魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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第39話 解毒とサルファと負けない想い2

「OKOKそれじゃあ取引と行こうか」

 

 サンバッシュはそう言うと懐から骸骨に禁止マークが付いたスプレー缶を取り出した。

 

「それが解毒剤か?」

「その通りだ。これは樽ジジイ・・・あー死んだウチの知恵袋の残した物でな、コイツを噴射すりゃタグレドーの毒は綺麗サッパリ消す事が出来る」

「ふうん、けどそれが本物やって言う証拠は無いで」

「疑り深い奴だな・・・まぁ良い」

  

サンバッシュは今度は懐から赤い煙が入った試験管を取り出した。

 

「これはタグレドーの残りの毒だ。これを開けて・・・」

「うっ」

 

 サンバッシュが試験管を開けると赤い毒煙が流れ出しそれを見たサルファが思わず顔を顰める。

 

「それをこの毒消しで・・・」

 

 サンバッシュがスプレーを放出すると毒煙があっという間に白くなり無害化されていった。

 

「・・・・どうやら本物みたいやな」

「これで信じる気になったか?さぁこれが欲しかったら今度はこっちの命令を聞いて貰おうか!」

「・・・ウチを使って何をする気や?」

「何そんな難しい事じゃねーよ、ちょっと魔獣の卵にテメーの魔力を与えて貰いたくてな」

「なんやと?何でそんな事する必要があんねん?」

「いいだろう特別に教えてやろう。実は俺達は宇宙に出る為に魔獣が必要でな、その為には魔獣の卵を孵化させる必要があるんだよ。その孵化にテメー等の魔力が必要なのさ。魔獣さえ手に入れば俺達は直ぐにでも解毒剤を渡して、この星から出て行ってやるよ」

「それは本当か?」

「本当さ、何ならこのサンバッシュ様の名に誓ってもいいぜ」

「・・・・」

 

 サンバッシュの言葉にサルファはしばらく考え込むとやがて手を差し出してきた。    

「分かったわ・・・ウチはマゼンタを治したい、アンタらが魔獣を手に入れたらこの地球から出て行くんなら戦う理由も無いわ」

「結構!話の分かる奴は嫌いじゃ無いぜ!取引成立だな」

 

 サンバッシュはそう言いながらサルファの手を取り握手をする。

 

「(てっきりそのまま殴ってくるかと思ったが案外従順だな。これなら作戦も必要なかったな)」

 

 サンバッシュがそう内心でほくそ笑みながら握手した手を離すと

 

ゴッ!!

 

「グベェ!?」

 

 手を話した直後に握手をした反対側の手に巨大なナックルを纏いサンバッシュを殴り飛ばし、サンバッシュはそのまま吹っ飛ばされ解毒剤は懐からこぼれ落ちて地面に転がった。

 

〈サルファ今だ!〉

「分かっとる!!」

 

 ギンガホークが叫ぶと同時にサルファは駆け出すと素早く解毒剤を拾いサンバッシュと距離を取る。

 

「テ、テメェ・・・・ッ!! 騙しやがったな!!」

「フンッ!それはこっちの台詞や、魔獣が手に入ったらこの星から出て行く?アホぬかしい最初に会った時にアレだけの破壊行為をしてきたお前等が素直に出て行く訳あるかい。どうせ魔獣の力を試す為にこの星滅ぼす位の事する気やろうが!そうなった時に厄介なマゼンタを解毒するとは思えるかい!!」

「グッ・・・・トルバドー!!」

 

 図星を突かれ言葉に詰まったサンバッシュは隠れていたトルバドーを呼び寄せた。

 

「待ってたぜリーダー!」

〈野郎!やっぱり伏兵を隠してやがったな!〉

「予想してた事や!追撃されたら面倒や。コイツら倒して安全にマゼンタ所に帰るで!」

「たった1人で俺達を倒すだと?舐めるんじゃねぇぞ!!」

「いいえ2人よ」

「〈アズール!?〉」

 

突如響いた声にサルファは驚きつつも顔を横に向けず視線だけを向けるとそこにアズールが並び立っていた。

 

「アズール、アンタ何で此処に?気絶させた筈やろ?」

「本当に酷い事するわねサルファ・・・あの後早く気がついて慌ててアナタの後を追いかけたのよ。1人で行くなんて水臭いわよサルファ!私だって力になるわ」

「アズール・・・せやな、だったら頼らせて貰うわ」

 

 サルファはそう言うと解毒剤をアズールに渡して前に出る。

 

「アズール、アンタはこの解毒剤持ってマゼンタの所へ行ってくれんか。ウチはコイツらを抑える。掛かって来いやバルバン!!」

 

 サルファがそう言いサンバッシュ達に殴り込もうとした時背後から攻撃を受け倒れ伏した。

 

