ダンジョン 最終エリア
「えい!えーい!」
〈マゼンタ無茶だ!!〉
マゼンタはサルファの結界に守られながら押し寄せる毒煙を必死に浄化していくがそれを上回る量の毒煙が次から次へ押し寄せてくる。
〈マゼンタ君はまだこの力を使い慣れていない、そんなに乱発しては直ぐに力が枯渇するぞ!〉
「でも浄化しなかったら毒がダンジョン蔓延しちゃうよ!」
「ギンガホーン!何か方法は無いの!?」
〈ヌゥ・・・〉
アズールの悲鳴の様な質問にギンガホーンは困った様に唸る。
〈・・・あるにはあるがそれをやるにはこの迷宮の様な入り組んだ遺跡では浄化仕切れないかもしれないし、何よりマゼンタの負担が途轍もない物になるから正直教えたくは無いのだが・・・)
「大丈夫耐えてみせるよぉ!!」
「ちょい待ちいマゼンタ!ギンガホーンが言うてやろ!入り組んだ遺跡じゃあ毒が浄化しきれんて言うてたやろ!毒を全部消し切れんのにマゼンタに負担掛ける様な無理させる訳にはいくかい!ここはウチの結界で守りながらダンジョンを突破した方がええ!」
「でもそれだとサルファが先に倒れちゃうよ!それにこんな沢山の毒煙が外に漏れたら大変だよ!やっぱり此処で全部浄化しなきゃ行けないよぉ!!」
「ゲホッ・・・なぁトレスマジア・・・」
マゼンタとサルファが言い合っていると毒で倒れているルベルブルーメが声を掛けてきた。
「このダンジョンが無かったら・・・ここの毒を全部消せるのか?」
「え?う、うんギンガホーンがそう言ってるから可能だと思うけど」
「だったら、取引だ。アタシ達の毒を消してくれたらベーゼやアリスにこのダンジョンを消す様に頼んでやる・・・」
「それは本当なの?」
「ちょい待ちいマゼンタ。敵の言う事なんか信用出来るか!」
「こんな状況で嘘吐くかよ、どの道このままじゃ全滅なんだ・・・お前等が仲間助けたいみたいにロコや仲間助けたいのはこっちも同じなんだよ」
「・・・サルファ、ここはルベルブルーメを信じてみましょう。彼女の仲間を助けたい思い嘘には見えないわ」
「サルファお願い!」
「・・・分かったわ、ルベルブルーメちゃんと約束守るんやぞ」
「もちろんだっつの・・・」
ダンジョン 最奥の間
「ゴホッゴホッ!!アリスちゃんこっち!」
「・・・・ッ!」
通気口からどんどん毒煙が流れる中マジアベーゼはネロアリスの口元にハンカチを当てをなるべく煙の薄い所へ避難させ、そんなマジアベーゼをネロアリスは心配そうな表情で見ていた。
「私は大丈夫だからアリスちゃん(けどどうしよう・・・アリスちゃんを毒煙を吸わせ無い様するにはナハトベースに避難させるのが一番だけどそうしたら、ダンジョンが維持出来なくなってダンジョンが消えて、ダンジョンに貯まってる毒が外に流れて街に流れ込んじゃう・・・どうしたら?)『ベーゼ聞こえるか?』ルベルちゃん?」
追い込まれていく状況をどうすればいいかベーゼが悩んでいると監視していた画面からルベルの声が聞こえる。
『マジアマゼンタに毒を消す方法があるらしい、アタシやロコやレオパルトもそれで毒を消して貰った。毒を全て消す為にはダンジョンを解除する必要があるから解除してくれないか?』
「ルベルちゃんそれは本当なの?」
『あぁ』
「分かりました。マジアマゼンタの力信用しましましょう・・・アリスちゃん良い?」
「・・・・」(コクリ)
「ありがとうアリスちゃん・・・聞こえますかマジアマゼンタ?今からかダンジョンを解除しますから準備をして下さい」
〈マゼンタ行くぞ!〉
「うん!」
『解除します!!』
ベーゼの言葉と共にダンジョンが消えそれと同時に大量の毒煙が山に溢れ出てきた。
「〈浄化のアースよ!!我らの全ての力を持ってこの穢れを浄化したまえ!!〉」
マゼンタとギンガホーンがそう叫ぶとマゼンタの体から暖かな光りの様な波動が広がり赤い毒煙を全て消し去ってしまった。
