魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

38 / 110
少し用事が立て込んで更新が遅れましたが38話になります。


第38話 解毒とサルファと負けない想い

病院

 

 

 タグレドーの毒を受けたマゼンタはアズールとサルファに急いでヴァーツに連絡をいれ彼の手配した病院に運び込まれる事になった。幸か不幸か浄化されているがタグレドーの毒の後遺症に悩む人達も何人かいたので怪しまれる事は無かった。そしてマゼンタははるかに戻り病院のベッドで意識不明の状態だった。

 

「「はるか・・・」」

「「「ねーちゃん・・・」」」

 

 今病室にはベッドで眠っているはるかとお見舞いに来た小夜と薫子とはるかの妹たちのなつな、あきほ、みふゆの三つ子達がいた。はるかの母親も居たが今はお手洗いにいって席を外していた。

 

「なあなあ、ねーちゃん起きるよな?」

「おきるよねー?」

「よねー?」

「それは・・・」

「大丈夫や」

 

 三つ子の言葉に小夜は言い淀むが薫子は三つ子に目線を合わせるとニッコリと微笑んだ。

 

「はるかねーちゃんはきっと起きるわ。今はちょっと疲れて眠ってるだけや」

「「「本当?」」」

「あぁ本当や、はるかが起きたら皆で快気祝いしてやろーな」

「「「うん!」」」

「じゃあ、ウチらはそろそろ帰るわ、はるかの事頼むでちび達」

「「「分かったー!!」」」

 

薫子はそう言って小夜と一緒に病室を出て病院から出ると小夜に低い声を出す。

 

「・・・小夜、ヴァーツはんの所に行くで、はるかの毒を解毒する方法を探さんと・・・」

「えぇ・・・」

 

 小夜は薫子が血が出るほどに掌を握りしめて歩いていくのを見て何も言えず頷くしか無かった。

 

 荒くれ無敵城

 

「ヒャホォォォー!!」

 

ゼイハブ達が集まるいつもの部屋でサンバッシュは喜びながら銃を乱射していた。その様子をゼイハブとシェリンダは迷惑そうに見ていた。

 

「どうです船長!俺の作戦でマジアマゼンタが戦闘不能になりましたぜ!!どうだシェリンダ俺の実力は?ん?」

「浮かれるなサンバッシュ!!」

 

 そんなサンバッシュをシェリンダは一喝して黙らせる。

 

「確かにマジアマゼンタを戦闘不能に追いやったのはテメエの功績だ。だが肝心の魔獣の卵の孵化はどうなってるんだサンバッシュ?」

「ご心配無く船長、俺はもう孵化する方法を見つけましたぜ」

「何?」

 

 ゼイハブが反応するのを見てサンバッシュは得意げに語り始める。

 

「この前のタグレドーの戦いでマゼンタの投げた魔力の槍が魔獣の卵に吸収して鳴動するのを見ました。つまり魔獣の卵は魔力を餌に成長してるって事です」

「なるほどな、確かにあの卵は穢れと魔力を元に生み出された物だ。だったら魔力で成長しても可笑しくは無えな」

「そうでしょ、そうでしょ船長!だったらこれからの作戦はトレスマジアの魔力を魔獣の卵に与える。それの一点集中です!まずは手始めに奴らに魔獣の卵に魔力を与える様に仕向けてやりますよ!」

「だったらリーダーそれは俺にやらせてくれ!!」

 

 その声が聞こえると同時に扉から筋骨隆々な体に青いラインが走り、大砲の様な一本角を持ったカブトムシの様な魔人ートルバドーが入ってきた。

 

「俺の可愛い弟がやられたんだ。仇討ちとしてトレスマジアをボコって言う事聞かせてやるぜ!!」

「頼もしいなトルバドー!だがまずは作戦だ。俺に良い考えがある、上手く行けば直ぐに卵が孵化するぜ」

「(何だ?コイツの言う良い考えと言う言葉を聞くと途轍もなく不安に聞こえるが大丈夫なんだろうな・・・?)」

   

シェリンダは内心そう思いながら、トルバドーに作戦を説明するサンバッシュに不安を感じていた。

 

 

うてな自宅

 

 

「これはしばらく安静だね」

「うううう・・・」

 

