市街地
「嘆きの仮面!!」
「きゃああああ!!」
トレスマジアとエノルミータが撤退した町でイリエスは次々と人々を魔術で拘束しそれをデスフィアスが次々と嘆きの仮面の射出し被せていく。
「これで2222人目、ホホホ順調ね」
ビル屋上
アズールは2人を連れて遠くのビルに避難するとヴァーツと合流しビルに結界装置を設置してもらうと変身を解除し同じく変身を解除した2人の様子を診ていた。
「はるか、ほら美味しいなめ茸よ。これを食べて元気を出して」
「美味しい・・・・ううでも悲しいよー!!」
「ダメか・・・なめ茸でもはるかの悲しみを治せないのね」
「ううううう・・・、早うエノルミータもバルバンも本拠地見つけて殲滅したいのに全然出来へーん!!」
「薫子は薫子で物騒な事嘆いてるわね・・・ヴァーツ、はるか達は治せそう?」
「正直かなり難しいかと・・・」
小夜の質問にヴァーツは難しそうな顔を浮かべる。
「この呪いを使った術者はかなりの実力者の様で破壊も難しく、解呪や呪いを一時的に抑えるアイテムを作ろうにも時間が掛かりすぎて出来る前にはるかさん達が先に呪いで死んでしまう可能性が高いです。可能性があるとすれば呪いを放った魔人かその杖を破壊すれば解ける可能性は高いかと・・・」
「そう・・・だったらあの魔人の持っている杖を破壊してその呪い解くしか方法は無さそうね」
「まさか小夜さん1人で行く気ですか!危険です今町はバルバンの戦闘員が大勢います小夜さん1人では殺されてしまいます!何とかボクが方法を考えますから」
「でもヴァーツこうしている間にも大勢の人がバルバンの儀式の犠牲になろうとしているわ。それは正義の魔法少女として見過ごす事は出来ないの、例え敵が強大で私1人しか戦えなくても私はもう決して悪に屈する訳にはいかないわ!」
「小夜さん・・・・」
小夜の決意を聞きヴァーツは圧されしばらく考え込む様に目を閉じていたがやがて意を決した様に目を開けた。
「・・・分かりました。それだけの想いの強さがあればそろそろ教えても良いかもしれません」
「ヴァーツ?」
「小夜さん、アナタやはるかさん達の持っている変身アイテム、実はもう一段階強くなれる機能があるんです。それは・・・・」
その頃町では着々とデスフィアスが犠牲者が増やしていっていた。
「嘆きの仮面!!」
「ああああ!?」
「これで3333人目、目標の数まで後もう少しね」
小夜は再びアズールに変身し魔力の消費を抑えかつヤートットに見つからない様に飛行はせずに町の中を走っていた。
「(アズール、ボクがなるべく敵の少ないルートをナビゲートします。ただ数が多いので完全に接敵をゼロには出来ませんが・・・)」
「(それでも十分に助かるわ、お願いねヴァーツ!)」
「(あ!アズールそこの建物の隙間に隠れて下さい、そちらに8人ほど敵が来ます)」
「(分かったわ)」
ヴァーツからのテレパシーを受け建物の隙間に隠れしばらくすると8人のヤートットが走り去っていき、それを見届けるとアズールは再び走り出した。
「(アズール、そこから200m先の曲がり角に3人ほど来ています)」
「(それだけなら隠れずに蹴散らすわ!)」
アズールはそう言うと氷の剣を生成して疾走し曲がり角から出てきたヤートットに斬りかかっていった。
「はあぁぁぁ!!」
「ヤトットー!?」
アズールに奇襲される形になったヤートットは碌な抵抗も出来ずに切り捨てられていきアズールはそのまま目的地へと走って行った。
廃墟
「どうやらマジアアズールが動いたみたいだよ」
「・・・・!!」
ヴェナリータの報告を聞き、泣いているうてなを撫でていたこりすはその手を止めるとネロアリスに変身するとそのままぬいぐるみに乗り廃墟から飛び出していった。
「いやあぁぁぁ!?」
「大人しくしろお前で4444人目だ」
「光栄に思いなさい、お前は私の弟の儀式を完了する最後の生贄なのだからね」
そう言いイリエスは這いずってでも逃げようとする女性を動けなくする。
「喰らえ嘆きの仮「待ちなさい!!」ぬ」
デスフィアスが杖を振り上げた時、女性を守る様にアズールが立ち塞がった。
「マジアアズール参上!バルバンこれ以上の暴虐は許さないわ!!」
「マジアアズール、態々生贄になりに来たか」
「丁度良いわね、最後の生贄はお前に変更よハァ!!」
