魔法少女にあこがれて~バルバン襲来   作:ロト2

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第9話からイリエス魔人族の作戦がやや変化します。後呪文は適当です。


第9話 呪いの手形

山中

 

 

「くっ」

「アズール!」

「マゼンタぁ、アカンよ助けたら」

 

 サルファの猛攻を受けアズールは防御を崩されたまらずに後ずさり、それを見たマゼンタが思わず駆け寄ろうとするがサルファがそれを止める。

 

「アズール強くなりたいって言うたんやろ、これしきでへばってたら修行になんてならへんよ」

「ッ!その通りね」

 

 そう言うとアズールは氷の剣を構えサルファに向かっていった。

 

 

 

 

 

荒くれ無敵城

 

 

「イリエス、前回、前々回と作戦が失敗して、こんな調子でいつになったら魔獣を生み出せるんだ?」

 

 ゼイハブがやや苛ついた声でイリエスに詰問するがイリエスは慌てる様子も無く答えた。

 

「えぇ、えぇ船長のお怒りはごもっともです。ですのでそれの反省も踏まえて作戦を一部を変更しようと思います」

「変更だぁ?」

「はい、ギンガマンの時や今回の時も配下の魔人に大量の生贄がいる大掛かりな儀式をやらせあと一歩の所を阻止されています。ならば今後は配下の魔人に私自身がやる大儀式に必要な魔力集めの儀式に切り替えます」

「それは今までの儀式とどう違うんだ?」

 

 シェリンダの質問に対しイリエスはその質問を待っていたとばかりにベール越しにニヤリと笑った。  

 

「この魔力集めの儀式自体は今までの儀式と変わらず生贄から生命なり感情等の生体エネルギーを得るというのは変わりませんが、集めた魔力を触媒に貯めて置く特徴があります。さらに例え儀式が途中で中断されても触媒に集めた魔力は無くならなず、この貯めた魔力は大儀式に必要なエネルギーの代わりに使えます。これなら一々人間を集めず、トレスマジアに気づかれるのも遅らせて、魔獣を生み出す大儀式を行う事が可能です」

 

「ほぉ、どうやらちゃんと考えてある様だな 」

「よしイリエス、だったらその方向で作戦を進めろ」

「はい、そう言うだろうと思い既にガーラガーラに作戦を進めさせています。吉報をお待ちください船長」

 

 

 

放課後 通学路

 

 

「うてなちゃ~ん」

「キ、キウィちゃん、そんなにくっついたら危ないよ」

「だってさ~この前のバルバンの魔人の所為でうてなちゃんとイチャつけ無かったしその分を補充したいんだよー」

「そ、そうなんだ」

「あっ、そういえばさ商店街で最近よく当たる占いの店がやってるんだけど、今開店記念で555人まで無料なんだってさー折角だから一緒に行こーよ」

「う、うん良いよ」

  

 

 

商店街 占いの店付近

 

「オー、あった、あったここだ」

「スゴイ並んでるね・・・」

 

 占いの店には長蛇の列が並んでおり、その長さにうてなはやや気圧されていた。

 

「キウィちゃん本当にこの列並ぶの?・・・」

「モチロン、折角無料だから来たんだしアタシらの恋愛占いしよーよ!大丈夫、大丈夫こう言う列は意外と早く流れるモンだからさ」

 

 そう言うとキウィはうてなを連れて列に並んだ。そこへはるか達が歩いてきた。

 

「あ、うてなちゃんにキウィちゃんだ。こんにちは」

「こ、こんにちは、はるかちゃん、水神さん、天川さん」

 

「こんにちは、うてなさん」

「こんにちは、うてなはん、何の行列に並んでますん?」

「私達、よく当たるって言う占いの店に占って貰おうって並んでるんです。良かったらはるかちゃん達もどう、かな?」

「エー、うてなちゃんコイツら誘うの?」

「あらあら、たかが占いの店に誘うだけで難色示すなんて、随分心狭いですなぁ」

「ンだとコラ」

「ま、まぁまぁ2人とも」

 

 いつもの様にいがみ合うキウィと薫子をはるかが宥め、2人は店の前でいがみ合うのも馬鹿らしいと感じお互いににらみ合いつつも矛を収めた。

 