 ダンジョンで毒を受けたうてなは自室のベッドで寝込んでいた。毒自体はマゼンタの放った浄化のアースを受けて大部分は浄化出来たが完全に浄化仕切る前に撤退したので少量の毒が残り寝込んでいた。ナハトベースで治療すると言う方法もあったがうてなが長期間家に居なかったら母親が心配するので自宅で診断しながら治療する事になった。うてなの部屋にはヴエナリータだけでなくキウィやこりす、真珠やネモも心配して見舞いに来ていた。

 

「ヴェナちゃん何とか毒解毒出来ないのかよ~?」

「難しいね、この毒は地球に存在しない物だから成分を調べるには時間が掛かりすぎる。幸い命を奪うほど量は解毒されているから寝込む程度だね。マジアマゼンタも毒でやられているから、時間を掛けて解毒方法を探すとしよう」

「ううううあああああ・・・」

 

 マジアマゼンタと言う言葉を聞いてうてなはビクンと反応してシクシクと涙を流し始めた。

 

「コラ!今マゼンタの事言うんじゃねえー!うてなちゃんその事スゲー気にしてんだからな!!」

「・・・!!」(プンスカ)  

「うう・・・私がダンジョン作りに夢中になってバルバンの警戒を怠った所為でマジアマゼンタが・・・ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」

「怖いわようてな。そうだヴェナ解毒だったらバルバンが解毒剤持ってる可能性無いの?」

「可能性はあるだろうけど、彼等の本拠地が分からないと奪いに行けないね。探してはいるんだけど中々見つからないんだ」

「結局は奴らが動くのを待つしかねーのかハァ・・・」

   

 ネモがそう言ってため息を吐いた時家の外が騒がしくなり始めた。

 

「何だ?」

「フム噂をしていたらどうやら本当に来たらしい。偵察用の魔物から映像が届いているね」

 

 ヴェナがそう言いながら空中から映像を映すとそこにはバイクで爆走するサンバッシュの姿が映し出された。

 

 

 

事務所

 

 

「ヴァーツはん何か方法は無いんか?」

「探してはいるんですが・・・」

 

 事務所内で薫子はヴァーツに解毒方法を聞いていたがヴァーツは難しげな顔で悩んでいた。

 

「やはり一番の問題がこれが未知の毒と言う事でこの毒はボクの知っている魔法や解毒剤では解毒が出来なくて、唯一解毒出来たのは、はるかさんとギンガホーンさんの浄化のアースだけなんです」

「それしか方法は無いのね・・・ギンガルカ、ギンガホーンから何か連絡は無いの?」

〈それがあのバルバンと戦って以降、全然返事が無いの今までこんな事無かったのに・・・〉

「ギンガホーンでもあの毒で弱ってるって事か・・・」

  

 薫子が腕を組みながら他に方法は無いかと考えていると突如映像が浮かび上がった。

 

「何や!?」

「これは使い魔がバルバンを発見したみたいです。皆さんバルバンです!!」

「現れおったな!!」

「今度は一体何をする気?」

 

『聞こえるか!トレスマジア共!!』

 

 

広場

 

 

 広場に着いたサンバッシュは空に向かって銃を撃ちながら叫んだ。

 

「取引だトレスマジア。テメー等の仲間のマゼンタの毒を解毒したかったら俺の命令を一つ聞いてもらうぞ!そうしたら解毒剤をテメエらにくれてやる!返事は今夜の7時までそれまでにアズールかサルファのどちらか採石場に来るがいい!もしテメー等2人で来たり、野次馬が入ってきたら解毒剤は目の前で破壊するぞ!賢い返事を期待してるぜヒャーハッハッハ!!」

 

 サンバッシュは一方的にそう告げるとバイクを吹かせて走り去っていった。

 

 

事務所

 

 

〈アイツ何のつもりだ?こっちが言う事を一つ聞く代わりに解毒剤をくれてやるだと〉

〈信用出来ないわアズール!バルバンが素直に解毒剤を渡す訳無いわ!!〉

「ええ同感よギンガルカ、でも現状ギンガホーンやはるかが毒で動けない以上はるかを助けるには奴らの解毒剤しかはるかを助ける方法は無いわ・・・・ッ!!」

「待って下さい小夜さん、早まらないで!!」

〈そうよ小夜落ち着いて!!〉

 

 悲壮な決意で扉から出ようとする小夜をヴァーツとギンガルカは必死に止めようとしそれでも小夜は制止を振り切ろうとした時薫子が小夜の肩を掴み強く引き留めた。  

 

