魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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 基本原作通りになる所はカットしていきます。今回バルバエキスについての独自解釈があります。
 サブタイトル変更させて貰いました。


第6話 アズールの決意

撮影スタジオ

 

「で?話って何ですん。ヴァーツはん?」

 

トレスマジアの写真集の撮影が終わり夕方になり、さて帰ろうかと言う時にヴァーツに話があると言われ変身を解いて別室に集まった3人はヴァーツに視線を向けた。

 

「はい、この前のゲルトゲルトと言う魔人と戦った後、廃工場であの魔人が飲んでいた巨大化アイテムを回収して調べた結果が分かったのでそれをお伝えしようと思いまして」

「何か分かったのヴァーちゃん?」

「あのバルバエキスというアイテム、どうやら飲む事で巨大化するだけで無く、その時受けた傷の回復や纏っている防具や持っている武器も巨大化出来る様な魔法や魔術らしき物が掛けられていたようです」

「あーそう言えば鎧や剣も巨大化してたな。普通に考えたら巨大化すんのはあいつの体だけの筈やし」

「ス、スゴイ!じゃあ私達もバルバエキスを飲んだらバルバンの巨大化にも対抗出来るよぉ!!」

 

バルバエキスの効果に目を輝かせて自分達もそれが出来ればと言う、はるかにヴァーツは慌てた声を出す。

 

「だ、駄目ですよ!?あれはそれが出来る代わりに寿命を著しく削る副作用があるみたいで、それ以外にもあの魔人が爆発したのは、どうやら強い攻撃を受けたら体内のバルバエキスのエネルギーが暴走する作用もあるみたいなんです。軽々しく何度も飲める代物じゃありませんよ!」

「うぅ・・・」

「でもヴァーツはん、アイツらの巨大化に対抗出来へんとウチら勝ち目ないで、あの合体技で倒せればベストやけどそれが出来へんと巨大化されるし、前みたいにエノルミータの連中が戦ってくれるとも限らへんし」

   

 ヴァーツの珍しく強い口調で止められ思わずシュンとするはるかにチラリと視線を向けつつも薫子はヴァーツにそう意見する。

 

「それはそうですが・・・・」

「あのエキス、何とか寿命削らんと巨大化出来る様に改良出来へんか?」

「分かりました・・・何とか使える様に改良してみます」

「お願いねヴァーちゃん、今はバルバンが目立った動きが無いから時間はあると思うけど・・・」

「確かに最近はバルバンの奴らの被害があったって情報が無いな、その代わりエノルミータが出現するのが増えたけどな・・・ついこの間もウチらを辱めるだけ辱めて逃げってて、ある意味バルバン以上に目的分からん奴らで腹立つわ。小夜もそう思うやろ・・・小夜?」

 

 薫子は小夜に声を掛けるが小夜は何処か心あらずと言う様子でボーっとしていた。

 

「小夜!どないしたん?」

「えっ!?あぁ、ごめんなさい聞いていなかったわ・・・」

「しっかりしいや、アンタ最近マジアベーゼの攻撃に捕まってばっかりやし、調子が悪いんか?」

「ま、まぁまぁ薫子ちゃん、ここ最近戦いが多かったし小夜ちゃんも疲れてるんだよ」

「はるか・・・ごめんなさい気を遣わせて」

 

 はるかに気を遣わせた事を気に病み落ち込んでしまう小夜を見て薫子は言い過ぎたと思い決まりが悪そうに髪を掻いた。   

 

「・・・・ほんまに調子悪いなら休みいや、あんたが倒れたらウチらも辛いんやで」

「そうですよ、ボクもマネージャー役としてそんな状態見過ごせませんよ」

「2人とも・・・ありがとう、でも大丈夫よ、私個人として決着を付けなければならない事 を考えていただけだから、それが終わったらに元の調子に戻してみせるわ」

 

 そう言った小夜には強い決意の表情を浮かべ今夜にもマジアベーゼと戦い、魔法少女としての矜持を取り戻そうと誓うのだった。

 

 

 

 

荒くれ無敵城

 

「で、次の作戦は進んでんのか?」

「えぇ、もちろんです船長」

 

 ゼイハブの問いにイリエスは余裕そうな表情で答えた。

 

「今回の儀式はヒエラヒエラの矢に222人の人間の心を集め、その力とこの星の穢れを 儀式によって混ぜ込みそれにより新たな魔獣を生み出します。前回のゲルトゲルトの時は派手に動きすぎましたが今回は、ヒエラヒエラに隠密に人の心を集めさせて既に200人は集まっています」