「やった成功よ!!」
「スゴイやんマゼンタ、ギンガホーン!」
「う・・・・」
山中の毒が完全に浄化されたのをアズールとサルファが喜んでいるとマゼンタは汗を流しながら膝を着いた。
「「マゼンタ!?」」
「大丈夫だよぉ・・・・ちょっと立ちくらみがしただけだから。それよりエノルミータは?」
「あ!アイツらいつの間にか全員居なくなっとる。クソッあんなダンジョン作ったケジメに一発ぶん殴ろうと思たのに!!」
「まぁまぁ、それは又今度にしましょう。今はバルバンを倒さないと奴らきっと街で毒を撒いている筈よ」
「だったら直ぐに行かないとぉ・・・」
そう言いながらマゼンタはフラつきながら立ち上がろうとしてそれを慌てて2人は止めようとする。
「待ってマゼンタそんなフラフラの状態で行くのは危険よ!ここは私とサルファが行くわ」
〈そうよ。ダンジョン全ての毒を浄化したんだから全く負担が無いはず無いわ!〉
「そや、あんなクワガタ魔人なんかウチらが倒すからマゼンタはここで休みい」
〈ギンガホーンもマゼンタを説得してくれよ!!〉
「でもあの毒を浄化出来るのはあたししか居ないから・・・それに皆を苦しめるバルバンは絶対に許せないよぉ!!」
〈・・・どうやらマゼンタの決意は固いらしい、こうなったらマゼンタは頑固らしいなアズール〉
「う・・・」
かつてアズールが言った言葉をギンガホーンが言いアズールはバツが悪そうな顔になる。
〈フッ、何私達がフォローすれば大丈夫だろ?私も全力でマゼンタを助けるつもりだ。行こうかマゼンタ〉
「ギンガホーン!ありがとう!!」
街中
「ドンドン食ってドンドン殺す!最高だなぁ、毒噴射!!」
キヤァァァ!ゴホッゴホッ!!
タグレドーはそう言いながら携帯電話を囓りながら街中で毒煙を噴射し一般市民達を苦しめていく。
「よーしこの調子でこの街を毒で満たして魔獣の卵の最高の環境にしてやる「待ちなさい!」何!?」
タグレドーが声のする方を振り向くとトレスマジアが走ってくるのが見え驚愕した。
「トレスマジア!?どうやってあの遺跡から脱出を!?「獣撃破!!」グワァ!!」
タグレドーの疑問を無視してマゼンタは走りながら獣撃破を放ち毒噴射を強制的に中断させると毒で苦しむ一般市民達に浄化のアースを当てていく。
「マゼンタそのまま浄化をお願い!私達がバルバンを倒すわ!!」
「もう毒なんて撃たせるか!オラオラ!!」
「ハァァァ!!」
「グゥ!!」
アズールとサルファは一気にタグレドーに接近し毒を撃たせるかと言わんばかりに連続攻撃を放ち、それに対しタグレドーは次々体に攻撃を受けていく。
「このぉ・・・ッ!!調子に乗るなぁ!!」
「きゃあ!?」
「うわっ!?」
だがタグレドーもやられてばかりではなく両腕でアズールとサルファの攻撃を掴むとそのまま投げ飛ばした。
「もう一度喰らえ毒噴射!!」
距離が開いた事でタグレドーは再び毒を浴びせようと近くにいたサルファに毒を噴射した。
「ガッ!?」
「「〈〈〈サルファ!!〉〉〉」」
サルファは避けれず直撃を食らい苦しみだし、それを見てアズールとサルファは慌てて駆け寄る。
「今度はお前等纏めて浄化しきれない位の量を喰らわせてやる喰らえ!!」
そう言い一塊になったトレスマジアに大量の毒煙を浴びせようとした時何処からか飛んできた影手裏剣がタグレドーの2本の角を切り裂いた。
「ギャア俺の角が!?」
「ッ!今のは!!」
マゼンタが手裏剣が飛んできた方向を見るとそこにはそれぞれの武器を構えたルベル、ロコ、レオパルトが居た。
「借りを返しに来たぞマジアマゼンタ。コイツは抑えといてやるから早くサルファを治してやれ!」
「よくもロコに毒喰らわせたわね!」
「ベーゼちゃんを毒で苦しめた罪償わせたらー!!」
「テメー等よくも俺の角をー!!」
