荒くれ無敵城
部屋の中にはゼイハブとシェリンダとイリエスそして傍にメドウメドウが控えていた。
「イリエス約束の一回が終わったんだ。もう魔獣を生み出す儀式は出来るんだろうなぁ?」
「え、ええ・・・もちろんです船長。必ずやダイタニクスを上回る魔獣を生み出して見せますわ!」
「よーしその言葉信じてやる、ダイタニクス以上の魔獣を生み出せたら褒美の金貨は倍だ!」
「!!はい必ずや成功させますわ船長!行くよメドウメドウ」
「はい、マザーイリエス」
イリエスはメドウメドウを連れて部屋を出て行くのを見届けるとシェリンダはゼイハブに視線を向けた。
「船長、本当にイリエスが魔獣を生み出せると思うんですか?」
「どっちでも構わねぇよ、イリエスが成功すればそれで良し、失敗したら他の奴の案を採用するだけだ。どの道イリエスはここまでだ」
山中 洞窟
「うう、結構暗いね」
「日を改めて正解だったわね。装備を十分に用意出来たし」
「にしてもこの洞窟何処まで続いてるんや」
はるか達は声がする洞窟を探索するのに装備を調え頭にヘルメット、背中にリュックサックを背負い、手には懐中電灯を持って探索をしていた。
「そうね、もう30分位歩いてるわね?」
「もうそんなに歩いたの!」
「それなのに出口も見えへんなんて、どんだけ長い洞窟やねん・・・」
薫子がそうぼやくとやがて岩で塞がれた通路が見えた。
「・・・・行き止まりね」
「なんやねん!人を呼び出して置いて行き止まりに連れてくるなんて、やっぱり騙しおったなあの声!!」
「か、薫子ちゃん落ち着いて」
〈いや、騙してはいない〉
「「「!?」」」
散々歩かされて行き止まりという結果に薫子はぶち切れ、はるかは慌ててそれを宥めていると突如3人の脳内に声が響いた
「この声、私を呼んだ声なの?」
〈その通りだ〉
「・・・騙してないってどういう意味やねん?」
〈言葉通りの意味だ。君達には私達の声が聞こえたならここを通れる資格がある。このまま恐れずに前に進んで欲しい〉
「はぁ?何言うとんねん岩で塞がってんのに進むも何も「分かったよ!」はるか!?」
謎の声の主の指示に薫子は胡散臭そうな表情をするが、はるかがそれに従おうとするのを見て慌てた声を出した。
「ちょっ待ちい、はるか!流石にあの声の事信じすぎやろ!?」
「そ、そうよはるか!人(?)を信じるのはアナタの美点だけど流石に少しは疑った方がいいわよ!?」
「大丈夫!何だか嫌な予感は全然しないから!」
薫子や小夜は慌ててはるかを止めようとするがはるかは気にせずズンズン進んでいきやがて岩に足を一歩踏み出すとそのまま岩をすり抜けそのまま転げ落ちていった。
「わあぁぁぁーーー!?」
「「はるかー!」」
そのままはるかの声が下に落ちる様に消えていき2人は同時に叫び声を上げた。
「お前やっぱ罠やったんやな!」
「許さないわ!」
2人は罠に嵌められたと思い変身し怒りを込めて天井を睨むが声の主は慌てた様子も無く声を掛ける。
〈心配しなくていい。彼女は無事だ、下は柔らかい砂地だから怪我一つ無い。そろそろ彼女からテレパシーが来る筈だ〉
「(2人ともー私は大丈夫だよぉ!)」
謎の声が言う通り直ぐに2人の元からはるかの元気な声のテレパシーが届いた。
「(はるか!良かったわ)」
「(はるか、周りには何かあるか?)」
「(うーん、あ!奥に洞窟が続いてるよ!)」
「(分かった。ウチらも下りるからそこで待っててな)」
サルファはそう言うとアズールと共に幻の岩に隠れた坂を下りていった。
「2人とも変身したんだ」