「そう言えば、お前ら今朝は随分遅かったけど何かあったのか?」

「うぇ!?えーとそれはその」

「もう直ぐ夏も近いから水着が似合う体になろうと、3人で朝早くにジョギングをして遅れてしまったのよ」

 

 キウィの質問にはるかは、しどろもどろするが小夜が直ぐにフォローする様に誤魔化した。

 

「ふーん」

「そうなんだ、あ、それで占いの店はどうしますか?」

 

 それを聞いた2人は納得した様な声を出すと、うてなはもう一度同行するかを聞いた。

 

「うーん、ゴメンね、うてなちゃん私これから買い物に行かなきゃならないから」

「ウチも悪いけど別の用事あるから一緒に行けへんわ」

「私は大丈夫よ、折角だからこれからの事を占って貰おうかしら」

「分かりました。だったら水神さんも一緒に行きましょう」

「チェ~私はうてなちゃんと二人きりが良かったのに」

   

 キウィはやや不満そうにするも小夜の分のスペースを空け、小夜はそこに加わり3人はそのまま行列に並ぶ事になり、はるかと薫子と別れてしばらくするとうてな達の番が回ってきた。

 

 

占いの店 店内

 

 

「はい、いらっしゃい何を占いますか?」

「アタシ、恋愛占いで!!」

「あ、じゃあ私は人生占いで・・・」

「私も人生占いでお願いします」

「分かりました。ではこれを」

 黒いローブを纏い赤い仮面を付けた占い師に聞かれ3人がそれぞれ答えると、占い師は3人に紙とインク瓶を渡した。 

 

「これは?」

「私の占いは占う人の手形を取り、その手形を見て占うんです」

「へー何か変わってんな」

「こ、これで良いですか?」

 

 占い師にそう言われ3人は手形を取って占い師に渡すと早速占い師は占いを始めた。

 

「フームムム・・・これはこれは、そこのお団子髪のお嬢さん」

「エ、私?」

「あなたの好いている相手とはいずれ大きな転機が訪れるでしょう。その時が訪れるなら迷わず自分の気持ちに素直になる事です。そうすれば想い人とより親密になれるでしょう」

「マジで!ヤッター!!」

「そして、短い黒髪のお嬢さん」

「は、はい」

「あなたに近い将来とても大きな試練が訪れます。それを乗り越えたら良い事があると出ました」

「え、えぇ・・・」

「最後に髪の長いお嬢さん」

「はい」

「あなたも近い将来、あなたやあなたのお友達に生涯を歩むパートナー達が現れるでしょう。その時が来たら受け入れるのが吉でしょう」

「え?」

  

 占いの結果に三者三様の反応を示しながらも占いが終わり3人は占いの店を出て行った。

 

「やった、やった、もっとうてなちゃんと親密なれる♪バッチ来いー転機ー!!」

「(大きな試練って、間違いなくエノルミータ関連だよね・・・ハァ、何だかすごく嫌な予感するなぁ・・・)」

「( 生涯を歩むパートナー・・・それも私だけじゃ無くて友達も・・・多分はるかと薫子の事よね、それらが現れるって一体どういう意味なのかしら?)」

 それぞれが喜び、憂鬱、疑問の感情を抱きつつも3人はそれぞれ帰路について行った。

 

 

 

学校 グラウンド 

 

「生涯を歩むパートナー?小夜ちゃんだけじゃ無くて私や薫子ちゃんにも?」

「何か胡散臭いなぁ」

 

 次の日学校の体育の授業の時間に準備運動をしながら小夜は昨日の占いの結果をはるか達に伝え、はるかはやや驚き、薫子は疑わしげな表情を浮かべた。

 

「大体生涯を歩むパートナーってなんなん?結婚相手か?」

「結婚相手とは限らないんじゃ無いかしら、パートナーって相棒って言う意味もあるし」

「相棒かぁ、どんなひとなのかなぁ・・・」

「案外ヴァーツみたいな妖精かもね」

「ま、占いなんて話半分に信じてれば良いやろ、信じすぎるとあのアホみたいになるで・・・」

 

 そう言って薫子はうてなに猛アプローチをしているキウィを見る。

 

「うてなちゃーん!!」

「あわわわ」

「アハハハ・・・」

「ま、小夜はそう言うタイプじゃ・・・小夜、その手の痣はなんなん?」

「え?」

 