「あなた達だけに戦わせないわよエノルミータ!」
タグレドーは怒り狂ってハンマーを取り出すとそのままルベル達とアズールの戦闘を開始していき、その間にマゼンタはサルファに浄化のアースを当てて治そうとするが弱々しい光りしか出ずサルファの顔色が一向に良くなる気配が無かった。
「どうして!?どうして浄化のアースが出ないのぉ!?」
〈マズイ・・・力を使いすぎたんだ。もうサルファの体内の毒を浄化出来るだけのアースを出せなくなっている!〉
〈そんなサルファが死んじまう!何とか体内の毒を消す方法は無いのかよ!?〉
「ッ!!」
ギンガホークの悲痛な叫びにマゼンタは自分の力不足に顔を歪め涙を流してしまう。そうしている間にもアズールとルベル達は徐々にタグレドーに押し込まれていく。
「オラァ!」
「「「「ウアァァ!!」」」」
「・・・・まだだよ、まだ諦めない絶対サルファを死なせないんだからぁ!!」
――――――――
サルファは自分の意識が暗い闇の中に浮いている様な感覚を覚えながらボンヤリとしていた。
(あーこらアカンわ・・・全然体動かんし意識も朦朧としとるわ。どうやらウチはここまでの様やな・・・堪忍なギンガホーク、アズール、ギンガルカ、ギンガホーン・・・・マゼンタ、もっとアンタらと正義の魔法少女やりたかったな・・・)
そう思いながら意識が闇の奥深くに沈みそうになった時上から光りの様な物を感じ体浮かび上がる感覚がした。
「ッ!?」
「ぷはっサルファ意識が戻ったの!!」
サルファが目を覚ますと丁度マゼンタがサルファに口付けをしていた所で意識の戻ったサルファは思わずズサッとマゼンタと距離を取ってしまった。
「ママママ、マゼンタ!アンタ何しとんの!?」
「あ、ごめんなさい・・・あたしの浄化のアースが足りなくてサルファの体内の毒を消そうと人工呼吸の要領で息を吹き込みながらあたしの残ったアースを流しこんだんだけどゴメンね、気持ち悪かったよね・・・」
「あ、いや別に気持ち悪いとかそんなん全然思てへんって!?緊急事態何やからマゼンタは当然の処置したんやから全く問題ないって!?助かったんやからマゼンタは正しい事したんや!!」
「本当?良かったぁ・・・」
「あーウン・・・」
〈〈・・・・・?〉〉
マゼンタはホッとした様子を見せサルファは何処かギクシャクしながら顔を赤らめギンガホークとギンガホーンはそんな様子を不思議そうな顔で見ているとそこへアズールが吹っ飛ばされてきた。
「ぶべら!!」
「「アズール!?」」
「ハッ!サルファ良かった助かったのね!・・・ってどうしたのこの空気?」
「いや何でも無い!何でも無いから!!マゼンタ、アズール!マジックアースキャノンでケリつけんで!!」
「「え、う、うん」」
勢い込んで誤魔化す様に叫ぶサルファに飲まれ思わずマゼンタとアズールは反射的に頷いてしまった。
――――――
「オラァ!」
「クソッ!何だよコイツこんなに強かったのかよ・・・」
「ロコもうこれ以上持たないわよ・・・」
「いや、どうやら十分やったみてーだ、影繰り!!」
ルベルは影を伸ばしてタグレドーを拘束すると直ぐに距離をとり離れていく。
「舐めるな!こんな拘束「獣魔一体マジックアースキャノン!!」!?」
タグレドーが拘束を解こうとした瞬間トレスマジアのマジックアースキャノンが放たれ動けないタグレドーはそのまま直撃を喰らい爆発した。
「グアァァ!?」
「正義は必ず勝つ!だよ!!」
タグレドーは爆発の中拘束を破るとバルバエキスの瓶を取り出した。
「クソッタレ!テメー等を道連れしなきゃリーダーが危ねーんだよ!バルバエキス、効くぜー!!」
バルバンの魔人はバルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは自らの命を縮める正に最後の手段なのだ!
