魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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今回は前回の戦いでの事を話すマゼンタとサルファの会話で長くなり久しぶりに話が3分割になりそうです。自分なりにマゼンタとサルファならこう話すのでは無いかと考えましたが、解釈違いという方が要らしたなら申し訳ありません。


第13話 破滅の歌

ナハトベース

 

「たくっ何やってんのよルベル?」

 

 ナハトベースのルベルの私室でロードエノルメから受けた傷に薬を塗りながらロコムジカは呆れた様にルベルに声を掛ける。

 

「うっせえな・・・運悪く相性の悪い相手だったんだよ」

「全く情けないわね、次はこのロコ様の出番の様ね」

「?どういう意味だよ?」

「さっきロード様に言ってきたのよ。逃げたエノルミータの連中をパパッと倒すついでに魔法少女とバルバンを倒してきますってね」

「はぁ!?エノルミータはロード様が捨て置けって言ってただろ?それに魔法少女はともかくお前一人でバルバンに勝てるわけねーだろ」

 

 ルベルは何処か焦った様にロコを止めるがロコはそれが馬鹿にされている様に聞こえカチンときた。

 

「っさいわねぇ、アンタは黙ってみてなさいよ。ロコ様が華麗にアイツらを倒す所をね!」

 

 そう言うとロコムジカはさっさと部屋を出て行った。ルベルはロコを止めようと手を伸ばしたが届かず、やがて力なく手を降ろして俯きポツリと呟いた。

 

「バカムジカ・・・・」

 

 

 

山中

 

 山の中の修行場では、今日は家の用事で遅れると言う小夜を除きはるかと薫子が変身し模擬戦を行っていた。

 

「やあぁぁぁ!」

「・・・・・・」

 

マゼンタの攻撃をサルファはナックルで防御し、しばらくマゼンタの攻撃を受けていたがやがて小さくため息をつくとマゼンタの槍を弾き飛ばした。

 

「あっ!」

「そこまでや一旦休憩しよっか」

「で、でも・・・」

「でももカカシもない、このまま続けても実りは無いし休憩すんで」

「うぅ・・・・」

 

 まだ続けようとするマゼンタを強引に止めサルファは近くの石に座り、マゼンタもその隣に座った。

 

「なぁマゼンタあんた何か悩んでるん?」

「え!?」

 

 水筒の水を飲みながらサルファはポツリとマゼンタに質問しマゼンタは驚いた顔を浮かべた。

 

「今日の訓練いつもと違って何処か力が入ってないし、今も何処かボーっとしとるやん・・・・やっぱりこの前のワンガワンガの犠牲者の事気にしとるんやろ」

「やっぱりサルファには敵わないなぁ・・・」

  

 サルファの言葉にマゼンタは力なく笑った。

 

 

「商店街の人達は無事だったけど、私がもっと早く駆けつけていられれば最初の犠牲者の人達も助けられたんじゃないかと思ったら悔しくて悔しくて・・・駄目だよね正義の魔法少女が全員助けられないなんて・・・」

「マゼンタ・・・・残酷な事言うかもしれんけどウチらは一般市民全員を助ける事なんて不可能や」

「え!?」

 

 サルファの言葉にマゼンタは思わずサルファの方を向きサルファはマゼンタから視線を逸らさずに真っ直ぐに見る。 

 

「ウチらはバルバンが実際に行動を起こさないと奴らの気配を感じ取れず、感じ取ってからやないと動けへん警察みたいな物や。それに距離があったらどんなに頑張っても時間も掛かるし間に合わないケースも出てくる。全員助けるなんて考えたら余計に自分を苦しめるだけや」

「そんな・・・じゃあサルファは助けるのをやめろって言うの!!」

「そうやない。ウチらは神様や無い。幾ら魔法少女の力あっても取りこぼす物だってあるんや・・・ウチらは自分達の出来る範囲でしか助ける事は出来へんのや」

「・・・・・」

「けどだからと言って割り切れとか忘れろとか言わん。亡くなった人達の思いは背負っていかなあかんとウチは思う。マゼンタだって背負っていこうとしてるんやろ?」

「もちろんだよ・・・!助けられなかった人達を忘れるなんて出来ないんだよ・・・」

 