「ほぉ、意外と早く集まっているな」

 

 イリエスの報告を聞きゼイハブの隣に控えていたシェリンダが感心した様子で声を上げゼイハブも同様だった。

 

「フフフ、最近エノルミータの連中がトレスマジアと戦ってくれているお陰で妨害される事も無く集める事が出来たからね、射られた人間も見た目は変わらないから不信には思われても確信には至らないから奴らも早々には気づけない、このペースなら儀式も早く実行できます」

「結構な事だ。だがここで油断するテメエじゃねえだろ?」

「はい、用心を重ねて今は目立たぬ様に夜に集めさせています。集まり次第直ぐに儀式をやらせますので船長、報酬の金貨を用意してお待ちください」

  

 

 

 

夜 住宅街

 

「(やってしまった・・・・)」

 

 夜の住宅街でうてなは落ち込んだ様子で帰路についていた。

 

「(パンダ公園でアズールと戦った結果アズールが闇墜ちしそうになって解釈違いだったから魔法少女の矜持を持てって怒ったけど、そうなった原因私なんだよな・・・今後アズールとどう向き合えば・・・いや重ね重ね悪いの私なんだけど・・・・どうしょう)」

 

 そう自己嫌悪に陥りながら歩いていると

 

 ヒュッ、トス

 

「・・・・?」

 

 背中に何かが当たった感触がして振り向いたが特に変わった様子が無く、うてなは不審に思いながらも帰って行った。その様子を住宅の上で弓を構え、仮面を付けた青い天使の様な魔人ーヒエラヒエラーがほくそ笑んで見ていた。

 

 

 

パンダ公園

 

「(私は何をしているの・・・!)」

 

 アズールはボロボロの姿でへたり込み涙を流して地面を叩いた。

 

「(マゼンタやサルファにあんな事を言っておいて、マジアベーゼとの一騎打ちに挑んでおいてマジアベーゼの責めに屈して墜ちそうになっただけで無く、そのマジアベーゼに魔法少女として矜持を持てと言われ失望されるなんて、何て情けない!)」

 

 そう思い、これ以上涙を流すまいと月を見上げる様に顔を上げてふと視界に屋根に何者かが居るのが見えた。

 

「(?・・・ッあれはバルバンの魔人!)」

 

 気づくと同時に反射的にはるかと薫子にテレパシーを飛ばした。

 

「(はるか、薫子!住宅街にバルバンが出たわ)」

「(本当小夜ちゃん!?)」

「(何でそんな事が分かったたん?)」

「(それは後で説明するわ、とにかく急いで来て!私はアイツを抑えておくから)」

 

 そう言ってアズールはテレパシーを切るとボロボロの姿のまま魔人に向かって飛び上がっていった。 

 

 

「フフフ、さて次は誰を射ろうかしら「待ちなさい!」ん?」

「マジアアズール参上!バルバンの魔人、こんな所で何をしているの?」

「あら随分と来るのが遅かったわね魔法少女、それにしても随分ボロボロねお前、エノルミータとでも戦ってきたの?」

「そんな事あなたには関係ないわ、そんな事よりさっきの質問に答えなさい!」

「お前に答える義理は無いわね」

「だったら、あなたが何かやっている悪巧みを成功させる前に倒すだけよ!」

 

 そう言うとアズールは氷の剣を作り出してヒエラヒエラに斬りかかった。ヒエラヒエラは弓矢で射かけて来るがアズールはそれを全て切り捨てながら接近し斬りかかる。

 

「はあぁぁ!!」

「フンッ」

 

 その攻撃をヒエラヒエラは難なく躱し、アズールはさらに斬り付けるが全く当たらず、逆にヒエラヒエラの反撃で口から吐いた吹雪がアズールに当たり体の一部を凍り付かされてしまった。

 

「うあぁぁ!?」

「フンッ!その程度の氷の力でこのヒエラヒエラに勝とうなど片腹痛いわね」

 

 そう言ってヒエラヒエラは弓に矢をつがえ、動きが止まったアズールに狙いを定めた。

 

「丁度良い、お前も私の儀式の生贄になりな「「アズール!!」」チッもう来たのか」

 

 月夜の空からマゼンタとサルファが急いで飛んでくるのを見て、ヒエラヒエラは形勢不利と見て背中を見せて逃げていく。

 

「逃がすか、マゼンタ!」

「うん!マジカルストライク!!」

 

 マゼンタは投擲用の細長い槍を生成して魔力を込め、それを逃げるヒエラヒエラに向けて投擲した。

 

「うわぁぁぁー!?」

 

