荒くれ無敵城
ゼイハブとシェリンダが出払っている部屋でイリエスがせわしなく部屋を歩き回っていた。
「マズいわね、集めた魔力が想定より少ないわ、これじゃあ弱っちぃ魔獣しか生まれないわ・・・そんな魔獣なんか生み出したら褒美の金貨が貰えないわ。何とかドカンと一発大量の魔力をゲットしないと!」
「なにをドカンとゲットするんだイリエス?」
そう息巻いていたイリエスの背後から部屋に入ってきたゼイハブから声が掛かる。
「ウハァ、船長!?いえ次の魔力集めの作戦を考えていた所です!」
「ほう、次はどんな作戦をするって言うんでぇイリエス?」
「それを今からご説明いたします船長、おいでバルキバルキ!」
イリエスが名前を呼ぶと緑色の鱗の様な体毛を生やし、ガッシリした身体とかぎ爪が付いた両腕をしたゴリラの様な魔人が現れた。
「バルーキー!」
「コイツか、信用出来るのか?コイツの所為でギンガマンとの戦いで鋼星獣を奪われたんだぞ」
「ウグッ!アレはギンガマンにコントロール装置を奪われそうになったので止む無くだな・・・」
「お止めバルキバルキ!みっともない」
バルキバルキに対し辛辣な評価をするシェリンダに対しバルキバルキが言い訳するがイリエスはそれをピシャリと止めると地図と複数の黒い杭と宝石の付いた杭をバルキバルキに渡した。
「バルキバルキ、お前に汚名返上の機会を与えるわ。この杭をこの地図に示してあるポイントに打ち込みなさい、それを全て打ち込めば町の人間から生命エネルギーを吸い上げこの宝石の杭に魔力が貯まる儀式が発動するわ。その儀式をお前に任せるわ」
「お任せあれ、必ず成功させて見せます!」
路地裏
「それでぇ、何ですか?急に呼び出してぇ・・・」
暗い路地裏でシスタギガントは1人で立ち暗がりに向かって何者かと話していた。
「一応私達は敵対しているんですから、こんな所を誰かに見られたら事ですよぉ」
「------」
「はぁ・・・頼み事ですかぁ?」
「-------」
「バルバンが今集めている魔力が欲しいんですかぁ?今後の為にぃ」
「-------」
「それと時間稼ぎですかぁ?確かにエノルメさんが近々行動しようとしていますがぁ・・・もう少し時間が欲しいんですかぁ?」
「------」
「分かりましたぁ、出来る限り頑張ってみますぅ」
ビル屋上
「次のポイントはアソコか」
ビルの屋上でバルキバルキは地図を見ながら示されたポイントを探しその場所を見つけるとビルの屋上から降り立った。
キャアアア!?バルバンよー!
バルバンが現れた事で周りの市民は逃げていくがバルキバルキはそれを気にせずポイントに向かって行く。
「よーしココだ打ち込め!」
「ヤートット!」
バルキバルキはヤートットに命じるとヤートットに地面に杭を打ち込みやがて杭は地面に沈み込んでいき見えなくなっていった。
「よーし次のポイントに進むぞ!「待ちなさい」何?」
バルキバルキが声がした方を振り向くとそこにマジアベーゼ、レオパルト、ネロアリスが現れた。
「テメー折角の休日だったのに出てきやがって、空気読めよーコラ-!」
「はぁ、出会ってしまった以上仕方ありません邪魔させて貰いましょう」
「・・・・!」
「舐めるなガキ共!ヤートット!!」
「「「ヤートット!!」」」
バルキバルキの号令でヤートット達はマジアベーゼに一斉に攻撃を仕掛け、それを迎え撃つべくベーゼ達も武器を構えた。
「オラ、オラ!」
「「ヤトォー!?」」
「ヤートット!」
レオパルトは銃撃でヤートットを倒していくがその内の一体が銃撃を掻い潜りレオパルトに接近し斬りかかるが
「甘ぇ!」
「ヤトー!?」
レオパルトはそれに蹴りを加えて倒していく。
「・・・・!」
「「「ヤートット!?」」」
ネロアリスは自身の乗る巨大ぬいぐるみだけで無く胡桃割り人形やシンバル人形を召喚し、それらを使いヤートットの頭を噛み付かせたり、シンバルで叩いて攻撃していく。
「せやぁぁ!!」
「ヤトヤトヤトヤトー!?」
マジアベーゼが支配の鞭を振るい往復ビンタの様にヤートットの顔面に叩き付ける。
「これでも喰らえ!」
「きゃっ!?」「うわぁ!?」「・・・・!?」
バルキバルキが両腕から光線を放ちベーゼ達に攻撃を仕掛け、ベーゼ達がそれに怯んだ瞬間にバルキバルキはその場を離れていった。
「あ、逃げやがったー!」
「レオちゃん、アリスちゃん、アイツを探そう。トレスマジアが来るまでアイツの作戦を妨害をしてやろう!」
「トレスマジアの為なのは気に食わないけどベーゼちゃんの為にやってやるよー!」
「・・・・!」(コクン)
2人はそれぞれの反応で頷くとベーゼと一緒にバルキバルキを探し始めた。
山中
「本当にこっちなん?」
「うん、こっちから段々声が強く聞こえてきている気がするの」