 

 

郊外 森

 

 

「急げ、その手形の束は祭壇の中央に置け!」

「了解ッス」

 

 そうヤートット達に指示をしながら赤い仮面を着け5対10本の腕を生やし、背中に円環を背負った魔人ーガーラガーラーは儀式の準備を進めていく。

 

「フフフ、まんまと上手くいった。後はこの手形を通して手形の持ち主から生命エネルギーを吸い出し魔力に変えて貯めるだけだ。全ては偉大なるマザーイリエスの大儀式の為に」

 

「準備完了したッス」

「よーし!」

 

ヤートットからの報告を聞くとガーラガーラは宝石の付いた杖を取り出して呪文を唱え始めた。

 

「ガーラガーラスクンダリニィティー ・・・」

 

 ガーラガーラが呪文を唱えると祭壇が光り始め、エネルギーの様な物が溢れ出し、杖の先端にある宝石に吸い込まれ始めた。

 

 

学校 グラウンド

 

「うっ!?」

「「小夜(ちゃん)!?」」

 

 突然小夜が倒れ2人が慌てて駆け寄るが彼女以外にもうてなやキウィ、何人かの生徒も倒れていく。

 

「これは、小夜ちゃんやうてなちゃん達の手が光ってる?」

「(倒れた小夜やうてなはん達、それに倒れた生徒の何人かは昨日占いの店で見た顔やこれは・・・)」

 

 周りの様子を見た薫子ははるかにテレパシーを送る。

 

「(はるか、バルバンや!こんな陰湿な手使うんはアイツらしかおらん、小夜達を保健室に運んだら急いであの占いの店行くで!)」

「(分かったよ、薫子ちゃん!)先生、小夜ちゃん達を保健室に運びに行きます!」

「あ、あぁ頼んだ・・・」

 

 はるかに強い口調で言われ体育の先生は反射的に返事をし、それを聞くとはるかと薫子は小夜やうてな達に肩を貸しながら保健室へ向かって行った。

 

 

 

商店街 上空

 

 

 

小夜やうてな、キウィや他の生徒を全員保健室に送るとはるか達は直ぐに学校の屋上に向かい変身すると急ぎ商店街へ向かって飛んでいった。 

 

「あったよ、アレ!」

「直ぐにこんな儀式潰したるわ!!」

 

 サルファは店の近くに着地すると直ぐに店の戸を蹴破り入るが中はもぬけの殻だった。

 

「居ない・・・」

「クソッ儀式は別の場所か・・・」

「でも何処を探せば?」

 

 マゼンタとサルファが何処を探すべきかと悩んでいると小夜からテレパシーが届いた。

 

「(マゼンタ、サルファ・・・今どこに居るの?)」

「(小夜ちゃん!?無理しないで!)」

「(今は、そんな事、言ってる場合じゃ無いでしょ、何処に居るの?)」

「(・・・今私達は今占いの店に居るけど敵の姿が見えなくてとにかく空から敵を探そうと思うの)」

「(そう・・・だったら、私の魔力を探りなさい・・・)」

「(小夜ちゃんの?)」

「(えぇ・・・どうやら敵の儀式は私の魔力も吸い上げて居るみたいだから、学校以外に私の魔力の反応がある筈、それを辿ればきっと)」

「(分かったよ、小夜ちゃん!必ず皆助けるからそれまで頑張って!)」

「(えぇ・・・お願いね・・・)」

 

 苦しげな声の小夜からの助言を聞き連絡を終えるとマゼンタはサルファに向き直る。

 

「サルファ、学校以外にアズールの魔力の反応がある筈だからそれを探そう!」

「了解や、テレパシーでさっきの話は効いた、直ぐに見つけるで」

 

 そう言うと2人は魔力探知を始め、やがて校外の森の方にアズールの魔力を感じ取った。

 

「見つけた、行こうサルファ!」

「今度こそ、儀式を潰したるわ!」

 

 そう言うと2人は直ぐに商店街から飛び立って行った。

 

 




うてな達エノルミータ陣営は嫌いじゃ無いのに何だかイリエス編は、エノルミータ側が碌な目に遭ってない・・・

エノルミータファンの皆様ごめんなさい。
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