魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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第47話 決戦と暴走と新たな影3

「咲いた」

 

 採石場の空で三つ巴の戦いを観戦していたヴェナは邪悪に嗤いながらそう呟く。

 

「掻くも醜き欲望の華が」

 

 黒い魔力の蕾から生まれ出てきたベーゼの姿は全身が真っ黒に見えるほどの星が刻まれ髪は白く頭には横に長く伸びた羊角が生えており、V字に空いてへそが見える様な黒いドレスを足下を覆う様に纏いドレスの下は蜘蛛の巣の様に網の様な魔力が張って塔の様に地面に立ちベーゼを浮かせていた。

 

ヒ」

 

〈何あの姿・・・〉

〈マジアベーゼの切り札か!?〉

〈何だこの異様な重圧は・・・!?〉

「わ、分からないよぉ」

「切り札・・・にしては何か様子が変や・・・」

「本当にマジアベーゼなの・・・?」

「(み、皆さん気を付けて下さい!!)」

 

ベーゼの異様な姿を見て恐怖を感じているトレスマジアにヴァーツからのテレパシーが入る。

 

「(ヴァーツ!?来ていたの!?)」

「(す、すいません心配で来てしまいました・・・それよりもマジアベーゼ・・・恐らく彼女の魔力が暴走しています!!何が起こるか分かりません・・・!!)」

「・・・だとしても放っておく訳には行かないわ・・・行くわよ皆!!」

「〈応!!〉」

〈えぇ!〉

〈了解だ〉

「分かったよぉ!」

 

 そう言うとマゼンタ達は武器を構え異形の姿になったマジアベーゼに向かって行った。

 

 ――――――――――

 

 

「ベーゼ・・・ちゃん」

 

 レオパルトが何とかベーゼの元行こうとしたが今までの戦いで限界が来たのかガクリと崩れ落ちてしまう。

 

「クソ・・・身体が動かねぇ・・・」

 

 そう悔しそうに呻くレオパルドの傍に玩具の様な病院が現れレオパルトの傍にネロアリスが近づく。

 

「アリス・・・!!」

「・・・・・」

 

 ネロアリスはレオパルトを抱えて病院に入ると中には既にロコムジカとルベルブルーメがぬいぐるみから治療を受けて包帯を巻かれていた。

 

「お前等無事だったのか!!」

「何とかね・・・バルバンの戦闘員に殺されるかと思ったけど・・・」

「アリスが無事だったから助けて貰ったんだよ」

 

そんな事を話しつつレオパルトは乱暴にベッドに叩き込まれた。

 

「イッテー!?もっと丁寧にしろよー!!」

 

乱暴にベッドに放り込まれたレオパルトは文句を言うが壊れた玩具を広げて悲しそうにしているネロアリスを見て文句を止めた。

 

「・・・アリス~心配すんなよ~この戦いが終わったら今度ベーゼちゃんと一緒に玩具買いに行こうぜ。夏休みだから時間はたっぷりあるからな~」

「・・・・!」(コクン)

「その為にもやる事やんなきゃな~」

 

 レオパルトはそう言いながら病院の窓から暴走しているベーゼをジッと見つめた。

 

 

 

――――――――――――

 

 

「ヒヒヒヒ」

 

  暴走ベーゼは自身の足下から黒い魔力を鞭の様にしならせ攻撃してくる。 

 

「くっやあぁぁぁ!」

 

 マゼンタは槍を顕現させ獣撃棒の二刀流で迎え撃つが槍が魔力の鞭に触れた瞬間槍先が黒く染まった。

 

「マゼンタ!槍仕舞え!」

 

サルファの叫びを聞きマゼンタは慌てて槍の顕現を解除した。

 

「あの触手に触れたらかなりヤバそうやな」

「だったら遠距離攻撃で、獣撃破!!」

 

 マゼンタが獣撃破を撃つが暴走ベーゼは触手を網の様に編み込み獣撃破を包み込む様にしてマゼンタ達に投げ返した。

 

「「「!?」」」

 

 投げ返された獣撃破を3人は散開して避け再び集まり暴走ベーゼを睨み付ける。

 

〈まさか獣撃破を投げ返してくるとは・・・・ッ!!〉

「だったら私の雪花大雪斬であの触手を凍らせれば・・・・ッ」

「それ羽衣使うやろ、それも侵蝕されたらどうするんや!」

「あっ・・・・」

 

 そう言い合うアズールとサルファの足下に這い寄る様に黒い魔力が忍び寄ってくるのをマゼンタが気づき咄嗟に2人を突き飛ばし黒い魔力から遠ざけたが代わりに自分が魔力の網に捕らわれた。

 

「「〈え?〉」」

 

 2人が振り向いた時にはマゼンタは鎧部分以外の衣服を破られている状況だった。

 

「ハァ・・・・」

「いやぁ!?やめてえぇぇ!!」

「「〈〈マゼンタ!!〉〉」」

 

 アズール、サルファ、ギンガルカ、ギンガホークの悲痛な叫びを嘲笑うかの様に暴走ベーゼは魔力の触手をマゼンタに刺して魔力を注入していく。

 

「い、いやぁ・・・入って〈これ以上好き勝手にやらせん!!〉え?」

 

パァン!!

