魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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今回は内容が長くなりました。モルグモルグ戦終盤です。


第15話 破滅の歌3

荒くれ無敵城

 

「マザーイリエス、どうぞ、お納め下さい」

 

 モルグモルグは壺の中身の魔力の砂金が貯まりそれをイリエスに献上する為に一度荒くれ無敵城に帰還していた。イリエスはそれを受け取ると満足そうに壺の中身を確認する。

 

「よくやったわモルグモルグ。この調子で次の分もよろしくね」

「ロールラー」

「フンッ!一々、1壺ずつチマチマ持って行くのではなく2壺持っていて一気に集めて帰ってきたらどうなのだ?」

「2つ持って行って、魔力全て集めた途端壊されたら、水の泡、リスク分散大事」

  

 その様子を見てシェリンダは不満そうに嫌みを漏らすがモルグモルグはそれをサラリと返した。

 

「モルグモルグの言う通りよ。アンタはせっかち過ぎるのよ。待ってるだけの癖に文句が多いわねシェリンダ」

「なにぃ!」

「やめろシェリンダ」

 

 イリエスの言葉を聞きシェリンダはカッとなり腰の剣を引き抜くがその様子を見かねてゼイハブがシェリンダを止めた。

 

「シェリンダ、テメエが操舵手の仕事が出来なくて苛つくのは分かるが俺の目の前で仲間同士の殺し合いをするんじゃねぇ。そんなに苛つくなら外の空気でも吸って落ち着いてこい」

「・・・・了解」

 

 ゼイハブにそう言われシェリンダは剣を仕舞い大きく息を吐くとそのまま外へ出て行き、それを横目で見ていたイリエスは大きく鼻を鳴らすと中身を移し替えたガラスの壺を持ちモルグモルグに向き直った。

 

「さて、モルグモルグ後1壺分の魔力、期待しているわよ」

「ウラウラー」

 

うてなの家

 

「え~ん、うてなちゃん元気になって良かったよ~!」

「あ、ありがとうキウィちゃん・・・」

 

 うてなの家でキウィは怪我が完治したうてなに感涙して抱きついていた。

 

「あ、そうだ。こりすにこの前のお詫び持ってきたんだわ、ほいオモチャな」

 

 そう言ってキウィはこりすに半額シールが貼られたロボットのプラモデルをこりすに手渡した。渡されたこりすはすごく微妙そうな表情を浮かべた。

 

「・・・・・」

「キウィちゃん、ああいうのはちょっと違うんじゃ・・・」

「えっそーなの?」

  

 その様子を見てうてながこりすに同情してやんわりとキウィを諭すがキウィはあまり分かっている様子は無かった。

 

「そういえばこの前の戦い・・・行けなくてごめんね」

「何言ってんの全然大丈夫だって!怪我がまだ治りきって無かったんだからしょうが無いじゃん」

「ううん、でも・・・バルバンもロード団もはやくたおさなきゃ」

  

 キウィの言葉を聞きうてなは顔を俯けて、もう一度顔を上げてそう抑揚の無い声で目のハイライトを消しながらそう言った。

 

「ロード団は魔法少女狩りなんて理解できないコトをしてきてるし、バルバンにいたっては、魔法少女が守るべき人達をコロしてトレスマジアの心をフカク傷つけただろうし、そもそも魔法少女とたたかう悪の組織が魔法少女をよぶために人々をおどかすならまだしも、コロすなんてライン越えはゼッタイゆるしちゃいけないんだよ、だからあんなやつらはやくたおさなきゃ、ネ」

「ねっ!」

  

 抑揚のない声で淡々と怒りを見せるうてなに対しキウィはどこか嬉しそうに同調した。

 

「そんな話をしていたらロコムジカ達の気配を探知だよ」

「いきましょう」

 

  ヴェナリータがそう言って転送用のポータルを開き、うてながゆらりと立ち上がって変身アイテムを手に取る。

 

「トランスマジア」

 

 

広場 特設ステージ

 

「ゾっこん!ロックオン!ラブハート♡みんなー!!今日はロコの為に集まってくれてありがとー!!」

 

 広場に作られた特設ステージでロコムジカは何処か固まった笑顔をしている観客に向かって嬉しそうにライブを行っていた。

 

「何だよこれは・・・!」

 

 その様子を上空から見ていたレオパルトが驚愕した表情を浮かべていた。

 

「おかしすぎる・・アイツの歌にこんな集客力ある訳ねーのに」

「す、好きな人もいるんじゃない・・・?」

「いやだって聞いてみてよベーゼちゃん!」

 

