それはそれとして第4にして最後の行動隊長ブドー編の開始です。
第92話 汚染
はるか自宅
【・・・この番組は変わらぬ美しさを目指すATENAと、完璧な結婚式をあなたにブライダンの提供でお送りしました。】
「なつな、あきほ、みふゆー!朝ご飯出来たから運ぶの手伝ってー!!」
「「「はーい!」」」
はるかはテレビを見ていた妹達に手伝う様に言うと自身はエプロンを外して冷蔵庫から牛乳を取り出してちゃぶ台に向かおうとすると、ふとTV画面に目を向けるとちょうどニュースがやっていた。
【次のニュースです。最近〇〇町や××町等で木が急に枯れたり、池の水が腐り魚の大量死等が確認されています。】
【もービックリですよ。幾ら冬だからって言っても昨日は何とも無かった家の木が今日見たら枯れて折れてたんですから。】
「(ギンガホーン、これは・・・)」
〈(間違いない、魔獣の仕業だ。この前の戦いで幾らか縮める事は出来たが前よりも被害が広がっている・・・)〉
「(ど、どうすればいいのぉ・・・?)」
〈(まずは朝ご飯を食べよう。お腹が空いては戦いは出来ない。ご飯を食べ終えたら小夜や薫子、シオちゃんズと合流して魔獣を探そう。全てはそこからだ)〉
荒くれ無敵城
いつもの部屋でゼイハブは壁に掛けられたバルバンの海賊旗と各軍団長の旗を見つめていた。すで4つの軍団旗の内3つに喪章が掛けられていた。
「イリエス、サンバッシュ、そしてバットバス・・・アイツらはこの宇宙海賊バルバンの船、モビーディグの為に命を掛けて役目を果たした。テメェもそれ位の成果を上げて貰わなきゃ困るぜ、なぁブドー?」
そう言いながらゼイハブは振り返り最後の軍団長になったブドーに視線を向けた。
「委細承知。このブドーすでにモビーディグを捕獲する為の準備は整ってございます」
「フン、ようやく情報収集が終わったのか。だがあの強大なモビーディグどうやって捕まえるつもりだ?」
「言った筈だ準備は整っていると。例の物を持って来い」
シェリンダの皮肉げな問いにブドーは変わらない様子でヤートットに命じるとヤートットはゴロゴロと青い薬液が入った筒を持ってきた。
「何だコレは?」
「これは亡きビズネラの部屋から拝借した眠り薬でござる。コレを使いモビーディグを眠らせてしまえば前の様な抵抗をされる事無く操る事が出来まする」
「だがモビーディグはマゼンタの力で弱ってる上に地中の中だ。どうやって眠り薬を使うつもりだ?」
「拙者の調べた情報によるとモビーディグは穢れを好みそれを喰らう事で成長する魔獣。ならばモビーディグの好む穢れを播きモビーディグをおびき寄せそこに眠り薬使いまする、そして!」
そう言うとブドーは一つの巻物を取り出した。
「この巻物にはモビーディグの好む穢れと捕獲する方法を全て書き出してございまする、一つずつ虱潰しにやっていく事で、モビーディグを必ずや捕らえてご覧に入れます」
「よーしブドー、ギンガの光を見つけ出したテメーの手腕期待させて貰うぜ。必ず捕獲作戦成功させろ」
「この名刀ギラサメに掛けて必ず」
××町 池
「これで浄化出来たよぉ・・・」
「へぇ、あんな臭かった水がこんな綺麗になっちゃった」
「間近で見るとすごい力ですわね」
「2人とも見るのは良いけど警戒も怠っちゃダメだよ☆」
マゼンタ達はニュースで放送されていた池に行くとマゼンタは浄化をし、アズールとサルファはモビーディグの気配とバルバンの城を探し、シオちゃんズは周りの警戒をしていた。
〈しかし、此処を浄化出来てもモビーディグを倒さねば又同じ事が起きる。このペースで行けば後数年でこの星が汚染され尽くしてしまう〉
「そんな・・・」
「ギンガルカ、気配は分かる?」
〈ダメ、また深い所に居るみたい。気配が掴めない〉
そんな事を言っていると真化星獣モードになったサルファが幽体のギンガホークと共に降りてきた。
「お帰りなさいませサルファ様、バルバンの城の場所は?」
「ダメや陸地や海を粗方探したけど影も形も見えんわ」
〈破滅の意思の気配も感じられねぇ、かなり高度な隠蔽術を使ってるみたいだ〉
「そうですの・・・ッこの気配は」
パンタノペスカが何かの気配を感じるとハッする。
「皆様エノルミータの気配ですわ!」
「こんな時にアイツらかい・・・」
〈モビーディグやバルバンが見つからない時に・・・〉
〈だが行かない訳にもいかんだろ・・・〉
〈久しぶりにあの人達と戦わなきゃダメなのか・・・・〉
「み、皆・・・」
「し、しっかりしてこれも星を守る為の戦いだから」
エノルミータが出たと言う情報を聞き星獣達は思わずゲンナリした様子を見せそれをマゼンタやアズールは宥めながらエノルミータが現れたという場所へ向かっていった。
荒くれ無敵城