イリエスはそう言うとアズールに金縛りの魔術を掛けアズールの動きを封じた。
「クッ!」
「止めだ嘆きの仮面!!」
「うぁ!?」
デスフィアスの嘆きの仮面を受けたアズールは金縛りが解けた後も顔を伏せて棒立ちになり動かなかった。
「オーホッホッホ、勢い込んで出てきた癖に他愛もないわね!」
「全くです。さぁ4444の仮面よ!人間共から・・・何!?」
「はあぁぁぁ!!」
イリエス達が勝ち誇りながら最後の仕上げをしようとした時、動かなかったアズールが突撃して来た。泣いていたと思い込んでいたイリエス達はギョッとして動きが止まり、諸共にアズールの斬撃を受けた。
「グッ!何故だ?確かにキサマは嘆きの仮面を受けた筈、悲しみの感情が浮ばん筈が無い!?」
「ええ、確かに今私には悲しみの感情が渦巻いているわ」
「ならば何故!」
「だけど私は皆を守る魔法少女、悲しみも痛みも全て受け止め一切を飲み込んで戦って守って見せるわ。見せてあげるわ私の新たな力を真化(ラ・ヴェリタ)」
そう言いアズールが胸元の変身アイテムに触れるとアズールが光り出し包帯の様な物に包まれ始める。
「これは!?」
「何だか分からないけど、このままやらせる訳にはいかないわね」
そう言いイリエスは水晶を翳さして魔術を放って妨害しようとした時頭上からネロアリスの乗ったぬいぐるみが攻撃を仕掛けそれによって攻撃が中断されてしまう。
「・・・・!」
「このガキ!!」
そうしている間にアズールの変身が完了し、長い羽衣と背中が大きく開いた巫女服とミニスカートを纏ったマジアアズール薄氷巫女(ウスライノミコ)が顕現した。
「・・・・!」
「な、何だその姿は!?」
「怯むんじゃないよデスフィアス!そんな虚仮威し、ハァ!」
ネロアリスは薄氷巫女の魔力に驚き、デスフィアスは怯み、イリエスはそんなデスフィアスを叱咤し魔術を放った。
「フッ」
「何!」
だがアズールはその攻撃を羽衣で受け止めて見せ、そして自分に当てて見せた。
「ハ?何やってるのお前・・・」
「愛ね」
「ハ?」
「アナタの攻撃は何かを手に入れてみせるという強い愛を感じるわ」
「チョット何イッテルカ分カンナイ」
「けれど安心して私は全ての愛を受け止めてみせるわ!」
「ヒィッ!?何コイツ怖いんだけど!!」
「姉上!お気を確かに!」
アズールの発言にイリエスは怯えて後ずさりデスフィアスはそんなイリエスを必死に宥める。
「おのれ、その様なハッタリで姉上の攻撃を止めたつもりか!ヤートット!一斉攻撃で仕留めるぞ」
デスフィアスはそう言いヤートットを呼び出しヤートット達はラッパ銃を構えアズールに一斉射撃を放った。
「くうう(ああ・・・こんなに沢山の愛が流れ込んでくるわ・・・けど愛は受けるだけではいけないわ、愛は愛は返さなければ!)」
そう思いながらアズールは羽衣を前面に展開しエネルギーを貯めていきそしてそれをデスフィアス達に撃ち込んだ。
「愛のアヴァランチ!!」
「ウワァァー!?」
「ウオォォォ!?」
「ヤトットー!?」
イリエス、デスフィアス、ヤートット達はそれ受け吹き飛び仮面の付いた杖も攻撃で真っ二つにへし折れた。
「おのれぇマジアアズール!姉上これを」
そう言いデスフィアスは仮面の付いた杖の上部分をイリエスに手渡した。
「魔力は万全とはいきませんでしたが、この量ならば必ずや大儀式は出来るはずです。姉上は急ぎ撤退を!」
「デスフィアス!アナタはどうするの?」
「私は姉上の脅威となるマジアアズールを排除します。どの道この傷では長くありません。せめて姉上のお役に立って見せます!」
「デスフィアス・・・」
「お早く!」
「クッ・・・・」
イリエスはデスフィアスの言葉を聞き悔しそうに姿を消して撤退し、それを見届けるとデスフィアスはアズールを睨み付けた。
「マジアアズール、キサマはイリエス魔人族の名に掛けて殺してくれる、バルバエキス!!」
バルバンの魔人はバルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは自らの命を縮める正に最後の手段なのだ!
『オオォォォ!』
「敵ながら見事ねその覚悟・・・でも負ける訳にはいかないわ。マジアエキス」
魔法少女はマジアエキスの力で巨大化する事が出来る。だか巨大化出来る時間は僅か5分なのである!
