魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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いよいよイリエス魔人族の切り札が登場します。


第20話 嘆きの仮面

荒くれ無敵城

 

 いつもの様にゼイハブ達が集まる部屋の中でシェリンダは詰問する様な声でイリエスを問いただしていた。

 

「イリエス、何時になったら魔力集めが終わるんだ?もう魔獣を生み出せるだけの量は貯まっているだろう」

「・・・後もう少しよ」

「そのもう少しが何時だと聞いているんだ!」

「イリエスよぉ・・・俺も気が長い方じゃねぇんだよ。これ上魔力集めに時間を掛けるならテメエに払う金貨の量も減らす事も検討する必要があるな」

「えぇ!?待って下さい船長!!」

  

 ゼイハブの金貨を減らすと言う発言に流石のイリエスも慌てた声を出す。

 

「後一回、後一回で魔力集めは終わります!それさえ終われば直ぐにでも魔獣を生み出す大儀式が出来ます!ですから金貨を減らすのはまだ待って下さい」

「ほぉ・・・その言葉本当だろうな?」

「もちろんです船長!いよいよ私の切り札を出す時が来ました。デスフィアス、デスフィアス!」

 

 イリエスがその名を呼ぶと仮面の突いた♀の形をした杖を持った2足歩行をしたスフィンクスの様な魔人が現れた。

 

「ここにおります姉上」

「デスフィアス、お前には最後の魔力集めを任せるわ。私もサポートに回るから必ず成功させなさい!」

「お任せ下さい」

「身内びいきの上に過保護もいい加減にしろよ・・・」

 

 イリエスの過保護っぷりにシェリンダは呆れた様子で苦言を呈すがイリエスはどこ吹く風でゼイハブと話をする。

 

「では船長、最後の魔力集めに行って参ります」

「精々金貨を減らされねぇ内に早く集めるんだな」

「もちろんです!船長!!」

 

 

山中

 

「それで小夜、修行の成果はあったんか?」

 

 山中で謎の声の主を探す中、薫子は隣を歩いている小夜にこの前の修行の成果を聞いていた。

 

「そうね・・・大分自分の在り方や自分だけの武器というのもボンヤリとだけど掴んで来ている思うけどもう一歩と言う所ね・・・」

「そうか」

「焦る事無いよお小夜ちゃん!きっと小夜ちゃんなら掴めるよ」

「ありがとう、はるか」

 

 はるかの励ましを小夜は微笑みながら返して歩いて行くとやがて洞窟の様な物が見えてきた。 

 

「あそこの洞窟から声が聞こえる気がするよ!」

「いよいよ、謎の声の主と会えるわね」

「さあて鬼が出るか蛇が出るか・・・何にせよやっとご対面やな」

 

そう言いながら洞窟に入ろうとした時ヴァーツからのテレパシーが入る。

 

「(皆さんバルバンです!今度は幹部らしき人物も一緒にいて大勢の人を襲っています。急いで来て下さい!!)」

 

「チッ!このタイミングで現れるなんて空気が読めん奴らや」

「探索は又今度ね」

「これ以上犠牲者はださせないよお!」

 

はるか達はそう言いながら変身アイテムを取り出し変身する。

 

「「「トランスマジア!!」」」

 

 

 

市街地

 

きゃああああ!!

 

「チョロチョロ逃げるんじゃ無いわよ」

 

 逃げ惑う一般市民に対してイリエスは魔術を使い動けなくしていく。

 

「流石です姉上、これなら余裕を持って狙えます。嘆きの仮面!!」

 

そして動けなくなった一般市民達にデスフィアスは杖から次々と嘆きの仮面を放ち市民に被せていき、被せられた市民は次々と嘆き悲しんでいく。

 

ううううう・・・ 

 ウワアァァン!  

