「破滅の意思だと・・・?」
『そうとも、三千年前にこの星に降り立ちこの星の戦士達と相打ちになったが意識だけ残り力を貯めようやくモビーディグと言う新たな肉体を得る者の名よ』
「何をふざけた事を姿を見せろ!!」
『これはおかしな事を我は既にお前らの前に姿を現しているぞ』
(?もしかしてあの操舵輪に破滅の意思とやらが取り憑いているのか?)
シェリンダの怒声に破滅の意思がせせら笑いながら答えそれを聞いてヴェナリータは操舵輪が破滅の意思なのかと考える。
「貴様まさかその舵輪が正体だと言うのか。どちらにせよ今この場で正体を表したのは迂闊だったなお前を先に始末してくれる!」
そんな中シェリンダは先手必勝とばかりに舵輪を斬りつけようと駆け出すが
『愚か者めが』
舵輪から緑色の光線が放たれシェリンダの体が貫かれる。
「ガハッ!?」
「シェリンダ!テメエ!」
『動くな』
光線に貫かれ倒れるシェリンダを見たゼイハブは激昂し攻撃しようとするが破滅の意思が動くなと言った瞬間、ゼイハブやブドー達がピタリと動けなくなった。
「何!?」
「体が」
「う、動けぬ・・・」
「何が起こったのだ!?」
「どうなっている!?」
「お、起き上がれない・・・」
『ハハハハ、本当に貴様らは滑稽な道化よ。我の手で復活させた事も知らずよく動いてくれた』
「!どういう意味だテメエ!!」
ゼイハブ達や倒れているシェリンダも動けなくなり、体が言う事を聞かない事に疑問が浮かぶ中、破滅の意思は聞き逃せない事を口にし、ゼイハブは思わず聞き返す。
『言葉通りの意味よ。貴様は不思議に思わなかったのか?なぜ貴様らバルバンがこの世界に復活したのか、なぜ星の命が無い貴様が星の命がある時と同等の力を振るえたのか。それはこの私がこの世界に貴様らを召喚し我が力の一部を貴様らに与えたからだ』
「何だと!」
『我は三千年前にこの星の戦士にやられ、体を失い意識だけになったがそれでも我は死なず力を蓄えると同時に平行世界を観測する力を得て我の新たな肉体を作れる存在を探す為にあらゆる平行世界を観測してきた。そして我を同じ存在であるダイタニクスを操り、地球魔獣を生み出した貴様らを見つけ我の力を分け与えて復活させた。最もその時に不確定要素になりかねん奴らは復活させなかったがな』
「裏切ったブクラテスや元星を守る戦士だったデギウスがいなかったのはそれが理由か・・・!」
『そうだ。奴らは計画が成功する前に魔法少女の側に着く可能性があったからな』
シェリンダがブクラテスが居なかった理由に気づくと破滅の意思がそれを肯定する。
『そして復活した貴様らをその力を通して新たな魔獣を作る様に思考誘導してやったのよ。ありがとうゼイハブお前達のお陰で我はこうして新しい肉体を手に入れ星獣達に復讐しこの星を滅ぼす事が出来る。そしてお前達は用済みよ我が手足になるがいい』
「テ、テメェ・・・」
「シスタ」
「はぁい」
勝ち誇る様に自身の目的と計画を話す破滅の意思にゼイハブは怒りを込めて睨み付ける中、蚊帳の外だったヴェナリータがボソリと囁くとシスタギガント・アマウネトは剣を伸ばし舵輪を突き刺そうとするが舵輪から光の盾の様な物が張られ防御する。
『何だ、死にたくなければおとなしくしていれば良い物を』
「そういう訳にはいかないさ。どうやら舵輪の君を壊して新しい舵輪に付け替えないと魔獣は操れない様だし、バルバンが動けなくなっているなら纏めて倒すチャンスだからね。
さっきのシェリンダの言葉を借りれば今この場で正体を表したのは迂闊だったね」
そう言ってヴェナリータが合図すると魔法少女達はバルバンに向かいシスタギガント・アマウネトは剣を巨大化させ舵輪に振り下ろし光の盾と再びぶつかり合う中、破滅の意思は慌てた様子も無い声を出す。
『迂闊なのは貴様らよ。我が舵輪だけだといつ言った』
ズズズズ
「「「「「!!」」」」」
破滅の意思がそう言うと同時に部屋の床が生き物の様に蠢きゼイハブ達に向かっていた魔法少女達の足を絡め取り動きを止める。
「なっ・・・」
バキンッ!
