又原作40話では夏休みが始まったばかりですがここでは夏休み明けの時間軸になるのであらかじめご了承下さい。
第55話 恐怖の館
・・・セ
「うっ・・・」
・・・エセ
「うぅ・・・」
カエセ!!
「はっ!・・・・え、ここは?」
うてなが目を覚ますとそこは何処かの朽ち果てた屋敷の部屋のベッドの上に居てその両脇のベッドにはキウィと小夜が眠っていた。
「キウィちゃん、小夜さん起きてください」
「う、ん・・・うてなさん?」
「ふぁああ・・・何ぃ~うてなちゃ~ん?」
うてなの声で2人も眠そうに瞼をこすりながら起き上がる。
「ど、どういう事?此処は一体何処なの?」
廃屋敷 別の一室
「・・・・・♪」(ビヨーン)
「う~ん・・・う~ん・・・わたしの髪はレインボースプリングではないのでわ・・・ハッ!!」
同時刻、屋敷の別の一室では先に目が覚めたこりすがはるかの髪を引っ張って遊んでおりはるかはそれにうなされていたがやがて目を覚ました。
「あ、こりすちゃん・・・おはよう・・・ってここ何処?」
「・・・・」(フルフル)
はるかの質問にこりすは知らないと言う様に首を振る。
「そっか・・・えっと確かわたし達は夏休みが終わって始業式の帰り道に・・・」
――――――――――
「う~9月の筈なのにまだ暑いよ~~~」
「そうね早く残暑が終わって欲しいわね」
「アイスでも買って帰るか?」
始業式の帰り道、はるか達は残暑の暑さに参りながら帰っていると同じく帰り道をあるくうてなとキウィを見つけた。
「あら、2人とも今帰り?」
「うてなちゃん!今日は早く終わったから皆で遊ばない?」
「い、いいね」
「えーはるかっぴと小夜はともかく貧乳バカとも~?」
「チッそれはこっちの台詞や何でアンタみたいなアホ団子女と」
「アン?」
薫子とキウィが睨み合っていると真珠やネモやこりすも向こう側から歩いて来た。
「あ、いたいた。うてな~」
「真珠ちゃん達だ」
「あっ!海に行った時に遊んだねぇ」
「久しぶりね3人とも、真珠さんとネモさんのその制服第二中だったかしら?」
「あ・・・まぁ、そっす・・・」
「ごめんね小夜この子まだ人見知りしてて~」
皆集まった事でワイワイ話しているとチリンという鈴の音を響かせながらアイスキャンデーと書かれた手押し車を押した背の低い女性が歩いてきた。
「冷たい、アイス、美味しい、アイスキャンデー、いりませんか?」
――――――――――
――――――――
――――――
「そうだ。あのアイスキャンデーを皆で食べていたら眠くなって・・・(テレパシーは通じない。これじゃあ小夜ちゃんと薫子ちゃんがどこに居るか分からない。変身アイテムはポケットに入ってるけど、こりすちゃんがいる所でギンガホーンと相談出来ないし・・・)と、とにかく早く皆と合流してここから出ないと!こりすちゃん離れない様にしっかり手を握っててね」
「・・・・」(コクリ)
はるかはこりすの差し出した右手をしっかり握るとベッドから立ち上がり扉へ向かおうとする。
「それじゃあ、ここから(ぐい)わわ、どうしたの?こりすちゃ・・・ん?」
扉を開けようとこりすの手を引っ張って出ようとした時、後ろから手を引っ張られ、はるかは最初こりすが引っ張ったかと思ったがはるかが引っ張られた手は左手。こりすの握っている手と違う事に気づき変に思い振り返ると
「オオオオオ・・・」
左手が長い腕に捕まれておりその腕はベッドの下に続いておりベッドの下に土気色の顔をしたお化けの様な者が居た。
「キャアあああああ!!?」
「・・・・!」
それを見たはるかは悲鳴を上げて手を振り払うとこりすの手を引き慌てて部屋から脱出し廊下を無我夢中で走りしばらく走った所でへたり込んだ。
「ハァハァハァ・・・何アレ?お化け、お化けナンデ?」
「・・・・♪」(キラキラ)
はるかは息を整えながら先程見た者は何だったのかと思いこりすはどこか楽しそうに目をキラキラさせていた。
「うぅ・・・何なのここぉ・・・早く皆と会いたいよぉ・・・」