 ウッウッウッ・・・・

 

「何なんですかこの状況は・・・・・?」

 

 トレスマジアよりも早く到着したマジアベーゼ、レオパルト、ネロアリス、ロコムジカ、ルベルブルーメはデスフィアスの周りで嘆き悲しんでいる人々を見て困惑の表情を浮かべる。

 

「あら、誰かと思えばエノルミータじゃない。トレスマジアかと思ったわ」

「テメーエジプト女、又手下使って何かの儀式か?いい加減学習しねーのかよ~どうせアタシらやトレスマジアに妨害されて失敗に終わるだろ~」

「相変わらず口の利き方がなってないクソガキね。そんな減らず口は私の魔術を破ってから言いな、ハァッ!!」

 

 レオパルトの挑発にイリエスは額に青筋を立てながらそう言い水晶を掲げると水晶が光りレオパルト達は金縛りに遭った様に動けなくなった。

 

「えっ!?」

「何・・・だっコリャ!?」

「・・・・!?」 

「ちょっ、何よこれ!?」

「動け・・・ねぇ・・・」

  

何とか動こうともがくベーゼ達に対しデスフィアスが前に出て杖を振りかぶる。

 

「レオパルト、姉上を侮辱した罪、貴様の仲間共々罰を受けるがいい!嘆きの仮面!!」

「え?お前アイツの弟なの?全然似てなワプッ!?」

 

 レオパルトが何かを言っていたがそれも仮面を被せられた事で遮られ、そのまま仮面は溶ける様に消えると、レオパルト達の金縛りも解け動ける様になった。

 

「何だ急に悲しく・・・・うわぁぁぁん!」

 

 そう言うとレオパルト達は急に泣き崩れて地面を叩き出したり、転がり出したりし始めた。

 

「ホホホホ、愉快愉快。さっきまでの威勢がまるで無いわね。私の弟の力の前ではエノルミータ全員もこの程度ね」

「いえ、姉上どうやらそうでも無いようです」

「何ですって?」

  

デスフィアスに言われ改めて泣き崩れるベーゼ達を見ると、ネロアリスがベーゼ達を守る様に大型のぬいぐるみに乗り睨み付けていた。

 

「・・・・!!」(キッ!)

「どうやらあの子供、あのぬいぐるみに隠れて嘆きの仮面を防いだ様です」

「チッ、完全に動けなくしたと思ったのにあのガキ思ったより魔術の抵抗力があったみたいね。けど幸運は2度も続かないわよ、あんた1人に集中して掛ければ流石のあんたでも動けないでしょ?」

 

 そう言ってイリエスは再び水晶をネロアリスに向けて掲げる。

 

「喰ら「雪花の息吹!」ッ!」

 

イリエスが金縛りを放とうとした時、駆けつけたアズールが雪花の息吹を放ちイリエスとデスフィアスに浴びせ動きを止める。

 

「これ以上の悪事は許さないぞっ!トレスマジアここに参上!・・・・って何この状況?」

 

 マゼンタ達は現場に到着して名乗りを上げるが眼前には泣き叫ぶ一般市民とバルバンの幹部とその手下と思わしき魔人、それに向かい合う様にネロアリスが嘆いているベーゼ達を守る様に立っているのが見え困惑した声を漏らした。

 

「おい、バルバン、こいつらや一般市民に何したんや?」

「トレスマジアか、知りたければお前等自身が受けて見るがいい。嘆きの仮面!!」

「危ないサルファ!」

 

 デスフィアスが杖から何かを射出すのを見てマゼンタは咄嗟にサルファを庇う様に前に出た事でマゼンタに金色の仮面が被せられた。

 

「マゼンタ!?」

「大丈夫?」

 

 2人が心配してマゼンタに駆け寄るがマゼンタはそんな2人に気づかないかの様に泣き始めた。

 

「うううぅぅ・・・・うわぁぁぁーん!!」

「マゼンタ!?」

「急にどないしたん!?」

 

 急に泣き出したマゼンタに2人は驚いて取り乱した。それを見ていたデスフィアスは勝ち誇った様に叫ぶ。

 

「泣け!喚け!貴様等が悲しむ程魔力が貯まっていくわ!!」

「どういう意味や!」

「簡単な事だ。私の放った嘆きの仮面を被らされた4444人の悲しみが満ちた時、この杖に大量の魔力が貯まるのよ!」

「そしてその魔力と今まで私の配下が集めた魔力を使って私の大儀式が行われるのよ。ホホホ冥土の土産には良い話でしょ?」

「じゃあ今までの儀式や襲撃はその為に!?」

「っ!ふざんけなぁ!!」

 

 イリエスの言葉にサルファは激昂し、両腕にナックルを装備してそのままイリエスに攻撃を仕掛けた。しかし

 