「ええ、この先どんな罠があるか分からないから念のためにね」
「ウチらは、はるか程あの声は信用できんからな」
〈罠など無いんだがな〉
「信用出来るかい」
サルファが疑わしげに睨んでいると新たなに2つの声が聞こえた。
〈悪いな、コイツはぶっきら棒で愛想が無いから信用出来ないのは分かるが〉
〈あなた達に危害を加える気が無いのは本当よ。変身した状態で良いから私達に会ってくれないかしら、この洞窟の奥に私達はいるから〉
「この声、前に私が聞いた声ね」
「・・・ウチらに会いたいって言うんならアンタら来たらどうやねん」
〈そうしたいのは山々だが私達はとある事情があって動けないんだ。だから君達に来て貰うしか無いんだ〉
〈私達の事は実際に会ってから信用出来るか判断して欲しいの、信用出来ないと思ったら殺してくれても構わないわ〉
「・・・・そこまで言うんなら行ってやるわ。けど本当に罠張ってたり信用できんかったらそん時は覚悟せえよ!」
〈あぁ、覚悟しておこう〉
サルファの脅しに特に怯えた様子も無く返した声にサルファは若干苛立ちを感じつつもはるかの方を振り返った。
「はるか、聞いた通りや、念のために変身してこの洞窟探索すんで」
「う、うん」
サルファにそう言われはるかはマゼンタに変身し、リュックを背負い直すと洞窟へ入って行った。
町中 中央広場付近のビル屋上
「マザー、あんな事を言いましたがこの魔力で本当にダイタニクス以上の魔獣を生み出せるのですか?」
魔法陣の上に宝石、蛮刀、砂金の入った壺、ペンダント、仮面を並べながらメドウメドウは心配そうにイリエスに聞く。
「・・・正直かなりギリギリよ。魔獣の卵は生み出せてもそれを孵化出来るかどうか・・・でも唯でさえ私の評価が下がってるのにあそこで出来ないなんて言ったら、報酬の減額どころか0にされかねないわ、ただ働きなんて真っ平よ!」
「ではどうやって孵化を?」
「問題ないわ。前にバルキバルキに作らせた儀式の仕掛けがまだ生きている、それを利用すればいいわ」
「おぉ、流石はマザーイリエス・・・ん?何か下が騒がしいですね」
感心した様に言うメドウメドウの耳にビルの下が騒がしい事に気づき下を覗き込んでみると仮面を着けたスライムの様な魔物が市民を襲っている姿が見えた。
「マザーイリエスこれは!?」
「フンッ、エノルミータかロード団の仕業の様ね、丁度いいわアレも私の儀式に利用してやるわ」
そう言うとイリエスは水晶を翳し呪文を唱えると魔法陣に並べられた触媒が光り一つに混ざり合うと円錐の様な物に変化した。
「この星に溜まりし穢れよ今こそ我が魔力に集まり新たな邪悪な命となるが良い・・・イシウスオシリスアラビスナルジェプストメプジェプストケブリー・・・」
町中
町に現れた魔物に対処する為にうてな、キウィ、こりすが変身し戦おうとした時ロコムジカとルベルブルーメが合流した。
「2人とも!!この魔物はロードの?」
「そうよ!ロードの能力で創り出された魔物・・・・!」
「ロードが創った!?それってべーぜちゃんみたいな!?」
「そうね・・・ロードの能力は魔物の創造、アイツいよいよ自分の軍隊を送り込んできたってことね!」
「ンだよそれ先に説明しとけよ~」
「しようとしたらベーゼに変な部屋に閉じ込められるわ、バルバンとの戦いでそれどころじゃ無くなったのよ!」
レオパルトの言葉にロコムジカはベーゼを指さしながら怒った時、町全体を揺るがす地響きが起こった。
「何ですか!?」
「おい、あれ!!」