 槍はヒエラヒエラに当たり、ヒエラヒエラは細かい氷の粒になって崩れ去った。

 

「っしゃぁ!やったな、マゼンタ」

「??・・・・う、うん」

「どうしたんマゼンタ?何か気になる事でもあったん?」

「ううん、それよりもアズールの治療を優先しよう」

   

 歓声を上げるサルファに対しマゼンタは何処か違和感を覚えていたが、ひとまずはアズールの容態が気になり2人は治療に向かった。

 

 

 

「アズール大丈夫?」

「ありがとうマゼンタ、大分楽になったわ」

「それにしてもウチら大分急いだつもりやったけど、着いた時には大分ボロボロやったけどあの魔人それ程強かったんか?」

「それは・・・」

「ま、まぁまぁサルファ今日はもう遅いし、アズールも明日話してくれれば大丈夫だから」

 

 言い淀むアズールを見てマゼンタは場を取りなす様に声を掛け、明日話すようにしようと提案してサルファもアズールも頷く事になった。

 

 

 郊外 廃墟モール

 

 郊外にうち捨てられた廃墟モールに氷の粒が集まりやがてそれは人の姿を取り始め、先程倒された筈のヒエラヒエラの姿になった。ヒエラヒエラはマゼンタの攻撃を受けた際体の一部を氷の粒に変えて受け流し、そのまま全身を氷の粒に変えてやられた振りをして撤退していたのだった。

 

「フフ、まんまと騙された様ね、既に確保する人間の心はあと僅か、数が揃えば後は矢が心を吸い上げて、それを手に入れれば奴らが気づいても後の祭り、新たな魔獣の誕生よ」

 

 

 

 

 

通学路

 

「(マジアベーゼと戦ったぁ!?)」

 

 翌日通学路を歩きながらアズールは昨日の出来事をテレパシーで話し、その内容にサルファは驚いた声を出した。 

 

「(昨日小夜ちゃんが言っていた決着を着けたいって言ってた事って ・・・)」

「(何でウチらに相談しなかったねん)」

「(最近の私は情けない姿を晒してばかりだった・・・だから自分の手で汚名返上をして2人に恥ずかしくない自分に戻りたかったの、でも結局マジアベーゼに負けた上に魔人を1人で倒す事も出来なかった!こんな私じゃ魔法少女の資格なんてっ・・・・!)」

「(小夜ちゃん・・・)」

 

  落ち込む小夜に対してはるかはどんな言葉を掛けるべきか迷っていると、ふと前方にうてなの姿を見つけた。

 

「あ、うてなちゃんだ。おは「うってっなーちゃーん!!」わぁ!?」

 

 うてなに挨拶しようと声を掛けた瞬間、それに被さるような大声でキウィが叫びながらはるか達の後ろから走ってきてうてなに抱きついた。

 

「うてなちゃん、おっはよー!今日も可愛いねー!もう学校行くのやめてホテル行こー!!」

 

「アハハハ、相変わらずキウィちゃん、うてなちゃんの事大好きだね」

「仲が良いわね・・・」

「毎回毎回引っ付いて、いい加減うてなはんも怒るんじゃ「やめてくれません」!??」

  

 いつも通りのキウィのスキンシップを3人はそれぞれの表情で見ていたが、うてなの言葉で場が凍り付き、キウィが驚いた表情で見た。

 

「う、うてなちゃん、今何て?」

「やめてくださいって言ったんです。毎回毎回抱きついてきて暑苦しいし、ホテルホテルって馬鹿みたいに何度も言ってきて正直鬱陶しいんです」

 

  そう言うとうてなはキウィを邪魔そうに振りほどいて冷たい目つきでキウィを見る。

 

「これからは私に付き纏わないで貰いますか、じゃ学校に遅れるのでこれで」

 

 そう言うと1人でさっさと学校に向かって行ってしまった。

 

「・・・・・・」

「キ、キウィちゃん、元気出そうよぉ・・・」

「そ、そうよ阿良河さん、うてなさんは偶々機嫌が悪かっただけよ」

「あらあら、えろう嫌われましたな、これに懲りたら少しはスキンシップ抑えたらどうです?」

「・・・・・・」

 

 呆然とするキウィにはるかと小夜は慰めの言葉を掛けるが、キウィと仲が悪い薫子は皮肉を言うがキウィはピクリとも反応しなかった。 

 

「?ちょっと、あんた何か言い返さんのか・・・ハッ!!」

 

 不審に思った薫子が正面に回りキウィの様子を確認すると

 

「こ、こいつ、立ったまま気絶しとる!」

 

 

 

 

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