「ガッ!?」

〈サルファ!?〉

 

何がとサルファは混乱する頭で攻撃された方へ頭を向けるとそこには剣を持ったアズールが邪悪な笑みを浮かべていた。

 

「ア、アズール何を・・・?」

「リーダー!取り返したぜ!!」

「よくやった!!」

  

サルファの疑問を無視してアズールは解毒剤をサンバッシュに投げ渡すとそのままサルファを踏みつけて動けなくするする。

 

「グッ!お前、誰や・・・・?アズールじゃないな?」

「気づくのが遅かったなマヌケ」

 

 そう言うとアズールの体が変わり赤いプロテクターを纏ったザリガニの様な姿の魔人ーグリンジーになった。

 

〈馬鹿な!?確かに星獣の気配がしていた!何で魔人から星獣の気配がするんだ!?〉

「ハッ!やっぱり星獣の気配を探知出来たか。ビズネラからコレを買っておいて正解だったな!」

 

 グリンジーはそう言うと胸に着けている青いペンダントを見せる。

 

「コイツは星獣と似た生体エネルギーを出す事が出来るんだよ。コレと俺の変身能力のお陰でまんまと騙されたって訳だなぁ、楽しかったぜお前とのお仲間ごっこぉ!」

「このぉ・・・!!」

「おいグリンジー無駄話はそこまでにしろ!さっさとコイツを動けない様して持ち上げろ!」

「了解だリーダー」

  

サンバッシュの命令でグリンジーはサルファの両腕を抱えて動けなくしながら持ち上げるとそこへ拳を鳴らしながらトルバドーが近づいてくる。

 

「さあてバルバン式交渉術の時間だぜ。簡単に屈するなよ?弟の仇を討つ楽しみが無くなるからな」

「ッ!!」

 

 サルファは睨み付けながら拘束を解こうと体からアースを放とうとする瞬間そうはさせじとトルバド-がサルファの腹を思い切り殴る。

 

「オラァ!」

「ゴッげぇ!」

〈サルファ!?〉

「お、いいのが入ったな」

「抵抗なんてさせるかよ。お前はこれから俺に一方的に殴られるんだよ!!」

 

 トルバドーはそう叫ぶと腕を振り上げて今度はサルファの顔面を殴りつけた。

 

 

うてな自宅

 

 

「気持ち悪・・・まだ良くならないのかなぁ?うぅ~もうバルバンの言った約束の時間だけどどうなってるんだろう・・・?見に行きたいけど帰ったキウィちゃん達に安静にしろって言われてるし、野次馬したら解毒剤壊すってバルバンが言ってるし見に行ったらマゼンタが助かる可能性がなくなるかもしれないし・・・でも気になる!!」

「そんなに気になるなら映像を見るかい?」

  

うてながそう言いながら悶えていると影の中からヴェナリータが現れる。

 

「ヴェナさん!出来るんですか!?」

「偵察用のステルス機能を付けた魔物を向かわせている。これならバルバンにも気づかれないだろう・・・それにどうやら今は交渉所では無い様でね」

 

そう言って映像を空中に浮かび上がらせるとそこにはグリンジーに拘束されてトルバド-に殴られているサルファの姿が映った。

 

「なっなんですか!これは!?」

「ふむ、パッと見た感じでは交渉に失敗して力ずくで言う事を聞かせようとしているのかな?」

「そんな事は重要では無いんですよ!何ですかあの殴り方は!?あんな殴り方をしたら傷が残るじゃ無いですか!それに顔ばかり殴って魔法少女の顔を何だと思ってるんですかバルバンは!?魔法少女への愛やリスペクトが感じられませんよリスペクトが!!」

「いや別に悪党としては普通だろ?」

 

 ヴェナリータのツッコミも興奮しているうてなの耳に入っていない。

 

「もう我慢出来ません。もう交渉が失敗したなら乱入しても問題無いはずです!バルバンに魔法少女がどれだけ尊い物か教えてやりますよ!止めないで下さいよヴェナさん!!」

「・・・止めても無駄そうだね。良いよ直通でゲートを開いておくよ、バックアップはしておこう」

  

ヴェナリータがそう言ってゲートを開くとうてなはベーゼに変身するとフラつきながらもゲートに入って行った。

 

「・・・少々危険な賭けではあるが、うてなの成長の為には必要だろう。最近は思ったより成長が良くないし此処は多少刺激を与えて開花を促すとしよう。後はタイミングを見計らってキウィ達に連絡を入れるとしよう」

 

 

採石場

 

 

「オラァ!オラァ!」

「おいトルバドー!あんまりやり過ぎるなよ。これは”交渉”なんだからな」

「おっと、悪い悪いリーダー」

 