予想外の事にヴェナリータが硬直していると天井のシャンデリアの鎖が千切れ不自然な軌道を描いてヴェナリータに向かって落下しシスタギガント・アマウネトが間に入り腕を巨大化してそれを防ぐ。
「っ痛、痛いですねぇ」
「助かったよシスタ。しかし今床が波打ったしシャンデリアが不自然な落ち方をしたけどまさか・・・」
『そのまさかよ』
破滅の意思がそう言うと部屋の壁や床が一斉に襲いかかりヴェナリータ達を押さえ込んだ。
「グッ壁や床が襲いかかってくるなんて。破滅の意思やはり君の正体は舵輪じゃなくてこの城そのものなのか・・・・」
『ようやく気づいたか愚か者共め。そうよ我はこの城そのものよ、貴様らはこの城に入った時点で我が胃の中に入ったも同意義だったのよ』
「・・・・・・」
『おっと巨大化はさせんぞ』
シスタギガント・アマウネトが何かしようとするのを感じた破滅の意思は直ぐさまシスタやヴェナリータ、魔法少女達を黄色いクリスタルの様な結界に閉じ込め電流を流す。
「ぐ・・・・・!!」
「あぁあああ!?」
「「「「「わぁぁああああ!?」」」」」
『次におかしな真似をしたら黒焦げだぞ・・・しかし魔法少女と言ったかその力は有用そうだ。全ての事が済んだら貴様らも我が力の一部を埋め込み手足にしてやろう。それまで地下牢に入っていろ』
そう言うと床の一部に穴が開きシスタギガント・アマウネトと魔法少女達は穴へと落とされていき残されたヴェナリータは閉じ込めた結界ごとフワリと宙に浮くと近くブラックホールの様なゲートが開いた。
「何だ、あれは・・・?」
『さてヴェナリータとか言ったか?お前からは気に食わん匂いはプンプンするわ。お前は手足にする価値は無いがただ殺すのもつまらん、お前はこの平行世界を観測する力を得る時に同時に手に入れたこの次元の狭間に捨ててやるわ。永遠に次元の中を彷徨うが良いわ』
「それは何とも慈悲深い事だ涙が出そうだよ。だけどボクは永遠に彷徨う気は無いよ。必ず帰ってくるさ、最もその時は君は魔法少女やマジアベーゼに倒されているだろうけ『消えろ』
ヴェナリータが最後まで言い終わる前に破滅の意思は次元の狭間にヴェナリータを放り捨てて閉じると鼻を鳴らした。
『フンッ最後まで不快な気配だったわ・・・さて待たせたなバルバン達よ、これから貴様達に我が力を更に注ぎ込み完全な手足にしてやろう。何心配は要らん我が手足になれば一切の疑問も不満も感じず我の為だけに働く存在になる事が出来るからな、ではご機嫌よう』
そう言うと部屋の天井に紫電が走る巨大なエネルギー球が生成されゼイハブ達に降り注いだ。
「ク、クソォオオオオ!!」
ナハトベース
pipipipipi
「あ、わたしのスマホから着信が、誰だろう?・・・ヴェナさん?」
「ヴェナの奴から連絡来たのか~?何だろうな~」
「気になるわね、うてなスピーカーにして真珠達にも聞こえる様にしてくれない」
「う、うん」
真珠に言われうてなはスマホのスピーカーをオンにして通話ボタンを押すとスマホに話しかけた。
「もしもしヴェナさんどうしたんですか?」
【・ぁ、うてなどうやら・事繋がった様だ・・】
「ヴェナさん?どこに要るんですか電波状況がかなり悪いみたいですけど」
【ちょっ・・・・ってくれ今魔力を多・・・よしこれで聞こえるかい?】
「ヴェナさん一体どこに居るんですか?」
【あぁ、ボクは今ちょっと次元の狭間という所にいるんだ。今はこの特殊な魔力通信機で通信出来ている状態なんだ】
「「「「は?」」」」
「「・・・・?」」
ヴェナリータの突飛な発言にうてな達は一瞬ポカンとなるが直ぐにハッとなるとスマホに詰めかける。
「ちょっ次元の狭間とか何言ってんですかヴェナさん!?」
「何ネモみたいに厨二病みたいな事言い出してんのよ!どっか頭でも打ったの」
「おい!どういう意味だ真珠!」
「説明しろよ~ヴェナちゃんよ~」
【勿論さ、とりあえず時間が無いから落ち着いて聞いてくれると助かるね】
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「つまり話を要約するとヴェナさんは海の上を偵察していた魔物からバルバンの拠点を発見してそこに自ら侵入して偵察しようとしたら」
「バルバンがこの世界に現れたのは破滅の意思って奴の仕業でそいつが城に取り憑いてバルバンを復活させて」
「そのバルバンを利用して魔獣という新しい肉体を作らせてそれを乗っ取って更にバルバンも操ってこの星を滅ぼそうとしていて」
「でその時にヴェナが侵入したのがバレて結界に閉じ込められて異空間に飛ばされたって事~?」
【まぁそんな感じだね】
「・・・・・」
「すごいスケールの大きい話なのだわ」
数分後ヴェナリータの説明(虚実織り交ぜ)を聞きうてな達は半信半疑な表情を浮かべる。
「俄には信じがたいですが嘘とも言い切れないのが何とも・・・」
