度笠の影から短剣を構えたルベル・アヌベドが現れた。

 

「まさか・・・分身とは・・・」

 

「「氷度笠!!」」

 

「何だと!?」

 

「馬鹿な!」

 

「どういうことなのだわ?」

 

ブドー達が驚く中マキナはどうやって勝ったのか分からず思わずイミタシオに質問する。

 

「簡単だ。さっき影の盾を張った際、視界から見えなくなった瞬間自分の影分身を作り、自身は氷度笠の影に潜り込み、分身を上に飛ばして囮にして囮を攻撃した瞬間にアイツが影から氷度笠を攻撃したんだ。全くアイツらしい影に隠れた戦い方だ」

 

「へっ、悪く思うなよ。生憎俺は悪の組織の人間だからな正々堂々なんて柄じゃないんだよ」

「おのれよくも氷度笠をハァー!!」

「っと危ねぇ」

 

 氷度笠を倒された事に激怒した怒濤武者は斬撃波をルベル・アヌベドに放ち遠ざけると急いで倒れた氷度笠の元に駆けつける。

 

「おい、氷度笠!大丈夫か?」

 

怒濤武者が必死に氷度笠に呼びかけると氷度笠は傷口を押さえながら立ち上がる。

 

「グッ、おのれ、まだモビーディグを手に入れるまでやられる訳にはいかん・・・バルバエキス!せめて最後のご奉公」

 

バルバンの魔人はバルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは自らの命を縮める正に最後の手段なのだ!

 

『おぉおおおおお!!』

 

「デカなりおったな」

「サルファ、ここは私が行くわ。多分私が一番相性が良いはずよ」

「分かったわ、けどウチも援護するわ。マジア・・・」

「悪いな借りるぜ」

 

 そう言って真化サルファはマジアエキスを取り出して飲もうとするがその前にルベル・アヌベドが奪ってしまう。

 

「あ、ルベルブルーメなにすんねん!」

「アイツを倒したいのはアンタらだけじゃないんだよ。倒すの協力させて貰うぜ」

「んなこと「サルファ、言い争ってる時間は無いわ。邪魔しないというなら手を貸して貰いましょう」~~分かった。けど貸すからにはちゃんと倒しや!」

「分かってるって、それじゃよろしく頼むぜマジアアズール」

「えぇ」

 

「「マジアエキス!!」」

 

 魔法少女はマジアエキスの力で巨大化する事が出来る。だが巨大化出来る時間は僅か5分なのである!

 

 

『『ハァアア!』』

 

 巨大化した真化アズールとルベル・アヌベドは仲間を巻き込まない様に場所を移し氷度笠も同様に場所を移して対峙する。

 

『喰らえ!』

 

 氷度笠は真化アズール達目掛けて再びクラゲ笠を投げつける。

 

『同じ手を二度も喰らうか影手裏剣!』

 

ルベル・アヌベドは影手裏剣を投げつけ撃ち落とそうとするがクラゲ笠はそれをヒラリと躱しさらに浮かび上がりアズール達の頭上を取る。

 

『何?』

 

『ヤバい、これは』

 

『秘技夢氷!』

 

 真化アズールが怪訝に思っているとクラゲ笠はそのまま回転しアズール達の頭上に眠りの針の雨を降らせてきた。

 

『アズールこの針を喰らったらヤバいぞ!!』

 

『ッ吹雪の羽衣!』

 

 ルベル・アヌベドの警告を聞き真化アズールは咄嗟に羽衣を上に展開して氷の力を放ちクラゲの針を凍らせるが針は次から次へと降り注ぎ真化アズールの動きを封じる。

 

『く、ぅ・・・・』

 

『貰った!』

 

その隙を狙い氷度笠が斬り込みそれを阻止せんとルベル・アヌベドが氷度笠と斬り合う。

 

『愚かな正面からの斬り合いで勝てると思ったか』

 

『思わねぇ!けど時間は稼げる』

 

『ルベルブルーメ!!』

 

 氷度笠との斬り合いで押されつつあるルベル・アヌベドを見て真化アズールは思わず悲鳴を上げるがクラゲ笠の針に妨害され身動きが取れず歯噛みするしかなかった。

 

『どうすれば・・・〈アズール!今こそ私が助けるわ〉ギンガルカ!』

 

 変身アイテムから飛び出て実体化したギンガルカは今だ針の雨を降らせるクラゲ笠を睨み付ける。

 

〈これ以上アズールを拘束させないわ。激流の波ーー!!〉

 

 ギンガルカは鉄砲水を彷彿させる激流は発生させクラゲ笠を飲み込みそのまま吹き飛ばしてしまい、それにより真化アズールは動ける様になった。

 

『何!?』

 

『今だマジアアズール!抑えろ影犬!』

 

 氷度笠が動揺した隙を狙いルベル・アヌベドが影犬を召喚しそのまま氷度笠の足に噛みつかせ動きを封じた。

 

『ぐがぁ!』

 

『ナイスよルベルブルーメ。雪花凍牙刃!!』

 

『うぉおおお!!』

 

 真化アズールは拘束した氷度笠目掛けて雪花凍牙刃を放ち、氷度笠を凍り付かせやがて細かい氷の粒になって砕け散っていった。

 

 

七ノ浜町 

 

 

「・・・うぅん、あれシオちゃんは?」

 

 

「ふぁあ・・・何かすごく寒い夢を見ていた様な・・・」

「うてなちゃん、ここ何処よ~?」

「てかネモ何処よ~」

「・・・・・?」

 

 氷度笠が倒された事によって七ノ浜町で眠らされていた人達や蘭朶、うてな、キウィ、こりすは次々目が覚めると何事かと辺りをキョロキョロ見回していく。

 

「あ、そーだ変な空飛ぶクラゲに眠らされたんだ。うてなちゃん多分この町にもバルバンが居たんだよ~」

「う、うん。そうみたいだね急いで変身して探そう」

 

 そう言ってうてなが変身アイテムを取り出した時すさまじい地響きが起こった。

 

「何地震!?」

「うぇ、うてなちゃん何これ!?」

「わ、分からない・・・こりすちゃんこっちに!」

「・・・・・!」

 

 

七ノ浜町 浜辺

 

 

「氷度笠、お主の稼いだ時間無駄では無かったぞ・・・」

「御大将これはもしや!」

「あぁ、成功だ。モビーディグは我らバルバンの掌中に落ちたぞ!」

 

 ブドーの勝利宣言に答える様にモビーディグはゆっくり目を開けるとその目は赤く染まり大きく遠吠えを上げた。

 

ブォオオオ!!




今回で魔獣成体編が終わり次回で最終章が始まります。
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