12/15 タイトル変更しました。
ナハトベース
「えーサルファさんがですね、とっても強くなりました」
腕を三角巾で吊って腹に包帯をグルグルに巻いたうてなは笑顔でそう長机に集まったメンバーにそう報告した。
「なりましたじゃ無いのよあんた・・・」
「アタシら来るのが遅れてたらお前出血多量で死んでたんだぞ」
「サンバッシュコロス!!」
「・・・・!!」(コクコク)
そんなうてなを真珠とネモは呆れた様子で見て、キウィとこりすはその原因を作ったサンバッシュに殺意を飛ばしていた。
「てかヴェナお前うてな止められなかった上に何でアタシらへの連絡が遅かったんだよ?」
「すまないね」
「「「「・・・・・・」」」」
ネモが怒りと疑惑の視線を向けるもヴェナは特に慌てた様子も無く謝る。そんなヴェナにうてなを覗いた周りのメンバーは険しい目を向ける。
「あの時のうてなは止めても無理矢理行きそうだったから仕方なくと言うやつさ、連絡遅れてしまったのもサルファの真化と言うイレギュラーと解毒剤をゲット出来る千載一遇のチャンスが来たから連絡するタイミングが遅れたんだよ、結果的に救出は間に合ったし解毒も出来たから問題ないじゃないか」
「あんたそんな言葉で納得出来る訳「いいんですよ真珠ちゃん」うてな・・・」
欠片も悪びれないヴェナに真珠は声を荒げかけるがそれをうてなは止め真珠は戸惑う様な視線を向ける。
「わたしが死にかけてしまったのはわたし自身の行動の所為ですし、わたしはこうして生きてますし、解毒剤をマゼンタが使うより先に奪った事は許せませんがマゼンタの毒もどうやら自力で解毒したらしいのでこの件は咎めるのは止めにします」
「寛大な処置で感謝するよ総帥殿」
「イエイエ、此方としては奪った解毒剤でヴェナさんがトレスマジアに碌でもない脅迫をさせずに済みましたよ」
「嫌だなぁ、そんな事する訳無いじゃないか」
「エ~本当デスカ~?」
ウフフアハハと表面上は笑っているが目が笑っていないうてなと慌てた様子を全く見せないヴェナとの間にどこか空気が軋む様な音が聞こえる気がしていた。そんな様子を真珠は呆れた様にため息を吐くと付き合いきれないとばかりにスマホを見始めた。
「はぁ、アホくさ・・・ん?」
そう言いながら真珠がSNSを見ていたらふとある記事を見つけて愕然とした。
「トレスマジアはっ?CDデビューするってはっ?何?はっ?」
「どうでもよすぎて落ち着いたわ~」
「えぇー!?ズルいズルいズルいー!!真珠もCDデビューしたい!!」
「うっせぇ・・・」
トレスマジアがCDデビューするという話を聞きキウィは冷めた態度になり真珠は自分もデビューしたいと騒ぎ始め、ネモがうるさそうに顔を顰める中、うてなは満ち足りた様な表情で砂になっていた。
「死んだわね・・・」
「CDデビューの衝撃に耐え切れなんだか・・・」
「うてなちゃーん!」
荒くれ無敵城
「船長お呼びと聞き参集しましたが何の御用でしょうか?」
そう言って黒と黄を基調にした中世の貴族にも見える様な襟巻き付きの服を纏った男ービズネラがゼイハブに呼ばれた理由を聞く。
「おう来たかビズネラ。実は呼び出したのは俺だが用があるのはサンバッシュの方なんだよ」
「テメーを俺が呼び出すとバットバスの奴がうるせえからな船長に頼んで仲介してもらったんだよ」
「それは又随分と回りくどい手段を使いましたね・・・サンバッシュ殿もしばらく見ない内に随分姿が変わったようですし」
そう言ってビズネラが視線を移すとそこには頭部を包帯でグルグル巻きにしたサンバッシュの姿があった。
「うるせぇ!俺の事はどうでも良いんだよ!イデデ・・・それよりビズネラ、テメーに聞きてえ事がある」
「何でしょうか?」
「ビズネラ、テメーは今はバットバス魔人部隊の所属だが同時に金さえ払えば武器や商品を売る闇商人である事は変わらねーだろ?」