その頃トレスマジアは修行の合間に謎の声の主を探していた。ちなみにアズールはもう一歩で何か掴めると修行を続けてた。
「しかし、マゼンタやアズールは聞こえたのにウチは聞こえんって言うのは何か納得いかんなぁ・・・」
「まぁまぁ、あの声はとっても善い気配がしたから正義の心を持ってるサルファにもきっと聞こえるよ」
「・・・本当にマゼンタは恥ずかしい事を臆面も無く言えるなぁ・・・」
「えぇ!?」
「褒めてるんよ」
そう話ながらサルファは一歩踏み出そうとすると
〈そこは崩れるぞ!!〉
「えっ?」
突如サルファの脳内に声が聞こえ足を止めると踏み込もうとした足場がガラリと崩れた。
「サルファ大丈夫!?」
「平気や・・・それよりマゼンタウチにも聞こえたで」
「本当!!」
サルファが聞こえた事にマゼンタは嬉しそうな声を出す。
「あぁ、声はちょっと乱暴やったけど確かに善い気配を感じたわ。マゼンタの話は本当やったんやな」
「もちろんだよぉ!これで3人皆聞こえたね、この調子で頑張って探そう(皆さん!!)ヴァーちゃん?」
3人聞こえた事に喜びながら探索を続けようとした時ヴァーツからテレパシーが入る。
「(大変ですバルバンとエノルミータが町に現れました。バルバンは何やら杭を打ち込んでいるようですが何だか嫌な予感がします・・・急いで来て下さい!!)」
「(マゼンタ、サルファ!)」
ヴァーツからの連絡が終わると同時に修行をしていたアズールからテレパシーが入る。
「(ヴァーツから連絡は聞いたわ。私も修行を切り上げて直ぐに向かうわ!)」
「(待ってアズール!アズールはもう少しで何かを掴めそうなんでしょ?ここは私とサルファに任せてアズールは修行に集中して!)」
「(マゼンタッ!でも・・・)」
「(安心せいアズール、ウチらも前よりも大分強くなってるここはウチらに任せときぃ)」
「(・・・・分かったわ、私も一刻も早く何かを掴んで向かうからそれまでお願いね!)」
「(もちろんだよぉ!)」
アズールの言葉に元気よく返事をしてマゼンタとサルファは山から飛び立って行った。
町中 中央広場
「ココだな最後のポイントわ。後はこの杭を打ち込めば」
バルキバルキは地図に示された最後のポイントを見つけると宝石の着いた杭を打ち込んでいく。すると町に打ち込んだ杭のポイントを囲う様にに町に円形の魔法陣が描かれ町中の住人から生命エネルギーを吸い上げ、宝石の着いた杭に吸い込まれていく。その吸い上げはバルキバルキを探しているベーゼ達にも及んだ。
「クッ!?」
「何だ?急に体が重く・・・」
「・・・・!?」
「よーし、いいぞいいぞ!そのままもっと吸い上げろ「あのぉ・・・」ん?」
バルキバルキが声のした方を振り向くとそこにシスタギガントが立っていた。
「何だ、貴様?」
「初めましてぇ、私はロード団のシスタギガントと申しますぅ。実はバルバンの貴方にお願いがあってきましたぁ」
「ロード団・・・あのザコ共の1人が何の用だ?俺は儀式で忙しいんだとっとと失せろ!」
「手ぶらで帰ったら怒られるんで そういう訳にも行かないんですぅ・・・実は今貴方が集めている魔力私に譲って貰えないでしょうかぁ?是非とも私達の手で有効活用したいのでぇ、譲って頂ければ命は助けて差し上げますぅ」
「ッ!ふざけるなぁ!お前なんぞにやる魔力は一片たりともあるかよぉ!!ハァー!!」
バルキバルキが激昂し両腕から光線を放ちシスタギガントが爆煙に包まれた。
「ハハハハ、ザマー見ろ・・・・お・・・」
『悲しいですぅ・・・』
爆煙が晴れるとそこには大柄のバルキバルキが見上げる程に大きくなったシスタギガントが居た。
『てい』
「グェ!?」
シスタギガントはそのままバルキバルキを蹴り上げ向かいのビルに叩き込んだ。そして広場に刺さっている杭に視線を向ける。
『悲しいですねぇ、素直に渡してくれたら痛い目を見ずにすんだと言うのに魔力は頂きますねぇ・・・』
それを見たバルキバルキはビルからヨロヨロと出てくる。
「このぉ、魔力は渡さんぞ・・・イリエス魔人族はしぶといんだよ!バルバエキス」
バルバンの魔人はバルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは自らの命を縮める正に最後の手段なのだ!
『バールキー!!』
『はぁ・・・面倒ですねぇ・・・』
自分より巨大化したバルキバルキをシスタギガントは面倒くさそうに見てため息を吐くとバルキバルキと同じ位の大きさになる。
『私も生命エネルギーを吸われていますから手早く片付けさせて貰いますぅ』
『ほざけ!返り討ちにしてやる!』
そう叫びバルキバルキはシスタギガントに襲いかかった。
謎の声の主はイリエス編で必ず明かすのでもう少しだけ引っ張らせて貰います。