いつもの部屋はブドーが持ち込んだ畳や屏風や小道具が置かれそこでブドーは畳に正座し墨を擦っていた。
シャッ、シャッ、シャッ
「おいブドー何を呑気に墨を擦っている!早くモビーディグの居場所を探して捕獲作戦を開始しろ!!」
「もう見つけておる。モビーディグは現在此処にいる、そして捕獲する策も既に開始されているでござる」
「何ぃ!?」
苛ついた声で作戦を急かすシェリンダにブドーは落ち着いた様子で返しながら畳に置いてある地図の一カ所に筆で丸を付ける。
「だったらその策を早く説明しねぇか!」
ゼイハブが作戦を説明するように怒鳴るとブドーは巻物を開く。
「モビーディグ捕獲作戦其の一[モビーディグは金属汚染を好む物なり]現在我が配下の1人、札僧正が呪いの札を使いあらゆる金属を溶かし地面に染みこませてモビーディグをおびき寄せているでござる。モビーディグが出てきた所に札僧正が眠り薬を染みこませた札を使えばモビーディグを眠らせて捕まえる事が可能、かもしれませぬ」
そう言ってブドーは短冊に筆でサラサラと文字を書くとシェリンダとゼイハブにバッと見せた。
「金属を 呪いの札で 腐らせる」
街中 駐車場
「見てみて、この前買ったんだー。良い車でしょ?」
「えー!すごいじゃん最新のじゃん。今度乗せてよー!」
「良いわよー!・・・・ん?」
新型の車を友人に自慢していた女性は何かが近づいてくるのを感じふと其方に視線を向けるとそこに白い肌に烏賊の様なヒゲを生やし白を基調とした法衣、紅い格子模様で彩られた金色の袈裟、そして頭上へと鋭く伸びた立帽子を身に纏った高僧の様な魔人ー札僧正が錫杖を鳴らしながら歩いて来た。
「えっ?何アイツ・・・」
「何かヤバイ・・・乗って逃げるよ!」
「逃がさん・・・・フッ!」
逃げようとする車に対し札僧正は菱形に芒に月が書かれたマークの付いた板を開き中の札に何かを書き込むとそれを吹きかけ車や近くの街灯や自販機に幾つも貼り付けた。
「な、何よコレー!?」
「腐り札・・・オン!」
札僧正がそう言って印を結ぶと札が貼られた車、街灯、自販機がドロドロと溶けアスファルトを抜けて地面に染みこんでいった。
「あーー!?アタシの車ーーー!!ローンまだあるのにーー!!」
「まだこの程度の穢れでは魔獣は現れんか・・・」
車を溶かされた女性の悲痛な悲鳴を無視して札僧正はボソリと呟くとサッサとその場を後にしていった。
街中 上空
「マジアベーゼー!いつもいつも皆に迷惑掛けてもう許さないんだからぁーーー!!」
「面白いですね許さないというならどうすると言うんですかぁ?(ア”ア”ア”久しぶりマジアマゼンタと戦えてる~~しかも同じ真化状態の戦いなんて・・・これは燃えるーー!!)」
そんな内心をおくびにも出さずマジアベーゼ・クヌムは真化星獣モードになったマゼンタの獣撃槍を防ぎながら満足そうに戦っている中、他の場所でも戦いが続いていた。
「行けよ影犬!!」
ルベルブルーメ・アヌベトが影が影犬を生成するとサルファとパンタノペスカ目掛けて一斉に飛びかからせる。
「ルベルブルーメの奴、いつの間に真化を・・・雷霆掌連!!」
「パンタノドール迎撃しなさい!」
向かってくる影犬にサルファとパンタノペスカは自分の技で迎撃をし影犬を全て倒していく。
「引っ掛かったな本命はこっちだ影縫い!!」
だがそれを見越していたルベル・アヌベトは攻撃した隙を狙いサルファとパンタノペスカの影を狙い短剣を投擲し、短剣が影に刺さると2人の体が動けなくなってしまった。
「「なっ!?」」
「ヨシッ一気に決めろロコ!アタシが見ててやるから!」
「え、ちょっ」
そう言ってルベル・アヌベトはロコムジカ・ハトホルの影に入り込むとロコムジカを上から見上げる。
「ちょっと、ルベル・・・恥ずかしい・・・」
「しゃーねーだろ!こうしなきゃ威力上がらねぇんだから。影縫いが効いている内に撃て!!」
「分かってるわよ!フォルテシモ・カノン・エネルジコ!!」
ロコムジカ・ハトホルは恥ずかしがりながらも自身の最大の攻撃を動けなくなっているサルファとパンタノペスカに放った。
「「ッ」」
「させないわ!」
防御魔法や土の壁を出せない2人は思わず息を呑むが影を縫っていた短剣が凍って砕けると同時にアズールが2人の前に立ち攻撃を受け止めた。
〈アズール!悪い助かった〉
「アズール様!凄いボロボロになってしまって・・・・色々見えていてエロいですわ!!」
「コイツ・・・・」
「げっアズールあんた何で此処に!レオパルトとアリスが足止めしてた筈じゃないの!?」
「彼女達ならイミタシオとベルゼルガが足止めしてくれたわ。そんな事より覚悟しなさい私の仲間を危険な目に合わせた事後悔させてあげ(皆さん大変です!!)ヴァーツ?」
――――――――
ガキィン!ガギィン!