「ズっきゅんバっきゅン狙イ撃ちっ♡ゾっこんロックオンラブハート♡」

「・・・・」

「ほらそう言う顔になるでしょ」

 

 ロコムジカの歌を聞いて真顔になるマジアベーゼにレオパルトは同意を求める様に言う。

そんなベーゼ達の様子を気づかずライブを続けるロコに特設ステージの屋根に居るルベルブルーメが退屈そうに欠伸をする。

 

「ふあぁぁ・・・おいロコォ、もう終わったかよぉ?」

「ハァ!?何言ってんのよ、まだアンコールが残ってんでしょ!!」

「ったくめんどうくせぇなぁ」

「見てみなさいよこのファンの数!何が呪いの呪文よ!やっぱロコの歌は本物だわ!ロコにはアイドルの才能があるのよ!!」

「あーハイハイ」

「アンタも聞きなさいよ!」

 

 ロコの語りにルベルは特に興味を示さずスマホのゲームをしていてそれにロコが切れて突っ込みを入れていた。 

 

 

「もう1人いるな」

「確か・・・ルベルブルーメ」

「もうめんどい爆弾投げた「キャアアア!?」え?」

 

 面倒になったレオパルトが爆弾を投げようとした時、悲鳴が聞こえ何事かと覗き込むとモルグモルグが現れ観客の何人かに包帯を飛ばして巻き着けていた。

 

「動けない獲物、沢山、ヌハハハハ!!」

「アイツ又出やがったな」

 

 モルグモルグを見てレオパルトは苦々しげな顔をして、ライブステージに居たロコムジカも驚愕した表情を浮かべた。 

 

「あぁ!?ロコのファンが!逃げてみんなー!!」

「チッ!」

 

 ロコムジカが観客に慌てて逃げる様に言うと同時にルベルブルーメがこっそり観客を縛っていた影を解除し観客を逃げれる様にする。

 

「!身体が動く・・・!」

「皆逃げてー!」

「・・・・?レオちゃん捕まってる人を助けたいからあの魔人に攻撃して」

「了ー解!」

  

 自由になって逃げる観客に不審な物を感じるもベーゼは捕まっている観客を助ける為にレオパルトに攻撃を頼みレオパルトはそれを了承しモルグモルグに銃撃する。

 

「ヌガァ!?」

「ッマジアベーゼ!アンタ達の相手は後でしてやるわ。今はコイツにロコのファンを襲った報いを受けさせてやるわー!」

「ウラウラー!」

  

 ロコはモルグモルグに音波を飛ばしそれに対しモルグモルグは包帯が巻かれた二叉の杖を取り出しそこから光線を出し迎撃していく。

 

「ベーゼちゃんあたし達はどうする?」

「そうだね・・・一先ずは先にバルバンをっ!?」

 

 ベーゼがレオパルトにそう答えた時エネルギー状のロープがベーゼに巻き付き、そのまま引っ張られる。

 

「ベーゼちゃん!?」

「・・・・!?」

 

レオパルト達が驚いてロープの先を見てみるとそこに勝ち誇った笑みを浮かべたシェリンダが居た。

 

「気晴らしに外へ出てみればまさか貴様が居るとはなマジアベーゼ」

「あなたは・・・確かシェリンダさん」

「そうだ、あの時貴様に受けた屈辱の恨み今ここで晴らしてやる。私に跪いて死んでいくが良いマジアベーゼ」

「テメエ、ベーゼちゃんを離せコラー!」

「・・・・!!」

「邪魔だ!!」

 

 レオパルト達は怒りの表情を浮かべシェリンダに飛びかかるがシェリンダはそれに対し指先から光線を放ち撃ち落とした。  

 

「レオちゃん!アリスちゃん!この!!」

 

ベーゼが縛られた腕から何とか支配の鞭で魔物を作り出そうとするがそれを目敏く見つけたシェリンダが腕を踏みつけて阻止する。

 

「うぁ!?」

「そう何度も同じ手が通じると思うなよ」

 

 そう言い剣を抜きマジアベーゼに向けた。

 

「あっけない物だなマジアベーゼ、これで終わりだ死「・・・・!!」うわ!?」

 

 シェリンダが剣を振り下ろそうとした時巨大ぬいぐるみを盾にして無事だったネロアリスが新たな巨大ぬいぐるみを出しそのままシェリンダに突進して阻止する。その間にレオパルトがベーゼのエネルギー状のロープを千切る。