『オオオオオ!!』
「2人ともここはあたしがやるよぉ!」
「ちょっ!マゼンタ連戦やけどアンタ本当に大丈夫なん?」
「後一回なら大丈夫!それにあの魔人はあたしが倒さなきゃ!!」
「だったら私にも手伝わせてマゼンタ。手助けするわ」
「アズールありがとう!」
「頼んだでアズール!」
「えぇマジアエキス」
魔法少女はマジアエキスの力で巨大化する事が出来る。だか巨大化出来る時間は僅か5分なのである!
『『はあぁぁぁ!、はぁ!!』』
マゼンタは巨大化すると直ぐに魔法の槍を生成しそれを構えた。
『速攻で決めるよぉ!マジカルストライク!!』
マゼンタはそう言い槍をタグレドーに投げつけるがタグレドーはそれを回避する。
『そんな物に当たるか!!』
『くっ』
〈マゼンタ焦るな、そう言う技は相手の動きを封じてからだ〉
避けられた槍はタグレドーの背後にある魔獣の卵に当たりバチリと光るとそのまま卵に吸収されてしまった。
ドクン!!
『援護するわマゼンタ。雪花の戒め!!』
『ヌグゥ!?』
アズールはマゼンタを援護する為にタグレドーの足を凍り付かせ動きを封じる。
『ありがとうアズール!獣撃破!!』
マゼンタはアズールに礼を言い、タグレドーに獣撃破を放つ。
『舐めるな!』
だがタグレドーはそれをハンマーで打ち返しマゼンタとアズールに当てていく。
『きゃああああ』
『アズール!だったらこれで獣撃棒ランスモード!マジカルユニコーンブースト!!』
『グエッ!?』
マゼンタはランスモードの獣撃棒を構え高速移動モードで接近しタグレドーを突き刺した。だがタグレドーは苦しげに呻くがニヤリと笑う。
『近づくのを待ってたぜ毒噴射!!』
タグレドーはそう叫び再生した角から至近距離で大量の毒煙をマゼンタに放出した。
『きゃあっ!?』
〈グッ!?マゼンタ!!〉
『止めだ喰らえ!!』
そう言ってタグレドーは止めを刺そうと腕を振り上げようとするがグイとマゼンタが獣撃棒を持ち上げ空中に浮かべる。
『なにぃ!?』
『マジカル・・・・ユニコーン・・・キャノン!!』
そう息絶え絶えに言いながらもエネルギー状のランスを打ち上げタグレドーを空中で爆散させた。
『ウオァァァー兄貴ーーーー!?』
『ハァ・・・・ハァ・・・・』
マゼンタは荒い息を吐くと元の大きさに戻りそのままバタリと倒れ意識を失った。それを見てアズールとサルファは血相を変えてマゼンタに向かって走って行った。
「「〈〈マゼンタ!!〉〉」」
ビル屋上
「タグレドーがやられたか・・・だがマジアマゼンタを倒す事が出来たし収穫もあった。さっきマゼンタの槍が吸収された時のあの卵の反応!・・・間違いねぇ遂に俺は孵化する方法を見つけたぞ!!ヒャーハッハッハ!!」
ビルの屋上で戦いを見ていたサンバッシュは今回の作戦の結果を見て歓喜して笑い声を上げた。
この戦いでマゼンタは倒れ遂にサンバッシュは魔獣の卵の孵化の方法を見つけた。戦いは新たな局面を迎えようとしていた!!
実はベーゼは毒が浄化仕切る前に撤退してしまったので、若干毒の影響で動けなくなりその所為でタグレドーとの戦いに参加出来ませんでした。ネロアリスはベーゼの看病で居ませんでした。