「ええまぁ、確かに今はバットバス様の所に居ますが私が闇商人である事は変わりません」
「だったらだ!この俺に魔獣の卵の孵化の為に是非とも俺に必要なアイテムを売ってくれねーか!」
「ええ!?」
サンバッシュの言葉にビズネラは驚いた様な声を上げた。
「しかし、バットバス魔人部隊所属の私がサンバッシュ魔人団に協力するのは船長の決めた任された軍団の方針に手も口も出さないと言う掟に背くのでは?」
「おいおい勘違いするんじゃねぇ。お前は【バットバス魔人部隊の参謀】として協力するんじゃなくて、【闇商人ビズネラ】個人として俺に商品を売るだけだ。それなら掟には背かねぇ、ですよね船長?」
「おう」
「ギリギリ、グレーゾーンではあるが足を引っ張る訳ではないからな」
サンバッシュに聞かれゼイハブは問題無いという様に頷き、シェリンダが補足する。
「ほら問題ないだろ。元々ドルマーやグリンジーに商品売ってたんだから今更だろうが」
「アレは個人間での取引でしたし・・・サンバッシュ魔人団全体の協力となると私がバットバス様に怒られます・・・」
「だったら俺がバットバスに話を付けておく。俺達は一刻も早く魔獣を手に入れなきゃならねぇんだ。バットバスにも文句は言わせねぇ。これなら言い訳は要らねぇだろ」
「ハイ・・・・」
「ヘヘ」
尚も弱々しく言い訳を続けるビズネラをゼイハブがピシャリと言い放つとビズネラも観念した様に頷き項垂れた。それを見て勝ち誇った様子を見せるサンバッシュにゼイハブはギロリと視線を向ける。
「サンバッシュ、今回はテメエの顔と魔獣の卵の孵化の為に手を貸してやったが俺にここまでやらせた以上失敗したらどうなるか分かってるだろうな?」
「も、もちろんです船長!船長の手助けを受けた以上必ず成功させますよ!!」
レッスンスタジオ
「ハイ、1、2、1,2、そこでターン」
レッスンスタジオではCDデビューの決まったマゼンタ達がトレーナーの指導を受けながらPV用のダンスの練習を行っていた。
「ハイ、じゃあ今から10分間の休憩です」
「つ、疲れたよぉ~」
〈(お疲れ様だマゼンタ)〉
休憩と言われマゼンタは壁にもたれかかる様に座りそれをギンガホーンが労った。
「ふぅ・・・中々ハードね、でもこの疲労も中々・・・(ハァハァ)」
〈(流石ねアズールこんな疲労も物ともしないなんて)〉
「もうツッコむ気力も無いわ・・・・」
〈(何がだサルファ?)〉
そんな事をワイワイ言いながら3人はペットボトルの水を飲んで喋り合う。
〈(それにしても今は歌と踊りは昔と大分違うのね、星の戦士の里にも歌と踊りはあったけどアズールみたいに激しく動く感じじゃ無かったわね)〉
「(まぁ、祭りでやる歌と踊りと沢山の人に魅せる歌と踊りは目的は違うからな)」
「(でも、どっちも人を楽しませると言う意味では一緒ね)」
「(わたし達以外にも歌や踊りが出来るアイドルは沢山いるよぉ!その人達もすごく上手いから今度ギンガホーン達にも見せてあげるね!!)」
〈(それは楽しみだ)〉
〈(どんなのがあるんだろうな?)〉
「あの~」
マゼンタ達がテレパシーで楽しそうに話していると扉から申し訳なさそうな顔をしたスタッフが壊れたハート型の結界装置を持って入ってきた。
「すいません、これ又ぶつけちゃって・・・やっぱりマズイですよね」
「「「あ」」」
〈〈〈?〉〉〉
スタジオ外
「近い、近いぞ・・・トレスマジアの魔力の反応だ!」
そう言いながら大量のヤートットを引き連れ両手の鎌をダウジングの様に構えながら黒い燕尾服の様なレザージャケットを纏ったカマキリの様な魔人ーマンディガーがそう呟く。
「ヤートット、魔力吸収装置の準備は良いな!」
「ヤートット!!」
そう言いマンディガーは背中に掃除機のホースが付いた木箱を背負ったヤートットに声を掛けるとヤートットは元気よく返事をした。