 

「ベーゼちゃん大丈夫!」

「・・・・!!」

「レオちゃん、アリスちゃんありがとう・・・」

「貴様ぁ!」

「ッえい!」

 

 シェリンダが怒りの表情で斬りかかろうとするがベーゼが支配の鞭で草を叩き草の魔物を生み出してシェリンダを拘束した。

 

「うわぁぁぁー!?又貴様わぁー!!」

「いい様だな~貝殻ビキニ~コイツどーするベーゼちゃん?」

「今は拘束だけにしよう、先にあっちのバルバンとロコムジカ達を倒さないと」

 

 そう言うとマジアベーゼ達は拘束したシェリンダを放ってロコムジカ達とモルグモルグ戦っている場所へ走って行った。

 

「待て!マジアベーゼ!戦え、私と戦えぇぇ!!」

 

 残されたシェリンダは拘束された悔しさを声に滲ませながら叫び続けた

 

 

「ウラウラー!」

「きやぁぁああ!?」

「ロコォ!クソっコイツ」

 

 モルグモルグとロコムジカ、ルベルブルーメの戦いはロコムジカ達が押されつつあった。ルベルが影で拘束しようとするがモルグモルグは包帯になってそれを回避しそのままロコムジカに巻き付き、空中に浮かんでロコムジカを締め付ける。

 

「お前も、モルグモルグの獲物の1人、生命エネルギー、奪う」

「ぐ、ウウうぅぅ・・・」

「ロコ!クソ、空中に居るんじゃ影で移動出来ねぇし、短剣を投げようにもロコにも当たっちまうどうすれば・・・」

 

 ルベルが助けられない悔しさで唇を噛んだ時、ハサミの魔物が飛んできて包帯だけを切り裂いていった。

 

「ガアァ!」

「きゃあ!?」

「ロコ!・・・今のはマジアベーゼか?」

 

 モルグモルグの拘束から外れたロコはルベルが受け止め、視線を魔物が飛んできた方に向けるとベーゼ達が歩いてきた。

 

「これ以上好き勝手にはさせませんよバルバン。トレスマジアの心を傷つけた報いを受けて下さい」

「・・・・!!」

「トレスマジアはどーでも良いけど、テメーらは気にくわねぇからぶっ飛ばしてやる、喰らえ!!」

 

 そう叫びレオパルトはガトリングや大砲を召喚しそれをモルグモルグに一斉に発射しモルグモルグは避けれず爆煙に巻き込まれる。

 

「グオォォ!?貴様等、覚えていろ!」

 

 モルグモルグはそう捨て台詞を吐いてボロボロの包帯になって必死に逃げていった。

 

「あ、アイツ又逃げやがった、追いかけるベーゼちゃん?」

「ううん、きっとアイツはトレスマジアが倒してくれるよ・・・今は先にこっちを相手しないと」

 

 そう言ってベーゼが視線を向けた先には敵意に満ちた目で此方を睨むロコとルベルの姿があった。

 

 

 

郊外 森

 

何とか森の方まで逃げてきたモルグモルグは膝を着き四つん這いになって荒く息を吐いていた。

 

「おのれ・・・一度ならず二度までも、今度はそうはいかない、今度は別の女性に取り憑いて、隙見て、殺す「そうはさせないよぉ!」!?」

 

 声がした方を慌てて振り向くとそこにトレスマジアが現れた。

 

「これ以上好き勝手はさせないよ!トレスマジア参上!!」

「ヌオォォォ、お前等、目障り、ヤートット!!」

「「「ヤートット!!」」」

  

「行くよ、アズール!サルファ!」

「えぇ、やっと補足できたコイツをここで倒すわ」

「もう逃がさんでー!」

  

3人はそう叫びヤートット達との戦闘を開始した。

「はあぁぁぁ!!」

「ヤトトォー!?」

 

 アズールはヤートットの腕を掴むとそのまま投げつけ、さらに追撃で腹に肘打ちを食らわせ倒していく。

 

「オオオラァー!」

「ヤトー!」「ハゥ!?」

 

 サルファはナックルでヤートットに連撃を叩き込みそのついでに背後から攻撃しようとしたヤートットを見ずに足を振り上げて股間を攻撃して沈めていく。

 

「やあぁぁぁ!」

「「ヤトォー!」」

 

マゼンタは槍を自在に操り前と後ろにいたヤートットを倒していく。

 

「ウラウラー!」

「「やあぁぁぁ!」」

 