ルベルブルーメが指さした先にはかつてロコムジカが野外ライブを行っていた郊外の広場に巨大な卵が出現した。
「何だアリャ?アレもロードの魔物か?」
「いや、あんな魔物、魔法少女狩りの時にも見た事がねぇ・・・」
「じゃあ、アレはバルバンの!?」
「ベーゼちゃん!魔物が!!」
レオパルトが警告する様に叫ぶと同時にロードの魔物が一斉に襲いかかってきた。
ビル屋上
「よし、第一段階は成功ね。次は・・・」
そう言いながら、イリエスとメドウメドウは円錐の魔法陣に入ると中で呪文を唱え始めた。
「町に打ち込まれし魔法陣よ、再び蘇りこの町の命と魔力を吸い上げ魔獣の卵に与えよ・・・イシウスオシリスアラビスナルジェプストメプジェプストケブリー・・・」
町中
町中ではベーゼ達がロードの大量の魔物を迎撃していた。
「何っだよこの数!!面倒くせぇ!!でもコイツらは一体一体ちょ~弱いじゃん、これならよゆう・・・」
レオパルトがそう嘯いた時魔物が再生し一塊になったと思ったら、エネルギーの様な物が抜け出し動きが鈍くなった。
「何だ?コイツら動きが・・・ってアタシらも!?」
鈍くなった魔物に怪訝な視線を向けた時レオパルト達も何かを吸い上げられる様な感覚に陥った。
「これはマズいね」
「ヴェナさん・・・!これは一体?」
突如現れたヴェナリータにベーゼは疑問をぶつける。
「今ベーゼ達を吸い上げている力どうやら前に戦ったバルバンの魔人の物が強化されているらしい、生命エネルギーだけで無く魔力も吸い上げている。さらにロードの魔物は彼女の魔力そのものから創られている、彼女を倒さなければ魔物は消滅しないからこのままだと延々とロードの魔物から魔力が吸い上げられて、確実に良くない事が起こるだろうね」
「そんな!どうすれば・・・」
「方法は二つ、魔物を生み出しているロードエノルメを倒す事とこの儀式の起点になっている中央広場付近のビル屋上にある魔法陣を壊す事だね」
「だったら・・・」
ベーゼが何かを言いかけた時地響きが聞こえ、巨大化したシスタギガントが現れた。
『悲しいですぅ・・・折角のロード様の侵攻にこんな事が起こるなんてぇ・・・体はダルいですがまずは先に弱いあなた達から叩き潰してあげましょお』
そう言いながらシスタギガントはベーゼ達に向かって巨大な腕を振り上げた。
洞窟
マゼンタ達は洞窟を奥へ奥へと進んでいきやがて広く開けた空間に出た。
「ここが終点かな?」
「どうやらそうみたいね」
「ようやくやな・・・さぁ約束通りきたで!いい加減姿を現したらどうや!」
〈あぁ、よく来てくれた。待っていたよ〉
サルファの声に応える様に声が聞こえると同時に空間が光り始め3人はその眩しさに思わず目を閉じ、光が収まり再び目を開けると3人の目の前に見上げる様な巨大なユニコーン、オルカ、タカの石像がそびえていた。
「何、やこれ・・・!?」
「これが謎の声の正体!?」
「あ、あなた達は何者なんですか?」
〈初めまして、トレスマジアの皆さん私はギンガルカ〉
〈俺はギンガホーク〉
〈私はギンガホーン、かつてこの星をギンガの戦士達と共に守っていた星獣という生き物だ〉
「星獣・・・それがあなた達の正体なんですね。でも何故石化をしているんですか?それに何で私達を呼んだんですか?」
〈あぁ、その質問は順を追って答えよう。まずは私達がどういう存在で何故石化しているのかその理由から教えるよ〉
マゼンタの質問に対しユニコーンの石像ーギンガホーンーはそう言いながら自分達の事を語り始めた。
中途半端かも知れませんが今回はここで区切ります。