ギシッ
「「!?」」
はるかがそう泣き言を漏らしていると廊下の曲がり角から誰かが歩いて軋む様な音が聞こえた。
ギシッギシッギシッ
「だ、誰?うてなちゃん達なの?」
「・・・・・」(ジッ)
はるかが怯えた声で聞き、こりすが警戒する様な視線を向ける中曲がり角からヌゥとワンガワンガが現れた。
「チャッチャックゥー」
「わあああぁぁ!?」
「・・・・!?」
その姿を見た瞬間はるはは又こりすの手を引き逃げ出しそれを見たワンガワンガはマラソン選手の様な綺麗なフォームで走り追いかけてきた。
「チャッチャッチャッアー!!」
「わあああぁぁ!?何だか思ったよりも早いよぉー!?」
ワンガワンガはあっという間にはるか達に追いつくとバッと手を伸ばしこりすの髪を掴んだ。
「・・・・ッ」
「こりすちゃん!このッ手を離しなさい」
こりすの髪を引っ張られた事ではるかは慌てて止まり髪を掴んでいるワンガワンガの手を剥がそうとするがワンガワンガは鬱陶しそうにはるかを振り飛ばした。
「チャックゥ!」
「キャッ!このぉ・・・えい!」
吹っ飛ばされたはるかは廊下に飾ってあった壺を咄嗟に取りワンガワンガに投げつける。
「ギャ!?」
投げつけられた壺に当たったワンガワンガは怯み思わず手を離してしまう。
「こりすちゃん、早くこっちに!」
「・・・・!」
はるかの叫びでこりすは急いではるかの元へ急ぎワンガワンガが痛みで蹲っている内に急いでその場を離れた。
――――――――――
――――――――
――――――
「ハァハァハァ・・・一先ずは撒けたかな?」
「・・・・・」
何とかワンガワンガから逃げ切れたはるかとこりすは先程とは別の部屋に隠れて一息吐いていた。
「(それにしても・・・さっきの怪人、あれ前に戦って倒したワンガワンガだよね?まさか又蘇ったの?でもそれをしたイリエスは死んだ筈だし・・・まさかエノルミータか他のバルバンが蘇らせた?ううん、それも気になるけど・・・一番気になるのは)
はるかはチラリと隣に座っているこりすを見て
(あの魔人、ずっとこりすちゃんを狙っている様に見えたけど気のせいかな?)
――――――――――
「もーイヤーッ!!何なのよ此処ぉ!?どうやったら出られんのよぉ!!」
「だー引っ付くな鬱陶しぃ!!」
「何でそんな酷い事言うのよぉーッ!!」
「・・・・」
別の所では真珠が屋敷の雰囲気に怯えながらネモにくっ付きそんな真珠をネモが鬱陶しそうに引き剥がそうとギャーギャー喧嘩しておりその喧嘩を呆れ気味に聞きながら薫子が先頭を歩いて探索していた。
「部屋からは出られたけど窓は開かんし壊されへん、こらぁ完全に閉じ込められたなぁ」
薫子はそう言いながら手に持っていた木片で窓をカンカンと叩きながら調べていた。
「や”-何今の音ぉー!?」
「窓叩いただけだろうっせーな!!・・・・アンタ天川さんだっけ?ワリィなコイツ昔から怖いの苦手でよ」
「まーしゃぁないやろこないな状況やし、そう言えば昔からって言ってたけどアンタ達幼馴染みなん?」
「ん?まぁ・・・そうだな幼稚園の頃から(クイッ)うおわぁ!?」
ネモが薫子に自分達の事を説明していると突然袖を引っ張られ慌てた声を出してモジモジしている真珠に振り返った。
「なっ・・・んだよビビらせんなよ!?」
「だって・・・トイレ・・・行きたいんだもの・・・」
「「はぁ?」」
モジモジして顔を赤らめてそう言う真珠にネモと薫子は思わず呆けた声を出す。
「しょーがないでしょ!さっきのアイスの所為よ!!」
「はぁ・・・もうその辺でしてこいよ」
「いや怖いモン!!」
そう言って駄々をこねる真珠に薫子は飾ってある花瓶を取る。
「ほなこの花瓶にしよし。大丈夫や誰も見いひんから」
「成る程アンタもそういう感じなのね・・・・!アンタ達他人事だと思って「ロールラー」へ ?」
薫子を睨み文句を言おうとした時、花瓶から小さな声が聞こえ言葉が止まってしまう。
「ネ、ネモあんた何か言った・・・・?」