「ハァッ!」

「なっ!?」

「隙ありだ。嘆きの仮面!!」

 

 イリエスは突っ込んでくるサルファにそのまま金縛りに掛け動きを封じ込めさらにデスフィアスが追撃で嘆きの仮面を放ちサルファに仮面を被せた。

 

「サルファ!?」

「くっそ・・・わぁぁぁぁん!!」

 

 アズールが驚いた声を上げる中サルファも仮面の効果で泣き崩れて戦える状態では無くなってしまう。

 

「フハハハ、気の強い奴の泣き姿は見応えがあるな!!」

「ホーホッホッホ、全くね!あんな挑発に簡単に乗るなんて見た目通りの単純な奴ね」

「クッ、あなた達は!!」

 

 サルファを嘲笑するイリエス達にアズールは怒りを込めて睨み付けるが状況は極めてアズール達に不利であった。

 

「(どうすれば・・・どうすれば碌に動けない2人を連れて撤退出来るの・・・!)」

「・・・・・・」

 

 内心で焦り、頬に汗を垂らすアズールをネロアリスはジッと見ると視線をイリエスの方へ向けた。

 

「さて後はあんた達だけね。あんた達はどんな嘆きを「姉上!」何?」

 

イリエスがそう言いながらアズール達を金縛りに掛けようとした時、ネロアリスは巨大なドールハウスを召喚し、それを使いイリエスとデスフィアスを閉じ込めた。

 

「アレはネロアリスのドールハウス!良し今なら!」

 

 アズールは急いで2人を抱えると空中に飛びその場を離れ、ネロアリスもぬいぐるみの腕にベーゼ達を抱え離脱していき、ドールハウスはその後しばらくしてイリエスに破壊されたがその時にはもう誰もいなかった。

 

「クッ、あのガキまさかあんな隠し球があったなんて・・・まあいいわ主立った邪魔者はこれで排除出来たわ。デスフィアス残りの奴の始末はヤートットに任せて私達は儀式を続けるわよ」

「了解しました姉上。ヤートット!奴らを探し出して始末しておけ!!」

「「「ヤートット!!」」」

 

 

 

廃墟

 

 

 廃墟の方まで撤退したネロアリスはヴェナリータと合流し変身が解けたうてな達の状態をヴェナに診てもらっていた。

 

「これは又面倒な呪いだね」

「・・・・・」

「「「「ううううう・・・」」」」

「うてな達は今は見えないけど仮面に掛けられた強力な呪詛の様な物で悲しみと一緒に魔力や生命エネルギーが吸われている。このままだと今日の日没には全てを吸い取られて死んでしまうね」

「・・・・!!」

「破壊や解除は出来ないかだって?それは無理だ。既に仮面はうてな達に深く浸食していて無理に剥がそうとしたり破壊すればうてな達の精神も壊れてしまうし、解除しようにも色々道具や設備がいるけど、それがあるナハトベースは現在ロードエノルメの支配下にあるからそれも不可能だ」

「・・・・・」

「他に方法があるとすればやはり一般的には掛けた術者本人を倒すか、その術を掛けた道具を破壊するかだね」

「・・・・!!」

「今行くのはお勧めしないよ。今町中でバルバンの戦闘員が君達を探している、幾ら君でもあの数を相手するのは無理だよ。いずれマジアアズールが動くはずだからそれに併せて動くといいよ。ボクが動きを監視しているからネロアリスは今の内に休んでおくといい」

  

そう言うとヴェナは空中に幾つもの映像を浮かび上がらせるとそれを監視し始め、それを見てアリスは力を回復させる為に変身を解いて、泣き崩れているうてな達を見る。

 

「「「「ううううう・・・」」」」

「・・・・・・・・」

 

 泣いているうてなを見て日没までにうてな達は持つのだろうかとこりすは心配し

 

「うわーん!最近トレスマジアにあんな事やこんな事が出来なくて悲しいよー!!」

「うわぁぁぁー!うてなちゃんとホテルに行けなくて悲しいよー!!」

「ううううう・・・早く真珠もアイドルになりたいよ~」

「チクショウ・・・・何で真珠はアタシの気遣いを分かってくんねーんだよー!!」

「・・・・・」(ジトー) 

 

 あれコイツら意外と大丈夫なんじゃ無いだろうか?とこりすは思い始めた。

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