「でもバルバンの奴らが急に現れたのは破滅の意思の所為って言うのは嘘とは思えないわよ」
「だなじゃなきゃ辻褄が合わねぇよ。それに現実問題魔獣をどうにかしなきゃならないのは本当の事だろ」
「そ、そうだね・・・キウィちゃん、こりすちゃん。今のナハトスターで魔獣には勝てるかな?」
「難しいかな~やっぱセロテープ補修だけじゃナハトスターも十分な力は発揮できね~な~」
「・・・・・」
「こりすちゃんが言うにはナハトスターは半分魔物化してるから時間を掛ければ自然に怪我は治るって言うけど時間が足りないのだわ」
キウィやこりすの話を聞きうてなは困った様子で縋る様にヴェナに聞く。
「うぅ、ヴェナさんバルバンの拠点に侵入したルートは使えないんですか?」
【無理だろうね。侵入したルートはもう潰されているだろうしさっき言った様に奴らの城は今や破滅の意思そのものだ。君たちだけで侵入してもアイツの胃袋に入る様な物だ】
「じゃあどうするんですか・・・・」
【そうだね。勝算があるとすれば君たちエノルミータだけで挑むのでは無くトレスマジアやシオちゃんズと共にバルバンや破滅の意思と戦うべきだろうね】
「!!」
ヴェナリータのその言葉に頭を抱えて俯いていたうてなはバッと顔を上げる。
「・・・・ヴェナさん、わたしは悪の組織と正義の魔法少女はお互いの為に協力すべきでは無いと考えているのを知っていてそう言うんですか」
【あぁ、君のポリシーはよく分かっているよ。だけどうてな今回の敵は強大な上に君の大好きな魔法少女やこの星そのものを滅ぼそうとする存在だ。君のポリシーに拘って重大な局面で負けてしまえば魔法少女そのものが無くなってしまう。君はそれで良いのかい?】
「・・・・・・」
【うてな、君のポリシーも大事かもしれ無いけど本当に守りたい物があるならどうするべきか君なら分かるんじゃないかい?】
「・・・・・わたしは」
七ノ浜町 ビル屋上
「ふぅ、これで皆の怪我は治せたよぉ」
「お疲れ様ですマゼンタ。良かったらこれをどうぞ」
「わぁ!ありがとうヴァーちゃん」
仲間全員の怪我を治し終えたマゼンタは大きく息を吐いて座り込むと駆けつけたヴァーツが労う様にジュースの缶を渡しマゼンタはそれを嬉しそうに人で居る横でサルファ達は話し合いを続けていた。
「で、どうやってあの魔獣倒す?」
〈やはり鍵はマゼンタの浄化のアースだな。アレが無ければ魔獣は完全に消滅させる事は出来ん〉
「でも、あのモビーディグの穢れの息吹はマゼンタのアースを相殺してくるわ。確実に当てる為には隙を作るか弱らせる必要があるわ」
「だったら、あの頭に乗って操っている城を攻撃して破壊すれば動きを一時的に止まると思うが」
〈でも城にはあのバリアが張られてるのよそう簡単に破壊できないわ〉
「でしたら、何人かは巨大化せずにコッソリバリアの隙間から城に近づいてバリアの内側に入って城を攻撃するべきでしょうか?」
〈でもあのバリアに隙間があるのかよ?〉
「だったら、あたしやシオちゃんやペスカのエネルギー吸収のアイテムで無理矢理穴開けてみるけど」
〈確かにそれなら侵入できるが、城にはバルバンや潜んでいる破滅の意思が気配が居るからな。どこかに潜んで攻撃してくる可能性がある〉
〈それにあの強大なモビーディグを足止めするのに何人居るか、戦力をどの位分けるべきかしら〉
「「「「「〈〈〈う~~ん〉〉」」」」」
「おやおやお悩みのようですね。でしたら情報共有と協力といきませんか?」
「ッこの声は!」
魔法少女や星獣がどう作戦を立てるか悩んでいると頭上から声が聞こえ全員が上を向くとそこにはマジアベーゼを含むエノルミータの全メンバーが揃っていた。
オマケ 破滅の意思の目的
1.三千年の時間を掛けて力を貯めつつ、嘗ての自分を上回る新たな肉体を得るためにあらゆる平行世界を観測し自分の手駒になりそうな物を探し、その中で自分の波長に合うバルバンを見つける。
2.まず先に意識も無く取り憑きやすい物である荒くれ無敵城を復活させそれに自身を憑依させる(城を繋いでダイタニクスや地球魔獣を操っていたので新しい体を得るのに都合が良かった。)
3.次にバルバンを復活させる際に自身の力の一部を埋め込み時が来たら操れる様にすると同時に生き残っている可能性のある星獣達に自分の存在がバレない様に自身の力を隠蔽していた(ゼイハブには力の半分を注ぎ、生前の様な強大な力を得るが星獣達と遭遇したらバレる可能性があった。)その時に逆恨みとはいえ裏切ったブクラテス、元の星の戦士であるデキウスは計画を完遂させる前に裏切る可能性があったので復活させなかった。
4.分け与えた力を通して新たな肉体となる魔獣を作る様に仕向ける。
5.魔獣を生み出し荒くれ無敵城を接続して一体化したらバルバンに埋め込んだ力を使い城にいる全てのバルバンを操り、手駒にしたら嘗ての復讐と破滅の意思の本能として又星を破壊していく。