「は・・・?知らねーよ・・・」
「せやったら空耳って事に「ウラウラー」ヒッ!?」
今度はハッキリと花瓶から声が聞こえ薫子が思わず花瓶を取り落とすとゴトンと花瓶が転がると花瓶の口から包帯の様な物が出てきてそれが纏まりモルグモルグになって現れた。
「ウラウラーカエセー!!」
「「「わあああぁぁ!?」」」
それを見た薫子達は悲鳴上げて逃げ出し、モルグモルグはそれをドスドスを走り追いかける。
「クッソォーー!?何だよこの屋敷はーーー?」
「知るかいな!エノルミータかバルバンの仕業やろ!!」
「え!?あ、そーだよな最低だよな!エノルミータとバルバン!」
薫子の言葉に思わずネモはドキリとしながらも慌てて同意する。
「あっ、あそこに開いてるドアがあるわ!!入って隠れるで!!」
「お、おう!!」
薫子達は開いてる部屋に駆け込むと急いでドアを閉めて鍵を掛ける。
「あ、はぁ・・・・」
「はぁはぁ、何とか撒けたか?」
「多分な・・・クソッ何やねん此処腹立ってきったわ!!」
薫子はそう言いながら苛立ちを晴らす様に近くの物に八つ当たりをする。
(チッ、マジアサルファに変身出来れば、さっきの奴もこんな屋敷も直ぐ脱出出来んのに!・・・てかさっきの奴、倒したはずのイリエス魔人族やったし、何で又復活してるんや?ギンガホークに相談出来ればいいんやけど、テレパシー使えんし・・・クソッ傍におんのに相談出来んのがもどかしいわ・・・・ッ!)
「(さっきの奴前に見た再生怪人だよな・・・?あれ以来姿が見えないヘビ女が又再生させたのか?てか「返せ」って何をだよ?)って真珠?」
薫子とネモがそれぞれ考えていると真珠が扉付近に座ってへたり込んでいるを見て考えを切り上げた。
「おい真珠、大丈夫か?立てるか?」
(なんや・・・ケンカばっかりしとるかと思ったら、さすが幼馴染みやね)
真珠を心配するネモを見て薫子は微笑ましそうな表情を見せる。
「おい真珠、どうした腰が抜けたのか?」
「ちが・・・違うの・・・」
「あ?・・・・あっ」
ネモが不審に思うも真珠のスカートの下が濡れているのを見て悟った様な声を出して手に頭をあてた。
「あーお前・・・」
「だってぇ!!」
「せやから花瓶ですれば良かったんや」
「アンタ、あの怪物が入ってた花瓶にしろって言うの!!」
「もういいから取りあえず下脱げ」
「う゛ぅ・・・」
「ウチは後ろ向いてるさかいに」
薫子はそう言って後ろを向き、ネモは真珠の着替えを手伝い始めた。
「あーあ、ニーソもダメだな。ほら早く脱げって」
「ネモ・・・真珠のパンツ持ってる?」
「一応な・・・ほらさっさと着替えちまえ」
「ありがと・・・ねぇネモのスカートも貸して」
「お前調子に乗るのも大概にしとけよ」
「ん?替えのパンツ持ってんの何?」
「「あ」」
薫子の指摘に真珠とネモはハッとして顔を赤らめてしまう。
「え、何?替えのパンツっておかしいやん。え、アンタ等って何、え?ちょっと話聞いてええ?」
「今そんな場合じゃねーだろ!」
どこか興味深そうな様子を見せる薫子にネモは慌てた様子で返した。
――――――――――
一方その頃
「うぅ・・・キウィちゃん、小夜さん皆ぁ・・・・」
うてな達はその後髪の長いお化けに小夜とキウィを攫われた後首の長い女の幽霊に追い回され、何とか逃げ切り隠れて息を潜めていた。
「うう、怖い怖すぎる・・・どうしよう?どうしたらいいの?どうしたら倒せるの?考えなきゃわたしはエノルミータ総帥マジアベーゼ・・・変身したら良いじゃん」
うてなは怯えていたが気づいた様にハッとした表情を浮かべた。
「(そうだ、わたし1人の今ならなんの問題もない。見せてあげますよマジアベーゼの力を!)トランス「ねぇ、何してるのおねぇさん?」へ?」
変身しようとしたうてなの背後に声が聞こえ振り向くとそこに左半分を覆う仮面をした少女がいた。
「ギャアアアアア!?」
何故再びイリエス魔人族が復活したのか・・・それは次回で分かります。