『はあぁぁぁ!!』
アズールは巨大化し剣を構えるデスフィアスに対抗する様に羽衣を剣の形に変え相対する。
『いくぞ!!』
『はぁ!』
デスフィアスの振り下ろした剣をアズールは剣で受け止め、そのまま鍔迫り合いとなるその状態からデスフィアスはアズールに足払いを掛け態勢を崩した。
『きゃ!?』
『終わりだ!』
デスフィアスはそう叫び、剣を倒れたアズールに叩き込んでいきアズールはそれを羽衣で防御する。
『くぅ(ダメ、この態勢じゃ攻撃出来ない・・・)』
『さっさと死ねぇ!』
そう言いデスフィアスは剣を大きく振りかぶった時、横合いから巨大なぬいぐるみが突撃して来た。
『うぉ!?』
『ネロアリス!助けてくれたの・・・・?』
「・・・・・」
アズールの疑問にネロアリスは応えずそのままデスフィアスに攻撃を続けていく。
『グ、ガァ』
『今なら、避けなさいネロアリス!雪花大雪斬!!』
そう叫びアズールは羽衣に冷気を纏わせそれを大きく伸ばして横薙ぎになぎ払った。
「・・・・!」
『グアァァ!?』
ネロアリスはその声を聞いて飛び退き、デスフィアスは避けられず羽衣が直撃して凍り付いた。
『砕けなさい、バルバン・・・』
そう言いアズールが指を鳴らすと凍ったデスフィアスは粉々に砕け散った。
荒くれ無敵城
「デスフィアスが・・・私の可愛い弟が・・・・!」
「マザーお気を確かに・・・」
デスフィアスの戦死を聞きイリエスは普段の様子をかなぐり捨て泣き崩れ、それをメドウメドウが必死に慰めるが一向に収まる様子が無かった。
「デスフィアスー!うわぁぁぁー!!」
ビル屋上
「すまんな小夜、1人で戦わせてしもうて」
「ごめんなさい小夜ちゃん」
デスフィアスが倒された事により嘆きの仮面の呪いが解けた薫子とはるかは苦労を掛けさせてしまった小夜に謝っていた。
「気にしないで私も今まで2人に迷惑掛けたからこれでお相子よ。これからはこの新しい力で頑張るわ」
「ありがとう小夜ちゃん!それにしてもその真化ってスゴイね!」
「せやな、何で教えてくれなかったんヴァーツはん?」
「すいません、真化は強い想いと高い魔力が無いと出来ないし、消耗も激しいのででまだ早いと思い黙ってました・・・」
「ふぅん、ま、確かにそれだけ強力やったら早々に教えらへんわな」
「でもバルバンとエノルミータと戦ってきた今の皆さんならもう真化しても大丈夫かもしれません。後は切っ掛けさえあれば」
「出来るって事!」
「え、えぇ」
ヴァーツの言葉にはるかは目を輝かせて聞くとヴァーツはしどろもどろになって答えた。
「はるか、落ち着きなさい」
「あ、ごめん・・・」
「ま、楽しみなのは分かるけどな、今は真化無しでも頑張っていこな」
「うん!」
廃墟
「ごめんねこりすちゃん、1人で戦わせちゃって・・・」
「・・・・」(フルフル)
謝るうてなに対してこりすは気にしないでと言う様に顔を横に振った。
「でも、こりす~よくお前1人であのエジプト女とその弟を倒せたな~」
「・・・・・・」
「えっ?こりす1人じゃなくてアズールがバルバンを倒したの?」
「・・・・・・」
「しかもアズールが新しい姿「ああああああ!」なんだよ!?」
こりすが新しいアズールの姿を言おうとした時、うてなが大声を出した。
「こりすちゃん、お願いだからネタバレはやめて!」
「アンタねぇ!せっかくのこりすの情報を無駄にする気!」
「いやです、アズールの姿は自分の目で確かめます」
真珠の怒る声にうてなは聞く耳を持たない。
「~~~~アンタねぇ」
「やめとけって、こりすの情報はアタシらが共有しとこうぜ」
「・・・・・」(ふぅー)
ネモはそう言って真珠を宥めこりすはしょうがねぇなと言う様にため息を吐いた。
こうしてイリエス魔人族の切り札は倒された。だがイリエスの大儀式は着実に近づいてた。
「トレスマジア・・・そしてエノルミータ今に見ていなさい!」
そしてその裏で動き出す者
「シスタ、怪我は完治したな」
「はいぃ」
「征くぞシスタ侵攻を始める」
そして山に潜みはるか達を呼ぶ者達
〈彼女達は来るかな?〉
〈来るさ、きっと〉
〈彼女達は彼等と同じ者を感じた。ならばきっと力になってくれる〉
今伝説は新たなページを開こうとしていた!
オリジナル技
雪花大雪斬
薄氷巫女となったアズールの必殺技、伸縮自在の羽衣に冷気を纏わせそれをなぎ払う様に振るう事で剣よりも長いリーチで相手を凍らせる事が出来る様になった。