 マゼンタは涙ぐみながらそう言いサルファはそんなマゼンタを優しく撫でる。 

 

「それでええねんマゼンタ・・・あんたはウチよりもよっぽど魔法少女らしい魔法少女や」

「そんな事無い!サルファは・・・薫子ちゃんは最初に魔法少女に誘った時みたいに私よりも勇敢な魔法少女だったよぉ!」

「ウチはそんなもんや無い、ただドライだけや。けどそんなウチでもマゼンタの・・・はるかの荷物一緒に背負ったり、胸貸す位は出来る・・・今はウチらしかおらん思いっきり吐き出しい・・・・」

「うぅ・・・うわぁぁぁぁん!!」

 

 サルファの言葉を聞きマゼンタはサルファに抱きつき堰を切ったように泣きサルファはそんなマゼンタの背中を優しく撫でながら、泣き止むのを待った。

 

 

 

「ゴメンね、サルファみっともないとこ見せちゃった・・・」

「ええねん、ええねん。むしろ頼ってくれて嬉しく思うわ」

 

「フフ、じゃあ又私が辛くなったら胸借りてもいいかな?」

「お、おぅ・・・いつでもええで・・・」

 

 マゼンタは笑顔でそう言うとそれを見たサルファは顔を赤くして顔を逸らして答えた。

 

「あの~」

「「うわぁぁ!?」」

 

 そんな2人の後ろでアズールが恐る恐ると言った感じで声を掛けられ2人は驚いた表情で飛び上がった。

 

「ア、アズール!?いつの間に」

「いえサルファが「ウチらは神様や無い」って言っている辺りから来たんだけど・・・」

「ほぼ最初からやんけ!うわぁぁぁー」

 

 アズールの言葉を聞きサルファは恥ずかしさの余り両手で顔を覆う。

 

「サ、サルファ!恥ずかしがる事無いわよ!サルファの言いたい事はほぼ私もマゼンタに言いたい事だったしすごく良かったわよ!唯ちょっと私がお邪魔虫だったわね・・・1時間位滝行して来るから2人は気にせずさっきの続きをしていて!」

「ちょっ待てや!何か勘違いしとるやろアズール!」

「アズール1時間も滝行してたら体壊すよぉ!!」

 

 2人に気を使う様に離れようとするアズールにサルファは慌てて引き留めようとしマゼンタは何処かズレた心配をしてアズールを止めようとしていた。

 

 

 

荒くれ無敵城

 

「ロード団だと・・・唯でさえトレスマジアやエノルミータという面倒な敵がいるというのにまだ増えるというのか!」

「別に雑魚が増えた事はどうでもいい!それより次の作戦はどうなっているんでぇ?」

 

 部屋の中で苛つきながら歩き回るシェリンダや作戦を急かすゼイハブにイリエスは特に慌てた様子もなくガラスの壺をテーブルに置く。

 

「お任せ下さい」

 

 

 そう言いながらイリエスは壺の栓を取り、笛にもなっている栓を奏で始める。すると壺から一本の包帯が出てきてそれが形を取り始めやがて紫と黄色の包帯を巻き、仮面を着けた顔と胴体が一体化したミイラの様な魔人が現れた。

 

「このモルグモルグの力で魔力集まる、直ぐ集まる!!」

 

 そう力強く宣言するモルグモルグにイリエスは先程のガラスの壺を渡す。

 

「モルグモルグ、お前は乙女の生命エネルギーを集めこの壺二つ分の量の魔力の砂金を作り出しなさい」

「ロールラー!」

「この魔力さえ全て集まればより強力な魔獣を生み出す儀式の準備が一気に進みます。行きなさいモルグモルグ!」

「ウラウラー!ローウラウラウラコンゲラー」

 

 イリエスの命を受けモルグモルグの体が解け一本の包帯になり窓の外から出ていった。

 

 

 

町中

 

「うー、うてなちゃんの怪我も治って来たし今度はどんなお見舞いの品渡そうかなー?やっぱりそろそろアタシ自身かなー」

「・・・・・」(ジトー)