「薫子・・・」

「小夜、行くのはまだ待ちい、アイツの言う約束の時間はまだ2時間ある。その間に他の方法を模索する事もギンガホーンが目覚める可能性もある・・・今ははるかの病室に行って時間ギリギリまではるかを助ける方法を試すべきや」

「・・・分かったわ、でももし時間までに解毒出来なかったら」

「あぁ、小夜任せるわ」

 

 

 

 うてな自宅

 

 

「何のつもり?わざわざ戦闘不能にしたマゼンタを解毒するなんて」

 

 サンバッシュの取引を聞いて真珠が怪訝な顔をする。

 

「まぁ十中八九なんか企んでるだろうな・・・バルバンが解毒剤素直に渡すとは思えないし」

「そんな事どうでも良いんですよ」

 

 ネモの言葉に重ねる様にうてなが切れた声を出す。

 

「マゼンタを毒を喰らわせた癖に解毒剤を餌にアズールやサルファに言う事を聞かせるなんてうらやmでは無く許せません!きっと奴らは魔法少女を殺す罠を張っているに違いません!何としてでも止めないと!!」

 

 そう言ってうてなはベッドから這いずり落ちると這いずりながら扉から出ようとする。

 

「わあああぁぁ!?待ちなさいよアンタそんな状態で戦える訳無いでしょ!?」

「そうだぞ!ってかホラー映画の悪霊みたいになってるぞお前!?」

「うてなちゃん無理すんなって~」

「・・・!!」

 

 そんなうてなと止めようと残りのメンバーは必死にうてなを押しとどめようとしていた。

 

 

病院 はるかの病室

 

 

「っ!!ダメやっぱり私やサルファのアースじゃ毒を解毒出来ない・・・」

〈ギンガホーンにも呼びかけてるけど全然返事が無い!〉

 

 はるかの病室ではなんとかはるかの毒を解毒しようと色々と試していたが全て上手く行かず時間だけが過ぎていった。

 

「もう時間がありません、サンバッシュの指定した時間まで数十分しか無いここから採石場まで行くにはギリギリになります」

「・・・・やっぱりこの方法しか無いか」

〈サルファ何か言ったか?〉

 

ヴァーツの言葉にサルファがポツリと呟いた言葉にギンガホークが聞き返すがサルファはそれに答えずアズールに近づく。

 

「アズール、サンバッシュから解毒剤を手に入れ居るしかもう方法は無いみたいや」

「そうみたいね・・・ここは私が行くわ。隙を見て奴から解毒剤を奪い取ってみせるわ。サルファはここでヴァーツと一緒にはるかを守ってくれないかしら?」

「・・・・ごめんな」

「謝らなくていいわサルファ!この危険な取引は万が一の為に防御力のある私が行くべきだと思うから、心配しなくても必ず解毒剤をもって帰ってくるわ」

〈私もついてるから心配しないでサルファ!〉

「・・・・・」

 

 アズールの言葉を聞きサルファは顔を俯きそんなサルファを励ます様に微笑むと採石場に飛び立とうと窓の方に向かった瞬間 

 

バチィ!!

 

「・・・・え?」

「〈アズール!?〉」

 

 アズールの背後から電流が走りそれを避ける間もなく受けたアズールは呆けた声を出して倒れ、遅れてヴァーツとギンガルカが慌てた声を出した。そんな状況を作り出した張本人のサルファは無表情で見つめていた。

 

〈サルファ!何考えてんだ仲間を攻撃するなんて!?〉

「・・・・ごめん言うたやろ、これはウチがやらなあかんねん」

 

 

 ――――――――――――――

 

 

採石場

 

 

「・・・来たか」

 

 日も落ちて暗くなった採石場にサンバッシュが仁王立ちして待っていると目の前にサルファが着地してきた。

 

「テメーが来るとはなマジアサルファ」

「当然ですやん。この手の交渉事はウチの方が適任やさかい」

「フンッ、約束通り1人で来た様だな。まさかアズールは近くに隠れてねぇだろうな?」

「えぇ、アズールは今頃グッスリ眠ってますわぁ・・・世間話もこれ位で良いやろ早速取引と行きましょうか」

 

その言葉を聞きサンバッシュは勝ち誇った様にヘルメット越しに笑う気配を見せた。




ちなみにギンガホークも居ますが余計な口実を与えない様に口を挟まずに黙って変身アイテムに居ます。

中途半端ですが今回は此処で区切ります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。