 

 黒い魔力がマゼンタを浸食しようとした時ギンガホーンの叫びと同時にマゼンタが光に包まれ、触手を弾き飛ばし、浄化していきマゼンタをゆっくり地面へ降ろしていった。

 

「キヒ?」

「「マゼンタ!!」」

 

無事に地面に降りられたマゼンタを心配する様に2人は駆け寄り怪我や異常は無いか調べていき無事である事を確認するとホッと息を吐いた。

  

「良かった・・・衣服が一部破れているだけで他に異常は無いようね・・・」

「うん、ギンガホーンが守ってくれたよぉ・・・」

〈言ったはずだ・・・マゼンタ・・・今度は必ず君を守って・・・見せるとな・・・〉

「うん!ありがとう、ギンガホーン・・・」

 

 力をフルに使った影響か息も絶え絶えに応えるギンガホーンに心の底からの笑顔でお礼を言いその様子をアズールとサルファは嬉しそうに見ていた。

 

「さて私達もギンガホーンに負けない様に頑張らないといけないわね、ギンガルカ」

〈えぇ!マゼンタとギンガホーンはそこで休んでて後は私達は頑張るわ!〉

〈すまない〉

「気にせんでええ、アンタはマゼンタに最高の手助けをしてくれた。正直アンタの口喧しい所は嫌いやけどマゼンタを絶対守るって姿勢は好感が持てるわ。後はウチとギンガホークで片付けたるわ!!」

〈やってやるぜサルファ!!〉

「キヒヒヒ」

  

 そう言いながら2人は武器を構え暴走ベーゼへ攻撃を仕掛け再び戦いが始まった。

 

 

――――――――――――――

 

 

「おいおいおい、何だよアリャ!?マジアベーゼの奴あんな切り札あったのかよ?何かヤバくねぇか?」

「うろたえるなサンバッシュ!」

 

 暴走ベーゼとアズールとサルファの戦いを見ていたサンバッシュは慌てた声を出すがシェリンダはそれを一喝する。 

 

「奴がどんな姿していようが目的は変わらん!奴を殺し私を眼中にも入れぬ無礼の報いを与えるだけだ!」

「あっオイ!」

 

 サンバッシュの制止を無視してシェリンダは剣を引き抜くとそのまま暴走ベーゼの元へ突撃していった。

 

 

――――――――――

 

 

「キヒハハハ」

「雷の羽根ー!!」

 

  暴走ベーゼの振り回す触手をサルファは雷の羽根で迎撃し、その隙にアズールが回り込み技を放とうとする。

 

「雪花の」

「キヒ」

 

それに対し暴走ベーゼはアズールの方にグリンと向くとドレス部分から大量の目が開かれ光線を無差別に撃ち込んできた。

 

「「うわぁ!?」」

「2人とも!!」

 

 2人はそれに当たり地面に落とされるが直ぐに復帰し体勢を立て直す。

 

「クソッ、気色悪い笑い方しおって腹立つわ・・・・ッ!!」

「全然攻撃を当てる隙が無いわ。厄介ね」

 

2人がそんな事を話していると暴走ベーゼの背後から光線が放たれベーゼに軽くダメージが入った。

 

〈アレはバルバンの女幹部!〉

「マジアベーゼ!死ねぇ!」

「ハァ・・・」

 

 突撃してくるシェリンダに暴走ベーゼはどこかつまらなさそうに視線を向けるとシェリンダの足下から蜘蛛の巣の様な現れ、そこから触手が飛び出しシェリンダを突き刺し魔力を流し込んでいく。

 

「なっ!?ア、ア、ア、アァァァァ!?」

「シェリンダ!?」

 

サンバッシュが驚いた声を上げるもシェリンダの姿が変貌していき、ビキニの様な衣装が黒いハイレグの様な衣装に変わり、マントや頭の両側に付けていた貝殻の髪留めを黒く変わり操られた様な虚な目をした姿に変わった。

 

〈な、何だよあの姿!?〉

「ベーゼに魔力を注入された所為か?ギンガホーンが浄化しなかったらマゼンタもああなってたんか・・・ッ!?」

 

 変貌したシェリンダの姿にギンガホークは驚愕しサルファはあの変貌した姿がマゼンタだったらと想像したらゾッとする思いを抱いていると、サルファの眼前に瞬間移動した様にシェリンダが現れそのままサルファに斬りかかり、サルファは反応が遅れ袈裟切りにされた。

 

「ガッ・・・・ッ!!」

「サルファ!このぉ!!」

 

 崩れ落ちるサルファの姿を見てアズールは激昂して斬りかかるがシェリンダはアズールの首を掴みそのまま岸壁にぶん投げるとサルファに止めを刺そうとシェリンダは剣を振り上げる。

 

(アカン、動けへんし、アースも撃てん)