「お?何だ?その顔?おもちゃ送るよりいいだろー」

 

 町中の通りをこりすのドールハウスの病院で治療中のうてなのお見舞いの品を何するかを言い争いながらキウイとこりすが歩いていると、悲鳴が聞こえた。

 

「きゃああああ!!」

「出てきなさいよエノルミータにバルバン!ロード団のロコムジカ様が来てやったわよ!!」

  

 そう言いながら勝ち気な表情で道の真ん中でロコムジカは挑発していた。

 

「アイツ、ノコノコと!ぶっ飛ばしてやる!」

 

 キウィがロコムジカの挑発に怒りを覚えながら出ようとするがこりすはそれをキウィの服を掴んで止めた。

 

「・・・・!」(フルフル)

「こりす・・・安心しろよ考え無しに突撃しねーよ。アイツの力を調べたら直ぐに撤退するよ。そん時は手助けよろしくな」

「・・・・」(コクン)

 

 こりすの表情を見て前にアズール言われた事を思い出し冷静さを取り戻したキウィは、こりすに敵の力を調べるだけだと言い、こりすもキウィが冷静になっているのを見て納得したように頷いた。

 

「よーしそんじゃ行くかトランス「キヤァァァ!」何だ!?」

 

 又女性の悲鳴が聞こえキウィが建物の影からコッソリ覗くとそこに女性が紫と黄色の包帯に巻かれ宙に浮いている姿があった。

 

「何だ!?」

「・・・・!?」

「えっ?何アレ?」

 

「乙女の生命エネルギー、もっと集める!!」

 

 奇しくも隠れていたキウィやこりす、エノルミータを探していていたロコムジカが同じタイミングで疑問符を浮かべた時に女性に巻き付いている包帯の根元からモルグモルグが現れた。

 

「アンタッ・・・噂のバルバンね!このロコムジカ様の前に恐れずに現れるなんていい度胸ね、ロコがぶっ飛ばしてやるわ!!」

「ロード団か丁度良い、お前からも、生命エネルギー、奪う!ハァッ」

  

 モルグモルグがそう叫びロコムジカに包帯を飛ばしてくる。

 

「舐めるな、ヴォワ・フォルテ!!」

 

 それに対しロコは自分の声を魔法で飛ばしそれを迎撃していく。

 

「ヌゥ!?」

「大した事無いわね~それじゃもう一発くrドーン!!

 そう言って追撃しようとしたロコムジカとモルグモルグに砲撃が降り注ぎ爆煙に包まれた。

 

「よっしゃー命中!丁度良く固まってくれてラッキ~。これでやられたかな?」

 

 そう言いながらレオパルトは自分が攻撃して発生した煙をしげしげと眺めていると煙の中からレオパルトに向かって包帯と実体化した音符が飛び出してきた。  

 

「なっ!?ヤベッ・・・」

「・・・・!」

 

 レオパルトは反応が遅れ迎撃も回避も間に合わないと思った瞬間、大型のぬいぐるみ

に乗ったネロアリスが間に入り2つの攻撃を弾いていった。

 

「悪い・・・アリス」

「・・・・!」(ムン!)

 

 助けたれたレオパルトはアリスに礼を言いアリスは気にするなという風に頷いた。

 

「ア・ン・タ・ねー!ロコ様の戦いに横槍入れてきたのはー!!」

「お前等、絶対許さない!エネルギー全部吸い取って、絞め殺す!!」

 

 そんな中煙の中から焦げ付いたロコムジカとモルグモルグが怒りの表情を浮かべ現れレオパルトとネロアリスを睨み付ける。

 

「オーオー、ボロボロの癖に元気だなーお前等。・・・悪ーなアリス、もう少しだけこの戦い付き合って貰っていいか?」

「・・・・・!」(フンス!)

 

 レオパルトの頼みにアリスは任せろと言わんばかりにガッツポーズを取り、ロコムジカとモルグモルグに向かって相対した。




次回エノルミータとバルバンにあの歌が歌われる。
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