「お~やるじゃんベルゼルガ~前より強くなってね?」
「エヘヘ、当然昔よりもシオちゃんへの想いが強くなってるから」
「へ~、でもアタシだって過去のアタシよりも想いが強くなってるから負けね~ぞ!」
「上等!」
レオパルト・セクメトとベルゼルガが武器を打ち合う中ネロアリス・ジャバウォックとイミタシオの戦いはイミタシオが若干押されていた。
「「ジャバウォックパンチなのだわ」」
「うわ!(クソ半分人形の所為かペイントフル系が通り難い上にパワーもあるから体格差も含めて押し込まれる。そもそも元の姿はこっちが大きくて向こうは小さいのに真化したら逆の立場になるのが今だに慣れん・・・どうすれば)」
そんな事を考えているとイミタシオとベルゼルガにヴァーツからのテレパシーが届く。
(皆さん大変です!!街のビル街にバルバンが出ました。急いで向かって下さい!!)
「「ッ」」
それを聞いた2人は武器を振るい相手を弾くと距離を取った。
「「どうしたのだわ?」」
「どうやら戦いは此処までだバルバンが出たらしい」
「「!」」
――――――――
〈マゼンタ、やむを得ない。バルバンを先に倒さねば〉
「分かったよぉ。ベーゼ勝負は一旦預けるよぉ」
「む、そのセリフは私が言うセリフです。折角の楽しい戦いまだ逃がす訳には行きません」
マゼンタは離脱するのをベーゼ・クヌムは邪魔しようとするがその前にイミタシオが急行して立ち塞がる。
「マゼンタ先に行って!ここは私が抑えるの☆」
「ありがとうだよぉ!イミタシオ」
〈すまんイミタシオ。隙を見つけたら直ぐに離脱してくれ!〉
マゼンタとギンガホーンはイミタシオに礼を言うとその場急いで離脱し、その直後にベルゼルガとパンタノペスカ、ベーゼを除いたエノルミータメンバーが集まるとしばらく睨み合うがやがてお互いにフッと力を抜いた。
「・・・お前、最初からマゼンタは逃がすつもりだっただろ?何で邪魔する様な演技をした」
「いやぁ、バルバンが出た以上見逃すつもりだったんですが良い戦いをしている途中で見逃すと言うのも体裁が悪くて・・・丁度良い言い訳も思いつかなかったのでああいう行動になってしまって・・・・」
「コイツ面倒くさい」
イミタシオの質問にベーゼ・クヌムが恥ずかしそうに指をツンツンさせながら言うとベルゼルガはバッサリと切り捨てて言った。
「はぁ・・・取りあえずお前等は本拠地に戻ってろバルバンは私達が倒しておくから」
「あ、それなんですが」
イミタシオが疲れようにため息を吐いて帰る様に言うとベーゼ・クヌムがひょいと手を上げる。
「わたし達は一旦撤退しますがバルバンと戦う魔法少女の勇姿は間近で見たいので又後で適当な理由付けて戦いに介入するのでその時はよろしくお願いしますね♡」
そう笑顔で言うとベーゼ・クヌムは仲間を連れ影のゲートを通り撤退していった。
「・・・・アイツ何でいつもあんな感じで戦えるんだ?」
「シオちゃん、あんな奴の頭の中考えるのムカつくからやめた方が良いよ」
「まぁこれこそがベーゼ様ですし。ドエロい事してくれるなら私的にはオールオッケーですわ!」
「ペスカ、消えてマジで」
今年の更新はこれで最後になります。一月はいつ頃の更新になるか分かりませんが、なるべく早く更新できるようにします。
来年もこの作品をよろしくお願いします。