 

 これまでかと思い身体を固くした時、間にマゼンタが入り込み獣撃棒で剣を防いだ。

 

「マゼンタ!?」

「わたしだってまだ頑張るよぉ!!」

 

 その様子をサンバッシュは戦慄して見ていた。

 

「ヤバイヤバイヤバイ!シェリンダが操られたなんて船長に知られたら俺が船長に殺されちまう!何とかしねーと・・・リグロー!あのマジアベーゼの魔力を全部吸い尽くして殺せ!アイツが死んだらシェリンダは元に戻るはずだ!!」

「合点承知です!」

  

そう言ってリグローは両手を構えて前に出た瞬間リグローの足下から魔力のトゲが勢いよく生えリグローを突き刺してそのまま高々と生え上がった。

 

「ギャアアア!?」

「リグロー!?」

 

 

 更に魔力のトゲからリグローに刺さった部分から魔力を流し込まれ、リグローは風船の様に膨れ上がっていく。

 

「リ、リーダー助け」

 

 助けを言い切る前にリグローは爆散して腕輪が地面に落ちていくのをサンバッシュは見る事しか出来なかった。

 

「リグロー!・・・ッこの化け物がー!!」

 

 自分の手下が死にぶち切れたサンバッシュはリボルバーでアズールを踏みつけている暴走ベーゼの頭を狙い撃ち殺そうとするがそれを阻止する様にロコムジカの音波攻撃が飛んできた。

 

「ベーゼを殺させ無いわよ!!」

「テメー等・・・・ッあんな化け物庇って何考えてやがる!?」

「人の仲間を化け物呼ばわりするんじゃねぇ!ってオイ、レオパルト!?」

 

 ベーゼへの攻撃を阻止しようとロコと同じく復帰したルベルがサンバッシュを睨み付けているがレオパルトが暴走ベーゼの顔面に攻撃をぶち込んでいるのを見て驚いた声を出す。

 

「おいレオパルト!やりすぎだ!!」

「ベーゼちゃんがこんな事で死ぬ訳ねーだろ!!ベーゼちゃん!マジでずっとなにやってんの!?なんか意味分かんないし、かわいくないし、かっこよくない!!今のベーゼちゃん、ヤ!!」

「そうよアンタ組織のポリシーはどうしたのよ!!」

「目ぇ覚ませ馬鹿野郎!!」

 

 レオパルト達の叫びに暴走ベーゼは何も答えずドロリと血の様に黒い魔力を体中に流し始めた。

 

「「「は・・・?」」」

 

 3人が唖然としたが流れ出す黒い魔力は止まらずやがて濁流の様に周りに押し寄せ、

 

「う・・・あ・・・」

「ロコ・・・・ッ!!」

「これは・・・何が・・・?」

〈アズール!?)

「クソッ力が・・・抜けて・・・ベーゼちゃん・・・」

 

 ロコムジカ、ルベルブルーメ、アズール、レオパルトがまず最初に飲み込まれ

 

「「え?」」

〈〈なっ!?〉〉

「・・・・」

 

 次に動けないサルファと鍔迫り合いをしていたシェリンダとマゼンダを飲み込み

 

「な、何だ!?黒い波?グベェ!?」

 

 サンバッシュはそのまま飲み込まれず黒い波に押し流され崖際に叩き付けられた。

 

「グッ・・・何が起こったって言うんだよ・・・何だアイツ?」

 

 崖際に叩き付けられたサンバッシュは呻きながらトレスマジア、エノルミータ、シェリンダを取り込み塔の様に屹立する暴走ベーゼを見ていると初めて見るヴェナリータが暴走ベーゼに近づいていくのを見た。

 

「よくぞここまで大きくなった物だ。自らと周りの魔力をこれ程育みそれらを今全て喰らわんとしている、感謝しているよ今までありがとう」

 

そう言いながらヴェナリータは暴走ベーゼに手を伸ばした時

 

                ドッ!!

 

暴走ベーゼの腹に何処からか飛来してきた大剣が突き刺さり暴走ベーゼは鮮血様に黒い魔力を大量に噴き出した。

 

「・・・何だ、これは?」

 

 

「ふ~~!!危ない所だったの☆」

「!!」

 

 突如聞こえてきた声にヴェナリータが振り向くと崖の上に包帯を巻いたボロボロの魔法少女と学者の様な姿をした魔法少女と股下がハイレグの様になっているマント付きの軍服を纏い顔の左部分を仮面で覆った幼い少女の様な3人の魔法少女が立っていた。

 

「キミの好きにはさせないのっ☆ヴェナリータちゃん☆」




暴走ベーゼはイリエスの魔力を取り込んだ影響で頭部の形が原作と少し違っています。長い羊角は西洋の悪魔の角とエジプト神話の生命創造と洪水を管理する力を持ちナイル川の氾濫を司る羊頭の神クヌムをイメージしました。

もう少し書きたかったですが限界だったので申し訳ありませんが続きは次回に持ち越させて貰います。
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