 

 そんなトレスマジアに向かってモルグモルグは杖から光線を放って周辺を爆発していくがその爆煙を飛び越えてマゼンタとサルファはモルグモルグに突撃し攻撃を浴びせた。

 

「ぐわぁ!?」

「今ね!雪花の息吹!!」

 

 その攻撃に倒れたモルグモルグに対しアズールはすかさず雪花の息吹を浴びせモルグモルグを凍らせた。

 

「ナイスやアズール!ウチの力をマゼンタの槍に!」

「サルファの力を私の槍!にマジカルユナイトストライク2!」

 

 そう叫びマゼンタは槍を投擲し、槍はモルグモルグに当たり大爆発した。

 

「ヌガアァァァ!!」

「正義は必ず勝つ!だよぉ!!」

 

 モルグモルグはボロボロになりつつもバルバエキスの容器を取り出す。

 

「バルバエキス!イリエス魔人族、とてもしぶとい」

 

 

 バルバンの魔人はバルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは自らの命を縮める正に最後の手段なのだ!

 

『オロララララ!!』

 

「アズール!今回はウチとマゼンタで行く!」

「えぇ、頼むわ」

「「マジアエキス」」

 

 魔法少女はマジアエキスの力で巨大化する事が出来る。だか巨大化出来る時間は僅か5分なのである!

 

『『はあぁぁぁ!!』』

 

 

広場特設ステージ跡

 

「え、何アレ?モルグモルグとトレスマジアが巨大化してんだけど・・・」

「まさかアレが噂の巨大化戦か?・・・」

 

 戦いが終わりマジアベーゼ達に負けたロコムジカとルベルブルーメは変身アイテムをベーゼ達に渡し変身前の姿、阿古屋真珠と姉母ネモに戻っていたが巨大化したモルグモルグとマゼンタ達に唖然とした表情を浮かべていた。ちなみにシェリンダはなんとか拘束を解いて戦おうとしたがルベルを人質にベーゼに脅され全裸で歌っていたロコを見てドン引きして撤退している。

 

「フッ、遂にこの戦いの決戦が始まるんですね」

「・・・ねぇ、ネモなんでベーゼの奴キメ顔でスマホ構えてるの?」

「アタシに聞くなよ・・・」

  

 

『(マゼンタ、前後から同時に攻めて一気にケリつけるで!)』

『(了解だよ)』

 

 サルファはテレパシーでマゼンタに挟撃する事を伝えマゼンタもそれに了解しモルグモルグを挟む様に展開すると一斉に攻撃をしかけた、だがモルグモルグは包帯になってそれを回避する。

 

『ウラウラー!』

 

『『なっ!?』』

 

幸い寸での所で攻撃を止め同士討ちは避けられたが一カ所に固まってしまい、そこをモルグモルグが再び姿を現し包帯を飛ばし締め上げる。

 

『お前達、地獄行き、ウラウラー』

 

『ぐあぁあ・・・このっ!』

 

『サ、サルファ・・あぁ!』

 

 

「あああ!?トレスマジアがピンチです!頑張れートレスマジアー!!」

「ねぇ・・・何でアイツ応援しながらスマホで激写してんの・・・」

「アタシだって分かんねぇよ・・・」

 

 

『このぉ・・・調子にのんなぁ!!』

 

サルファは力技で包帯の拘束を千切るとそのままモルグモルグに吶喊する。モルグモルグは杖を取り出し腐食光線を放ち迎撃するがサルファはナックルでガードして勢いを落とさず突き進む。

 

『こんなもんでぇ!』

 

『サルファ!』

 

 マゼンタはサルファをサポートする為にナックルに回復魔法を掛け腐食していくナックルを治していき遂にサルファはモルグモルグを有効射程に捕らえた。

 

『剛昇拳!!』

 

『ヌオォォォ!?』

 

 サルファはモルグモルグを剛昇拳で吹き飛ばし、モルグモルグはそのまま空中で爆散していき、それを確認したサルファは夕日の中で大きく息を吐いて残心をした。

 

 

「はあぁぁぁ!!ピンチの中逆転して敵を倒し夕日の中で残心をするマジアサルファ・・・美しいっ!素晴らしいっ!」

「ねぇ・・・ネモ、何でアイツ鼻血流しながらしながら写真とってんの?」

「アタシにだって分かんない事位あるよ・・・・」

 




シェリンダ「うわ、何でアイツ裸で歌ってるんだ!?歌が上手いのが逆に気味が悪い・・・」
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