サンバッシュに言われトルバドーは一旦殴るのを止めるとそこにはボコボコに腫れた顔でサルファは俯いていた。

 

「黙って見ていて感心だな星獣。まぁ何かしたら解毒剤は破壊してたけどな」

〈クッ・・・・!〉

 

 サンバッシュが嘲る様に言うとギンガホークは悔しげな声を上げる。そんな中トルバドーは拘束されているサルファに近づくと頭をグイッと持ち上げる。

 

「さて、そろそろ分かったか?お前が助かるには俺達の言う事を聞いて魔獣の卵を孵化させるだけだってな」

「・・・・人を舐めくさるのも大概にせえよ・・・ウチは正義の魔法少女やぞ、お前等みたいな悪党に屈して、この守るべき星を荒らさせる訳ないやろが!!」

 

サルファの未だに屈していない眼と啖呵を見てトルバドーは軽くため息を吐く。

 

「フー・・・・どうやらまだ”交渉”が足りない様だな。リーダーもうちょっとやらせてもらうぜ!」

「おう、死なない程度にやれよ」

   

  サンバッシュの許可を受けてトルバドーは再びサルファに向けて拳を振り上げた時、黒いエネルギー状の刃が襲いかかってきた。

 

「うぉ!何だ!?」

「アイツの仲間か!?」

「リーダー上だ!」

 

  突然の攻撃に驚き拘束しているサルファを取り落としてサンバッシュ達が辺りを見回すと崖の上に怒りの表情を浮かべたマジアベーゼが立っていた。

 

「何をしているんですか!あなた達・・・・ッ!マジアサルファをこんなにして!魔法少女の顔をこんなに傷つけて!あなた達は魔法少女がどれだけ尊いか(ドンッ!)ッ!?」

 

ベーゼがそう言いながらさらに攻撃しようとした時銃声が響いたかと思ったら、ベーゼのお腹に穴が空きそこから血が流れていた。

 

「何言ってるか分かんねーな。テメーのオタク談義なんかNo Thank youだ」

「・・・・ッ!!」

 

 サンバッシュがそう言って銃を仕舞うと同時にベーゼも悔しげな顔をして倒れ伏した。

 

「さて何しに来たのか分からねー奴はリーダーが始末したし、”交渉”再開だ」

 

トルバド-がそう言いサルファの首を掴んで持ち上げると拳を握って引き絞り、サルファはそれを意識を朦朧とさせながら見ていた。

 

「(クソッ・・・アズールにあんな事しといてマゼンタも救えずに負けんのかいな・・・嫌や、そんなの絶対に嫌や、正義のヒロインは・・・最後には絶対勝つんや!!)」

 

カッ!!

 

「うぉおお!?」

「トルバドー!?」

「何だこの光り!?」

 

トルバドーが再び殴ろうとした時突如サルファが光りに包まれその衝撃でトルバドーは弾き飛ばされ、サンバッシュやグリンジーも突然の事で驚愕する。

 

「これは!?」

〈サルファ!スゲー力だお前の顔の怪我も治ってるぞ!!〉

「行ける!これなら!!」

 

「Sit!何だか知らねーがやらせるか!!」

 

サンバッシュがそう言って攻撃しようとしたが再び崖の上から攻撃が降り注ぐ。

 

「魔法少女の変身の邪魔させる訳無いでしょう!」

「この死に損ないが!トルバドー!」

「喰らえ!」

 

 トルバドーはベーゼに向かって一本角から砲弾を撃ち込みベーゼはそれ避けられず吹き飛び転がるがそれでも視線はサルファの方を向き恍惚の表情を浮かべていた。

 

「嗚呼・・・何度見ても美しい・・・!!」

 

「真化(ラ・ヴェリタ)!!」

 




サンバッシュの作戦

1・解毒剤を餌にアズールかサルファのどちらか1人をおびき出す。

2・あらかじめトルバドーとグリンジーを潜ませておく。

3・アズールが来たらサルファにサルファが来たらアズールにグリンジーを化けさせておく。

4・解毒剤を奪いに来る様だったら、トルバド-を呼び寄せて伏兵はコイツだけだと思わせ、トレスマジア側に伏兵がいる気配がなかったら化けさせたグリンジーを出して仲間の振りをさせて隙を見て攻撃して拘束する。

5・拘束したらバルバン式交渉術を行い無理矢理言う事を聞かせる。聞かなかったらそいつを人質にもう1人を言う事を聞かせる様にする。

6・尚4の時点で素直に言う事を聞いていたら魔獣の卵が孵化していたらサルファの言う通り解毒剤は破壊していた。

 ちなみにグリンジーが持っていた星獣の気配がするペンダントは嘗てビズネラが改造したギガライノス達のデータを元にして開発した物です。
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