「よーし、まずはこの建物を襲うぞ「そこまでだよ!」ムォ!?」
いざスタジオに乗り込もうとした時マンディガー達の目の前にマゼンタ達が降り立った。
「悪事は許さないぞ!魔法少女トレスマジアここに参上だよぉ!!」
「くっ今度はバルバンが来るなんて!!」
〈あの結界装置強度無いな〉
〈欠陥品では無いのか?〉
「うっさい!・・・今度ヴァーツはんには鉄の檻に入れておく様言っとかんと」
「何をゴチャゴチャ言っている!ヤートット!!」
「「「ヤートット!!」」」
ギンガホークとギンガホーンにツッコんでいる間にマンディガーの言葉でヤートットが一斉に襲いかかってくる。
「スタジオは襲わせないよぉ!やあぁぁぁ!」
「「「ヤートトー!?」」」
マゼンタは槍を召喚するとヤートットの大軍に突っ込みなぎ倒していく。
「サルファ、わたしの手を掴んで思い切りぶん回して!!」
「??分かったわ!!」
アズールの言葉を聞きサルファは一瞬疑問符を浮かべるが直ぐにアズールを信じ片手を掴むと振り回し、アズールはそれに合わせる様に氷の剣を持ってヤートット達に回転切りを浴びせていく。
「セヤアァァァ!!」
「「「ヤートット!?」」」
「そう言う事か、やるやんアズール!でもアンタ目は回らんの「ハアァアア、スゴイィィこの脳が揺さぶられる感覚ー!!」大丈夫そうやな・・・」
「今だ!吸い込め!!」
「ヤートット!!」
マゼンタ達がヤートット達と戦っている隙を突きマンディガーが魔力吸収装置を持たせたヤートットに命じ吸収を開始する。
「くっ何や!?」
「魔力が吸われていく・・・」
「マズイよぉ・・・」
魔力を吸収されマゼンタ達が魔力で編んでいた槍や氷の剣やナックルが次々と消えていく。
〈マゼンタあの装置だ!あの戦闘員が背負っている装置が魔力を奪っているんだ!!〉
「だったら、唸れ・・・星獣モード!」
ギンガホーンのアドバイスを受けマゼンタは星獣モードになると獣撃棒を構える。
「獣撃破!!」
「うぉ!?」
「ヤットット!?」
マゼンタが獣撃破を撃ち込むとマンディガーとヤートットが吹き飛び装置がバラバラに壊された。
「キサマよくも、喰らえ!高速魔人剣!!」
装置を壊されたマンディガーが怒り両腕を広げ竜巻の様に高速回転するとマゼンタ達に襲いかかる。
「きゃあ!?」
「くぅッ!?」
「グっ!?」
「何だ大した事無いなトレスマジアも!」
「このぉ・・・・ッ!!唸れ!星獣モード!」
勝ち誇った様に笑うマンディガーにアズールが悔しげに睨み付けると星獣モードになると星獣剣を持ちマンディガーに斬りかかる。
「流水の舞!!」
「グエエ!?」
流水の舞で素早くマンディガーに接近したアズールはそのまま斬りかかり、マンディガーは鎌で防御しようとするが鎌を割られ傷を負った。
「クソォ・・・覚えていろ!!」
傷を負ったマンディガーはそう捨て台詞を吐くと飛び上がって逃げていった。
「逃がしたか・・・」
〈でもスタジオは守れたわ〉
「アイツら今度はこんな方法で魔力を奪おうとしてくるなんてな」
〈アイツらも魔獣の卵を孵化させる為の方法を見つけたから本腰を入れてきたな・・・〉
「絶対魔獣の卵は孵化なんてさせないんだからぁ!」
〈そういえば〉
マゼンタ達がバルバンの企みを阻止せんと決意する中、ギンガホーンがふと気づいた様に呟く。
〈今回エノルミータが現れなかったが、一体何を企んでいるんだ?〉
ナハトベース
「ちょっ、この衣装短すぎじゃ・・・見えちゃう」
「そんくらいしゃなきゃお前綺麗に歌えないだろ~客は見たい、お前は見せたいWin-Winじゃん~」
「みみみ見せたか無いわよ!!」
「アタシは似合うと思うけど・・・」
「ネ、ネモ!そ、そう・・・」
絶賛真珠のアイカツ中だった。